演奏

遠藤ミチロウ

TEXT & PHOTO:鈴木亮介

「吐き気がするほどロマンチックだぜ!」これ以上的確に、そのステージの魅力を表現した言葉があるだろうか…。遠藤ミチロウ、60歳。還暦を過ぎてもなお、アコギ片手に「アンプラグド・パンク」の最前線を突っ走る様は、生きるレジェンドとさえ評されるほどだ。そして、数え切れないほど多くの後進に今も影響を与え続けている。そんな遠藤ミチロウが、年明け早々ぶっ放してくれた。昨年末のトリビュートアルバム発売を記念して、飛ぶ鳥を落とす勢いの新星黒猫チェルシーと、V系ロックのフロンティアMERRYとの、一夜限りの豪華競演だ。今宵の渋谷O-EASTはいったいどのような色に染められていくのか。今回はミチロウ初心者の小生が「観た」「聴いた」「震撼した」景色を、写真メインでお届けしたいと思う。
 
午後6時、開場と同時にステージ最前列へ走りこむ人の群れ!若い女性が多いようだ。開演まで1時間あるというのに、ものの10分でステージ前数列はびっしり。この日のチケットは事前に全てSOLD OUT。会場の随所には「本公演では、出演バンドによる様々なパフォーマンスが予想されます。予めご了承の上、ご入場ください。」という文言が掲示されていた。そう言われても、「様々」をどう「了承」したらいいんだ…と心の中でつぶやきつつ、カメラを手に。刻一刻と開演の時が迫る…やはり開演が近づくと、会場は身動きが取れないほどびっしりの人で溢れる!

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そして午後7時、ついに幕開け!冒頭、ステージに上がったのは黒猫チェルシーだ。メンバーは渡辺大知(Vocal)、澤竜次(Guitar)、宮田岳(Bass)、岡本啓佑(Drums)の4名で、全員90年代生まれ!高1の春である2007年に結成し、メジャーデビューから1年足らずながら、その名を知らぬTeenagerは皆無と言えるほどの人気者だ。渡辺大知がいつもの学ラン姿で登場すると、最前列の女子は瞬時にカナリヤと化し、大熱狂!
 
冒頭から、”活きのいいロック”をぶっ放す4人。「オンボロな紙のはさみ」「ユメミルクソブクロ」など突っ走ったのち、「毛にからまって」ではグッと妖艶な空気に。渡辺大知の絶叫ともがくように暴れるステージング、そしてビシビシくる重低音が絶妙に絡み合う。
 
MCでは澤竜次から「ミチロウさん、還暦おめでとうございます!あと60年生きてください!」と遠藤ミチロウを激励(?)する一幕も。そして、「負け犬」のカバーや「廃人のロックンロール」など、一気にたたみかける。クライマックスは「嘘とドイツ兵」!サビの「誰か俺の背中をかいてくれよ」では、オーディエンスとのシンクロ感に震撼させられる!!
 
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◆黒猫チェルシー 公式サイト

http://www.kuronekochelsea.jp/

◆セットリスト
M01. オンボロな紙のはさみ
M02. ユメミルクソブクロ
M03. (新曲)
M04. (新曲)
M05. 毛にからまって
M06. 女にロック
M07. (新曲)
M08. 負け犬
M09. 廃人のロックンロール
M10. ベリーゲリーギャング
M11. 黒い奴ら
M12. 嘘とドイツ兵

 
◆インフォメーション

2011年03月06日(日)【東 京】渋谷・duo music exchange
2011年03月18日(金)【静 岡】Live House浜松 窓枠
2011年03月20日(日)【広 島】MUSIC CUBE
2011年03月20日(日)【香 川】高松・SUNUKI ROCK COLOSSEUM
2011年03月21日(月)【岡 山】岡山・IMAGE
2011年03月23日(水)【福 岡】福岡・DRUM SON
2011年03月25日(金)【大 阪】大阪・Music Club JANUS
2011年03月26日(土)【愛 知】名古屋CLUB UPSET
2011年03月29日(火)【栃 木】宇都宮・HEAVEN’S ROCK VJ-2
2011年03月30日(水)【新 潟】新潟・Live Hall GOLDEN PIGS RED STAGE
2011年03月31日(木)【石 川】金沢・AZ
2011年04月05日(火)【埼 玉】さいたまHEAVEN’S ROCK VJ-3
2011年04月06日(水)【宮 城】仙台・PARK SQUARE
2011年04月09日(土)【東 京】鶯谷・東京キネマ倶楽部


