特集

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TEXT:長澤智典

人は、困難や挫折を繰り返すほど心が強くなる。たとえ望まぬ未来が自身に降りかかろうと、乗り越えねば未来を作れないのなら、人は悔しさや悲しみを…瞼に浮かべた涙を糧にしてさえ、自分の心を鍛え上げてゆく。それによって生まれるのが、”揺るがぬ強い意思”。
 
本誌BEEASTが自信を持ってプッシュする太鼓判アーティストの特集、第48弾はFullMooN。第43弾、第45弾でもご紹介したガールズロックバンドだ。今年前半時期までFullMooNは5人編成で活動を続けていた。だが、プライベートな事情からツインギターを担う一翼が卒業。現在、FullMooNは4人編成で活動している。
 
でも、メンバーは口々にこう言った、「揺るがぬ意思を持った4人の気持ちが一つに結びあっているからこそ、新しい血を入れるのではなく、この関係をもっと強固にしていきたい」と。実際、4人の絆や見据えた未来図が全員ピッタリ重なりあっているからこそ、「今のFullMooNのライブは魂を揺さぶる」とお客さんたちも絶賛の声を彼女たちに向けている。
 
その言葉が、今の4人の強い自信にもなっている。繰り返され続けてきたメンバーの入退劇。それが結果的に今、最強のFullMooNを作りあげた。10月30日(水)、現体制のFullMooNとしては初のシングル「燈」(ともしび)を発売する。デジタルな音を極力排除し、自分たちの魂と演奏のみを交わすことで生まれた強靱な楽曲たちには、4人の明確な意思が映し出されている。彼女たちがどんな想いを胸にシングル「燈」を作り上げたのか、その言葉をここへ届けたい。

L to R/りん(Bass)、一二三(Drums)、ねね(Vocal)、えれん(Guitar)

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FullMooN 新譜『燈』2019年10月30日(水)発売!

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最強のサブカルチャーガールズバンドFullMooN最新作
バンド感を追求した、シンプルながら奥深い疾走感のあるサウンドとメロディー!

ガールズバンドシーンで異端の存在を放ち続ける、最強のサブカルチャーガールズバンドFullMooNの最新作「燈(トモシビ)」。細かなアレンジ、デジタルサウンドを極力までそぎ落としシンプルなバンド感を目指した今作はストレートな楽曲の中に力強さを感じさせる。90年代のシンプルなビートロックの心地よさを軸にメッセージ性の強い歌詞、感情を乗せたボーカルに、等身大の彼女達の想いの強さを感じ取ることができる。

「燈」はまさに、ここから4人のFullMooNとして進んでゆくと宣言した楽曲。

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—いろいろ突っ込みたい想い満載の作品ですが、どういう「狙い」を持って作りあげたのか、そこから教えてください。

 
ねね:今回目指したのは”ストレートなギターロック”です。曲調も歌詞もストレートなのは、もちろん。サビ歌は、一度聴いただけで歌詞がスーッと入ってくるくらい伝わりやすいです。
 
りん:活動初期のFullMooNを思い出すくらい、とてもエモい作品になりました。
 
ねね:メンバーが5人から4人になり、より4人の絆が深まったことも大きい要因なんです。4人で誓い合った想いというか、明確な意思を楽曲の中へ詰め込んだら、こんなにもすごく熱い作品になった。実際にその気持ちを確認しあって以降のライブを通し、お客さんたちからは「余計にバンドらしくなったね」と言われますからね。
 
りん:より心が一つにまとまれば、それが熱量として反映されたというか…。
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ねね:間違いなく勢いはついたよね。
 

—「燈」の歌詞へ「無邪気に笑って上から目線でサヨナラ これがそんなに欲しくて捨てたの?」と、強烈な皮肉をぶち撒けていません?

 
りん:そこは、前シングル「疑心暗鬼」に続いてになるんですけど。人って、傷つき、それを乗り越えるたびに強くなっていく。それを示しているのが、シングルの「燈」なんだろうね。
 
ねね:いろんな困難を乗り越えたからこそ生まれた演奏や歌、楽曲たちが、ここには詰め込まれています。むしろ、今回の経験があったことで、メンバー一人一人が改めて自分の意思を見つめ直す良いきっかけにもなれば、それを確かめあえたことが4人の絆をより深くしたように、良い機会になったと、そこは前向きに受け止めています。
 

