特集

ARABAKI ROCK FEST.12

TEXT & PHOTO:鈴木亮介

東北最大級のロックフェスとして2001年より開催されているARABAKI ROCK FEST.(荒吐ロックフェスティバル)が今年も4月28日と29日の2日間に宮城県柴田郡川崎町のエコキャンプみちのくにて開催された。昨年は東日本大震災の影響により春期の開催を見送り、8月の開催となったため、2年ぶりに桜の美しい季節の開催となった。
 
今回、本誌BEEASTでは初の東北出張を敢行。「アラバキ」2日間の様子をたっぷりとお届けしたい。特にこれからお届けする1日目のレポートは、「野外フェス初心者への指南書」として、時系列にフェスの見どころや楽しみ方はもちろん、意外と見落としがちな注意事項などをお知らせしたい。来たる夏に向けて、初の野外フェス参戦を検討している読者の方も多いことであろう。そうした方々にとって、この記事が「野外フェスマニュアル」となれば幸いである。
 

 

AM 07:00

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「アラバキ」の朝は、とにかく早い!今回スズキは東京から深夜バスを利用して東北入りしたのだが、午前6時に仙台駅前に到着し、駅前で牛丼を食べて会場行きのシャトルバス乗り場を訪れると、まだ7時台であるにも関わらず、既に行列が!シャトルバスはかなりの台数を用意しており、続々と乗り込んでいるが、それを凌駕するほどの大勢のお客さんが早くも列を作っていてびっくり。ちなみに2日目はもう少し遅い時間にしようと油断して9時台に訪れたところ、それをはるかに上回る客列で、結局バスに乗るまでに20分以上も駅前で並ぶことになってしまった。
 

★野外フェスの掟001--会場までの所要時間は入念に調べるべし!

 

AM 07:30

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「アラバキ」の会場であるエコキャンプみちのくまでは、仙台駅からのシャトルバスでちょうど1時間。道中の風景もまたフェスまでの期待感を高めてくれる好材料だ。特に今回は震災後初の東北入りとあって、街の様子がどうなっているか気になっていたのだが、予想に反して「震災の爪あと」を想起させるものは何一つなかった。人が多く住む仙台だから、ということもあろうが、この地に住む人々の強さを感じずにはいられなかった。
 

★野外フェスの掟002--会場に着く前からフェスモードに突入すべし!

 

AM 08:30

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早々に到着。開場の午前9時まではまだ1時間近くある。ただしアラバキの特長は会場がとにかく広いこと!シャトルバスの発着場からプレス受付のテントまでは歩いて10分ほどだ。その間、既に500名は超えるかと思われる観客が列をなしている。先頭にいた2人組に話を聞いてみた。
 

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「青森から来ました!朝6時から並んでます。
ファッションのポイントは…
いかに軽くするか、ですね。
今日はTHE BAWDIESが特に楽しみです!」
 
 
 
 

 

AM 09:00

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いよいよ開場!続々と入場する観客たち。この時期、東北地方の桜は満開。美しく咲き誇る桜をカメラに収める人が多く見られた。場所取りのために走ったり押しあったりする様子もなく、非常に穏やかだ。そして、入口付近では何か配っている。近づいてみると、ビニール袋だ。ごみ袋としての利用はもちろん、野外フェスなので雨天も想定されるから、荷物や体を雨から守るためにも活用できそうだ。
 

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「私たちは東北をはじめ
全国から集まったボランティアです。
皆さんに気持ちよくフェスを利用してもらえるよう、
ごみの分別回収やごみ袋の配布を行っています。
ちなみにこのごみ袋、実はお米でできています!
香ばしいですが、食べちゃだめですよ!」
 
 

 

AM 09:30

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まず朝イチで訪れたいのが、物販コーナーだ。各アーティストグッズはもちろん、多くの人のお目当てはARABAKI ROCK FEST.12公式Tシャツだろう。人気のデザインは早々に売り切れるので要注意だ。さらに、その隣には地元名物などの屋台が!朝早くから並んだ人たちの中には、ここで遅めの朝食を取る人や、来たる激アツライブに備えて腹ごしらえをするという人も多い。種類も豊富!いいにおいにつられて、おなかがすいていなくてもついつい手を伸ばしたくなってしまう。
 
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★野外フェスの掟003--朝イチで公式グッズ(と食料)を調達すべし!