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2階席までも溢れんばかりの観客。もはや身動きがほとんど取れない。続いて2組目の登場はMERRYだ。メンバーはガラ(Vocal)、結生(Guitar)、健一(Guitar)、テツ(Bass)、ネロ(Drums)の5名。2001年の結成以来、一貫してこのメンバーで「レトロック」と呼ばれる独自の世界観を追究してきた。今回の「THE STALIN遠藤ミチロウ トリビュートアルバム」には「オデッセイ・1985・SEX」で参加している。
 
ステージ中央には、MERRYファンにはおなじみの学校机が登場。1曲目「夜光」からジェットコースターのようにぶっ飛ばしていく。ツインの暴走ギターにひとたび身を任せると、グイグイと牽引されていく。たまらない。ガラはマイクスタンドを両手で握りしめ、右足を机に置く。かと思えば机上に仁王立ち。そして、飛び跳ねる!
 
4曲目には今回のトリビュートアルバム参加曲「オデッセイ・1985・SEX」を披露。「こんなにドラムって近かったか」と思うほど、ネロのパワフルなプレイに圧倒される。そしてボーカル・ガラはたまらず上半身裸に。そこには間違いなく、若き日の遠藤ミチロウが乗り移っていた!
 
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◆MERRY 公式サイト

http://merryweb.jp/

◆セットリスト
M01. 夜光
M02. ロストジェネレーション -replay-
M03. sweet powder
M04. オデッセイ・1985・SEX
M05. [human farm]
M06. Friction XXXX
M07. オリエンタルBLサーカス
M08. ジャパニーズモダニスト
M09. T.O.P


◆インフォメーション

2011年03月24日(木)【仙  台】HooK

2011年03月26日(土)【 柏  】Thumb Up
2011年03月29日(火)【熊  谷】HEAVEN’S ROCK熊谷
2011年03月31日(木)【名古屋】OZON
2011年04月01日(金)【岡  山】IMAGE
2011年04月03日(日)【大  阪】umeda AKASO
2011年04月08日(金)【赤  坂】BLITZ


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時刻は午後8時半を少し回ったところ。セッティングのため暗転したステージにTHE STALINの旗が高々と掲揚されると、会場からは「スターリンスターリン!」の熱いコールが起こる。そして、遂に今宵の主役・遠藤ミチロウ率いるTHE STALIN ZがここO-EASTのステージに降臨!!
 
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ミチロー!!」怒声の如き喚声があちこちから湧く中、遠藤ミチロウはマイクを握り、こう切り出した。「みんな今日はありがとう!今日始まる前に、辛い報告をしなきゃいけません。THE STALINのギターだったタムが、先日、亡くなりました。」突然の告白に、騒然とする会場。そして再び遠藤ミチロウが語り出すと、水を打ったように静まり、次の言葉を待つオーディエンス。「まだ52歳という若さで天国に行ってしまいました。タムがいなければTHE STALINはありませんでした。奇しくも発売記念というライブですが、タムのために、みんな楽しんでいってください!」
 
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そして、遠藤ミチロウは拡声器をマイクに近づけ、高らかとサイレンを鳴らす。それはまるで、追悼のサイレンのように。そのまま、「ワルシャワの幻想」がスタートする。今宵のステージはTHE STALIN Z。バンドメンバーの中村達也(Drums)、MO’SOME TONEBENDERより百々(Guitar)、RIZEよりKenKen(Bass)といった豪華メンバーが次々とステージに現れるのに見とれていると、気づけば遠藤ミチロウが手にマッチを持っているではないか!カメラをかつぐ最前列の我々取材陣に向けて、次々と爆竹が投げ込まれる!そして間髪入れずにCO2のジェット噴射!童心に返った表情の遠藤ミチロウ御歳60、今宵もやりたい放題である。
 