—それにしても…。

 
ねね:「燈」の歌詞はって言いたいんですよね(笑)。
 
えれん:「燈」の歌詞は、現状と、この先への想いを詰め込んだ歌詞なんです。
 
ねね:違った道を歩みだした人への気持ちも含みつつ、でも、サビに書いた「誰かに頼っていても連れて行ってくれやしないよ 自分の力で変えなきゃ」という歌詞は、自分たち自身へ向けた言葉。これまで逃げてきたことや目を背けてきた事柄からもう逃げることなく、その事実をしっかり受け止めたうえで進むという決意や意思をここには示しました。二番のサビに記した「ここで泣きたいだけ泣いて全ての感情を吐き出せ いっそ倒れてもいいから」は、私たちとフロアにいるお客さんたちとの関係性について。泣くことは何も恥ずかしくはない。それよりも、お互いにすべての感情を素直に吐き出し一緒に前へ進もうという想いを書いています。
 
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—自分たちの胸の中に渦巻く想いを、しっかり歌に変えて昇華したかったわけだ。

 
ねね:そうなんです。確かに、4人になったばかりの頃はツインギターの楽曲が中心だけに、不安のほうが先行していました。だけど、「あえて今の4人だけで出来る楽曲を作ってみよう」ということで、ワンギターによる「燈」が生まれたとき、「この4人でぜんぜんいけるな」と素直に思えましたからね。むしろ、完成した楽曲をスタジオで合わせたとき、みんな熱い高ぶりを感じていれば、スタジオの中で見つめ合いながら演奏をしていましたからね。
 
えれん:気持ちが原点回帰していたっていうのかな。
 
ねね:その気持ちは、確かに強く感じてた!!
 
一二三: ドラムを叩きながらも、自然と気持ちがノッていけば、歌いながら叩いてる自分が何時もいるんです。サビとか、当たり前に歌ってるし!!
 
りん:わたしも、そう。歌詞を噛みしめながら演奏しちゃうように、ライブでやるたびに感情が強く入っていく曲が「燈」なんです。
 
一二三:わたしもいろんなバンドで叩いてきたように、メンバーの脱退やバンドの解散は経験してきたことだから「燈」に込めた気持ちもすごくわかるんです。だからわたし、「絶対にFullMooNで叩き続けよう」という気持ちを毎回確認しながら叩いているからね。
 
ねね:「燈」はまさに、4人の気持ちをわかりやすく、しかもストレートに詰め込んだ歌だからね。
 
えれん:「燈」の面白さが、ライブで演奏を重ねるたびにライブアレンジ化され、楽曲が進化し続けていること。だから音源とライブとを聞き比べてもらえると、その違いも楽しめると思う。
 
りん:ライブでしか感じれないエモさが「燈」には出ているからね。
 
ねね:「燈」はまさに、ここから4人のFullMooNとして進んでゆくと宣言した楽曲になりました。

「Edge of the world」は厨二病の曲。
—2曲目には、「Edge of the world」を収録しました。

 
ねね:これは厨二病の曲です。もともとは、うちのプロデューサーが他の方への楽曲提供を予定し、書いた歌で。わたしが仮歌を歌っていたんですけど。提供前にアーティスト側が活動を止めたことや、すごくいい曲だったから「FullMooNでやりたい」と思い、プロデューサーへお願いをして4人でアレンジをし直し、形にしました。
 
えれん:「燈」や3曲目に入れた「Change song」がリアリティの強い歌なぶん、「Edge of the world」を入れたことによって作品の中へファンタジー感を加えられたように、そこは良かったなと思う。と言いながらも、空想の世界とはいえ、歌詞にも共感を覚えるけどね。
 
ねね:そこは、みんなそうだよね。
 
一二三:わたしも、そう。ってことは、みんな厨二病??
 
ねね:ていうか、世の中みんな厨二病みたいな人たちばかりだから(笑)。
 
えれん:そこはどうかわからないけど(笑)。リアリティを持った歌を3曲並べるよりは、「Edge of the world」のような楽曲を入れることで、より懐深く作品を楽しめているなとは感じています。

「Change song」は「歌う為に、生きているから」と宣言している歌になりました。

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—「君が居るから僕は笑える 何でもできる気がする」「まだ小さくて不安定だけど 大きな大きな花になれる」と歌う「Change song」は、「燈」を乗り越えたうえで得た心境にも感じました。

 
ねね:そう受け止めてもらえるのって嬉しいですね。でもこの歌ができたのは、もう4年くらい前のことなんです。
 

—えっ、そうなんですか??

