特集

BEEAST太鼓判シリーズ第11弾アーティスト『fade』

TEXT:下村祥子 PHOTO:下村祥子、桂伸也

【密着レポート第11弾:fade】 Part1 密着レポート
 
fadeが誕生して10周年となる今年、6月6日にフルアルバム『天~TEN~』をリリース。そのアルバムを引っさげて全国5か所を巡るツアーの、ファイナル公演を密着取材した。ニューヨーク育ちのメンバーを中心に結成され、のちにアメリカ人ボーカリストが加わった、インターナショナルなバンド。韓国のロックフェス“ETP FEST 09”ではNine Inch Nails、Limp Bizkitらと競演を果たし、日本最大のラウド系フェス“LOUD PARK09”でも大暴れ。ヘヴィなロックサウンドを武器に、エモーショナルに、かつメロディアスに展開する、スケール感あふれるパフォーマンスが魅力だ。そんな彼らのバックステージに潜入!一体どんな素顔が見られるだろうか。
 
fade is:
Jon(Vocal)、rui(Drums)、kansei(Guitar)、noriyuki(Bass)、(ゴド:Guitar)
 
hana
 

 

1.リハーサル(13:30~)

 
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この日一番に会場入りしたのは、。ステージ上での派手なメイクと攻撃的なパフォーマンスが想像できないほど、非常に穏やかな雰囲気で楽屋入り、そしてリラックスした様子でひとり軽めのお食事タイム。今回のツアーは「各地ですごく盛り上がったので、今日も良いライブをして良い酒が飲みたい」とコメント。続いて他のメンバーも一人また一人と会場入り口に現れる。カメラを向けると、気軽にポーズをとってくれたkansei、対照的にジリジリとした日差しに目を細めながら、ちょっと物憂げな表情で現れたnoriyukiruiはTシャツとデニム、スニーカー。ラフな格好だが、逆にその様はこの日のステージに対して、成功を疑わない自信の表れにも見えた。そして最後に現れたのはJon。会場の傍にいたファンに声を掛けられ、気軽に会話を交わした後、カメラに向けて手を振ってくれた。
14:00を回った頃から、それぞれにメンバーが楽器を手にしてステージへと現れる。すでにドラマーのruiは本番さながらにドラムを叩いて、念入りな調整に入っている。その表情はあまりに真剣で近寄りがたい。
 
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舞台袖では、kanseiがギターの弦を張っていた。kanseiは「僕は弦を張り替えるのが早いんですよ。誰かみたいにローディーに張ってもらったりもしないんで(笑)」と奥にいたベースのnoriyukiをチャカした。「今日は湿気があるから、弦が切れるかもしれないと思って張り替えました」。
ローディーがベースの弦を張り替えているのを、正面に座って見守っていたnoriyukiは「今日は雨が降らなかったことがすべてですね。俺は雨男なんで。名古屋がひどかったんですよ」と、この日のファイナル公演の成功を確信していた。
 
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その頃、楽屋ではJonが早くも上半身裸に(!)。忙しさのため首筋が張っている上、酔ってねじった姿勢のまま眠ってしまい寝違えてしまったとか。それでタイガーバームを塗って、首のマッサージしていたのだ。楽屋中にスーッとした匂いが充満する。ライブ中も上半身裸になるのが恒例のJonは「Tシャツが汗でぬれると、動きが規制されるから脱いじゃうんですよ。最初から着たくないぐらい」…それはセクシー過ぎます。
 
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15:00過ぎぐらいから、Jonも加わってメンバー全員でのリハーサルがスタート。仙台、広島、大阪、名古屋と回ってきた、ツアーの集大成をここ東京で見せるべく、音や照明、そのバランスやタイミングなどを細かくチェックし、入念に調整していく。その緊張感の中に、このファイナルに全力を出し尽くそうとする、メンバーとスタッフの意気込みを強く感じた。
 
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2.ライブ(19:00~)

 
仙台、広島、大阪、名古屋を駆け抜けたワンマンツアーが、東京・新宿BLAZEでついにファイナルを迎えた。ここにつめかけた、全5か所を追っかけた情熱的なファン、東京に戻ってくるのを心待ちにしていたファン、初めてfadeのライブを体験するファン、その誰にとってもライブは同じ瞬間など二度とない一期一会のモノ。それぞれに開演を待つオーディエンスの胸の高鳴りが、少しずつ速くなるのを感じて、こちらもドキドキしてきた。
 
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客電が落ちてSEが流れると、メンバーを迎え入れる手拍子が客席から沸き起こった。大作映画か大河ドラマのオープニングを思わせる、荘厳なサウンドがSEとして流れる中、ステージにメンバーが登場!黄色い声援が飛び交い、その声に手を挙げて応えながら、それぞれのポジションにつく。Jonが始まりの雄叫びを上げると、バンドはいきなりトップ・ギア!最新アルバム『天~TEN~』でも1曲目に収録された「In the end」のヘヴィなサウンドが、BLAZEの床を大きく揺さぶる。うねるベースのグル―ヴ感に、破壊力抜群のドラムの爆音で先制パンチをくらわして、間髪入れずに美しいコーラスワークで魅せる。2本のギターによって生み出される重厚なサウンドと、耳に心地よく響くギターソロ。そして長身の“碧い目のサムライ”Jonのネイティブな英語詞のシャウトが、エモーショナルにバンドを引っ張っていく。ドラムを除く4人のフロントマンが、舞台ギリギリの位置で平行に並んだステージングは迫力満点。それぞれのアンプの間に置かれた台の上に、全員が乗っかって、オーディエンスを煽りながら繰り出す攻撃的なサウンドは、ライブならではの衝撃だ。
 
