2009年10月16日（金）「下北沢GARDEN」において、THE卍のワンマンライブ『「puzzle」レコ発TOUR〜奇妙なパズル〜』が行われた。 THE卍はROLLY（Guitar&Vocal）、佐藤研二（Bass&Vocal）、高橋”ロジャー”和久（Drums&Vocal）の3人で構成されるロックバンド。BEEASTには7月17日のライブ以来、2度目の登場だ！

ステージの幕が開き、まずオーディエンスの目に飛び込んで来たのは、神主姿でリコーダーを握り、センターマイクを取り囲む3人の姿！ シュールな光景に圧倒されるオーディエンスをよそに、彼等のステージは「奇妙な隣人」でスタート！

その後リコーダーからGuitar、Bass、Drumsへといつもの楽器に持ち替えた彼等 は、「奇妙な隣人」「ギャルギャルギャルヲ」「歯ぎしりがとまらない」とキラーチューンを矢継ぎ早に繰り出した。「ギャルギャルギャルヲ」ではオーディエンスから自然と手拍子や合唱も飛び出し、会場の盛り上がりは早くも最高潮。

THE卍の楽曲は、往年のロック魂を忠実に再現しながら、間奏も充分に聴かせる構成。THE卍のライブではリズム隊のロックしまくる演奏を堪能できるため、ROLLYが演奏せずとも盛り上がりが止まらない！

3曲が終わったところでMCタイム。ROLLYは、公演延期の謝罪（このliveは振り替え公演）と、THE卍の完全復活が宣言された。ロジャーの「うちらも楽しむから、皆も楽しんで！」の一言にも会場が大きく沸いて、オーディエンスが公演を心待ちにしていたのはもちろん、メンバーが楽しみにしていたという気持ちが伝わってきた瞬間。

続く「フ・ユーレイ」ではロジャーが鈴（リン：仏壇に飾られる鐘）を取り出し、チリン チリンと打ち鳴らすパフォーマンス。特撮怪奇ドラマのイントロのような怪しさを持つ楽曲を、一層味わい深いものにしている。 その後はアルバム『puzzle』からの楽曲を中心にプレイ。ハードロックを匂わせつつ、どこかポップな彼等のプレイからは、「やりたい事をやれている！」という充実感と、異なったバックボーンを持つ3人の 化学反応が見せる音楽性の広さを感じさせる。

ライブ中盤ではROLLYがアコギ、佐藤研二がチェロ、ロジャーがドラム前にスタンバイ。カホンに腰掛けタンバリンやボンゴに楽器を持ち替えたアコースティックタイ ム。「奇妙な隣人」や「歯ぎしりがとまらない」をアコースティックバージョンで披露。また、ここでは悲しげなコーラスが哀愁を漂わせる「望郷」も演奏された。

このアコースティックバージョン、そして「望郷」は2ndアルバム収録後に録音した会場限定CD「奇妙なパズル」に収録、販売されている。そこはかとなく妖艶で怪しさを感じさせるTHE卍の楽曲は、アンプラグドな楽器との相性もバッチリだ。

再びエレキ構成となった後は、ロジャーがボーカルを担当する「難聴」で再スタート。その後は1stアルバムより、彼等の世界観をそのまま楽曲に表したような「卍part1」、「卍part2」。さらに爽快感たっぷりでノリの良いナンバー「ハンティーフラッシャー」へ。「次がラストナンバーだ！」という言葉には「えー」との声も上がりつつ、最後にこれぞ王道ロックといった「ロックンロール中学生」がプレイされ、ひとまずプログラムは終了。

演奏終了後、鳴り響くアンコールの声に応えて登場した3人は、ライブスタートと同じくリコー ダーを携えての登場。再び中央のスタンドマイクに集合した彼等は*ROLLY*のソロアルバム『Rolly’s Rockrolly』より「あの娘はマーメイド」を披露。リコーダーの醸し出す雰囲気が楽しい、牧歌的なアレンジ。いったんROLLYが退場し、なんとピンクのアフロをかぶって再登場。

「ディスコ！」というROLLYのかけ声とともにスタートしたのは「スーパーテクニシャン」。往年のディスコサウンドのようなノリのいいアレンジに、オーディエンスは手拍子をしながら身体を揺らし、会場が揺れている。 さらにサービス精神旺盛な彼等は、この日ダブルアンコールへ！

しっとりとしたイントロから一気に駆け上がる暴走 ロックンロール「Route171」、ハイスピード＆ハイテンションで一気に駆け抜ける「I LOVE ME」。ダブルアンコールは会場の床が揺れる程の超盛り上がり。オーディエンスも心の底から楽しんでいるのが伝わってくる。

ハードロックを基調としつつもポップさが光るメロディに、独特な詞の世界観が魅力的なTHE卍。3人のコミカルキャラクターも相まって、肩の凝らないライブだ。オーディエンスは皆が笑顔で、THE卍を体中で受け止めていた。まだTHE卍未体験な読者は、ぜひそのライブへ足を運んでみてほしい。その楽しさは私が保証したい！