 

AM 10:00

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午前10時。さあいよいよアラバキ1日目のステージが幕を開ける!冒頭、陸奥(みちのく)ステージでは地元・川崎中学校ブラスバンド部によるオープニングアクトが披露され、続いてGRAPEVINEのステージに地元川崎町の小山修作町長が登場!「ようこそ!みちのくへ!本当にありがとうございます!」と挨拶。約400年前に川崎町から世界に出て活躍した武将・支倉常長が日本人として初めてチョコレートを食べたというエピソードを語り、ステージからチョコレートを配り、観客を盛り上げた。
 
最もキャパシティの大きいステージの一つである、陸奥ステージ。午後はストレイテナーフジファブリックthe HIATUSthe pillowsが登場。さらに夜は「MICHINOKU PEACE SESSION」と題して怒髪天 & THE JOE-NETSが豪華セッションを行った。
 

AM 11:00

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会場を見渡すと、シートを引いたりテントを建てたりと、やはり「拠点」を作った上であちこちのステージへ足を運ぶ人が多いようだ。アラバキの会場はとても広く、ステージ間の移動には最大20分を要する。さらに、人気のミュージシャンのステージ前後では多くの人が同じ方向へ移動するため、渋滞が起きることもある。「これは絶対に観たい!」というマストのミュージシャンを中心に、ある程度の行動計画を立てて臨むと良いようだ。
 

★野外フェスの掟004--拠点を設けて、一日の行動計画を立てるべし!

 

PM 00:20

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陸奥ステージの隣、荒吐(あらはばき)ステージでは、撃鉄クリープハイプFRYING DUTCHMANMAN WITH A MISSIONかりゆし58TheピーズTOMOVSKY堂島孝平曽我部恵一BANDフラワーカンパニーズが出演!MAN WITH A MISSIONはやはり、あの”かぶりもの”で登場!
 
幸いこの日は快晴。他のステージへ移動中、のどが乾いてきた。やはり炎天下となるとこまめな水分補給が欠かせない。持ってきた水筒が空になってしまった!という場合でも安心。飲食エリアに限らず、移動中の路傍でもキンキンに冷えたビールやハイボールが売っているので嬉しい!さらに、「ファイト、一発!」と叫べば栄養ドリンクがもらえるブースも。
 

★野外フェスの掟005--水分補給はぬかりなく行うべし!

 

PM 02:00

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そして屋内型の花笠(はながさ)ステージに移動すると、ノルウェーからの刺客、22が熱いステージを繰り広げていた。昨年の残響祭で鮮烈デビューした彼らの持ち味はラウドサウンド!matS paulseN(Bass)とmagnuS børmarK(Guitar)は縦横無尽にステージを駆け回る!花笠ステージではこのほか、THE BOHEMIANS[Champagne]あらかじめ決められた恋人たちへThe Birthdayeastern youthが熱演を繰り広げたほか、夜は「MAZRI produce 映像と音の祭」として9mm Parabellum Bulletらが映像作品と融合した前衛的なステージを披露した。
 

PM 03:00

さて、ここでお客さんの「ファッションチェック」!野外フェスに欠かせない「フェス必需品」も尋ねた。
 

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「前日まで雨だったし、やっぱり自然の中を歩くので、長靴は欠かせませんね!」
「2年前すごい雨だったので、その教訓を活かして。あとは荷物を入れられるリュックや、帽子も必須!」
 
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「この椅子はアラバキのためにネットで買いました!思い出を撮るカメラもマストアイテムですね。」
(※ステージの撮影は不可)
 
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「農作業用の長靴で来ました!」「俺は履き潰した靴!あと、首元にタオルがあるといいね!」
 
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「日焼け止めは女子の必須アイテムです!服装は動きやすいジャージが基本!」
 
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「ペットボトルホルダーは絶対必要!意外と売ってないので、家から持ってきました。」
「この髪飾りはアラバキの露天で一目ぼれして買いました!」

 

★野外フェスの掟006--晴/雨どちらにも対応できる服装&アイテムを準備すべし!

