本誌BEEASTが自信を持ってプッシュする太鼓判アーティストの特集!第12弾は異色のインストゥルメンタル・バンドとしてROCK、JAZZ等ジャンルを問わず話題沸騰中のKAGEROをお届けします!
この11月にベストアルバムをリリースするKAGEROは、結成8年の歴史の中で4枚のアルバムをリリース。過去2度のメンバーチェンジを経て、現在は白水悠(以下、白水:Bass)、佐々木瑠(以下、Ruppa:Sax)、菊池智恵子(以下、智恵子:Piano)、萩原朋学(以下、ハギ:Drums)という、個性的な感性を持ったメンバーが集い、JAZZ的なインタープレイの中で互いの気迫が干渉し強力なエネルギーを生み出すステージで話題の彼らは、サックスとピアノというアコースティックなサウンドを持ちながらも、そこからイメージされる繊細なイメージを見事にぶち壊し、ジャンルを超えた新たなサウンドを作り出すイノベーターとして注目を集め続けています。
今回はそのサウンドの中核を担う白水悠と、KAGEROサウンドのキーワードともいえる、衝動を増幅するハーモニーをつかさどるピアニスト菊池智恵子にインタビューを実施、KAGEROの魅力の秘密と、結成からの道のりを振り返り、KAGEROが目指す未来像を語ってもらいました。
2005年結成。2009年にピアノの菊池、2012年にドラムの萩原が参加し現在のメンバーとなる。インディーズでの活躍を経て2009年にファーストアルバム『KAGERO』、2010年に『KAGERO II』、2012年にサードアルバム『KAGERO III』をリリース。
ジャズカルテット編成の想像を覆す攻撃的な轟音とパンクスピリット溢れるライブパフォーマンスを武器に、活動当初から都内アンダーグラウンドシーンで話題沸騰。ジャズ、パンク、ハードコアシーンを股にかける異端児として全国、そして海外より注目が集まる。
白水:いや、オリジナルのドラマーのタカユキ(鈴木貴之)が、もともとJAZZが好きでメチャメチャ詳しくて。もともとの発端は僕とあいつがスタジオでドラムとベースだけでジャムセッションをやってたってことがもともとなのでJAZZっぽいといえばJAZZっぽいかもしれないですね。
智恵子:曲中にアドリブでいくところもありますしね。
白水:アドリブが多いことや、ほかの人の音に反応するという部分はJAZZっぽく見えるのかもしれませんね。
白水:僕は…Guns N’ Rosesとかですかね(笑)。あとここ何年かは、たま(笑)
智恵子:私はもともとクラッシックを弾いていたので、クラシックを聴くことが多かったかもしれないですが、普通に家にいるときは好きなものを何でも聴いたりしてました。JAZZ好きな友達に薦められたりすれば一緒に呑みながらJAZZも聴いたりしたし。今もジャンルは関係なくです。
白水:最近の僕と智恵子のマイブームはノイズですけどね(笑)
白水:いや、サックスのRuppaさんやタカユキはJAZZの定石みたいなところをかなり理解していたんじゃないかと思いますし。ただ、根本の僕があんまり理解していないから…よく付き合ってくれてるなあって思ってます(笑)
白水:もしかしたら僕のほうでそれをRuppaさんに要求している影響も強いのかもしれませんね。
白水:そうですね。昔の曲は特にその形態が多かったと思います。
白水:そうですね。智恵子が後から加入してきたメンバーだし、ハギの場合もそうなんですけど、やっぱり加入前に創られた曲とかは「こういう感じでやりた い」ってメンバーに落とし込んでいくことが多いんですけど、新しく智恵子が入ってから創った曲は、智恵子が決めて、僕が口を出して、みたいな感じですかね。
白水:どうでしょうか…一般的なイメージからすると、JAZZドラマーからROCKドラマーに変わった、という感じだと思っています。
白水:そうそう!(笑)まあ結局、僕とRuppaさん、タカユキ、ハギ、あとオリジナルのピアニストの横山菜緒も、もともと同じ大学の軽音楽部だったんで す。だから僕のやりたいことっていうのもハギは分かってくれてて。みんな勝手知ったる仲というか。だから皆それぞれが持っている音楽の中で、KAGEROでやったら面白いだろうなって部分をいびつに出してもらっている感じです。僕自身もKAGEROではそんないびつな感覚でベースを弾いてるかもしんない ですね(笑)
白水:当初はあんまりなかったですね(笑)正直バンドを組んだときには「この編成の音楽でこうやってCDも出すぜ!」みたいな意気込みは僕もそんなに持っていなかったし、どちらかというと自分のために組んでて。だからバンド名も初ライブをする何日か前にライヴハウスから「決めてくれ!」って言われて、しょうがねえなあってパッと思いついたものをつけたのが最初だったんです(笑)。今思うと一瞬、一瞬というイメージの意味合いもリンクしているのかな、なんて考えることもありますけどね。
