演奏

BILLY-MUKAI presents “BASTARD X'mas vol.2”

TEXT:児玉圭一 PHOTO:山口聡

2009年12月20日、『BILLY-MUKAI presents “BASTARD X’mas vol.2”』が開催されました。会場の高円寺CLUB MISSION’Sに出演するバンドは、獣死魔Ⅱ朱雀(SUZAKU)SHOW-TASHOW-MAの4組。主催者はCLACK-NASHのドラマーBILLY-MUKAI 。彼は2010年に奇跡の再集結を果たす聖飢魔Ⅱをこよなく愛するがゆえ、タイトルに「悪魔のメリークリスマス」の一節を冠した今宵のイベントを企画したとのこと。

そんな盛り上がり必至の夜を、VJと司会進行・インタビュアー役でサポートするのは、ハードロック・ヘヴィメタル評論の重鎮、大野祥之大野祥之といえば、聖飢魔IIをデビュー前から見続けてきた人物であり、CLACK-NASHに目をかけた最初の音楽業界者でもあります。店の奥に備えられた大きなスクリーンに映し出された大野祥之セレクトのKISSJUDAS PREISTAC/DCTHIN LIZZY等、ロックグレイツ達の貴重な映像の数々は、開演前の場内を大いに沸かせます。

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午後6時過ぎ、ステージ前に設えられた幕が上がり、ロックなクリスマスパーティーのスタートです。まずは聖飢魔Ⅱトリビュートバンドの獣死魔Ⅱが「悪魔のメリークリスマス(完結編)」を盛大にプレイしてオープニングを飾ります。本家張りのメイクを施し、サンタの衣装を纏った彼らは黒霧島愛鈴(Vocal)、SGT・ルーツ・トロピリウム・あらまきⅢ世(Guitar)、パルジャーノちゃきこ(Guitar)、ロドリゲス・チャベス甚(Bass)、マンガン伊藤(Drums)、トランス・ジ・アキシャル・こだま(Keyboad)の6人編成。

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ヒットナンバーの連打に歓喜した悪魔教信者たちは、ステージ前に詰め掛けて、バンドを盛り立てます。黒霧島愛鈴が入魂のシャウトを決め、楽器隊もソロプレイで実力を発揮。壮大なメロディが印象的な「害獣達(けものたち)の墓場」やライヴ定番曲「FIRE AFTER FIRE」が華々しく演奏され、聖飢魔Ⅱリスペクトフルな獣死魔Ⅱのミサは終了。セットチェンジの幕間に彩りを添えるトークコーナーでは、大野祥之が演奏終了後のバンドメンバーと聖飢魔Ⅱに対する思いを熱く語ります。

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【獣死魔Ⅱ セットリスト】
1悪魔のメリークリスマス(完結編)
2 STAINLESS NIGHT
3私は嵐(SHOW-YA cover)
4害獣たちの墓場
5 FIRE AFTER FIRE

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二番手に登場するのはガールズ・ハードロックバンド朱雀(SUZAKU)。赤と黒の衣装に身を包んだSATORU(Vocal & Guitar)、SHOKO(Bass)、SATTY(Guitar)の3人に、サポートのTASHIRO(Drums)を加えた4人編成。ライヴ前に円陣を組んで士気を鼓舞した後、眩いライトの光に浮かび上がり、疾走感溢れるオープニング「Hard Boiled」へ。イントロは何と聖飢魔IIの名曲「FIRE AFTER FIRE」バージョン!しなやかな長い手足をアクティヴに動かしながら、シャープなカッティングを決め、全力でシャウトしてバンドをドライヴさせるSATORU。そして新加入ギタリストSATTYは、微笑みながら流麗なギターソロを披露。

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ステージ左手のクールなベーシストSHOKOは、左足で軽くステップを踏みながら瞳を閉じてボトムラインを支えるソリッドなベースプレイ。そして盤石のリズムキープを聴かせるTASHIROのドラミングは超タイト!SATORUの「元気がある人は両手を上げてください!」という声に、オーディエンスが熱く応えたブギーナンバー「Samsara」や、メタリックなギターがうなりを上げる「God of South」をプレイして、朱雀はステージを降りていきます。

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【朱雀 公式サイト】
http://ip.tosp.co.jp/i.asp?I=suzaku_band