 
ねね:なんなら、一度会場限定シングル盤として出していた中に入ってた楽曲なんですけど。シングル盤自体がすでにソールドアウトしているから、ライブで演奏をし、「「Change song」の入ってる音源が欲しい」と言われても、音源としてもう存在していなかった。とはいえ今でも演奏をすればライブ支持の高い楽曲だから、改めてファンのみんなへ向けて音源化しようと決めて作りました。それに、もともとファンへ向けて書いてた歌だったからね。冒頭の「君と出会えて僕は変われた」の歌詞は、まさにファンのみんなへ向けての言葉なんです。
 
りん:わたし、この歌すっごく好きなんです。この曲をライブで演奏をしていると応援してくれる人たちへ向けての思いが強く入っていくんですよ。
 
ねね:ちょうどりんがFullMooNのメンバーになり、しかもバンドが3人編成という大変な時期に行った主催イベントで「新曲です」と発表したんですよ。そのときから、お客さんたちの反応や感触が良かったからね。ホント、君たちと出会えているからFullMooNはこうやって進み続けていれるからね。
 

—「Change song」は、今後どんなことがあっても「音楽の道で、ステージの上で生き続ける」ことを宣言した楽曲じゃない??

 
ねね:「歌う為に、生きているから」と宣言もしているように、まさにそういう歌になりました。

そういう経験を重ねたからこそ、4人の絆がさらに深くなった。
—FullMooNは、何度も傷つけば、そのたびに立ち直り、前へ進む意思を強くしてゆくように、苦難や困難を糧に成長し続けてゆくバンドだなと改めて感じました。

 
ねね:これまでいろんなことがあり過ぎましたけど(笑)、今はいい感じでやれているので。
 
りん:そういう経験を重ねたからこそ、4人の絆がさらに深くなったからね。
 
ねね:一二三ちゃんは4月にメンバーになったばかりなのに、ぜんぜんそんな感じじゃないどころかさ。
 
りん:バンドの中を明るくしてくれたよね。
 
ねね:明るいし、元気だし、うるさいし(笑)。何処にいても、この子がいるだけでバンド全体の雰囲気が明るくなったよね。気付いたら、いっつも連絡取り合ってるくらいの仲だし。
 
一二三:わたしも、前からずっといるような感覚だからね。その理由に、前々からFullMooNのことがずっと好きで観ていたし、その当時からメンバーとの繋がりがあったことも大きかったと思う。

ジャケットの撮影を行ったのは、光の灯る灯台の側…ではなくて…押し地味のあの場所。

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—灯台の灯をじっと見つめる4人の後ろ姿を写したジャケット写真にも、強いメッセージを感じています。

 
一二三:4人とも、同じところを見ているように、目指す夢や目的は一緒です。
 
えれん:一つの光に向かって歩いていこうという宣言のようなジャケットだからね。
 
りん:じつはあのジャケット、実際にあの場所へ行ったわけではなく、加工して作りあげています。
 

—えっ、そうなんですか??

 
一二三:あの写真を撮ったのは、厚木サンダースネイクの横にある駐車場なんです。だから私たちが観ていたのは灯台の光ではなく、ビルの上のほうでした(笑)。なのでみなさん、ぜひ、厚木サンダースネイクの横にある駐車場に行って、同じポーズをして写真を撮ってください。それを加工すると、同じジャケットになりますから。
 
ねね:11月16日に、りん一二三の生誕祭も兼ねつつ、「燈」のリリース記念の主催イベントを厚木サンダースネイクでやるんですけど。それは、ジャケットを撮影したFullMooNにとっての聖地でやりたかったからなんです。みなさんもライブ会場へ入る前に、横の駐車場で、邪魔にならないよう気をつけてジャケットのポーズで写真を撮ってください。ちなみに私たちが後ろ姿なのは、すっぴんだからです(笑)。
 
えれん:違う違う、光へ目指して進もうということでだから。
 

—「燈」の発売時期前後にも、いろんな動きを予定していますよね。

 
ねね:近々で言うと、11月12日-14日に開催になる「徳島まちあそび」にFullMooNも(12日と13日に)参加し、そこの会場から「燈」の先行リリースを始めます。20日の大阪公演や22日の東京公演でも先行リリースになるから、発売日よりも早めに手にしたい方は、ぜひ足を運んでください。
 
えれん:11月3日には、恒例のDISC UNIONさんでのインストアイベントも開催します。お馴染み撮影&私物サイン会も行うので、また私たちが驚くようなものを持ってきてください。
 
一二三:わたし、これまで一度もインストアイベントを行ったどころか、参加さえしたことがないから、どういう内容なのかまったくわからなくって。
 
えれん:ファンのみんなが変な私物を持ってきて、それに私たちがサインをして一緒に撮影をするイベントだから(笑)。

FullMooNの熱い気持ちを投影した「燈」、ちょっと二次元的な感情も見える幻想的な「Edge of the world」、応援してくれるみんなへ向けた思いを歌った「Change song」。
—最後に、シングル「燈」に向けての言葉を一人ずつお願いします。

