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【NEWS】fadeのメンバーがこれまでの活動とこれからを語るミニインタビュー

2014年06月07日

先日、無期限活動休止を発表したfade。彼らが今回、無期限活動休止に至った経緯と、ラストツアーに向けた意気込み、そしてこれからの彼らの展望についてを語るミニインタビューに応じてくれた。

 


 
syugou-029_3—無期限活動休止をメジャーアルバムリリースのタイミングに決めたのは何故だったのでしょうか?ファンの目線では「これからではないか…」と、困惑されていると思うのですが。
 
rui:世間的な意見からするとそう思われるかもしれませんね。ただ、メジャー契約を発表したのが2012年の末に、渋谷wwwで行ったワンマンライブの時。そこで「次の年に出すよ」って言って、結局出たのは再来年。契約が決まってから2年くらい過ぎているんです。
 
その間に、そのほかのことも含めて結果的に自分たちのコントロールが効かない状態になっちゃったというのが、この決断に至った決め手でした。最初は自分たち5人で始めたものが、事務所やいろんな人が関わってくれるようになって、まあドンドン大きくなって気が付いたときには…
 
—もうその決断しかなかったのでしょうか?
 
rui:「まだバンドを続けたい」と言い続けたメンバーもいたけど、何人かは「ほかの道を追求したい」と言い始めていたんです。リーダーの立場として俺がそれを聞いたときに「ああ、だったらもう無理だな」って思いました。強制的にやらせるものではないし、これだけテンションが下がっちゃったら、もう良いものもできないだろうし。「それだったら、活動を休止したほうがいいだろう」という感じになりましたね。でも、もし何年後かにまた何かやりたいと思うことがあれば、俺としてはその場所を作っておきたかったし、解散よりは「活動休止」にしておきたいと思ったんです。
 
—その意味では逆に、その活動を再開する方向は「必然」ではないということでしょうか?
 
rui:なんとも言えないですね。みんなそれぞれ考えもあるだろうし、みんなの気持ちがまた同じ方向に向くようなときがあれば、そうすればいいと思うし。
 
—なるほど。方向の違いを感じてから、決断を下すまではどのような経緯をたどったのでしょうか?
 
rui:メジャー契約はしたけど、いろんなところでドンドン話が変わって、箱を開いて見たものは、自分たちの思い描いていたものからすると全く違ったものだったんです。それで結果的にみんなのバンド活動に対するテンションが下がっていった。それでも、「アルバムを出すまではやり続けよう」っていう意識はあって、とにかく作業は続けていました。でもアルバムは出たけどプロモーションも何もなくて。それで「こんな感じだったら、インディーズでやっていたほうが全然よかったんじゃないの?」って思い、活動を止める決心も固まり、6月に改めてツアーを行ってそこで区切りをつけようということにしたんです。
 
—たとえば「現状のメジャー契約などの課題を整理して、改めてインディーズでやり直す」という打開策を選択する考えはなかったのでしょうか?元々fadeというバンドで志した目標をあきらめるというのも、苦渋の決断だったと思いますが。
 
rui:あったかもしれませんね。でもそのしがらみを無くしたとしても、もう(取り返すことができないくらいに、)本当にメンバーのテンションが下がってしまった。同時に「ほかのことをやりたい」と思い始めたメンバーが出てきたことが、この決断を決定づける要因としてはデカかったし。だったら、もうバンドでやっていく必要はないでしょう。
 
今まで本当にいろんなことを乗り越えてきたけど、それは「このバンドをやりてぇよ!」っていう気持ちがあったからこそやって来られたと思うんです。でも、その気持ちが変わってくると、やっぱりまた全然別の話でしょう。やっぱり「何よりこのバンドでやりたい」と思うのであればそうすべきだと思うし、逆に違うことをやりたいと思っているメンバーがいるのであれば、人間としても友達としても、それを頑張ってもらいたいと思うんです。
 
Jon:やっぱりバンドって、「やりたいからやる」というものだと思う。そうでなければならない。みんなfadeのメンバーである前に、一人の人間だから。それぞれの人生にとって、「こうすべき」「こうやっていきたい」という気持ちを、尊重すべきだと思うんです。
 
—難しいところですね。活動に対して、逆に何か心残りなことはありますか?
 