【朱雀 セットリスト】
1 Hard Boiled
2 Dream Maker
3 蜃気楼
4 Samsara
5 God of South

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次にステージに現れたのは、ギタリストのSHOW-TA。サポートを務めるのはYUKI(Bass)、SHIGE(Drums)、ASAMI(Keyboard)の3人。ウエスタンハットがバッチリ決まっているSHOW-TAの虎目ギブソン・レスポールから繰り出されるワイルドなギターフレーズが印象的な「Dragon」でライヴはスタート。曲は続いてシャープなリフがビシビシ決まる「Hey!」へ繋がれます。空間を支配するSHOW-TAのギターに絡むYUKIの絶妙な粘りを聴かせるベースライン、創意に満ちたビートが心地よいSHIGEのドラミング、曲をカラフルに染め上げるASAMIの鍵盤捌きは実に見事です。

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SHOW-TAが深くハスキーな歌声を聴かせる哀愁漂うバラード「Dear…」。壮大なスケールの展開で魅せるこのナンバーでは、ASAMIの透明感溢れるピアノプレイが美しい空気を生み出します。前日に誕生日を迎えたSHOW-TAを祝うキャンドルセレモニーの後は、「Cloud Cutter」。堅固なリズム隊のバックに支えられ、前のめりになって弾きまくるSHOW-TAのギターソロは驚くほどに艶やかです。バンド全体が絶妙なグルーブを奏で、ブルージーなフィーリング漂うSHOW-TAのライヴが終了します。


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【SHOW-TA 公式サイト】
なし

【SHOW-TA セットリスト】
1 Dragon
2 Hey!
3 Dear…
4 Cloud Cutter
5 Machine Gun

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そして最後は、今夜のメインアクトSHOW-MAの登場です!聖飢魔Ⅱ、とりわけ創始者のダミアン浜田殿下を敬愛している彼らは、REI(Vocal)、asako(Guitar)、道上いづみ(Bass)、ASAMI(Keyboad)、そしてBILLY MUKAI(Drums)の5人編成。なんと最初にプレイされたのは、ダミアン浜田殿下のソロアルバム『照魔教』からの「Sociaus Kingdom」という選曲!硬質なリズム隊のバッキングに乗って、asakoのメタルギターが炸裂し、天使の羽根が眩しいREIが伸びやかな歌声を聴かせます。

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聴く者を高揚させる道上いづみのランニングベースとBILLY MUKAIの躍動感溢れるドラミングは絶妙のコンビネーションを見せつけています。ASAMIのピアノから、asakoが見事なチョーキングを聴かせる「Tears in the rainbow」や、リズムパターンが印象的な「失楽園は再び」、クリスマスシーズンにぴったりな聖飢魔Ⅱの「白い奇跡」へ。静かに舞う粉雪のような柔らかいヴォーカル。それに寄り添うように奏でられるバンドサウンドが徐々に盛り上がり、SHOW-MAのライヴは幕を下ろしました。

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【SHOW-MA セットリスト】
1 Sociaus Kingdom(ダミアン浜田cover)
2 Another(ダミアン浜田cover)
3 Tears in the rainbow(ダミアン浜田cover)
4 失楽園は再び(ダミアン浜田cover)
5 白い奇跡(聖飢魔Ⅱcover)


ライヴ後のトークコーナーが終わると、大野祥之のVJタイム。今夜のイベントの最後に流れるのはElton JohnAxel Roseが歌うQUEENの「ボヘミアン・ラプソディ」。オーディエンスも出演者も、スクリーンを凝視して歌詞を口ずさみます。感動的なエンディングを迎えた『BASTARD X’mas』の主催者BILLY MUKAIは、「来年もこのイベントを続けて行きます!聖飢魔Ⅱ、ハードロック・ヘヴィメタル好きの人は是非おいでください」と語ってくれました。

多彩な才能を発揮しているBILLY MUKAIですが、彼のバンドCLACK-NASHのライブも見逃せません。CLACK-NASHは、プロデューサーに今夜も大活躍だった音楽評論家大野祥之と、BOWWOWのギタリスト斉藤光浩を迎えて、結成から12年目を突っ走っています。超パワフルなトリオロックバンド、まだ未体験の人はぜひライブに足を運んでみてください。