特集

BEEAST太鼓判シリーズ第15弾アーティスト『Mary's Blood』

TEXT:桂伸也 PHOTO:万年平男

本誌BEEASTが自信を持ってプッシュする太鼓判アーティストの特集!第15弾は、個性的メタル・サウンドで新たなガールズ・メタルの可能性を切り開いていくガールズ・バンド、Mary’s Bloodをお届けします!
 
Mary’s Bloodは当初不動のメンバーといわれた5人の女性にて結成されたバンドで、BEEASTの特集でもおなじみのガールズバンドの祭典、『WOMEN’S POWER』でも常連の存在でした。しかし今年メンバー交代を経て現在はオリジナルメンバーのMARI(Drums)、EYE(Vocal)と、新メンバーのSAKI(Guitar)、RIO(Bass)という4人体制で新たなスタートを切りました。新しい要素を取り入れて生まれ変わったバンドはこの度、セカンド・ミニ・アルバムを完成させ、一つのスタイルにこだわらない幅広い音楽性を披露し新たな道を進むための足がかりを作りました。
 
そこで今回は、彼女らの実態と新たなリリースに賭ける思い、そして未来への希望を彼女らに尋ねました。残念ながらメンバーのRIOはこの日欠席となってしまいましたが、彼女らをよく知るメンバーに、先述の内容とも合わせて存分に語っていただきました。
 

 

Mary’s Blood
◆メンバーリスト:
EYE(Vocal)、SAKI(Guitar)、RIO(Bass)、MARI(Drums)
 
MARIEYEERI(Guitar)、 CHIBA(Guitar)、 NIBOSHI(Bass)にてMary’s Blood結成。結成。2009年にシングル『Save the Queen/the Fifth Inferno』を発表、2011年にミニ・アルバム『0 -ZERO-』、シングル「LASTGAME」をリリース。その後ワンマンライヴを経てCHIBANIBOSHIが脱退、新たなメンバーとしてSAKI(Guitar)、RIO(Bass)が新規に加入し、ERIが脱退。4人体制で新たなスタートを切り、2012年11月にセカンド・ミニ・アルバム『SCARLET』をリリースする。
ヘヴィ・メタルというカテゴリの中で、ヴォーカルのメロディ・ラインの聴きやすさを重視しつつイマジネーションの幅広さを見せる、ガールズ・メタル・グループの中では注目のバンド。

 
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1.何もミーティングや決めごとをしているわけではないけど、Mary’s Bloodらしさはいつもそこにあります。

 

—初期のメンバーから、オリジナルメンバーのMARIさん、EYEさんとともにギターのSAKIさん、ベースのRIOさんが加入し現在のメンバー構成となったわけですが、2人をこのバンドのメンバーとして加入させた切っ掛けからお話をお聞かせいただけますでしょうか?お2人は以前からバンドとつながりのあった間柄だったのでしょうか?

 
MARI:SAKIちゃんはもともと対バンで会う機会もあって、セッションもやったし、もともとよく知っている間柄でした。だから、ライブを見に行って口説いたという…(笑)
 

—メンバーを探すに当たって、「コイツしかいない!」って感じで?

 
MARI:そうですね。もう狙いを定めて(笑)SAKIちゃんに話を聞いてもらおうと決めてスタジオに入りました。
 

—その話を聞いたときに、SAKIさんはどう思われましたか?

 
SAKI:前から知っていたバンドだし、いろんな人からも「入んなよ!」っていうプッシュも結構ありまして(笑)。とりあえずスタジオに入ってみて「いいな」と思いましたね。
 

RIOさんはいかがでしょう?

 
MARI:RIOちゃんはもともとガールズっていうより、ヴィジュアル系バンドとか、セッション主体でプレイしていた子で、やはりよく知っている子でした。
 

—そういう意味では、SAKIさんも幅広いセッション活動をされていたとのことですが、お2人ともセッション活動を主体にされている経緯からパーマネントなバンドに移行していくにあたって、違和感はなかったのでしょうか?