 
りん:FullMooNの熱い気持ちを投影した「燈」、ちょっと二次元的な感情も見える幻想的な「Edge of the world」、応援してくれるみんなへ向けた思いを歌った「Change song」、いろんなメンバーの心模様の見える作品ですので、ぜひ私たちの気持ちへ触れてください。
 
一二三:わたしにとっては、FullMooNのメンバーになって最初の音源。自分なりのアイデアを反映しながら3曲ともドラムを叩いたように、わたしの叩くFullMooNのドラムスタイルを堪能してください。
 
えれん:今回はワンギターで録った作品になりましたが、とくに「燈」はツインギターサウンドに引けをとらない熱いサウンドになっています。ライブで聴くと違った格好よさも発見できる曲たちばかりのように、ぜひ音源とライブを通し、それぞれに詰め込んだ熱いFullMooNの姿を味わってください。
 
ねね:初心に帰った作品になりました。変に着飾ることなく、本当にストレートなサウンドと歌声、歌詞で…とにかく4人の熱さで勝負している作品のように、その熱量をぜひ音源やライブを通して感じてもらえたらなと思います。

◆FullMooN
Official Website
http://tatenaga.net/
twitter
https://twitter.com/FullMooN_tw
 
 

 
ガールズバンドシーンで異端の存在を放ち続ける、最強のサブカルチャーガールズバンドFullMooNの最新作「燈(トモシビ)」。
 
細かなアレンジ、デジタルサウンドを極力までそぎ落としシンプルなバンド感を目指した今作はストレートな楽曲の中に力強さを感じさせる。
 
90年代のシンプルなビートロックの心地よさを軸にメッセージ性の強い歌詞、感情を乗せたボーカルに、等身大の彼女達の想いの強さを感じ取ることができる。
 
曲目
1.燈
2.Edge of the world
3.Change song
4.燈(Instrumental)
5.Edge of the world(Instrumental)
6.Change song(Instrumental)

 
レーベル 
ジリオンモードプロダクション
 
規格番号
ZMR-022
 
販売価格(税抜/税込)
定価 ¥1,620 (税抜価格 ¥1,500)
 
JANコード
4582486290220
◆Information
FullMooN『燈』発売記念インストアイベント
 
◆日時:2019年11月3日(日) 15:00スタート(整列開始 14:50予定)
◆場所:ディスクユニオン新宿ヘヴィメタル館
◆内容:私物サイン+写真撮影会
 
≪参加方法≫
10月30日発売予定、FullMooN フルムーン「燈」(ZMR-022)をディスクユニオンの対象店舗でお買い上げのお客様にイベント参加券をお渡しいたします。
 
■対象店舗
オンライン・ショップ/新宿ヘヴィメタル館/お茶の水ハードロック・ヘヴィメタル館/渋谷パンク・ヘヴィメタル館/大阪店/お茶の水駅前店/神保町店/下北沢店/吉祥寺店
/町田店/横浜関内店/千葉店/柏店/北浦和店/大宮店/高田馬場店/池袋店/日本のロック・インディーズ館/横浜西口店/中野店/立川店

 
■注意事項
・サインはお客様の私物へ行います。サインを入れてほしい私物(CD/色紙等)をご用意の上、ご来店お願いいたします。
・写真撮影はお客様のスマートフォンまたはカメラ付携帯電話にて、お客様+メンバー4人での5ショットをスタッフが撮影いたします。
・イベント参加券の配布は定員に達し次第終了いたします。終了後にご予約(ご購入)いただいてもお付けできません。
・イベント参加券はいかなる場合も再発行はいたしません。
・小学生以上のお客様からイベント参加券が必要でございます。また小学生未満のお客様がイベントにご参加をご希望の場合、付添いの方もイベント参加券が必要でございます。
・お客様の列が途切れ次第、イベント終了となります。
・イベント参加券の譲渡・転売は禁止させていただきます。
・対象商品の返品・返金はお断りさせていただきます。不良品は良品との交換とさせていただきます。
・手荷物や貴重品はお客様ご自身で管理してください。ベビーカー・キャリーケースなどの大きいお荷物もお預かりいたしかねます。
・当日は、録音・録画・写真撮影は禁止とさせて頂きます。
・他のお客様のご迷惑となる行為、また他のお客様に怪我をさせてしまう可能性のある危険な行為は禁止させていただきます。
・イベント当日は係員の指示に必ず従ってください。係員の指示に従っていただけない場合、イベントへのご参加をお断りすることがございます。また係員の指示に従わずに生じ
た事故に関しましては、弊店・主催者は一切責任を負いかねます。
・諸事情によりイベントの内容に変更が出る場合や、イベント自体が中止になる場合がございます。
 
お問い合わせ:ディスクユニオン新宿ヘヴィメタル館
TEL:03-5363-9778