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それにしても…ステージに見どころが多過ぎて、ライブ中にどこを観たらいいのか迷ってしまう。ファッションモデルとしての活躍もうなずけるJonのルックスに釘づけになっている場合ではなく、ギターを抱えた特攻隊長kanseiの軽々と大技ギターソロを弾きこなす姿に目を奪われているうちに、クールなnoriyukiの目が鋭く光る瞬間を見逃しそうになったり、のボディペイントと鋭い目付が強烈なあまり、ギターを弾く過激な異端者として目が離せなくなったり、リーダーruiの激しいドラムの叩きっぷりを見ているだけで、心も体もどんどんエキサイトしていったりするのだから。
ちなみにkanseiによるMCは、一瞬AKBの曲をもじったコミカルなパフォーマンスあり、twitter始めます宣言あり、ジャックダニエル一気呑み、そして期待通りのスベりと、ちょっと癒やされる愉しい和みのコーナーとなっていた。これもfadeのライブ名物に間違いない。
 
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アンコールを含め、2時間半に及んだファイナル公演。今回のワンマンツアーは、最新アルバム『天~TEN~』からの曲と、昨年4月に同時リリースされたアルバム『Kings of Dawn』とEP「One Reason」からの曲を中心に構成されていた。そんな中にも2005年リリースのアルバム『A Moment of Truth』からの曲「Five」を織り交ぜ、その直後には最新リード曲「Ever Free」を観客全員でシングアロング!圧倒されるほど壮大なスケール感で展開する、メロディアスでハードなロックナンバーを満載し、どこを切り取っても全力疾走で挑んだfadeと、どこまでも全力で受け止め楽しんでいたオーディエンス。
 
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3.ライブ後(21:30~)

 
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ライブが終了すると、楽屋で一息入れる間もなく、Jon、kansei、noriyukiの3人は、ロビーにあるfadeグッズを扱う物販コーナーに向かった。そこには彼らを待つファンが、すでに長い長い行列を作っていた。その最後尾はもう確認できないほど。ここにはライブの後の高揚感と共に、憧れのアーティストへのドキドキする視線があちこちで交錯している。そんなファンにとってもうれしいけれど、実はfadeのメンバーも負けないぐらい、自分たちのライブへの反応がダイレクトに跳ね返ってくるこの瞬間を、楽しみにしているのだ。もちろん最高の演奏をしたという自信にあふれたメンバーが、ファンに見せるのは曇りのない笑顔だ。
 
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◆公式サイト
http://fadeonline.com/

◆セットリスト:
M1.In the end
M2.Chase for Daylight
M3.Five
M4.Ever Free
M5.Million to One
M6.Tides of Change
M7.Break away
M8.One Reason
M9.From the Heart
M10.Moment of Life
M11.REIMEI~黎明~
M12.Born Ready
M13.From the Inside Out
M14.So Far Gone
M15.コズミカリズム
M16.Kings of Dawn
Encore
E01.Close to You (jp)
E02.Last Man Standing
E03.Beautiful
E04.Ten

 
hana
 

 
この日のライブは、fade結成10周年を表現したタイトル「Ten」がラストソングとなった。Jonが歌う前に語った。「なんでこの曲で終わりたいかというと…このバンドが10年間、同じメンバーでやってきたから。今回のツアーは、仙台、広島、大阪、名古屋、そして東京と回ってきて、本当に素晴らしい経験になった。この10年間ずっとサポートしてきてくれた人が一緒に回ってくれたり、初めてfadeのライブに遊びに来てくれた人もたくさんいてくれてさ、今日もおそらくたくさんいると思うんだけど、みんな本当にありがとう!この10年間、本当にいろんなことがあってさ、ツライことも楽しいことも。でもこの10年間、すべてを乗り越えてきて、年を重ねてきて、今日このステージに立てて、みんなと一緒にこのライブをシェアできてるっていうことが、うれしい限りです!Thank you so much!」偽りのないJonの、その言葉こそがすべてだった。

こうして彼らにとって特別な想いが詰まった「天~TEN~ LIVE TOUR 2012」が全公演、終了した。振り返ったときに、ここがターニングポイントだったと示せるような、fadeの歴史的な瞬間に、もしかしたら立ち会ったのかもしれない。この先10年の彼らの活躍がますます楽しみになった、そんな心に刻むべきツアーファイナル公演だった。
 

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こちらも是非ご覧ください。
密着レポート 第11弾 fade 『天~TEN~ LIVE TOUR 2012』 2012/07/14 @新宿BLAZE Part2
以下をクリック!
http://www.beeast69.com/feature/32970