白水:そうですねえ…Ruppaさんは大学では僕より二つ年上の先輩で、面識はなかったけど中学と高校も一緒で。メンバーの中では一番の芸術派ってゆーか、まぁ一番融通が利かないですね(笑)。
白水:まぁそれはあるかもしれないですね。そうすることで僕もRuppaさんも想像していたものより一歩先のゴールにたどり着くってことは多いです。やっ ぱりそういうのがないと僕の頭の中で終結してしまうでしょうし。信じられないようなアイデアを出してくることも多いですね、音楽じゃないところでも。まあ、先輩なので扱いづらいですけど(笑)ただ、辿っていく道すじ音で意見が合わないこともあるけど、終着点は同じであることが多いです。
そして、多分純粋にKAGEROのことを一番好きなのが智恵子かもしれないですね。いろいろどうしよう、こうしようとバンドを進めていく中でも、悪いことにならないようにしようといろいろ考えているのかも。
智恵子:最初にKAGEROのライブを見て、「すーごいっ!」って、思ったんです。
白水:もともと智恵子は対バンしたのがキッカケだったんです。それでKAGEROに食いついてきて、「次のライブはいつですか?」って(笑)当時僕らもピアニスト探してたから「いやいや、ライブを見に来るんじゃなくて、弾いてくれ」って(笑)
白水:やっぱり最初は「スッゲーうめえ!」って思いましたね。もともとアメリカでクラッシックをやっていた人だから「半端ねえ技術だな」って。でも逆に「あっ、ここはできねえんだな」っていうところもすぐ分かって、最初はそれこそ智恵子の家で朝まで一曲一曲、譜面じゃなくて紙に「ここをこうしてほしい」みたいなことを効果音みたいので書いて、弾いてもらって「あっ、それ!」みたいに言い合って(笑)
白水:譜面は、まぁないですね。わりと智恵子と僕は似てるんじゃないかと思っています、そーゆーズボラさ加減というか(笑)
白水:ハギのKAGERO初ライブは今年の4月からだから、まだ半年くらいかな。同じ軽音の中でもタカユキやRuppaさんは「メンバー」っていう感じ で、別に普段からつるむような感じでもなくて。バンドのメンバーとして接してることが殆どでしたが、ハギは僕の2歳下で、一番仲がいい後輩。遊びでハギ とインプロヴィゼーションのバンドをやったり、ベースヴォーカルやりたいと思っていたらハギを誘ったりとか、フツーに2人でよく遊んでいました。一番気心が知れているといえばやっぱりハギですね。
白水:そうですね。ただハギをKAGEROに誘うのは勇気が必要でしたね。「KAGEROが沈没したら、俺とハギの仲も沈没しちゃうんじゃないか?」って(笑)結果的にはうまくいってるんで、まぁよかったです。
智恵子:ライブに出ているときもスタジオに入るときもそうなんだけど、皆が出す音が凄くて、刺激を受けます。リーダーのベースの音もそうですが、全く感覚が違って、生き物みたいな音を出してくるというか…「こう行くかな?」みたいなところも全然違うアイディアだったりも。でも、おっ、それかっこいいね!?と思うような、気づかせてもらったり。
たとえば、新曲のモチーフみたいなのをもらって、コードをつけて持っていってみんなでやってみると、私の予想以上のもっとドカン!って感じで勢いのあるも のになったりして、「おお!こういう曲になっちゃった!」って、よい意味で裏切られますね。頭の中のものを越えられるというか。なので私も、「今以上のものをださなきゃ」って思うことがよくあります。いい方向に導いてくれるというか、信頼してますね…本人がいる前では言いづらいけど(笑)
白水:昔は全然そんな感じじゃなかったと思いますけどね。オリジナルメンバーのときは、リーダーっていうより雑用係というか(笑)いいだしっぺだから「俺がやらなきゃ」って思ってて。20代の前半位まではそれほど曲が書きたかったわけでもなかったし。だから前に違うバンドをやってたときは曲創りはギターやヴォーカルに任せて、どちらかというとアレンジに興味があったんで「KAGEROをやるぜ!」と言ったときに「あ、俺が曲を作るのか?」って思って (笑)。
もともとは曲を創ったりとかデザインとかにはそんなに興味なかったんですけどね。だから前はメンバーとかと音とかデザインとかの意見で「違うな」と思うときがあっても「まあいいや」って流しちゃうこともあったけど、前作の『KAGERO III』あたりから、何か表現の部分で、頭の中でパッと出てくるようになったっていうか。自分の中の強いイメージをメンバーに伝えるようになったかもしれ ないですね。そこからはメンバー3人それぞれで、僕のイメージを超えてくれるものを出してくれるし。僕のイメージを超えてもらうために今のメンバーがい る、っていう感じですね。
