演奏

Cadiluck Bunny LIVE

TEXT:山崎光尚 PHOTO:万年平男

2009年11月24日、赤坂天竺にて『快賊ふぁみりいCadiluck Bunny共同企画“大【縁】快”』という東京・大阪の元気なバンドたちが集まったライブイベントが開催されました。今回はそのトリを務めた東京を中心に精力的に活動するCadiluck Bunnyキャデラック・バニー)をレポートします!

女性ヴォーカル(船長)のマイケル、ギター(戦闘員)のシュンチー、ドラム(航海士)のジローという編成。漫画「ONE PIECE」をイメージに取り入れた海賊団バンド。キャッチーなメロディーと、元気なロックサウンドが売りのこの海賊団は、サポートにベース(狙撃手)のMr.ツヂとキーボード(船医)のレンジを従え、爆発力抜群のライブを炸裂させます!!

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「みなさん、ワクワクしてますか〜!お待ちかね、今日一番の歓声で迎えてください!大【縁】快・東京編、ラストアーティスト!Cadiluck Bunny!!」司会の声がこだま。SEと共に「Cadiluck Bunny!号出航だ!」と、メンバーを紹介するアナウンスが流れ、一人一人登場してくる。最後にマイケルが登場すると「ロックパイレーツ、Cadiluck Bunny!この船に乗ってるみんなを、最高の場所へ!!」と、元気のいい掛け声からいよいよライブスタート!

まずは歯切れのいいギターカッティングから、ファーストミニアルバムの一曲目「ミツバ」で全開にロック!「オイ!オイ!」という掛け声で煽り、オーディエンスはのっけからヒートアップ!会場全体を引き連れた海賊たちの航海が始まった。かわいらしさと凛々しさが同居した船長マイケルの立ち姿、パワフルな歌声は実にカッコいい!途中モニタースピーカーの上に乗り出し、これでもかと客席を煽る姿には、小さな体の中では抑えきれないかのようなエナジーを放出しているように感じました。

そして「俺たちがCadiluck Bunnyだ!3・3・7拍子!!」という叫びから「サン・サン・ナナ」へ。グルーヴィーなポップロックナンバーです。サビの最後の一節「せいいっぱいの、チカラをこめて。」という部分のリズムが3・3・7拍子になっていてマイケルに先導され、会場全体3・3・7のリズムで手拍子する光景は、実に爽快です!こういった曲で特に顕著に感じられたのが、航海士ジローの正確なドラムプレイです。いわゆるドンカマ(リズムボックスガイド)を聴きながら叩いているわけはないのに、時計の針のように的確でキレ味鋭いリズムを刻む彼のプレイは、会場全体を心地よい波に乗せる、まさに航海士!

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曲が終わるとここでMCが。「改めまして、海賊団、Cadiluck Bunnyです!本当に今日は熱いバンドばかりで…。さあ、いってみよーか!ミュージックスタート!」と、バンドのロゴが描かれた旗を広げ、演奏されたのは「ナミダロック」。すでに彼らの代表曲となっているこの曲は、ミドルテンポのちょっと切なさも感じられるロックンロールナンバーです。間奏では「2、3、4だよ!」と「パンパンパパパンパパパパン」という手拍子を促すマイケル。このバンドは本当にオーディエンスを乗せ、一体となるようなアレンジを曲間に施すのがとてもうまいと思いました。

続いて「大切な曲を一曲聴いてくれ。バイブル!」と、キーボードを前面にフィーチャーした極上のバラードに入ります。想いを込めて一つ一つの言葉を噛みしめるように歌うマイケル。「僕の心臓に 君が書いた たくさんの言葉が」という歌詞が印象的です。一人称を“僕”と歌うことが、こんなにもハマる女性ヴォーカルはそうはいないと思います。シュンチーの弾く節々のオブリガードがメロディーラインをより際立たせていました。

ガンズ&ローゼズスラッシュの影響を強く受けているという彼のギタープレイは、テクニックや速弾きを押し出すものではなく、歌をより引き立て、かつ、ギターフレーズそれだけを聴いても印象的なリフという、実に練られたギターワークだと思います。彼のそういったアレンジ力が、このバンドをただの元気なポップロックなだけのバンドとは一味違う次元へ押し上げている、一つの要因になっているはず!

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タスタスタス!というドラムの頭打ちから、「盛り上がっていこうぜ!!」と再び戦闘モードへ!ノリノリな8ビートナンバー「新世界」です。底を知らない3人の爆発力は、さらにエキサイトなプレイを聴かせます。「ありがとね!これで最後の曲になりました!アンコールをやる余力もないんだ!だから、盛り上がって帰ろうぜ!!」と、ラストナンバー「ステレオ」に突入!ギターのマシンガンのようなカッティングから始まり、一気に盛り上がる構成が圧巻な、スピード感溢れる攻撃的なナンバーです。

「ウォーウォーウォー!!」と、会場全体で叫ぶ!サビでマイケルが小指を突き出し頭上に掲げながら歌うと、オーディエンスも答えるように小指を突き上げる!Cadiluck Bunnyのライブではお馴染みの光景です。掛け合いでオーディエンスを煽ると、最後の力を振り絞るようにヒートアップ!そして全身全霊を込め最後のフレーズと共に、「ありがとー!Cadiluck Bunnyでした!!」

「アンコール!」の大歓声に「アンコールはしないと言っただろ?大人の事情があるの(笑)」とマイケルは笑顔で答えると、「いけいけー!アンコール!!」とさらなる声援。「いいんですか(笑)?…では、もう一曲“キミへ”!」突然のアンコールは、これでもかというくらい元気全開なエイトビートを叩き込みます。メンバー全員本当に楽しそうな笑顔で海賊団の航海は終わりを告げました。

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…世間は不況の真っ只中、このご時勢、きっとCadiluck Bunnyのような本当に心の底から元気で、ストレートな歌心とサウンドを大事にしたロックでポップなバンドが、人々の背中を押すべき時代がもう来かけている気がします。元気になりたい方!要チェックのバンドです!

【Cadiluck Bunny 公式サイト】
http://www.cadiluckbunny.com/

【インフォメーション】

2009年12月31日 吉祥寺 SHUFFLE
2009年01月29日 吉祥寺 SHUFFLE

【セットリスト】
M1:ミツバ
M2:サン・サン・ナナ
M3:ナミダロック
M4:バイブル
M5:新世界
M6:ステレオ
M7:キミへ(アンコール)