kansei:僕はfadeを始めてもう15年になるんです。Jonが入って12年。そういう意味では、僕は音楽を始めてからずっとfadeなんですよ。自分的には本当に勝負だったから、毎回それなりに作品作りに対してやるべきところは、自分なりには出してきたつもりです。
 
もちろん後悔というか、「この時こうしておけばよかったな」っていうことはある…個人的に「もっと残せたことはあるかな」っていうのはあります、ギタープレイとかでね。でも、みんなそれぞれ事情なんかもあるだろうけど、これだけ長くやって来られたっていうことは、(心残りというよりは)嬉しかった。メンバーも替わらずここまでやって来られたっていうことを、僕は誇りに思っているんです。
 
—そういう気持ちは、やっぱりほかのメンバーにも同じようにあるということでしょうかね。
 
Jon:あとまあ、敢えて言えば…バンドがもっとビッグになればよかったな、って(笑)。まあそれを言ってもね。頑張るしかないけど。
 
—今回のリリースの中でボツになった曲があるということですが、その点に関してはどうでしょう?
 
rui:今回リリースしたアルバムについて、俺たちとしては、フルアルバムで全部新曲で勝負したかったのが、レーベルの提案でベスト盤になっちゃったということもあり、俺たちが思い描いていたものが全部崩れちゃったっていうのはある。だから(当然)終わっちゃうくらいだったら、自分たちの納得がいくものを出して終わりたかったな、っていう気持ちはあります。大人たちが「こうしろ」「ああしろ」って注文してくることを、まあ聞かざるを得なかったという状況も当時はあって、それでも「やるしかねえ」と割り切って、何とかリリースにはこぎつけたんですよ。割り切ってやることで何かが見えてくることもあるかな、と思ったからです。でも、結局そういうものは見えてこなかったですしね。
 
—その事前に準備されていた曲というのは、どのような作品なのでしょうか?何らかテーマやコンセプトに従った形で作られていたのでしょうか?
 
rui:いや、そういう統一されたテーマのようなものはなかったけど、fadeって海外のファンも多いし、そこに向けてやっと発信できるものが作れたかな、って思っていたんです。だから日本でどうのこうのっていうものではなくて、もっと広い視野で見たときに「こういう音源なら勝負できるんじゃないか?」っていう観点で最初に書いていました。
 
—その未発表の曲を3曲、今度のライブでは来場者に配られるとのことですが、そういう意味では、その3曲では済まないというのが正直なところなのでしょうね。
 
rui:それは当然。
 
kansei:まあ、いろんな事情もありますから(笑)
 
noriyuki:ruiは元々30~40曲は書いていましたからね。
 
—なるほど。それがファンの耳に届かないのは、かなり残念なことではありますね…今後の活動に関してはいかがでしょう?活動休止にはなるけど、それは当然前向きな考えとして一つの区切りを設け、新たな道をそれぞれ進むということになると思いますが…
 
Jon:まあ、それぞれあるかもしれない、自分もいろいろ考えているところなんかもあるけど、それはまた改めてそれぞれのTwitterやらブログなんかでまた改めて発信していきたいと思う。だから、それを楽しみにチェックしておいてもらいたいですよね。
 
—なるほど。では、引き続きその動向には注目していきたいと思います。最後にファンに対してのメッセージをいただければと思います。
 
Jon:今度のツアーに関しては『HISTORIA』というテーマがありますが、この12年の5人の活動を、みんなにもう一回改めて表したい。俺たちが頑張って「いいな」って思いながら今まで作ってきた音楽を、最後にライブハウスのステージで出来るだけ聴いてもらって。ここまでの俺たちと、個々からの出発点という気持ちがあるんです。難しいかもしれないけど、「ごめんなさい」というよりは、今まであったことを、改めてすごく大切にして祝って、終わりにしたい。ここでみんなベストを尽くして、今までずっと応援してきてくれた人も、新しくfadeのファンになった人にも、みんなに俺たちの音楽を通していい気持ちにしたい。それだけが今の気持ちなんです。
 
kansei:今回の公演は、ライブハウスごとにそれぞれ違うセットでやるんです。ベストと言うか、アルバムごと、あるいは簡単に期間とか、一枚目からとか、様々区切って構成するというコンセプトなので、リハをやっていても結構みんなヤバいなっていう感じ。最近やっていない曲もあって、思い出すのに苦労していて(笑)
 
