演奏

秋CANTA'09 進化秋冬 TOUR

TEXT:熊崎太志 PHOTO:tue

2010年に期間限定で再再集結が決まった聖飢魔II。その構成員である、ルーク篁(Vocal & Guitar)と雷電湯澤(Drums)に、JACKS’N’JOKERでデビュー後、アニメタルや数々のセッションを経て、今は地獄カルテットでも活躍中のMASAKI(Bass)で結成されたCANTAは、熱い日本語歌詞によるテクニカルハードロックバンド。2002年の結成から、コンスタントに作品をリリースし、通算6枚目のアルバム『Green Horn』が今年10月に発売されました。

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『秋CANTA’09 “進化秋冬”TOUR』は、2009年11月1日(日)の福岡公演からスタート。その初日の様子をレポートします。ステージ後方の壁に、モノクロのアールヌーボー風デザインの垂れ幕。ベースアンプの上にハロウィンのカボチャ。白い眩しいライトを受けて、ハードなSEと共に、そして何故かヤカンと大きな真鍮(しんちゅう)のタライを手に、メンバーが登場!

雷電湯澤がタライをシンバルの隣にセットし、カンカンと鳴りを吟味すると、MASAKIはニコニコしながら、ヤカンをベースアンプのとなりに置いて、一曲目の「Love Drives Me Crazy」へ。最新アルバム『Green Horn』のオープニングナンバーです。オーディエンスの9割は女性。喜びに満ちた理想的声援に迎えられて幕が上がりました。

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2曲目は「108」。ルーク篁は、「盛り上がりに来たか!日ごろの嫌なこと忘れに来たか!オーケー忘れて帰ろう。全部忘れちゃえ。俺が許すから、全部忘れて今日の記憶だけ心に刻み付けて、それを活力にして、明日から生きていきなさい。ありがとう!バイバイ!」と言って帰ろうとするパフォーマンス。

雷電湯澤は、タライを交えてスネアのリムを叩きます。「ナリの割には鳴らないよね。惜しいんだよ。鳴らないんだけど良い音。なんか使いたくなる音」。カン!と小気味よい音が響きます。次回のレコーディングに使われるのでしょうか。3曲目の「Holy Knight」では3人の確かなテクニックに裏づけされたリズムが印象的。駆け抜けるような疾走感のあるナンバーです。

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「みんなにも参加してもらいたい。簡単だから。HEY!って言うだけだから!」そして始まったのは「No Doubt, No Life!」。続いて「Are You Ready?」へ。2曲続けて最新アルバムからのプレイ。「『Are you ready?』 何そのタイトル。いまさら。ってことを自分で思ったんだけど。でもなんの準備だ?くやしいことがあるでしょ、この世の中。それでもやっていかなきゃいけない。この世の中、正義が勝つとは限らないじゃない。そういうことに対する準備だよ。」思わず納得です。

ステージではいつも微笑みながら、飛び跳ねたり右左へ走り回るスーパーテクニシャンMASAKIは、「俺の実家があるんですー。今日は家族が来てるんで無口なんですけれども。うかつなこと言えないんです(笑)。」博多ラーメンが大好きなパワードラマー雷電湯澤は、「普段ラーメン食べないんですけど、博多に来たときだけは食べるんですよ、一年分。昨日も美味しく食べました。」

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「イキイキしてる『Green Horn』の中から、もっともイキイキしているかもしれない曲」との紹介で始まったのは「So Alive」。もぎたての果実、絞りたての牛乳のようにみずみずしくて新鮮なナンバー。イキの良いコーラスが元気ハツラツ。間髪入れずにしっとりしたアルペジオで「Crying Days」へ。バラードナンバーながら、16ビートで刻むリズムに熱い歌詞とメロディが印象的。

続いてはライブ定番曲「Everyday」をプレイし、『Green Horn』からのピアノとストリングスが華やかな「金木犀」へ繋ぎます。「『金木犀』いい曲でしょ。いい曲たくさん作っちゃうんだよ。」とおどけるルーク篁。メンバー紹介では、雷電湯澤がタライを叩き、MASAKIはもうひとつのタライで「タライ奏法」を披露。金属質の壊れたバイオリンのような不思議な音色が会場を包みます。

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気になるヤカンは、中に水が入っているらしく、MASAKIが時々それを飲んでいました。いつも同じテンションがウリのMASAKI。気分のアップダウンがほとんど無いというその秘訣はなんと、子どもの頃にした転校の数だそうです。「子どもころ転校が多かったので、学校では常に笑顔でいないと場に馴染めないじゃないですか。一定のテンションです、昼も夜も(笑)。いやぁみなさんも良い笑顔していますね」

最後は激しく「愛の名の下に」「SHINE」そしてラストナンバー「Happy Birthday To You!」。キラーチューン3曲をぶっ続けで、オーディエンスとバンドが一つになります。特に「Happy Birthday to You!」の後半のテクニカルな掛け合いは力強く、CANTAの鬼気迫ったパワーが福岡の夜に融けていきます。

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オーディエンスの熱いアンコールに応え、『Green Horn』の代表曲「Bitter Sweet」。そしてスピーディーな「1400km/h」をプレイして終了。しかし鳴り止まない拍手の中、2回目のアンコールに。オーディエンスがCANTAタオルを振り回す「春の嵐」から、オーラスの「ア ソング フォー ジ アダルト」では壮絶なテクニックの嵐。これでもか!というCANTAを鮮烈にアピール。

最後の最後になんとドラム解体ショーのイベントが!雷電湯澤が叩いている間、シンバル、タム類をステージ奥に片付けるルーク篁MASAKI。カラフルなゴム風船を付けたシンバルスタンドをいくつか雷電湯澤の周りに配置。その後、爽快なパフォーマンスでオーディエンスを驚かせました。いったい何があったのか、それは観てのお楽しみ!

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【CANTA 公式サイト】
http://www.canta.jp/

【インフォメーション】
「秋CANTA’09 “進化秋冬”TOUR」

11月01日(日)  福岡 DRUM Be-1
11月02日(月)  広島 ナミキジャンクション
11月03日(火)  大阪 ESAKA MUSE
11月07日(土)  熊谷 VJ-1
11月08日(日)  新潟 CLUB RIVERST
11月14日(土)  札幌 cube garden
11月15日(日)  仙台 HOOK
11月20日(金)  長野 ライブハウスJ
11月22日(日) 名古屋 ボトムライン
11月23日(月)  浜松 窓枠
11月27日(金)  横浜 サンフォニックスホール
11月28日(土) 下北沢 ガーデン
11月29日(日) 代官山 UNIT

【セットリスト】
1. Love Drives Me Crazy
2. 108
3. Holy Knight
4. No Doubt, No Life!
5. Are You Ready?
6. So Alive
7. Crying Days
8. Everyday
9. 金木犀
10. 愛の名の下に
11. SHINE
12. Happy Birthday To You!
アンコール
1. Bitter Sweet
2. 1400km/h
3. 春の嵐
4. ア ソング フォー ジ アダルト