白水:僕はサックスは「歌」だと思っています。やっぱりそれまで僕が聴いていた音楽は、ヴォーカル、ギター、ベース、ドラムという構成ってのがほとんどだったから、変な話だけど、サックスが歌でピアノはギターみたいに捉えてて。ただやっぱりサックスはサックスだし、ピアノはピアノだから、そのデメリットもあるし、でも逆にメリットもあって。これだけ他の楽器がうるさくても負けずに抜けてくるのは サックスだからだと思うし。僕がベースの音を歪ませてるのも、ギターじゃなくてピアノだからだし。ただまぁ正直なところ別にそれほどインストってことを意 識してるわけじゃないと思います。音楽聴くときにあまり歌があるとかないとかって意識もないですし。まぁでも歌があったらもっと細かく決めなきゃいけないところもいっぱいあるだろうし、こんなに思い切ったサウンドにはできなかったかもしれないですね。
白水:大体は僕ですね。曲のアイデアはメロディとハーモニーまでしっかりと創ってくときもあり、ベースラインだけってときもあり。あと最近は僕と智恵子の2人で作ることも増えてきています。ベースラインだけ持っていってもなかなかバンドサウンドとしての感じがつかめないので、しょっぱなのアイデアの部分を2人で創って、スタジオに入って4人で、っていう感じが今一番多いかな。
智恵子:コードは私がつけますが、大体ベースとサックスを基準にうめる感じで自由にしてます、コード楽器は一人なので(笑)何か違うなって思えば、変えるし。最近は、ドラムのリズムを以前以上に気にするようになりました。
白水:いや、構成は大体作ってきてますね、頭の中で。僕は曲創るとき先頭から創ることが多くて。変にサビだけいきなり決まっちゃうと結構難航することが多いですね、「あっ、先にこれが出ちゃったよ」みたいに(笑)。そこに向かって持っていくようなイメージをしづらいというか。まあ皆でやってみて変えていくということもありますけど、 大体は全体像を描いて、そこから膨らませて。だから特に今回のアルバムで唯一の新曲「Pyro Hippo Ride」は、相当難航しましたね。
白水:そうですね。これは『KAGERO ZERO』の中で唯一Ruppaさんが創った曲で、先にコードとメロディをもらったんですけど、逆にどんな風にでもなっちゃうから、その中でKAGEROらしい、演奏してて気持ちいい形にしていくのは相当難しくて。「どうにでもなるもの」と「やってて気持ちいいもの」ってのはイコールにはならないから、それを楽器気持ちのいいもの」に持っていくのが大変だったかな。
智恵子:単純に曲っぽくするのはそれほど難しいことじゃないですけど、それ以上のなにか刺激や勢いのあるものにしたいので…
白水:最近はわりと変えなくなったかなと思います。『KAGERO 』とか『KAGERO II』のころはライブをやるたびに変えてみたりとか(笑)。ハギはわりと決まっていることがカッコよくできるっていう感じ、逆にタカユキは決まってないほうがカッコよくできるって感じでしたね。
白水:そうですね。「こうやってくれ」って言ったことに対しては、まず駄目なことが多い(笑)。衝動がないとできなくて、衝動があったときは最強でした。ノッているときのタカユキは「こいつは世界一だ」って思っていましたよ。
白水:そうですね。最初はRuppaさんも同じような感じで、キメとかすごく嫌がってましたね。
白水:そうですね。まあサードはドラマー3人に叩いてもらいながら創って、だからこそドラマーの違いで曲創りの方法も変化したんだと思います。タカユキの ころはやっぱりキメごとは少なかったですね。サードを作ったときは、ドラム以外の3人がいる時間は長かったけど、各々のドラマーとやる時間はどうしても減るので、やっぱりキメてかかることが多かったですね。
白水:そうですね…ファーストはやっぱり自分たちだけでやっていた頃からのベストみたいなもので、そのころは「KAGEROの何が武器なのか?」っていう のがまだそんなに分かっていなかったかもしれないですね。実験的って意味でいえばアルバムの一曲が「SCORPIO」だし。ベースがずっと変わらないまま、ほかの3人が展開を広げていくような曲だけど、そのときは自分のベースフレーズ以外は何も他のメンバーに言わなかった。そんなやり方で実験的というか、もがいた結果にできたものがファーストかと思います(笑)。
