演奏

C.J Ramone JAPAN TOUR 2010

TEXT:桜坂秋太郎 PHOTO:株本和美

PhotoRAMONES、全世界に熱狂的なフォロワーを生んだ永遠のアメリカンパンクバンド。1996年の解散後もその楽曲は輝き続け、数多くのアーティストがリスペクトし、カヴァーソングをリリース。トレードマークのレザージャケットとジーンズのルックスは、音楽好きなら必ず目にしていることだろう。21世紀になりメンバーの逝去が相次いでニュースとなった。2001年4月Joey Ramone(Vocal)、2002年6月DeeDee Ramone(元Bass)、2004年9月Johnny Ramone(Guitar)。RAMONES解散後、再結成を望んでいた多くのファンの願いは、叶わぬものとなってしまった。しかし1989年からRAMONESに参加したC.J Ramone(Bass)が、2010年ソロツアーでRAMONESナンバーをプレイするツアーをスタート!日本公演は東京3DAYS。ビーストでは最終日の渋谷サイクロンを直撃取材!

人混みの渋谷センター街を抜けて会場に到着すると、すでにパンキッシュなオーディエンスがチラホラと路上で時間を潰していた。今回の“C.J.RAMONE JAPAN TOUR 2010”では、スペシャルチケットを買った人はリハーサルを見学できるプログラムがあり、会場内に入るとまさにそのスペシャルな空間に目を輝かせているオーディエンスの姿が。このような企画は、本当にファン思いのプログラムだと思う。関係者の苦労は想像を超えたところにあるものの、日本のライヴシーンに定着して欲しいプログラムだ。開場時間になると、次から次へとパンク大好きなオーラが全開のオーディエンスで会場は早くも一杯。初日と二日目の公演は「高円寺HIGH」で行われたが、そちらも同じように満員御礼状態だったとか。まさにRAMONES大好きっ子(永遠のキッズ)達が、待ち焦がれていた証だと言える。

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SEが流れオープニングアクトに登場したのは、CHILD KITCHEN KNIFE。メンバーは、chucky(Vocal)・KENTA(Guitar)・JASON岩田(Bass)・キンキン(Support Drums)。何でも急に決まった出演だそうで、少な目の3曲を全力でプレイ。おそらくCHILD KITCHEN KNIFEを初めて聴いただろうオーディエンスも、その全力プレイに体が揺れている。C.J. RAMONEのオープニングという大役に、正直緊張があったのは観ていて感じる。しかし、ラストナンバーの「PUNK ROCK NEVER ENDS」では、オーディエンスをしっかりあおり、会場を十分に暖めることに成功。演奏力もあり、フルのステージを観てみたいと思ったオーディエンスも多いはず。今後の活躍に期待したい。

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【CHILD KITCHEN KNIFE 公式サイト】
http://www.freepe.com/i.cgi?ckkpunk

【セットリスト】
M01 MAIN STREAM IS DEAD
M02 UP YOUR USS
M03 PUNK ROCK NEVER ENDS

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続いてはRADIOTSRADIOTSを観るのは二度目なので、その実力はすでに知っている。メンバーは、YOSHIYA(Vocal)・HIROMITSU(Guitar , Mandolin & Vocal)・ANTON(Bass & Vocal)・YUKI(Drums)。スタートするなりエナジー全開。一度でもこのパフォーマンスを目にすれば、日本のパンクシーンの起爆剤的な役目を彼らが担っていることが理解できるはず。楽曲のメロディセンスとアレンジ能力が、RADIOTSの最大の武器。攻撃的なパンクナンバーもあれば、カントリー調のナンバーもあり、まったく飽きが来ない。観て良し、聴いて良しの凄いバンドだ。これだけフレキシブルな楽曲を作れるのは、各メンバーの実力値が高いだけでなく、おそらくRADIOTSならではの化学反応がとてもプラスに働いているのではないかと思う。

