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ロックヘッドライン
【続きは書店で!】サウンド&レコーディング・マガジン 2012年10月号
表紙 フライング・ロータス
判型
ページ数 ページ
定価 フライング・ロータス 現代の最重要クリエイターが新作を発表 ベールに包まれた制作環境を初公開!円
JAN
商品コード B0092YD5MU
発行所 リットーミュージック
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目次

■巻頭特集
フライング・ロータス
現代の最重要クリエイターが新作を発表
ベールに包まれた制作環境を初公開!
Low End Theory~ロサンゼルスのビート・シーンをバックグラウンドとしつつ、ジャズ、エレクトロニカ、アンビエントをも飲み込んだ斬新で刺激的な音楽を紡ぎ続けているスティーヴン・エリソンによるプロジェクト=フライング・ロータス。WARPからの3作目となる最新作『Until The Quiet Comes』は、独特のよれたローファイ・ビートを主体に、色彩豊かなサンプルやボーカル、生楽器が万華鏡のように層を成し、トム・ヨーク、エリカ・バドゥらのゲスト参加も彩りを添えるサイケデリックな傑作となった。これまで自身のビート制作環境についてはあまり詳しく語りたがらなかった彼だが、今回のインタビューでは初めて使用ソフトにも言及。スタジオ写真やディスコグラフィを交えつつ、いま世界で最も注目を集めるクリエイターの制作手法に肉迫する。

■特集(1)
EQのツボを知る!
楽器ごとの“効くポイント”教えます
理想のサウンドにするためにはEQでの処理は欠かせない。しかし、その特性を理解した上で処理している人は意外と少ないのではないだろうか? 音を聴きながらやみくもにかけるのもありだが、骨の折れる作業であることは間違いない。そこで本企画ではあらためてEQの基本について、EQタイプや楽器ごとにかけるべきポイントなどをWebからダウンロード可能なマルチトラック素材を使い、エンジニアに指南いただいた。そして主要DAWに付属するEQの解説、さらには近年進化が著しいプラグインEQの新製品をプラグイン・マニアに紹介してもらっている。これらを総合的に学べばEQのツボが分かり、狙ったサウンドへの近道が見えてくる。

■特集(2)
パワー系ロック・ドラムをソフトで再現
BFD2/EZ Drummer/Addictive Drumsでレッチリ、メタリカ、ニルヴァーナ、バトルスに迫る!
バンド系のアレンジや打ち込みにとって、今や必須アイテムとも呼べる生ドラムをシミュレートした音源ソフト。各ソフトが内蔵するさまざまなドラム・キットを使い分けることで、誰もが手軽に本格的なサウンドを手に入れられるようになった。とは言え、ロックのだいご味でもあるパワフルなドラムのニュアンス再現は、ある程度のコツが必要な作業でもある。そこで今回はレッチリ、メタリカ、ニルヴァーナ、バトルスといったパワー系ロック・ドラムのフレーズをピックアップし、各ドラム・パターンをFX PANSION BFD2、TOONTRACK EZ Drummer、XLN AUDIO Addictive Drumsの3機種のソフトを用いて再現を試みた。各ソフトごとのサウンドの比較ができるのはもちろんだが、ドラムの打ち込み&音色作りのノウハウもマスターできるので、Webに掲載した音を聴きながら読み進んでいただきたい!

■Cross Talk 鈴木Daichi秀行×Tom-H@ck
噂のiPad向け本格DAWアプリ「Auria」を試してみた!
シンセ、リズム・マシン、MIDIコントローラーなど、音楽用のiPadアプリが続々とリリースされている昨今。しかし、どちらかと言えばアイディアのスケッチ用やパフォーマンスに向けられたものが大半を占め、腰を据えて音楽制作を行うには物足りなさがあったのも事実。そんな中、密かに話題となっているのが7月に発売されたWAVEMACHINE LABS Auriaだ。最大48トラック&24ビット/96kHz対応のDAWアプリで、PSP AUDIOWARE製ChannelStripやMasterStripを備えた本格的なミキサーがスタンバイ。さらにサード・パーティの専用エフェクトをアドオン(有料)することによって、幅広い音作りにも対応するという。果たしてAuriaは実戦で“使える”ものなのだろうか?

■ミックス解剖学
リンキン・パーク「バーン・イット・ダウン」
by マニー・マロクイン
海外のトップ・エンジニアに、自身の手掛けたヒット曲のミックス手法を直接解説してもらう本連載。今回登場していただくのはマニー・マロクイン。これまでアリシア・キーズやリアーナといったR&B系アーティスト、そしてカニエ・ウェストやジャスティン・ビーバーなどのメジャー・ヒップホップ勢を手掛けてきた彼は、現在ブラック・ミュージック界屈指のエンジニアとして地位を築いている。そんな彼がリンキン・パークのニュー・アルバム『リヴィング・シングス』のミックスを全曲担当したと聞けば、意外に思う人も多いのではないだろうか? 今回は、マロクインがリンキン・パークのヘビー・ロック・サウンドをいかなる方法で作り上げたのか、シングル・カットされた「バーン・イット・ダウン」のミックスを例に見ていこう。

■Classic Tracks
ナイン・インチ・ネイルズ「クローサー」
ドラッグにむしばれて衰弱していく男の厭世(えんせい)観、自己嫌悪、破滅願望などを綴ったナイン・インチ・ネイルズのコンセプト・アルバム『ザ・ダウンワード・スパイラル』からシングル・カットされた「クローサー」は、主人公の性的な妄執や欲求不満をテーマにした曲である。そのスキャンダラスな内容もさることながら、女優のシャロン・テートが4人の友人とともにカルト集団マンソン・ファミリーのメンバーによって惨殺された、いわゆるシャロン・テート殺人事件の現場となった屋敷でレコーディングされたという事実。もっとも、“彼ら”と言ってもこのバンドの正式メンバーはトレント・レズナー1人であり、マーク“フラッド”エリスとの共同プロデュース体制で制作されたこのアルバムについても、レズナーがすべての曲の作曲とボーカルを担当している。ここでは『ザ・ダウンワード・スパイラル』のエンジニアリングを手掛けたショーン・ビーヴァンのインタビューを通し、当時の制作過程について迫った。