特集

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TEXT:長澤智典

国内のロックシーンの最先端を駆け抜け、輝き続けるフロンティアたちの横顔に迫るインタヴュー特集「ROCK ATTENTION」。第50回に登場するのは、二度目の登場となるCROWLEY。2017年の第47回にも登場し、30年の時を経てふたたび活動の狼煙を上げたタイミングのインタヴューを掲載した。2018年6月に正式に再始動を表明し、2017年9月にリリースしたアルバム『NOCTURNE』は、CROWLEYの復活を聞きつけたファンや、伝説が動き出したことへ興味を示した新しいファンたちの強い興味関心から、売り切れ店が続出。早くも、入手困難なレアーアイテムと化している。
 
アルバム『NOCTURNE』は、過去に発表した楽曲の数々を英詞ヴァージョンで新録した形で構築されていた。と言うのも、当初CROWLEYは海外ツアーを皮切りに本格的な再始動の準備を行えば、海外マーケット向けに作品を提示しようという狙いから、全編英詞曲として新たに録音を行った経緯がある。残念ながら、海外公演は国外プロモーターの失踪からたち消えに。とはいえ、『NOCTURNE』という名盤を生み出したことや、海外ツアーの話がCROWLEYが再始動するきっかけとなったように、ここはあえて怪我の功名と受け止めようか。
 
ご存じの方も多いだろう、CROWLEYは2017年12月30日に「Crowley Warm Up GIG」と称し名古屋 ell.FITSALLでワンマン公演を開催。この日に合わせ、全国各地からCROWLEYの雄姿を瞼に焼き付けようと、大勢の信者たちが生地・名古屋へ集結。もちろん、チケットも完売させた。その反響の高さや、これからの活動への飛躍のため、CROWLEYは新たなライブを発表。それが、2018年5月5日にElectric Lady Landで行う「The Evil Returns~CROWLEY復活!!~」になる。しかもこの日、今や入手不可能となっていた幻のアルバム『Whisper of the Evil』とシングル『The Scream of Death』、さらに未発表デモ音源『Love Story (1984 demo)』を加え、全10曲入りの当日会場限定盤として発売する。
 
オフィシャルサイトへは、「5月5日のライヴ会場にて先行販売される『Whisper of the Evil Premium Edition』は、後に一般流通になる商品とは一部の収録曲やアルバムジャケットのデザインが多少異なる内容になる予定。5月5日のライヴ会場で発売する作品は、この日のみのバージョンになります」と記されている。流通盤も、5月5日の公演から、そんな遠くない時期には発売になる予定だ。ライヴ当日には、入場者全員に、昨年リリースしたアルバム『NOCTURNE』へ収録した『Don’t be in a hurry』の日本語ヴァージョンのCDをプレゼント。さらに、アルバム『Whisper of the Evil Premium Edition』の購入者には、別の特典も用意。ここまでの流れや、今後の予定を踏まえつつ、今回もHIRO(Drums)と古久根吉紀(Guitar)に話を伺った。さっそく、いろんなエピソードの数々を、ここに披露しようか。

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CROWLEY、華麗なる復活劇へ向けて…。
—アルバム『NOCTURNE』、かなり高い反響を起こせば、12月30日に名古屋 ell.FITSALLで行った「Crowley Warm Up GIG」もソールドアウトを記録。幸先の良いスタートを切りました。

 
HIRO:CROWLEY12月30日のワンマン公演は、メンバー自身演って良かったなと思ってる。というのも、当初の予定では、復活GIGは今年行う予定で考えていたこと。ところが、嬉しいオファーと言うべきなんでしょうね。我々CROWLEYがホームグラウンドにしてきたElectric Lady Landが、昨年40周年を迎えました。その周年GIGのトリとして、「過去にElectric Lady Landの華として活動してきたCROWLEYに、40周年イベントシリーズのトリを飾って欲しい」という相談を受けました。
 
正直、今のCROWLEYのファン層を考えたら、12月30日というのはとても微妙な時期だなと思ったのも事実。でも、「年を跨いでしまっては意味がない。ましてCROWLEYには今、いい流れが生まれている。ぜひやってもらえないか」と言われたことや。そのオファーを受けた時期が、まさに『NOCTURNE』がアルバムチャートの上位にも多く顔を出していた頃。バンドとしても、この流れを上手く繋げようという気持ちから出演を了承したわけですが。結果、演ってみて正解だったなとは感じました。
 
古久根:あの日、会場に足を運んだお客さんたちも、ものすごく喜んでくれてたからね。
 
HIRO:しかも、「Crowley Warm Up GIG」の手応えも良かったからなんでしょうね。一度、発売を決定まで持っていきながらも、CROWLEYの復活海外公演が中止になったことで、ふたたびお蔵入りになっていた『Whisper of the Evil』の初CD化までElectric Lady Landの許諾を得ることが出来た。
 

