特集

WOMEN'S POWER SP 2010

TEXT:桂伸也 PHOTO:万年平男

過去BEEASTでも取り上げ続けたこのイベントも、遂に二十周年を迎える一大イベントとなった。今回はメジャー入りを果たした大型バンド、更に活動再開をこの日迎え、新たな躍進を誓うバンド、そして今年新たな仲間としてこのイベントに進出したバンドと非常にバラエティに富んだ布陣となり、またガールズ・ロックファンの目と耳を十分に堪能させてくれた。

hana

1.Ragzis



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この日のトップバッターとなったのは、新鋭Ragzis。メンバーは徠次(Vocal)・(Guitar)・(Bass)・ちょみこ(Drums)。前回のWOMEN’S POWERで初登場、そして今回初のO-WEST出演と、いきなりの大抜擢が続いたが、そんな重圧など微塵も感じさせない度胸と活きの良さをファンに見せてくれた。
「渋谷!声が足りないんじゃないの!?」
デス・ヴォイスと抜けるようなクリーン・ヴォイスを巧みに使い分ける喉の強さと、まっすぐ上に向けられた人差し指が印象的な徠次の力強いパフォーマンスが、初めて彼女らを見た観衆にも強くアピールし猛烈なヘッド・バンギングをあちこらで発生させた。
見るからに男前なビートをたたき出すちょみこと、愛らしくも堅実なハーモニーを形成すると、デス・コアっぽいリフとメロディアスなサビを旨く組み合わせた楽曲と、見せる要素を多く盛り込んだステージは見応え抜群。荒削りな部分も新鮮さに加担してしまうほどの魅力に溢れ、来年度以降の活躍を期待させるステージとなった。

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◆Ragzis 公式サイト
http://ragzis.web.fc2.com/
◆セットリスト
M01. My Way
M02. Determination
M03. DESPIAR to HOPE
M04. Sence of reality
M05. ××××

2.七彩☆GLITTER



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続いて登場したのは、七彩☆GLITTER。メンバーはLEN(Vocal)・あさぴー☆(Guitar)・Mica(Bass)・Yuko(Support Drums)。WOMEN’S POWERでもすっかり常連となった彼女らだが、ステージの度に彼女らの世界観に深みを持たせている。
この日も抜群にキュートなルックスと、清々しいメロディが会場の雰囲気を暖めていく。何かを吐き出すわけでもなく、かつか弱いだけでもないLENの歌声は、かわいらしさと何かに思い悩む少女のありのままを表したような、リアルなガールズの姿を見せているようで、人々の気持ちに強く触れるポイントを多く含んでいる。
プリプリのポップなリズムに、か弱さと力強さを同居させたようなハーモニーもバランスが良く、激しさと勢いの猛烈なビートをたたき出すハードなサウンドとは一線を異にした軽快なサウンドでフロアの人達に活力を与えてくれるようなステージを展開してくれた。
会を増すごとにそのグレードを上げている彼女らだけに、その成長の過程をこの場で見られるのは非常に嬉しい限り。また一味もふた味も進化したステージを、次回も期待したい。

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◆七彩★GLITTER 公式サイト
http://www.justmystage.com/home/nanairo07/
◆セットリスト
M01. ドロシー
M02. Secret
M03. 遥~ハルカ~
M04. 藍色事情
M05. ウタカタレクイエム
M06. Dazzling Night

3.CREA



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三番手はCREA。メンバーは、Naki(Vocal)、Aiko(Guitar)、Anna(Bass)、Miku(Drums)。
彼女らも前回WOMEN’S POWER初登場組だが、華麗なルックスとは裏腹にこなれたステージを展開、プレイ自体を楽しんでいるような余裕も覗かせ、フロアを沸かせた。会場にはまだ彼女らを知らないファンも多くいたが、最初は興味津々と言った感じで眺めていた観衆も、ステージが終わる頃にはすっかり彼女らのパフォーマンスに見せられ、そのポップな世界観に体を揺らしていた。
見た目のカジュアルなスタイルからはポイントをちょっぴりずらしたハードなロックサウンドを合わせ、ファンタジックな楽しい雰囲気を会場いっぱいに広げていく。Nakiのツボをよく心得た、自信に溢れたパフォーマンスもオーディエンスの気持ちを強く掴み、スリリングかつワクワクするような時間を演出してくれた。右腕に付けたこぐまのぬいぐるみ、観衆への掛け合いと、ショウを盛り上げていくワザをふんだんに取り入れ、短いステージながらガールズの魅力を十分に発揮し、真に楽しい時間を与えてくれた。
ガールズとしては正統派とも言えるその方向性、是非今度は更にワンステップ上にグレードアップしたパフォーマンスを期待したい。

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◆CREA 公式サイト
http://www.crea-music.com/
◆セットリスト
M01. デドリー
M02. こぐまのうた
M03. AR
M04. Last Dance
M05. Link
M06. Windy