 
SAKI:いえ、もともとヴォーカロイドを使用したバンド(Re:MAKER)もやっているし、バンドという形態に特に抵抗はありません。むしろ、人間のヴォーカルがいるバンドがやりたいと(笑)ヴォーカロイドにもステージング等、制限事項もいっぱいあって、そう思っていた矢先のことでしたので。
 

—2人が入って、以前のMary’s Bloodからサウンドもスタイルもガラッと変わったようにも見えましたが、やはりメンバーチェンジを機に新しいスタイルに変えていこうという向きもありましたか?

 
MARI:そうですね。やっぱり前から演奏している曲もありますが、メンバーが代わると同じ曲でも全然雰囲気は変わりますし。4人で新たにスタートを切ってからは、本当に変わったなって思います。同じMary’s Bloodではあるけど…私とEYEは変わりませんが、バンド自体は本当に。
 

—逆に新しいことをしようと思ったときに、意図的に「まずはこれをしよう」とか、何らかの方向性を決めていたりしていましたか?

 
MARI:いや、それほど「これ」といったものはないですが、それぞれが好きな音楽も違うので、今回のミニ・アルバムは、誰が作ったかっていうことにこだわらず4人が作った曲をそれぞれ入れたんです。4人で作ったものとして形にしたくて。だからそれほど「こうしよう」って、ミーティングなどはやっていないですね。むしろやりながらじゃないと見えてこない部分が大きいと思っているので、つねに模索したりはしていますが。ライブをしたりこんなふうに全員の曲が入っている音源を出したり、それをやっていくことで、それが新しい形になっていくのではないのかと思っています…
 
EYE:でも、何もミーティングや決めごとをしているわけではないけど、Mary’s Bloodの結成当初からある「メロディ・ラインを聴きやすくする」という、いつまでも大事にしたいと思っていたコンセプトは、話をせずともやっぱりみんな考えてくれていると思います。
 

SAKIさんはMary’s Bloodに加入した際に「これがやりたい!」というような思いってありませんでしたか?

 
SAKI:いや、特には(笑)。まずはこの4人でそれぞれ作ったものに対して、自分のできることとして、「この曲にはこの感じかしら?」っていうことは考えていました。たとえば「EYEちゃんがこういう曲で歌ってくれればカッコいいんじゃないかな?」みたいなところは、自分なりに考えてはいます。また、バンドの方向性はとりあえず考えずに、とはいいつつもたとえば今回のアルバムに収録されている「Burning Blaze」という曲は、Mary’s Bloodがミニ・アルバムを作る上では作っておかなければいけないだろう、っていうことは自分なりには考えて作ったつもりなんですけどね。
 

—もともとツイン・ギターで、今回の新作もオーバー・ダブでギター・パートをたくさん入れていますが、SAKIさんが一人でギターを弾くのが大変ではありませんか?

 
SAKI:いや、それほどでは。自分が弾いていない音で、どうしても必要な箇所は同期で流したりしていますので。以前やっていたバンドでも、今のRe:MAKERでもわりと音源ではオーバー・ダブを重ねていてながら、ライブではシングルギターで通しているので、特にそれほど違和感はないですね。
 

—では、今は特にツイン・ギターにこだわってはいないと?

 
MARI:ん~そうですね、やっぱりいたらいいなっていうところはありますが、なかなかそういう子もいないので…
 

—バンドとして、ライバルや目標のようなものってありますか?

 
EYE:いや~あまりないですね。ハングリー精神に欠けるのかもしれませんが(笑)。自分達らしさをドンドン出していけたらな、とは思っていますが。
 
MARI:人や物に対してはあまりそんな思いはないですね。
 

—憧れているものはありますか?

 
MARI:う~ん、それも…たとえばもっと大きな会場でライブが出来たらとか、今のシーンの中から飛び出していけたら、とか思うことはありますが。
 

—では、いろいろ思うところはあるけど、まずはマイペースで、というところでしょうか?

 
SAKI:そうですね。肩肘張らずに。
 
EYE:何にでも踏み込んでいきたい感じではあります。
 

2.しっかりモノのリーダーMARIを中心に個性派メンバーが奮闘中!