セカンドはちょうど今とファーストの半々という印象で、ファーストに入れたかったけど入れなかった曲が半分くらいと、世に出てセカンドになったときに「ここを強調したい」と思ったものを半分入れたという感じですね。セカンドの時は智恵子が正式メンバーになってたことも大きいです。ファーストでも智恵子は弾いてましけど、まだ入って半年もたたないうちにレコーディングしたから。ピアノとサックスだけっていう曲もあったりとか。
まぁ結構セカンドは個人的にはパツパツだったような気がします(笑)それまでは何年かの活動の中で作っていた曲の貯金を集めて作ったような格好だったし、 これだけアルバムに対して短期間でちゃんと曲を揃えて作ったことがなかったから。半分はこのアルバム用に2~3ヵ月掛けて曲を作ったし。
白水:かもしれないですね。智恵子が入ってからというところから。二枚目はなんかもう「やり切った」って感じで。ファーストのころは何も分からなかったから、レコーディングでKAGEROを表現するのに、どう弾いたらいいのか?僕自身も分かっていなくて、2枚目は当時の好きだった方向にやり切ったかもしれませんね。
智恵子:セカンドの前に『SCREEN』っていう映画音楽のカバー音源のレコーディングをおこなったのですが、ずいぶん凄まじい勢いで作りましたね。
智恵子:でもこれは、ピアノの面では、コードの付け方、バッキングなどの新しいアイディアを発見したりするきっかけにもなったと思います。
白水:まぁ結果的には。ファーストを出した4ヵ月後くらいに『KAGERO II』の製作に入って、その途中で突然「カバー挟もうよ」っていう話が出て、『SCREEN』を出すことが決まって。これは一曲に対してほとんどワンアイデア くらいの内容なんですけど、そのワンアイデアを貯めまくりましたから。
白水:そうですね。もうちょっと準備期間があれば、もっと面白いものにはなったと思うけどね(笑)。でも、ここで19個のアイデアができたので、それを『KAGERO II』の新曲でまとめ上げた感じです。その後セカンドのツアーが終わって、すぐにタカユキが留学することになってて、そこで結構やり切っちゃったっていう感じはあったんですよ。「これ以上はもう出ねえや」って、1ヵ月くらい僕はポケーっとしてて。でもその期間が1ヵ月も過ぎると「アイデアって出てくるもんだなー」って(笑)。それが 『KAGERO III』。セカンドまではCDがどうというよりは「できたものをそのままライブみたいに録りたい」って思っていて、でもサードで初めて「音源を作りたい」っていう意識が芽生えて。そこから結果的にキャッチーな印象のものができたのかもしれませんね。別にキャッチーなものを創ろうとは思わなかったんですけど、 CDプレイヤーやミュージックプレイヤーで聴いたときに、「イカしている!」って思えるものを創りたいと思って。
白水:そうですね。「もがいている」感はなくなったと思います。まあ、ドラムがツアーの中であっちとこっちではプレイしている人が違うっていう状態で、よくまあ笑顔でやれてたなあって(笑)。
智恵子:「えっと…今日のドラムは誰だっけなぁ…」って(笑)どのドラマーも個性的でステキな持ち味がそれぞれあって楽しかったですけどね。
白水:そうですね。だからサードではもう年1回のリリースっていうペースも分かってきたし、何がKAGEROの武器かっていうのもより明確になったので、ほぼ迷いはありませんでしたね。
白水:う~ん、難しいですね(笑)。でもJAZZもROCKもPUNKも、僕的には言葉の意味は同じだと思っているんで。「JAZZが生まれたときの JAZZ」という意味合い、クラッシックなんかがある中で、JAZZっていう言葉の意味とか、ROCKができたときのROCKといわれていたことの意味と か、それは同じ意味合いだということは昔から思っていました。KAGEROがジャンル分けしづらいっていうのは、結成してすぐに言われていたことなので(笑)。ジャンルでいうと難しい。たとえばロックバンドだからこれはやらないとか、JAZZバンドだからこれはやらないとか、そういう意識はゼロですね。
もともと音楽を始めたのも、誰かみたいになりたいとかは全く思っていなくて、逆にこの編成であーゆーことをしているから何かと同じになるようなことにはならないのかなって。キャッチーなことをやっても多分そんなにキャッチーにはならないし、歌モノをやっても歌モノにはならないし、しっとりやってもいわゆる4 ビートのスウィングにはならないから。まぁ個人的にはハードコアの棚なんかに置かれると嬉しいな(笑)。
智恵子:ピアノを肘で弾いても、別に壊したいと思っているわけじゃないし(笑)。たまたまやってみると「あっ、この音はいい」って。