4.G∀LMET



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イベントもいよいよ後半、今回の注目ポイントの一つであるG∀LMETの登場だ。メンバーは、みっき?(Vocal)、Ruki(Guitar)、Ayano(Guitar)AMAアマ:Bass)、 idyako(Drums)。
前回のメンバー脱退劇から早3ヶ月、新メンバーとしてBassのAMAを迎え、ファンの前に復活を宣言した。彼女らの新たな姿を待ち望んでいたファンも多く、この日も彼女らのキャッチフレーズとも言える“萌死鋼鉄”の文字を背中に入れたTシャツを着たファンが前陣を埋め、熱いイベントのひと時を展開した。その雄々しい彼女らの姿に、
「おかえり!」
と叫ぶオーディエンス。変わらないその愛らしいルックスとは大きなギャップを持つ暴虐デス・メタル・サウンドはまたファンをクラクラさせ、若干のトラブルの影響など微塵も感じさせない勢いでこの日の会場を一段と熱くさせた。
復活に立ちはだかる壁もこの日見事に乗り越え、新たなステップを踏もうとしているG∀LMET。ガールズ・メタルの中では、次期ヒロインの筆頭候補にも上げられる彼女ら、その個性は並外れているだけに、今後更なるスターダムへの道も疑いないところだ。

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◆G∀LMET 公式サイト
http://galmethp.web.fc2.com/
◆セットリスト
M01. Rebirth
M02. Fangs of Slaves
M03. Last Words to you
M04. While There’s Life
M05. Treason Sky
M06. 記憶喪失

5.DESTROSE



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G∀LMETに続き、ベテラン組とも言えるDESTROSEが続く。メンバーは、Marina(Vocal)・Mina(Guitar)・華子(Guitar)・miho(Bass)・MISAKI(Support Drums)。
奇しくもG∀LMETに続き、彼女らも新たなメンバーを迎え、この日復活を遂げたステージでファンに再び安堵感を与えた。映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」のSEにのせ、雄々しく海賊風ファッションで登場した彼女らに、ファンの大きな歓声が鳴り響く。
「頭振れ!」
抜群のアピール性を持ったMarinaの叫びから繰り出されるパフォーマンス。とても短期間で立て直しを図ったは思えないほどにメンバー間のコンビネーションもよく機能し、DESTROSE史上最高の組み合わせとの呼び声にもうなずけるステージとなった。そのことは、オリジナルメンバーのMinaが見せた、晴れやかな表情からも垣間見られる。
来年初頭にはこのWOMEN’S POWER 20th SPECIALでの大舞台を控え、更なる躍進に燃えているDESTROSE。玄人肌のファンでも納得できる正統派メタルサウンドを持ち味に、そのスケールアップは必至、今後も彼女らには要注意だ。

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◆DESTROSE 公式サイト
http://destroya.nobody.jp/
◆セットリスト
M01. Headless Goddess
M02. Destination
M03. Skykiller
M04. Fade Out
M05. Fenixx

6.exist†trace



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この日のトリを努めたのはexist†trace。メンバーは、ジョウ(Vocal)、乙魅(Guitar.)、miko(Guitar.)猶人(Bass)、Mally(Drums)。
今年6月にメジャーデビューを果たし大きく躍進を果たした彼女らは、この日もその実力を遺憾なく発揮し、格の違いを見せ付けた。
オープニング、ナンバーは「リトル・メアリーと美しき憎しみのドナウ」。それまでの参加バンドとは趣を変えた、静かなワルツで異空間を作り上げ、会場の人間を不思議な世界に誘ったかと思うと、あとはもう彼女らの独壇場とばかりに観衆をグイグイと彼女らのペースに引き込んでしまう。抜群のパフォーマンスを見せるジョウを中心に、迷いの無いプレイは見ている側はただ唸るばかり。乙魅がギター・ソロで放ったフィードバックの一音ですらも、まるで寸分の狂いも無くポジションにはまってくる。そのサウンドやプレイに只ならぬこだわりを見せている彼女らは、メジャーデビュー直後とはいえ「過小評価では?」と思われるくらいに実力は十分。ガールズ・ロックの存在を多くのロック・ファンに認知してもらうためにも、彼女らの進撃は必須、その動向に今後も多くの注目が寄せられるところだ。

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◆exist†trace 公式サイト
http://www.exist-trace.com/
◆セットリスト
M01. リトル・メアリーと美しき憎しみのドナウ
M02. KISS IN THE DARK
M03. 本能
M04. Daybreak~13月の色彩~
M05. RESONANCE
M06. VANGUARD

hana

再始動、初参加と、今回のイベントに登場したグループはどれも新鮮なカラーを見せ、会場いっぱいにガールズ・ロックの魅力を振りまいた。鮮やかな色彩感、それこそガールズ達ならではの成せるワザとも言えるだろう。単なるイロモノ的から、一人一人の優れたミュージシャン、アーティストと、世に広く認知されるまでの壁は未だ高く聳え立っているが、それを打ち破る鍵となる要素を、このイベントは持っている。新たにこのイベントに参加したバンド、そして巣立っていくバンドとその様相は様々だが、そのセンセーショナルな登場の一部始終を垣間見られることこそ、このイベントの醍醐味と言えるだろう。
来年初頭には20周年という大きな節目を迎え、更にそのステータスを広げていくこのイベント。当分ここから目が離せそうにない。


 
 
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