演奏

THE PRODIGAL SONS

TEXT:加藤伸太郎 PHOTO:桜坂秋太郎

やってっきましたR&Rライブ!2010年10月23日、今日は楽しみにしていたTHE PRODIGAL SONSのライブ!スタンディングの渋谷La.mamaには、オープンと同時に“R&Rが大好きだぜ!”といった感じのオーディエンスで、フロアはすぐに埋め尽くされます。ざざざっと、最前列に走りこむ熱烈ファンの姿に、伸太郎の期待度はぐんぐん高まります。THE PRODIGAL SONSのCD音源は、カッコよすぎて鬼のようにヘビロテで聴きまくっているのですが、ライブは未体験だったので、本当に期待しまくり!です。

SEとファンは手拍子でメンバーが登場。オーディエンスは、メンバーの名前を叫びます!歓声の中、メンバーは楽器をセッティング。音は出ずとも、そこに居るだけで絵になる。もう十分様になってかっこいい!演奏が始まると同時に伸太郎の期待は、一気にボルテージアップ!興奮の渦へと巻き込まれるのです。松尾宗仁(Guitar)のギターで始まる「GOTTA GETTA OUT」!The Rolling StonesKeith Richardsバリにカッコいい!そして五十嵐“Jimmy“正彦(Guitar)、大島治彦(Drums)、市川“JAMES“洋二(Bass)の演奏が加わり、森重樹一(Vocal)の声とともにTHE PRODIGAL SONSの熱いライブがスタート!

PhotoPhoto

PhotoPhoto

会場を見渡すと、オーディエンスはTHE PRODIGAL SONSの華やかさとサウンドに酔いしれています。自然と引き込まれる「独白」では、刻まれるギターリフが二人とも別々のフレーズなのに、綺麗に重なって、まるでどデカイ一本のギターを聴いているかのよう!凄い!森重樹一のスキャットでのあおりには、女性ファンはかなり(たまらず!)うっとり状態です。その興奮度合いは、男の僕から見ても惚れてしまいそうなほど!

ギターを持ち替え「RAGTIME LOLLAPALOOZA」に突入。五十嵐“Jimmy“正彦のオールドレスポールから繰り出される甘く切ない音色に、森重樹一らしさ漂う声が重なり、これまた最高です。ノリの良いこのナンバーに、誰もが踊らずにいられません。途中、市川“JAMES“洋二のベースソロがあり、ズンと来るブットイ音!THE PRODIGAL SONSが、だんだんと一つのサウンドに向かい、それが合致した時の凄まじいパワーには脱帽!「ココロノヒメイヲキク」では、松尾宗仁がギターをかき鳴らした後、パッと両手を放すアクションがカッコいい!さすが松尾宗仁!魅せてくれます。

PhotoPhoto

PhotoPhoto

「ハレルヤ」は素晴らしいユニゾンプレイが聴けるのですが、このレベルに到達するまで、大変な練習があったのではないかと想像してしまいます。メンバー間の意思疎通も、高いレベルで必要です。ここまでの素晴らしいグルーヴのあるプレイには、「俺たちはR&Rがしたいだけなんだ!」というメッセージが痛いほど伝わってきます。THE PRODIGAL SONSが好きな人は、きっとそのメッセージをキャッチしているんだと思います。魂のこもったR&Rのライブ、最高です!

森重樹一のMCで、「CDの売れないこの時代に、もっともっとライブを大事にしていきたい…」と、心にしみる一言が。そしてバンドのアニキこと市川“JAMES“洋二が作った新曲「新しい風」へ。イントロが始まると、まるでライブハウスは夕暮れに包まれたかのごとく、会場のオーディエンスを暖かく包み込んでくれます。五十嵐“Jimmy“正彦のカラッとした心地いい音色が会場に広がります。凄く良いフレーズをバシバシと繰り出してきて、僕もノックアウト寸前!

PhotoPhoto

PhotoPhoto

「Don’t think bout it.」では、会場は後ろまで大きく体をゆらす人が多数!もちろん僕もそのうちの一人!がらりと変わった曲からは本当に色とりどりの多彩な楽曲たちに驚かされます! そして何度も観たPVの「非常ベルが鳴り止まない」へ。 THE PRODIGAL SONS、全曲に言えるのですが曲が覚えやすくて、耳に残るメロディが楽しいです。つい口ずさんでしまうようなR&Rがたくさんある中、この曲はPVになったこともあり、オーディエンスも超盛り上がります!