智恵子:何か刺激的で。「おっ!?」って思えるとうれしくって。
白水:そうですね…でもやっぱり今迄いろんなメンバーのスケジュールの問題等もあった中で、最終的にハギが加入し今の構成となって、ライブを全国、日本問 わず世界でも、面白いなって思うところがあればドンドンやっていきたい。ライブをすれば、伝わるところには伝わるっていう自信ができて、やれば広がると思っています。だからとにかくライブ。その中でまた変化していくだろうし、逆に変化することは厭わないから。ただ、「こうなりたい」と思うよりは、目の前のライブや新作の製作の中で「振り返っていたら変化していた」っていうスタンスになればと思っています。
白水:そうですね。一時期、「何で新曲を作っているんだろう?」って思うときがあったんです、「もういいじゃん、今までの曲も最高だし」って。でもツアーをやると新しいものをやりたくなるんですよ、自然に。今やっていることに飽きて、新しいものをやりたくなって、それで昔のものと一緒にやると今度は昔のものが変わっていくんですよ。そういう循環かな、曲創りは。
智恵子:私もライブの時間が本当に好きなので、ライブですね。ライブをドンドンやっていきたい!
白水:「30分のライブのために移動で10時間も車に揺られて、なんて効率悪いんだ」って思うよね(笑)。でも、待ってくれている人がいて「だったらやるしかないでしょ」って。
智恵子:体力だけはつけとこうと思います(笑)
先日、筆者もある機会でKAGEROのライブを観覧したのですが、そこで感じたのは、テクニック的なインタープレイ以上に、メンバー間に通ずるエネルギーのようなもの。JAZZで聴かれるインタープレイは、フレーズや理論に従った合理的な合図によるところが強い傾向ですが、KAGEROのサウンドはまるで言葉では表せない不思議に熱いものが、ステージ上で行き交っている、そんなイメージを受けました。それは単にメンバー間だけでなく、フロアの観衆にも飛び火したようにも見えました。
近年はPE’ZやSoil & “Pimp” Sessions等、JAZZとROCK双方へのアプローチを信条とするバンドも大きな注目を集めている音楽シーンの中で、サックス、ピアノ、ドラムにベースと、JAZZカルテットを彷彿させる構成のKAGERO。生粋のロックファンからすると彼らのこの微妙な位置づけは、なかなか馴染みの薄い分野と考える人もいるかもしれませんが、インプロヴィゼーションを基本とし、プレイヤー同士が相手の出方を見ながらプレイするその様は、むしろROCK以上にROCK的ともいえるような、熱い瞬間を連発しています。リーダーである白水を中心に、メンバーそれぞれのバラエティ性豊かなバックグラウンドをぶつけ合い、更に大きなエネルギーを発生させながら既成概念を破壊し続けるKAGERO。白水の語るとおり、彼ら本当の正体を知るには、ライブを観るしかありません。是非一度、その目と耳で、彼らの真実を感じてもらいたい!
発売日:2012/11/7
RAGC-005 ¥2.000(TAX IN)
CD収録曲:
M01.DEATHVALLEY HIPPY DUCK
M02.SCORPIO
M03.Pyro Hippo Ride
M04.YELLOW
M05.ROYAL KLOVER CLUB
M06.GAS
M07.HOT ROD DEVIL
M08.HYSTERIA
M09.CHEMICAL ONE
M10.MR.BROADKASTER
M11.JAILBIRD
M12.AIR
M13.sheepless, but feel alright
KAGERO ZERO Release Party
11月9日(金)渋谷UNDER DEER LOUNGE
KAGERO ZERO release tour “ZERO WAY”
11月15日(木)札幌 KLUB COUNTER ACTION
12月15日(土)宇都宮 HELLO DOLLY
12月22日(土)横浜 OTONAMA CIRCUIT -2012 WINTER CHRISTMAS SPECIAL-
1月14日(月・祝)仙台 RIPPLE
1月26日(土)名古屋・池下 CLUB UPSET
1月27日(日)水戸 club SONIC mito
2月2日(土)神戸 BLUEPORT
KAGERO ZERO release tour “ZERO WAY” Tour Final 2DAYS
2月8日(金)/9日(土)下北沢SHELTER
KAGEROのサインを、抽選で1名様にプレゼント!
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