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【RADIOTS 公式サイト】
http://www.radiots.net/

【インフォメーション】
2010/03/27(土)【下北沢】GARDEN
2010/03/28(日)【大 塚】DEEPA
2010/04/06(火)【渋 谷】asia
2010/04/17(土)【川 崎】club CITTA’
2010/04/23(金)【高 崎】club FLEEZ
2010/04/25(日)【名古屋】UPSET
2010/04/29(木)【名古屋】DIAMOND HALL
2010/05/02(日)【湘 南】善行Z
2010/05/06(木)【渋 谷】-EAST
2010/05/29(土)【大 阪】新神楽

【セットリスト】
M01 LIFE FOR ME
M02 MILLION MIRRORS
M03 ALL OR NOTHING
M04 NO NAMED SKY
M05 UPRISING
M06 SEXY AND VIOLENT
M07 ONLY YOU
M08 DESTROY
M09 BORN TO BE CRAZY
M10 DREAM OF WORLD

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さて、いよいよC.J. RAMONEの登場だ。今回のC.J. RAMONEソロステージをサポートするのは、数々のRAMONESのアルバムをプロデュースしてきたDaniel Rey(Guitar)、そして元KYUSSFU MANCHUBrant Bjork(Drums)。C.J. RAMONEは元々RAMONESの大ファンで、DeeDee Ramoneの後任オーディションに参加し、解散までの7年間在籍した。そういう意味では究極のRAMONESマニアであり、RAMONESへの愛は揺ぎ無いものだろう。RAMONES解散後は、自身のバンドであるLOS GUSANOSBAD CHOPPERを結成したが、今回はソロでRAMONESナンバーを徹底的にプレイするというメニュー。これはRAMONESファンにとって、これ以上の喜びは無いほどうれしい。

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タイトルコールと「1,2,3,4」のカウントで、次から次へとヒットソングを繰り出し、体の心までRAMONES漬け。幸せだ。普段なら取材中は一曲一曲メモを取っているのだが、そんな余裕がまったく無い。Daniel ReyBrant Bjorkの演奏も想像以上。オーディエンスと一緒になって思わずシンガロング(※サビ等をアーティストと共に歌う行為)。RAMONESの伝説を、こうしてリアルに感じることができるのは素晴らしい。オーディエンスの中には涙ぐんでいる人もいたが、その気持ちがよくわかる。そうかと思えば、在りし日のRAMONESの海外ビデオのような、激しい男達のダイブもあり。色々な人が色々な思いをRAMONESに寄せているのだろう。

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【C.J. Ramone 公式サイト】
http://cjramone.com/

【セットリスト】
M01 blitzkrieg bop
M02 judy is a punk
M03 beat on the brat
M04 cretin hop
M05 I’m against it
M06 endless vacation
M07 sitting in my room
M08 sheena is a punk rocker
M09 longway back to germany
M10 my back pages
M11 what’s your game
M12 poison heart
M13 glad to see you go
M14 I wanna be your boyfriend
M15 strength to endure
M16 listen to my heart
M17 wart hog
M18 commando
M19 swallow my pride
M20 pinhead
アンコール 1
M21 pet cemetary
M22 teenage lobotomy
M23 R.A.M.O.N.E.S. (Motorheadのカヴァー)
アンコール 2
M24 california sun

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20曲を一気にプレイしてステージは終了。熱烈なアンコールでさらに3曲。RAMONESが永遠であることを、肌で感じることができるステージに感動。RAMONESの魂を継承してくれるのは、C.J. RAMONEであることは疑いようの無い事実だ。そしてC.J. RAMONEが最後の最後に「また来年!」と言ってくれた。願わくは毎年でも観たい。そしてもし来年も公演があるのならば、その時はより多くのRAMONESファンに観てもらいたいと切に願う。RAMONES伝説を心の引き出し入れているファンは、リアルなC.J. RAMONERAMONESナンバーに触れてほしい。