 

—Mary’s Bloodのメンバーそれぞれの位置づけを知るため、メンバーがお互いをどう思っているかをお聞かせいただければと思います。では、まずリーダーのMARIさんはいかがでしょう?

 
MARI:この場であまり悪口は言えないと思いますが(笑)
 
EYE:しっかり者です!頼れるリーダーですね。
 

—たとえば普段の活躍の中では、どのような位置づけで皆を支えてくれるのでしょうか?何か一癖あったりとかはしない?(笑)

 
SAKI:いや~一癖すら思いつかなですね、本当に。
 
EYE:みんなの意見をまとめてくれます。それに一回も怒ったのを見たことがない。(笑)すごく大らかというか、本当に優しいんです。
 

—では、本当に見たままのイメージからリーダーそのものということですかね?

 
EYE:そうですね。でもお酒に酔うと、大分開放的な感じになります。「新曲できたから歌うよ~~」とかいきなり言ったこともあり(笑)
 

—なるほど。本当に非の打ち所のないリーダーといったエピソードですね(笑)。一つくらいはツッコミどころがあるものかなという気もしますが。たとえば忘れ物が多いとかね。

 
EYE:忘れ物が多いのは私ですね(笑)
 

—そうなんですか?では続いてそのEYEさん(笑)はいかがでしょう?

 
EYE:よく噛んじゃう(笑)歌詞だったら噛まないんですけど。よくどもっちゃうんです。
 

—結構緊張するタイプですか?あわてんぼうな感じとか?(笑)

 
EYE:そのとおりですね。多分頭の中で整理しきっていないことを喋ろうとするからだと(笑)もっと落ち着いて話が出来るようになりたいと思いますね。
 
MARI:でもすごく真面目なんです。リハでこの曲をやってこようって言ったときにも、「あっ、そこまでちゃんとやってくる?」みたいなところまできっちりやってくるし。性格がきっちりしているから安心です。「何かあったらEYEちゃんに電話しよう」みたいな(笑)。とても几帳面だし。
 

SAKIさんは、以前からメンバーとの交流があったということですが、今回メンバーとして一緒にスタジオに入ることになって、どのように印象が変化しましたか?

 
SAKI:EYEちゃんは思ったより意外にひょうきんだと思いました(笑)。最初はとても真面目な感じなのかなって思っていたら、結構面白キャラで(笑)、MARIさんはまさしくリーダー、何かあったら頼れる感じでした。
 

—逆にMARIさん、EYEさんから見て、SAKIさんのほうはどんな感じに見られましたでしょうか?

 
MARI:バイタリティがすごいなって思いました。社交的だし、いろんなところに出て行って、何かをしようとするパワーがすごくて、助けられているところも大きいです。
 
EYE:今回私が作った曲で、「Tragic flaw」っていう曲があるんですが、「ラテンっぽい感じを入れたい」って言ったら、スルっと弾いてくれて。何でも弾けるんだな、この人って。すごくビックリしましたね。「メンバーになってくれ」と言ってみるもんだなって思いました(笑)
 
SAKI:いや…頑張ります。精進して…(笑)
 

—わりと普段の会話でも「ああ言えばこう返してくる」という感じ?(笑)

 
EYE:そうですね。単なる音楽的な技術以外にも、とても分かってくれる感じがあって。対応力がすごいって思っています。SAKIちゃんがOKしてくれて本当に良かったです。
 

—では最後に、RIOさんはいかがでしょうか?

 
SAKI:RIOちゃんは、とても頑張り屋さん。
 
MARI:すごく真っ直ぐっていうか。スタジオの中ではムードメーカーで、何か面白いことを言うこともあり、とても雰囲気を明るくしてくれるんです。
 

—一度ステージを拝見した感じでは、バンドで一番クールな感じの方なのかと思いましたが…

 
MARI:メンバーの中ではとても明るいんですよ。
 
SAKI:人見知りというか…恥ずかしがりやで(笑)
 
EYE:演奏中はとても努力家で真面目なんですよ。それがライブでは出て来るんだと思いますが、普段はネタを振ったら返してくれる感じで(笑)この前PV撮影の際に撮影中カットを撮ろうとしていたときに、一番後ろでなぜか一人でファイティング・ポーズを取って(笑)。それにこっちがこう!って構えると、また別のポーズで返してくれるんですよ(笑)
 