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「猟奇ハンター」「バキューム」とパワフルに暴走していく。遠藤ミチロウの絶叫に、客席も頭を振って応じる。「先天性労働者」ではKenKenが気持ちよさそうに揺れるのが印象的。いつしか遠藤ミチロウもTシャツを破り捨て、上半身裸で踊り狂う!それにしても鍛えられた腹筋には驚き。音楽に対するストイックな姿勢をその引き締まった腹筋から見せつけられ、夢中でシャッターを切っていた小生は思わず恐縮してしまった。
 
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中村達也の刻むビートにその都度心躍らされ、もう興奮がおさまらない。そして数えること13曲目、今宵のタイトルにも使われている「ロマンチスト」が始まると、もうアドレナリンは最高潮!「吐き気がするほど~ロマンチックだぜ~」会場が一体となっての、2分半の大熱唱が終わるや否や、突如アンプにビニールシートを貼り始めるスタッフ。何事かと固唾を呑んで見守っていると、なんと遠藤ミチロウが豚の頭部を持って現れた!その頭部を高らかと天にささげると、思い切りキス!
 
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何やら不穏な予感…は的中!続けて、ステージに運ばれたのはバケツ。中にあるのは、臓物だ!不敵な笑みを浮かべる遠藤ミチロウ。次々と取り出しては、内臓を客席へ、投げる!投げる!飛び散る!オーディエンスも負けじとステージへ投げ返す!我がカメラレンズにも、内臓が飛び跳ねる!!
 
「STOP JAP」「爆裂ヘッド」とまだまだ走り続け、叫び続けるTHE STALIN Z!そして60分超のステージのラストを飾る「虫」では、葬花と思しき菊の花束を手にする遠藤ミチロウ。花びらを次々と口に含んでは、天に向けて噴き出す。綺麗な華吹雪が、ステージに彩りを添える。そして、「お前なんて知らない」という歌詞を、今宵遠藤ミチロウは「お前しか知らな~い」と変えて、何度も何度も叫んでいた。そこに染み入る、百々のギターリフ。
 
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アンコールで披露されたのは、「負け犬」と「仰げば尊し」。そして2度目のアンコールでは、遠藤ミチロウがアコギ片手に一人で登場。タムへの挽歌としてJerry Jeff Walkerの「Mr. Bojangles」を弾き語り、最後は深々と頭を下げ、ステージを後にした。
 
「お前なんて知らない」…これは、タムとの決別を選んだ遠藤ミチロウから、タムに向けて吐き出された言葉だとされている。それから幾年の時を経て、今宵この言葉は、「お前しか知らない」とリライトされた。「お前しか…」本当に解かり合えた者にしか発することのできない言葉だ。自分には、こんな言葉を贈ることのできる戦友がいるだろうか。臓物を浴びた今宵の帰り道、ふとそんなことが頭をよぎった。
 

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◆遠藤ミチロウ 公式サイト

http://www.apia-net.com/michiro/
 
◆セットリスト
M01. ワルシャワの幻想
M02. 猟奇ハンター
M03. 365
M04. 天ぷら
M05. バキューム
M06. アーチスト
M07. 水銀
M08. 下水道のペテン師
M09. 先天性労働者
M10. GO GO スターリン
M11. アザラシ
M12. 溺愛
M13. ロマンチスト
M14. 撲殺
M15. STOP JAP
M16. STOP GIRL
M17. 爆裂ヘッド
M18. 解剖室
M19. 虫
M20. 負け犬(encore)
M21. 仰げば尊し(encore)
M22. Mr.Bojangles(encore)

 
◆インフォメーション
2011年03月01日(火)【京  都】ウーララ
2011年03月02日(水)【福知山】SoundRATT
2011年03月05日(土)【米  子】ワンメイク
2011年03月06日(日)【出  雲】LIBERATE
2011年03月08日(火)【下北沢】THREE
2011年03月11日(金)【宮  崎】WEATHERKING
2011年03月12日(土)【鹿児島】LiveTrain69号
2011年03月13日(日)【人  吉】ベアーズ・カフェ
2011年03月14日(月)【熊  本】Django
2011年03月19日(土)【学芸大学】アピア40
2011年03月24日(木)【札  幌】KRAPS HALL
2011年03月25日(金)【帯  広】STUDIO REST
2011年03月26日(土)【北  見】夕焼けまつり
2011年03月31日(木)【渋  谷】7thFLOOR


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