—それでは逆に、「全公演来い!」くらいの意気込みもありそうですね。
 
kansei:そうですね、そういう気持ちは当然あります。
 
Jon:もちろん全公演それぞれ、来る価値の十分あるステージにしますよ。
 
5°:応援してきてくれた方々には、感謝の言葉しかない。だから最後に、集大成となるセットリストでやっていくので、みんな感慨深くなって泣いたりするかも。メンバーは泣くかどうかは分かりませんが(笑)、やっぱり楽しく笑顔で、メンバーそれぞれの新たな道を温かく送り出してもらえたらと思います。
 
noriyuki:が言いましたが、活動休止前の集大成、俺たちの区切りという意味はある。ただ、今までfadeに一度でも触れたことがあるのであれば、「若い時に戻って楽しもう」と思ってもらい、ひょろっと遊びに来てくれたら嬉しいなと思うんです。そしてそういう人の期待に応えられるツアーにできればと思っています。
 
12年やってきている中で、みんな同じように年を取ってきたファンの人っていると思うんです。俺たちが12年前にやり始めた20代の時に、ライブハウスなんかに普通に遊びに行っていた人は、みんな就職したり結婚したりして落ち着いてしまって、ライブハウスにも行くことはなくなった、そういう人も多いと思う。そんな中でも、少なからずとも、もしその人の中で俺たちに触れたことがある人とか、そんなライブシーンなんかに触れながら最近機会が無くなったという人もいるでしょう。
 
その人たちにもう一回、「またそういうところにもう一回戻ってみようかな」と思ってもらえる、もう一回ライブシーンや音楽などに触れるきっかけにしてもらえればいいなと思っています。結構対バンで、頑張っている若手の子なんかと話をしていると、俺たちに対して「昔、聴いていました」とか、「影響を受けました」と言ってくれる子もいるんですが、そういう子たちににも是非見てもらいたい。
 
rui:今回のライブは、俺の中では複雑な気持ちもあって「やりたくないな」と思う気持ちもあるんです。やる気がないわけじゃないけど、やり切ったらもうその後がないわけじゃないですか、このバンドは。でも、12年間やってきた締めとして、俺たちがどうこうというより、応援してくれたファンや支えてくれたスタッフのために、しばらく間が空くかもしれないけど、恩返しというか・・・いや、恩返しっていう言い方もおかしいかもしれないけど。昔からのアルバムの曲を全部やってね。
 
でもまあ面白いですよね。自分でも久しぶりに自分たちの音を聴いていたんですよ。今回やる曲は全然やっていない曲もあったので、練習しながら聴いていて。自分のアルバムって、俺はほとんど聴かないんですよ。作っているときは聴くけど、リリースされたら全く。だから昨日も聴きながら「ああ、こんな感じだったな」みたいな、思い出すものが自分の中にはあって。
 
そういう中で、今noriyukiが言ったように、俺たちの音から離れていったファンや、ライブハウスに行かなくなったような人たちは、その当時聴いていた音楽を聴けば絶対に、思い出みたいなものはよみがえってくると思うんです。そういう意味で、俺もライブをやっていて思い出がよみがえってくることってあるだろうし、そんな部分がこのステージでみんなとシェアできるといいな。まずは楽しんでこのステージをやり切り、次のステップに向かって突き進んでいければと思います。
 


ライブ情報
fade_flyer【Crossroad Live Tour 2014 ~HISTORIA~】
2014年06月07日(土) 【大 阪】心斎橋CLUB DROP
2014年06月09日(月) 【愛 知】名古屋 ell.FITS ALL
2014年06月12日(木) 【東 京】渋谷WWW【FINAL】

※先着にて来場者へ未発表曲を各会場それぞれ1曲を収録したCDをプレゼント!
サンプル:


「Never Say Die」(6/7大阪公演配布)


「Emblem of Resilience」(6/9名古屋公演配布)


「GLORY」(6/12東京公演配布) 

尚、FINALステージについては、BEEASTにてライブ取材を実施予定。乞うご期待!


オフィシャルサイト
『Crossroad Live Tour 2014 ~HISTORIA~』特設サイト
http://fadeonline.com/crossroad2014
fadeオフィシャルサイト
http://fadeonline.com/
ユニバーサルミュージックジャパン オフィシャルサイト
http://www.universal-music.co.jp/fade