—『Whisper of the Evil』の原盤を保持しているのが…。

 
HIRO:E.L.Lレーベル。改めて経緯を語るなら、とある海外のプロモーターから、「CROWLEYの北米ツアーを行いたい。ぜひ、活動を再開しないか?」というオファーを受けたことをきっかけに、かつてのメンバーらに呼びかけたところ、自分と古久根吉紀、そしてショーンこと岩井高志(Vocals)の3人がその話に共鳴。新メンバーとして三芳俊二(Bass)を迎え、再始動を決めました。さらに海外ツアー向けにと、新たな体制になったCROWLEYとしてリ・アレンジし、英詞バージョンでセルフカバーしたアルバム『NOCTURNE』を制作。じつはそのツアーへ、海外ファンからも「CD化して再発して欲しい」というオファーの多かった『Whisper of the Evil』も初CD化し、一緒に持っていこうと計画をしていました。
 
その話を、『Whisper of the Evil』の原盤を所有しているE.L.Lレーベルのオーナーへ持ちかけたところ、「『Whisper of the Evil』を発売する明確な理由があるのなら、こちらも協力しよう」ということからCD化の許諾を得て、アルバム『NOCTURNE』の制作と平行し、『Whisper of the Evil』のリ・マスタリングも始めていました。ところが、北米ツアーを組んでいたプロモーターが消息を絶ち、ツアーは幻に。必然的に『Whisper of the Evil』のリイシュー盤に関しても、「北米ツアーの話がなくなったのなら、今回の再発の話も一度保留にしてくれ」と言われ、再発の話は一度絶ち消えになったわけなんです。
 
古久根:でも、せっかく作り上げた『NOCTURNE』は形にして世に送りだしたかったし、メンバーみんな、CROWLEYの活動を再開しようという気持ちは揺るがなかった。
 
HIRO:そこから、新たにいろんな人たちの協力を得て、アルバム『NOCTURNE』のリリースと、復活劇に至る露出などを行った。結果、バンドの予想を超えた大きな話題を得たこともあり、先に触れた12月30日の「Crowley Warm Up GIG」の話をいただけた。そこでも、E E.L.レーベルの元オーナーであり、今もElectric Lady Landのオーナーを納得させる成果を導き出したことが、『Whisper of the Evil』の再発や、5月5日に我々のホームグラウンドであるElectric Lady Landで行う「The Evil Returns~CROWLEY復活!!~」へと繋がったわけだからね。
 
古久根:アルバム『NOCTURNE』に対する世間からのリアクションや、12月30日に名古屋 ell.FITSALLで行った「Crowley Warm Up GIG」を通し会場をソールドアウトさせたのみならず、凄まじい熱狂を生み出したライブを行った成果など、一つ一つ結果を示したからこそ、こうやって求めていた形を現実化していけたり、新しい動きを作ることへ繋がっていった。
 
俺たちは、絶対に結果を示せる自信を持っての行動だったけど、世間的には、クエスチョンマークを持ってCROWLEYの動向を見ている人たちも正直多かった。そこで、目に見える形で成果を突きつけたことで、ようやく世の中もCROWLEYの復活劇を確信した。まして、長年復活を待ち望んだファンたちや、伝説としてCROWLEYを受け止めていた人たちが、これからもCROWLEYと一緒に歩んでゆくことを喜んでくれた。何より、ファンたちの中にもあった不安を自信や確信に変えていけたことは、とても大きかったなと思う。
 
HIRO:その先が霞んで見えなかろうと、動き始めたCROWLEYをけっして止めなかったことが良かったなとは感じてる。
 
古久根:そうだね。今は焦ることなく、目の前に提示した一つ一つの行動に対し、一つ一つしっかり成果を導きだし、そこで得たものを糧に、また次なる目標へ向かって進んでゆく意識でいる。けっして動きは早くないけど、そうやって着実に、確実に踏み固めながら進むのが今のCROWLEYのスタイルだからこそね。

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バンドが登場した瞬間、地響きのような「ウオォォォォォーーッ!!!!」という歓声を聴いたときには久しぶりに心が震えた。
—CROWLEYは、5月5日にElectric Lady Landを舞台に「The Evil Returns~CROWLEY復活!!~」を行います。今回も、単発公演になるんですね。

 
HIRO:そうしました。当初は、東京か大阪どちらかもう1ヶ所をとも考えたけど、先に「Crowley Warm Up GIG」を行ったとはいえ、もともとは単発のライブで復活GIGを行おうと決めていたように、あえて今回は地元の、しかもCROWLEYのホームグラウンドであるElectric Lady Landでの公演のみと決めました。
 
もちろん、そんな遠くないうちに、名古屋以外での公演も行うつもりでいます。ただし、変に焦って本数を詰め込み、先の展開もしっかり見えてないところで見切り発車をしても、それはバンドの姿勢として違うことだなと判断。意味の見えない行動を重ねるよりも、本当に意味を持ったライブを1本1本重ねながら演っていくのが、今のCROWLEYには似合うスタイル。もちろん、焦らず地道にと言ってる年齢でもないように、今後ピッチは上げますけど、けっして意味のない行動や見切り発車的な動きをやるつもりはない。
 