 

PM 04:30

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こちらは鰰(はたはた)ステージ。今年25周年を迎えるLӒ-PPISCHだ!なんとぎっくり腰になってしまったというMAGUMI(Vocal & Trumpet)が車いすで登壇。心配したのもつかの間、「美代ちゃんのハッパ」で爽快なトランペットを全力で奏でると、「パヤパヤ」を歌い出すや否や、車いすから立ち上がる!杉本恭一(Guitar & Vocal)がお茶目に空になった車いすを押して回ったかと思えば、中盤には「僕よりも病人だった人の曲やります」というMAGUMIの語りから「ワダツミの木」を熱唱したりと、LӒ-PPISCHファンにはこの上なくたまらないステージが展開された。このほか、鰰ステージにはbrute in forest藤原美幸(秋田民謡)、オレスカバンドMountain Mocha KilimanjaroDOBERMAN在日ファンク東京スカパラダイスオーケストラが登場した。
 

PM 05:20

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だんだん日が暮れてきた。昼間は直射日光で汗ばんでいたが、森の中のキャンプ場ということもあり、夕方から一気に冷え込んでくる。防寒対策もあなどれない。さて、こちらは磐越(ばんえつ)ステージ。昨年の出演時には原発政策を批判した替え歌「ずっとウソだった」を披露し大歓声を浴びた斉藤和義だ。今年も溢れる観衆の中で、「やさしくなりたい」「月光」など最近のヒット曲を熱唱し、観客の心を温めていた。磐越ステージではザ・マスミサイルRyo Hamamoto & The Wetland10-FEETトータス松本山崎まさよし3G吉田建仲井戸麗市村上秀一)、泉谷しげる with LOSER下山淳村上“ポンタ”秀一仲井戸麗市吉田建)といったキャリア組が出演した。
 

PM 08:00

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真っ暗になったエコキャンプみちのく。都会では味わえない暗闇の中で、お客さんは思い思いに暖を取っている。中には肉を持参し夜のバーベキューを楽しんでいるという人も。そして、津軽(つがる)ステージでは、「相馬市復興支援プロジェクト 山口洋 presents”MY LIFE IS MY MESSAGE”」といった企画も行われ、HEATWAVEおおはた雄一矢井田瞳がセッションし、復興への思いを歌に乗せた。津軽ステージではこのほか、東京カランコロンQUATTROLaika Came BackCurly Giraffe<Guest:Hirohisa HorieKUMI&NAOKILOVE PSYCHEDELICO)>、タテタカコ & element of the moment浅草ジンタThe NO PROBLEM’s、津軽三味線の夢弦会が出演した。
 

PM 09:00

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今日でおしまい、もしくはいったん帰る人達が続々とゲートをくぐり、シャトルバスに長い行列を作る。やはり一日で約2万人が入場する規模のフェスだけあって、帰路の混雑は想像以上だ。なんと、シャトルバスに乗車するまでに1時間近くを要してしまった。
 
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一方、花笠ステージでは夜10時以降にキャンプファイヤーライブが開催された。2日通し券とキャンプサイト券を購入した人が参加できる。会場内にテントを張って、明日に備える方が賢明かもしれない。何はともあれ、1日目のアラバキ、初めてのアラバキは、こうして幕を閉じた。
 

★野外フェスの掟007--都会にはない大自然にどっぷり漬かれるのも、フェスの魅力!

 

 
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◆ARABAKI ROCK FEST. 公式サイト
http://arabaki.com/

 

ARABAKI ROCK FEST.12 2日目のレポートはこちらへ!
http://www.beeast69.com/feature/26962/


 
 
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