2010年11月11日。毎年恒例で森重樹一がライヴをおこなう“ジュイチの日”。会場は初めて行く東京キネマ倶楽部。鴬谷の駅を降りて、プリントアウトした地図を見ながら会場へ。わずか数分で会場へ到着。拍子抜けする近さだ。会場に入ると何と劇場スタイル。イメージとのギャップに驚きながら取材のセッティングをおこなう。気がつくと開演時間。フロアは見渡す限りオーディエンスで埋め尽くされている。私がいる2階の関係者席にも、多くの人が座っている。森重樹一の“ジュイチの日”を祝う熱気は本物だ。

今夜は事前に情報を聞いていないため、三部構成という以外は、内容を把握していない。どのような構成で楽しませてくれるのだろうか。第一部がスタート。メンバーが登場。これは驚き！SNAKE HIP SHAKESだ！メンバーは、森重樹一（Vocal）・松尾宗仁（Guitar）・津谷正人（Bass）、そして宮脇“JOE”知史（Drums）！？の代わりに、満園英二（Drums）。「JOEは別現場があって今日は来れなかった」とMCがあったので、オーディエンスも満園英二版のSNAKE HIP SHAKESを、心おきなく楽しんでいる。

続いて第二部は、アコースティックタイム。森重樹一とKIYOSHI（Guitar：MADBEAVERS・hide with spread beaver他）が、じっくりと聴かせてくれる。ロックの歌というのは、時としてバンドサウンドで粗を隠すことができる。しかし静かなアコースティックで聴く森重樹一の歌は、彼が歌を歌うために生まれてきた人間であることを証明する。体全体を包み込む素晴らしい歌声を披露。その歌声にオーディエンスはただ酔うしかできない。泣いている女性が目立つが、心を洗われるような感覚に陥っている私も、その気持ちを理解することができる。

いよいよ第三部。登場するメンバーは、森重樹一・神田和幸（Guitar）・津田正（Bass）・満園英二（Drums）。前回弊誌BEEASTでレポートしたのは、ファンクラブ限定の福生ライヴ（2010年08月01日）。そこでも、新譜『LOVE A SOUL』が話題になっていたが、ついに2010年11月17日、待望の新譜『LOVE A SOUL』がリリースされる。今夜のセットリストは、もちろんその新譜『LOVE A SOUL』を中心にしたプレイだ。私は初めて生で聴くナンバーが多かったが、オーディエンスにも食い入るようにステージを見つめているファンを見つけ、同じ気持ちでシャッターを切る。

森重樹一がギターを弾くナンバーも多く、見どころが満載でたまらない。まさに“ジュイチの日”。エレキを持つ姿は新鮮だが、とてもカッコイイ。そんな森重樹一を上手に引き立てている神田和幸のギターワークも実に素晴らしい。ファインダー越しに彼の表情を長く見ていると、森重樹一をチラ見している回数の多さに驚く。私もBEEASTを始めてから、それなりの本数取材しているが、これほど上手な引き立て役は初めてだ。プライベートでは何度か神田和幸のステージを観ているが、その時は気がつかなかった。津田正と満園英二も、その表情から『LOVE A SOUL』のナンバーを楽しんでいる様子が手に取るようにわかる。

BEEASTの取材（BEEAST以外の音楽メディアも同じだが）は、ステージを撮影するカメラマンと原稿を書くライターの2名体制が多い。しかし、諸事情や立場的な問題もあり、私は一人二役をこなすケースも多い。言わずもがなだがカメラマンとライターでは、その取材作業がまったく違う。一人二役をやるのは、とても難易度が高い作業。でも、今夜はその大変な一人二役が最高だ。森重樹一のライヴの楽しさを、二倍味わえたような気がする。ステージの三部構成も、私には文句ない構成。一粒で三度美味しいライヴと言えるだろう。

そしていよいよZIGGYのツアー（この記事が出る頃はツアーの真っ最中）が始まる。ZIGGYのツアーは3公演をBEEASTではレポートする。東京の「赤坂BLITZ」と「青海Zepp TOKYO」、そして大阪の「心斎橋BIG CAT」。画像満載でお届けしたいと思っているので、そちらのレポートも楽しみに待っていてほしい！　速報で森重樹一の2011年予定が入ってきたので、枠内のインフォメーションに記載しよう。新譜『LOVE A SOUL』を聴きこんで、生の森重樹一に逢いに行こう！

◆森重樹一　公式サイト
http://www.morishigejuichi.jp/

◆セットリスト
SNAKE HIP SHAKES
M01. SNAKE HIP SHAKES
M02. Stunt Flyers
M03. 永遠のjustice
M04. DEAR MY FRIEND
M05. MELANCHOLIA
with KIYOSHI
M01. JOY OF LIFE
M02. HEAVEN AND HELL
LOVE A SOUL
M01. MY FRIEND
M02. どんな花より美しい
M03. SUNSHINE GIRL
M04. 正直者は馬鹿を見る
M05. 今日が今日であればいいさ
M06. まだ光を求めて
M07. 君を悲しませるもの全てが
M08. ひとりぼっちのパレード
M09. がんじがらめ
M10. STRENGTH
M11. TILL THE END
M12. 根無し草
M13. R&R SINGER
M14. RUSTY VOICE
M15. 11P.M.（encore）
M16. 転石（encore）
M17. Blowin’ Free（encore）

◆インフォメーション
2010年
12月23日【新横浜】SUNPHONIX HALL
2011年
03月22日【横　浜】Lizard
03月25日【神　戸】VARIT
03月26日【山　口】rise SHUNAN
04月01日【大　阪】MUSE
04月03日【名古屋】QUATTRO
04月09日【千　葉】LOOK
04月10日【仙　台】Park Square
04月16日【新　宿】LOFT