—ノリがいいんですか?ノリがいいけど人見知り?(笑)

 
SAKI:初対面だと恥ずかしいようです(笑)。だから、最初はクールな感じ。
 

3.その時々に「カッコいい」っていうものをガンガン形にしていければ。

 

—この度リリースされるアルバムの話をお伺いしたいのですが、アルバムタイトルの『SCARLET』って、どんな思いを込めてつけたのでしょうか?

 
MARI:描いたイメージの中に「赤色」というキーワードが象徴となって曲同士がつながったので、そのように命名しました。歌詞の中に、結構「赤色」みたいなところが含まれていて。
 

—では、たとえば事前に「赤をモチーフにしよう」というような考えがあったわけではないと?

 
EYE:そうですね。「Burning Blaze」っていう曲を作ったときに、タイトルを決めるのと同時くらいのタイミングで歌詞を考えたのですが、その歌詞の中で「燃えるような熱い思い」っていうイメージを考えて、熱いといえば炎、炎だったら赤だろう!?って(笑)。そんな中で赤っていうのが共通したキーワードとしてあることに気がついて、「だったらSCARLETでどうよ」って感じで。何か女性的な響きも感じられて、パッとその名前を聞いてもただの赤よりも謎めいた感じがあったので。実は発案したのはRIOちゃんなんです、ネットで検索して。「カーマインとかあるよ!バーミリオンとか」って(笑)
 

—今回このアルバムをリリースされたのは、やはりある程度バンドとして固まった、という認識が自身で感じられたところもあってのことでしょうか?

 
MARI:というよりは、新しく4人の作った曲で一つアルバムという形を作ることで、見えてくるものもあると思ったんです。今年中に絶対出したいって思って作りました。
 

—全体的には前作がわりとストレートな作風というイメージがあったのですが、今回は曲風もアイデアもかなりバラエティに富んだ作風に変わった感じがありますね。リズム的にもかなり起伏があるようですが、そこは何か2人の新しいメンバーとの絡みや、新しい試み等を考えられたところはありますか?

 
MARI:いえ、バンドとしては特には。メンバーが作って持ってきた段階で、骨組みが大体そんな感じに固まっていたのでこんな感じとなったというところが多いと思います。作者によってそれぞれ新しいものを考えたということはあるかもしれませんが。
 

—歌の面では新たにアプローチしたところはありますか?

 
EYE:もともと私も何か狭い範囲でしか歌の表現ができなくて、いろんな歌い方をしたいと思っていましたので、アプローチした部分はあります。たとえばライブで結構ノリやすい曲が欲しいと思っていたときにRIOちゃんが1曲目の「Ms.Carrie」っていう曲を作ってきて、それに対して面白いことをしたいなって考えて歌い方を変えてみたり、意図的に新しいことをしようとしたりしています。その上で「こういう歌い方もハマるんだ」っていう発見はありました。
 

—詞はすべてEYEさんが書かれたのですか?

 
EYE:そうです。だいたいは曲が先に出来てくるのですが、そこに込められたイメージを伝えてもらい、それをくみ取って歌詞を作っているので、共同制作みたいな感じかなと。
 

—わりと曲作りは、ある程度イメージを固めて出来上がった格好でみんなに披露する格好ですか?それとも断片的なイメージだけを持ってきて、皆で揉んで広げるような格好でしょうか?

 
SAKI:大体のイメージは出来ていると思います。たとえば「Ms.Carrie」なんかは、曲自体は皆で作った感じではあります。ただ、RIOちゃんが個人的に大まかな曲のイメージは頭の中で固めていたので「だからこういう感じでやってみて」みたいなイメージは貰いました。
 

—そういう意味では、曲によってクレジットはあるものの、ほぼ共作という意識は高い感じでしょうか?

