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TEXT:岡田真理 PHOTO:万年平男
2009年10月18日「高円寺ShowBoat」にて『第6回人間椅子倶楽部の集い』が行われました。人間椅子は、1987年に結成されたロックバンド。現メンバーは和嶋慎治(以下和嶋:Vocal & Guitar)、鈴木研一(以下鈴木:Vocal & Bass)、ナカジマノブ(以下ノブ:Vocal & Drums)の3人。人間椅子はハードロックやヘヴィーメタルを基調としながらも、和嶋と鈴木の出身地である青森の『津軽三味線由来の旋律』を絡めたサウンドと、津軽弁を意識した歌い方が特徴的。 文学的な楽曲だけでなく、ステージ衣装にも和服を用いるなど、普通のロックバンドとは一味も二味も違った超個性派バンド。今夜はファンクラブ限定のライブイベントということで、盛り上がること間違いなし!ライブ以外にも抽選会があるとのことで、楽しみもひとしおです! 「高円寺ShowBoat」前にはオープンを待ちわびる多くのファンが列を成していました。男女問わず、20代からアラフォーまで様々な世代のオーディエンスが人間椅子のファン層の広さを感じさせます。会場がオープンするとDJブースには鈴木の姿が!ライブ開始前には人間椅子のメンバーが交代でDJを担当し、それぞれのお気に入りの曲や青春時代に聴いた思い出の曲を流すという演出で会場を盛り上げました。ライブ前だというのにフロアはすでに熱気で溢れています。 会場が暗くなると、ステージが赤いライトに包まれ、メンバーの登場。和嶋は和服に身を包み、手には彼のトレードマークとも言える赤いSG。もうお馴染みとなった袈裟姿の鈴木は、真っ白な化粧を施しての登場。ノブがゆっくりカウントを取りながらシンバルを響かせると、1曲目は今年発売になったベスト盤に新録が入ったことで話題になった「陰獣」。彼らの演奏を待ちわびていたオーディエンスから、さっそく拳が上がります。この曲のボーカルは鈴木の読経のようにも聞こえるその歌声からスタート。中間部からのテンポアップに合わせて入る和嶋の畳み掛けるボーカルに、オーディエンスは頭を上下に激しく揺らしてリズムを取ります。 3曲目の「ED75」では、赤と青のライトがステージを紫に染め、その下で叫びにも似た鈴木の声が再び響きました。ノブが叩く力強いドラムビートが床からオーディエンスの体に伝わってきます。続く「暗い日曜日」は和嶋がボーカルを担当。ファンたちは揃って激しくヘッドバンギングし、和嶋のギターソロが始まると一斉に拳を突き上げます。 続いて、ライブはカバーコーナーへ。最初のカバー曲はKISSの「Nothin’ To Lose」。これはノブのセレクトです。ノブがボーカルを取り眼鏡が飛んでいってしまうほど、シャウトを思い切り響かせました。次は人間椅子がお遊びでやっているフォークグループ、古いチョコレートの曲「おはぎ」。これはThe Beatlesの「Oh! Darling」の替え歌で、和嶋のセレクト。次は鈴木が選んだBlack Sabbathの「Wicked World」。最後は、人間椅子が某バンドのトリビュートアルバムに参加することになったということで、そのバンドの曲を人間椅子バージョンで披露しました。 9曲目には11月4日発売の新譜から「浪漫派宣言」を披露。このライブでの演奏でPV撮影をすることが発表され、オーディエンスのテンションが一気にヒートアップ!鈴木が軽くヘッドバンギングしながらベース音を響かせると、そこに和嶋のボーカルが重なり、オーディエンスは今まで以上に激しく揺れました。MCでの予告通り自らの「ギター!」のかけ声で突入した和嶋のギターソロでは、一斉に拳が高く上がり、オーディエンスもPV撮影に一役買います。 このライブはファンクラブ限定の集いということで、今度は抽選会が始まりました。用意された商品は、「人間椅子賞」(サイン色紙とTシャツのセット)、「人間椅子特賞」(ベスト盤発売ツアー特大ポスター)、そしてメンバーそれぞれからの「個人賞」。和嶋の用意した商品は、レコーディングで使用した壊れたスピーカー。当選した方は、果たしてどうやって持ち帰ったのでしょうか? 抽選会が終わると、再びライブに戻ります。12曲目のレアナンバー「山椒魚」では、青いライトの中、ベース音がリズムを刻むと、会場は「わぁっ!」という歓声に包まれました。和嶋が歌い始めると、ゆっくりとしたリズムに合わせてオーディエンスは再び上下に頭を揺らします。軽快なリズムとスローテンポを繰り返すにつれて、会場は徐々に一体感を増し、曲の最後は和嶋のギターソロ。そこにいる誰もが酔いしれるように聴き入っていました。 「次は俺が歌わせてもらいます!」と叫んでノブがドラムを激しく叩くと「猿の船団」。和嶋と鈴木のコーラスに合わせて、オーディエンスが叫びます。和嶋が柵に乗り上げてギターソロを見せると、より一層の盛り上がり!ラストソング「桜の森の満開の下」は鈴木のボーカル。肩を揺らしてスローなリズムに身を任せていると、途中からリズムは速くなり、それとともに会場のボルテージもアップ。最後は大きな拍手の中、メンバーはステージを後にしました。 拍手はそのままアンコールを求める手拍子に変わり、まもなくメンバーがステージに戻ります。ドラムビートが激しく響くと、ファンにはお馴染みの曲「天国に結ぶ恋」。ボーカルの和嶋はセンターで再びギターソロを響かせます。アンコール最後の曲はイカ天時代からの彼らのレパートリーである「針の山」。Budgieの「Breadfan」に日本語の歌詞を乗せたこの名曲にオーディエンスは狂喜乱舞。曲が終わると、メンバーは何度もオーディエンスとハイタッチを繰り返し、ステージから去っていきました。 オリジナルの世界観たっぷりのステージを披露してくれた人間椅子。男女問わず、幅広い世代のファンがひとつになって彼らの音楽に酔いしれている様子が、とても印象的でした。人間椅子は、新譜「未来浪漫派」(全13曲)を2009年11月4日に発売。それに際して関東でのインストアイベントと、全国ツアー『未来浪漫派ツアー』を行う予定になっています。和嶋はビーストコラムにて「浪漫派宣言」を連載中。次回は新譜「未来浪漫派」に触れるとのことでこちらからも目が離せません。 来年もこのファンクラブ限定イベントは行われるとのこと。彼らのステージを一度でも見たら、その魅力に吸い込まれて入会してしまうかもしれません!
【人間椅子 公式サイト】
http://www.ningenisu.com/ 【人間椅子 公式ブログ】 http://ningenisu.exblog.jp/ 【インフォーメーション】
【セットリスト】
01. 陰獣 En1. 天国に結ぶ恋 |