「DON’T YOU CARE,DON’T YOU MIND」は、CDでもかなり聴き込んでいて、この曲が大好きだった僕!やはりCDより生がいい!と肌で感じるナンバーです。極上のR&Rバンドをライブハウスで味わえるのは本当に最高!続いて「悪くない風に身を任せて」。ギターアンサンブルとはこうなんだ!と言わんばかりの、マジなカッコよさ!ハイセンスなフレーズもさらりとこなすあたり、ベテランのバンドならでは。凄いぜ!THE PRODIGAL SONS

PhotoPhoto

PhotoPhoto

メンバー紹介のMC中、オーディエンスの顔を見ると、どの顔も幸せそうです。「罪の色を」は、タイトなドラムにドライブしまくったベースの音色。そこへ枯れたギター音が重なり、森重樹一の歌が本当に引き立って聞こえます。ゾクゾクする一曲。特に大事に綺麗に歌い上げていたように感じます。この曲には心を打たれます。大人の男のカッコよさとは何かと聞かれたら、THE PRODIGAL SONSだと答えたい!

ライブはあっという間に後半戦。時間が過ぎるのが早い!「ウラとオモテ」は、言葉遊びのような歌詞の中に、考え込むような奥の深さ。味のあるプレイに、にじみ出る歌心。どこか人間の弱さも感じられたり、怒り不満の感情が、とにかくストレートに伝わる一曲だと思います。オーディエンスの手拍子にも、そんな思いが加わったのでしょうか。凄くぶ厚いサウンドとなっています!

PhotoPhoto

PhotoPhoto

ツインギターのブルージーなギターリフ、そう「WANDERING LUSH」。森重樹一のハープに酔います。会場はもうアメリカのブルースバーのようです。続いて「くたばっちまうには…」。テンポよく、軽快なナンバー。松尾宗仁はZEMAITISの甘い香りのギター、五十嵐“Jimmy“正彦はギブソンSG、THE PRODIGAL SONSのツインギターはコンビネーションが抜群!特に曲によってこれだけのギターを多用するこだわりは、他のR&Rバンドと違う点だと思います。

バンドサウンドがシンプルなR&Rは、余計にアーティストの技量がはっきりわかります。エフェクトでごまかせない本物の音が僕の耳に入ります。それは新鮮で新しくも聴こえますし、でもどこか懐かしくもあり。悲しさや楽しさ、いろんな感情を思い出させてくれるサウンドです。いよいよラストナンバー。「まっぴらさ」へ。THE PRODIGAL SONSは、無理にオーディエンスをノセようとせず、自分たちの大人の色気R&Rを、ただプレイする、そんな印象。それがまたカッコいい!

PhotoPhoto

PhotoPhoto

アンコールに戻ってきたメンバーは衣装チェンジ。スリムな人は、何を着てもカッコいい!曲はバンド全員で初めて作った曲という「救いの手」。スローブルースのスライドバーを多用したギターを含むこのナンバーは、日本語の歌詞が特に際立ちます。そのまま「真っ白な闇の中 壊れかけちゃいないかい?」へ。惜しまれつつ本日のステージ終了。でも、アンコールが終わっても、オーディエンスはまだ帰らない!そして二度目のアンコール。

名曲「いびつな宝石」。会場のオーディエンス全員がうっとりしっとり。こんな素敵なR&Rバンドが、日本にあることを誇りに思います。そして「COSMIC BAR BLUES」。ギターは二人ともZEMAITISに持ち替え、抜群のサウンドを奏でます。二人のギタリストが自由に弾けるのは、大島治彦が完璧な土台を作っているから。そのキャンバスに他のメンバーが絵を描いていくような、そんな素敵なライブ!終演後、会場は談笑する人や物販へ急ぐ人、お酒を飲む人などが、本当に素敵な笑顔に包まれています。カッコいい日本人のR&Rを聴きたい?ブルージーなロックを聴きたい?そんな方はもうTHE PRODIGAL SONSのライブで、本物を味わうしかない!!

PhotoPhoto

PhotoPhoto

◆THE PRODIGAL SONS 公式サイト
http://www.the-prodigal-sons-japan.com/

Photo

◆セットリスト
M01. GOTTA GETTA OUT
M02. 独白
M03. RAGTIME LOLLAPALOOZA
M04. ココロノヒメイヲキク
M05. ハレルヤ
M06. 新しい風(新曲)
M07. Don’t think bout it.
M08. 非常ベルが鳴り止まない
M09. DON’T YOU CARE,DON’T YOU MIND
M10. 悪くない風に身を任せて
M11. 罪の色を
M12. ウラとオモテ
M13. WANDERING LUSH
M14. くたばっちまうには…
M15. まっぴらさ
M16. 救いの手(新曲)(encore1)
M17. 真っ白な闇の中 壊れかけちゃいないかい?(encore1)
M18. いびつな宝石(encore2)
M19. COSMIC BAR BLUES(encore2)