 
MARI:まさしくそのとおりだと思います。アイデアがあるものはできるだけみんなで具現化して、という格好で。
 
SAKI:あと、一回出来たものでも、「ここはこうしたほうがいいんじゃないか?」「ここはこんなパターンをやってみよう」って、細かく話をして変わることもあります。
 

ここで、Mary’s Bloodのメンバーそれぞれによるアルバム楽曲の解説を行ってもらった。
 
1.Ms.Carrie

RIOさんの作られた曲だけあって、いきなりベースが主張していますね、凶悪な感じで(笑)。こういったスタイルも新しいイメージがありますが、RIOさんのキャラクターが出ている感じですか?

 
MARI:そうですね。主張しているのは、本人よりも私のほうから「前に出る感じにしてもらいたい」と伝えてのことです。リズムも結構ベース押しの感じですね。
 

—詞の内容はどんな感じなのでしょう?結構妖しい感じというか…

 
EYE:小悪魔な女性を主人公としたイメージですね。モチーフは、RIOちゃんが持ってきたもので、曲を持ってきたときに、既にそのイメージが出来ていたみたいで…
 
SAKI:曲を持ってきたときに、「Carrieはこういう人だ」っていうのを、こういうイメージで、みたいなところをみんなに説明してもらって。「Carrieはパンクバンドのヴォーカリスト」「そのバンドがやるライブハウスの床はダイヤで、煙たくて」みたいなイメージを言ってもらって(笑)。だからギター・ソロも全部RIOちゃんに指定してもらいました。「こんな感じでやって」って。
 
 
2.「Burning Blaze」

—これはSAKIさんがいきなりギターをかなり弾きまくっている感じですね。メタル感が高いというか。

 
SAKI:そうですね。リフなどはそうイメージしました。もともと仮タイトルを決めて、熱い曲にしたいと思って。ベタベタにメタルっぽくしたいと思っていた曲です。
 
EYE:この曲は、曲作りの前に太陽とか、炎といったイメージのキーワードを出して作ってもらいました。
 
 
3.「Ambicious」

—これは作曲も作詞もEYEさんですかね?

 
EYE:そうですね。この曲は以前作って、なかなか世に出なかった曲の一つで、一年前くらいに作りながら詞もついてなかった状態でしたが、去年の震災の影響等もあって、何か希望の出るようなイメージを作りたかったんです。
 

—ブリッジの部分って、何か印象的なコードアレンジが織り込まれていますが、あれはもともと以前からあのような格好を考えられていたのですか?

 
EYE:そうです。「こんな感じがいいかな?」って、何も考えずにコードをはめていった結果、こういうことに(笑)多分、きっちりした理論からするとおかしくないか?って思われるところはあるかもしれませんが…
 
SAKI:でもEYEちゃんの曲は、全般的にコードが特殊で、「おお、こう来たか」って思うことがよくあります(笑)。だから最初は覚えたりするのが大変だけど、入っていくと面白い。ヴォーカリストの曲って、動き方とか転調って独自で面白いって思いますね。
 
4.「Shout the Truth」

—これもかなりメタリックな感じですが、リズム的にはファンキーなイメージもあるのでしょうか…

 
SAKI:サビを4分打ちにしたいと思い、ノリやすくしたくてそんなふうに作ってみたのですが…みんなでソロ回しを行うようなところをイメージして考えてみたんです。
 

—では、ライブの真ん中くらいに入る曲のイメージかと?

 
SAKI:そうですね。間奏のところもですけど、ドラムをDTMのソフトに入っていたパターンを適当に放り込んでMARIさんに投げたら、それをこういう形でアレンジして戻してもらいました。面白かったですね。極悪な感じになっていて(笑)
 

—何かドラム泣かせな感じはありましたか?(笑)

 
MARI:いえ、全然。どちらかというとギターにユニゾンしたつもりでやってみました。でも、ベースはガッツリとユニゾンしていなくて、それがまた面白いなって。結構チャレンジングな感じですが、みんな特に打ち合わせることなくこういう形になったので、すごいなと(笑)
 

—ではそれに合わせて、詞も適当な感じですか?(笑)歌詞にある、「アタマ振ってこー狂ってこー感じたままに…」という一節とか。

 
EYE:まあ適当ではないですが(笑)もともとAメロをラップ調に、というリクエストがあったので、それにうまく語呂がハマる感じにしたいというところは考えました。
 
SAKI:いろいろ無茶をお願いしまして。「ここはラップ」「ここは青春な感じ」とか(笑)
 
EYE:この曲はライブでお客さんに腕を振ってもらえるような、ノリのいい曲なので、是非この曲で腕を振ってもらえたらって思っています。
 
5.「Tragic Flaw」

—EYEさんが作られた曲で、わりとストレートな感じがしますが、その分詞に何か込めたようなものがありますか?

