【NEWS】木暮"shake"武彦『幻の55年』ミニレポート

【NEWS】木暮“shake”武彦『幻の55年』ミニレポート

2015年04月12日

木暮“shake”武彦　『幻の55年』2015バースデイライブミニレポート
2015/3/8 ＠虎の門カメリーノ

TEXT：株本和美

作曲家、R＆Rギタリストとしてレベッカやレッドウォーリアーズで一世を風靡した木暮“shake”武彦（Guitars：以下木暮）の誕生日を記念しての『幻の55年』2015バースデイライブが、3月8日に虎ノ門にあるイタリアンレストラン・カメリーノで開催された。この日は、ミックこと三国義貴（Keyboards：以下三国）もキーボードで参加し、プレミアムなライブに華を添えた。

ロウソクが灯されたステージ背景には、プロジェクターで水辺や木々の映像が映し出されており、小鳥のさえずりや川のせせらぎ、オールをかく音が心地よい森の音源がBGMで流れている。高まる期待と緊張がピークに達しようとしたその時、一本のギターを抱えた木暮が姿を現した。拍手と歓声がおこる中、満員の客席をそっと見渡し「『幻の55年』にようこそ。集まってくれて幸せです。最後まで楽しんでいってください」と語り、笑みを浮かべた。

こうして1部は、木暮自身が、北海道の釧路川でカヌーに乗った時に録音したという“森の音”に乗せてギターを奏でるインストゥルメンタル「カヌーJAM」でスタート。自然音と見事に調和し絡み合うギターの旋律は、様々に表情を変えながら聴く者をどこか遠い世界へいざなうかのようで、観客は思い思いに身をゆだねて聴き入っていた。

2曲目は、三国のキーボードが加わり「5月」を披露。そして、昨年発売されたアルバム『透明な夜』の中からボーカル入りの楽曲「孤独の太陽」と、新曲「名もなき谷を走れ」、さらに、この日が本当に初披露だという新曲「ノクターン（仮）」と続く。後半は、再び三国が加わり「亡霊の秘そむところ」と「LIFE」を熱演し、1部を終えた。

2部では予告通りレッドウォーリアーズやサイコデリシャス時代の曲と、60年代のポップスのカヴァー曲で構成。三国も参加し、初めて好きになった洋楽や、初めてギターを引いた曲など、エピソードを交えながらの楽しいステージに、ファンも大興奮。普段のライブではなかなか聞けない楽曲もあり、スペシャル感もひとしおであった。

アンコールでは、バラをあしらったスペシャルケーキがファンからのサプライズでプレゼントされる場面も。「おめでとう」コールと拍手が沸き起こるなか、少し照れくさそうに感謝の言葉をのべた木暮のラストソングは、レッドウォーリアーズの名曲「バラとワイン」。イントロが始まるやいなや、大盛り上がり。観客も一体となり大合唱で幕を閉じた。

木暮は、現在真最中のツアー『オンボロの車転がして TOUR2015』に加えて、木暮を中心とするピンク・フロイドを愛するミュージシャンたちが結成したトリビュートバンド【原始神母（PINK FLOYD TRIPS 2015）】のライブを控えている。また、新アルバムも制作中とのこと。55歳という節目を迎えた木暮のさらなる境地に注目が集まる。

Setlist

●1部
M01. カヌーJAM
M02. 5月
M03. 孤独の太陽
M04. 名もなき谷を走れ
M04. ノクターン（仮）
M05. 亡霊の秘そむところ
M06. LIFE
●2部
M01. Wild Cherry Blues
M02. Another Day，Another Time
M03. 悲しき鉄道員
M04. 朝日のあたる家
M05. 青い影
M06. バスストップ
M07. 長い旅の終わり
M08. 不思議な旅
●アンコール
E01. “演奏曲秘密”
E02. バラとワイン