 
EYE:作るときに曲先行というよりは、サビの「Tragic! Tragic!」っていう部分を何としてでも入れたいと思っていて、そこに向けて味付けをしていったらこうなったという。この曲は最近作った曲で、結構人間味というか、人間ならではの複雑な感情みたいなものを書いていった感じで、「希望を持とうよ!」っていうようなストレートな内容よりも、もっとひねくれた感じにしたかったんです。
 
6.「Far away to…」

—これはMARIさんの曲ですね。非常に素直なバラードで…

 
MARI:そうですね(笑)バラードは一曲入れておきたいと思いまして。メロディは普通にサビを鼻歌でフンフン、というような感じで作っていたものにコードをつけて形にしたものですね。
 

—ちょっと話がずれるかもしれませんが、「ここは私のパート!」みたいにドラムをドコドコ叩きまわるようなことを考えられたりすることはないですか?(笑)

 
MARI:そうですね、まあ、出だしとか曲中でドラムだけになるようなところでは、オンステージというか(笑)。主張するところは主張してね。でもそれってみんなにそういうところがあればいいなって思っています。ソロ回しもそうですけど、偏らない感じで。
 

—バラードということで詞の印象は重要な要素かと思いますが、何らか思い描くイメージを伝えたりしました?

 
MARI:伝えました。もともとバラードを作ろうと思っていて、EYEちゃんに簡単にイメージを伝えて、歌詞を書いてもらいました。
 
EYE:いや~でも、私がこの曲の主人公のイメージだったら、絶対に出てこないだろう?っていう内容の歌詞なんですけどね(笑)この真っ直ぐな感じは、私一人では…「大切なものを思う、真っ直ぐな人間」というイメージを考えて作りましたね。

 

—曲ごとに4人のそれぞれのスタイルを出されたと思いますが、たとえば、MARIさんがリーダーの立場から見ると、これらをどのように思われますか?

 
MARI:面白いですね。テンポ感とか、全然今までやったことのないものを持ってきてくれるので、ドラム的にも「こういうテンポの、こういうビート感って新しい!」って。本当に面白いです。いろんなことは出来るけど、逆に「これはダメ」みたいなところがないので、その時々に「カッコいい」っていうものをガンガン形にしていければいいなって思っています。
 

—アルバムリリースの時期にこういう話も何ですが、ここからMary’s Bloodはこうなっていきたい、こうありたいっていうイメージって思い描かれていますか?

 
MARI:どうでしょうね?でも次もそれぞれ各パートの見せ場があって、やりたいことが具現化できていければいいと思っています。やっぱり4人がやればMary’s Bloodとしてまとまると思っているので。そこから一人ひとりの見せ場みたいなものも色濃く出して、次の作品がまた出せればと思っています。
 

—今回のアルバムで、「あっ、バンドとしてこういうことって出来るんだ!」っていうことってありました?または苦労したところとか…逆にわりとこんな感じで、とか考えると、素直に曲が出来ちゃう感じなのでしょうか?

 
MARI:まあ、それほど苦労とかは…でも、出てきたアイデアはできるだけ生かしたいと思っています。
 
SAKI:苦労といえば、スケジュールくらいですかね…遠征をはさんだ上に、遠征からの戻りには台風にぶつかっちゃって、さらに帰ってきてそのままレコーディング、っていうことはありましたね。殆ど寝る時間がなくて、レコーディングの途中にエンジニアさんに頼んで一時間だけ寝させてもらって。鬼のスケジュールでしたね(笑)
 

—そうでしたか。くれぐれもお体はお大事に(笑)。では最後に、このアルバムのイチオシのポイントを含めて、ひとことメッセージをいただければと思います。

 
MARI:このアルバムは『SCARLET』=赤で、私達の熱い思いというものも込めているんです。「このメンバーでカッコいいものをやっていくんだ」っていう思いもあって、そんな勢いを持ってライブも、次の音源製作にも、全員の見せ場をいろんなところで披露していきたいと思いますので、それを形にして頑張りたいと思います。
 
SAKI:これは私が新しく入って最初に作った音源なので、これをきっかけにバンドを盛り上げて大きくなれるように進んでいけたらいいと思っています。
 
EYE:今回のアルバムの曲は、前回に比べてバラエティに富んでいるし、ノリのいい曲も多いと思いますので、是非ナマで見てもらいたいですね。メンバーそれぞれの引き出しも多いし、見せ所もたくさんあると思います。是非、その面白さをライブで皆さんにお届けしていきたいし、ガンガンとライブも組んで頑張っていきたいと思います!
 

インタビュー後に届いた、RIOのメッセージコメント:
個人的にはバンドに1つの色を彩るようにしていきたいと思います。
バンド的には、攻撃は最大の防御だと思ってるので、攻めの姿勢を曲げないようにしていきたいです。

 
hana
 
彼女らのイメージは、とにかく「制限を作らない」ということ。MARIがインタビューで答えた「やってみないと見えてこないものはある」という言葉がその意味を強く象徴していたかと思います。やはり何らかの作品を作る上で、ある程度のガイドラインは作ってしまう傾向にありますが、それをあえてそうはならないようにしているところに、Mary’s Bloodらの面白さはあるようにも見られます。もちろん個々のメンバーが考えるイメージはモチーフとして存在するものの、イマジネーションの幅が広いメンバーがその曲に様々な要素を吹き込むことで、互いが想像もしなかった変貌を遂げ、曲に新たなイメージを作り上げてくれる。そんなケミストリーを大事にすることを、彼女らは信条としているようです。
 
たとえばロック、メタルという通例的なカテゴリの中で活躍しようとしたときに、そのスタイルを宣言してしまうとどうしてもイメージがそこに縛られてしまい、新たな向きへ中々広がりを持たせられないという懸念もありますが、彼女らはあえてそれを決めず、そのことで様々な面を人々に見せようとしています。もちろんそれが必ずしも正解ではなく、決めないことで次のステップを踏むことに対していろんな制限が出る場合もあります。それでも彼女らはあくまで自分達のペースで、自分達のやり方で進むことを決意し、出来上がるものに対しても妥協の許さないものを作り上げているようにも見えます。次の作品やステージではどんなものが出てくるのか?成長も進化も著しい彼女らだけに、想像の及びもつかないものが飛び出してくることも予想できます。とにかくMary’s Bloodの未来には、期待あるのみではないでしょうか!?
 

Mary’s Blood『SCARLET』
発売日:2012/11/21
DSMB-121121/2,000円(税込)
収録曲:
M01.Ms.Carrie
M02.Burning Blaze
M03.Ambicious
M04.Shout The Truth
M05.Tragic Flaw
M06.Far away to…


 
◆公式サイト
http://marysblood.syncl.jp/
 
◆ライブ情報
 
Dream emotion Presents 『THE REAL ROCKS SPECIAL NIGHT vol.1』
2012/11/23(金) 名古屋 @-hill
 
WILD FRONTIER Presents 『SOUND OF DEATH vol.21』
2012/12/08(土) 仙台PARKSQUARE
 
『ASRA / e:cho共同企画”神空~第二幕~”』
2012/12/14(金) 吉祥寺 CRESCENDO
 
Live & Meeting Vol.1 『SCARLET NIGHT』
2012/12/15(土) 渋谷 Rock Bar Malmsteen
 
『WOMEN’S POWER SPECIAL 2012』
2012/12/18(火) 渋谷 O-WEST
 
『nonLinear Metal DynamiX Vol.11』
2013/01/13(日) 静岡 Sunash

 
 
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