古久根:CROWLEYは12月30日に「Crowley Warm Up GIG」をやったわけだけど、あの日の会場に来てくれたファンたちの顔を観たら、やっぱし意味のある行動をしっかりしてかなきゃと思ったというか。正直、あんなにもキラキラとした表情で熱狂してくれるファンたちの姿を観たのは、ホント久しぶりだった。何より、バンドが登場した瞬間、地響きのような「ウオォォォォォーーッ!!!!」という歓声を聴いたときには、久しぶりに心が震えたからね。
 
HIRO:実動した人数の何倍にも感じるような声だったね。
 
古久根:そう、俺ら、どれだけ大きな会場でワンマンを演ってるんだと勘違いしそうなくらい、ものすごい歓声だった。
 
HIRO:あのときの歓声は、二千人規模くらいの会場で体感するような、「ドォォォォーーーッ!!!!」という地響きとしてステージ上に届いてた。
 
古久根:それほど、CROWLEYのライヴを待っててくれてたんだなぁと思えたように、あのキラキラとしたみんな表情や興奮した声は素直に嬉しかったね。
 

—先にも語っていましたが、今は、一つ一つの行動をしっかり先へ繋げてゆくことが大事な時期なんですよね。

 
古久根:そうだし、そうしていきたいなと思ってる。実際に今は、バンドにとってもいい流れが生まれているからこそね。
 

—今回、5月5日のElectric Lady Landで『Whisper of the Evil Premium Edition』を発売することを告知しました。中身ですが、アルバム『Whisper of the Evil』とシングル『The Scream of Death』、加えて未発表デモ音源『Love Story (1984 demo)』を収録した全10曲入りの形を取りました。

 
HIRO:アルバム『Whisper of the Evil』とシングル『The Scream of Death』を合わせて全9曲入りでは、どこか中途半端だなと感じたことから、この『Whisper of the Evil Premium Edition』には未発表デモ音源『Love Story (1984 demo)』を持ってきたわけですが…。
 
『Love Story (1984 demo)』は、とてもレアな音源。なぜ『Love Story (1984 demo)』と記されているかというと、これはヴォーカル岩井の…当時で言うなら、CROWLEYの二代目ヴォーカリストであるショーンのオーディションテープに収録していた音源だからなんです。
 

—それは、どういうことですか?

 
HIRO:初代ヴォーカリストが脱退し、新たなヴォーカリストを急いで探さなきゃという時期に、自分が、即戦力となるヴォーカリストとして見出したのがショーンでした。そこで彼をメンバーに紹介しようとなったわけですが。普通なら一緒にスタジオへ入るところを、なぜか当時のCROWLEYのリーダーだったベースが、初代ヴォーカリストがいた当時に録った音源からヴォーカルだけを抜き取った音源を作成。「そのヴォーカリトに、ここに歌を入れてもらい、その音源を戻すように伝えてくれ」と、音源を手渡してきた。そこへショーンは歌を入れ、音源を戻したわけですが。その音源をメンバーみんなで聴いたうえで、じゃあスタジオで…にはならず。
 
古久根:じゃあ、一度会って話をしようかということで、メンバー全員でショーンと会ったんですよ。普通なら、「まずは音を合わせよう」となるところを、何故かあのときは「じゃあ、一度会って話をしようか」という流れになって。その後に、ようやくスタジオに入ってだったよね。
 
HIRO:あの時期は、正直かなり切羽詰まっていた時期。と言うのも、E.L.Lレーベルが制作するオムニバス盤『HARD ROCK VARIATION』へCROWLEYも2曲参加することが決定。その矢先のヴォーカル脱退劇だったことから、急いでヴォーカリストを探し出す必要性があった。にも関わらず、なんであんな面倒な手間を取っていたのか…。
 
今でも忘れられないのが、ショーンと初めてスタジオで合わせたとき。あの頃の我々は、常時機材を置けるスタジオを持っていた。そこでは、いつも耳が壊れてしまうんじゃないかというくらいの爆音で演奏をしていました。いくら歌の上手い奴とはいえ、そんな環境でのリハーサルなんて普通は経験のないこと。その環境でいきなりショーンが歌うことになったとき、やっぱし彼も戸惑ったんだろうね、本来の力を完全に発揮するまでには至らなかった。あのときのリハーサルでは、「なんだよ、テープの中では歌えてたのに、この環境では歌えねぇのかよ」と言いながら、リーダーだったベースがさまざまな指摘をしてはショーンにいろんな注文をし続けていた。そのリハーサルを数時間くらいやったのかな。ショーンに対しての指摘や注文がやたら多かったから、「やっぱ使えねぇ」とNGを出すのかなと思っていたら、「ライヴでは、何時どんな状況下へ陥るかわからない。モニターのトラブルで自分の歌声が聞こえないときは往々にしてある。そういうときでも自分で対処し音程を取れるのが、プロ。どんな環境でも、しっかり音程を取れるようにしておけ」とアドバイスをしたうえで、「じゃあ、メンバーとしてやってもらおうか」と。
 

—そんなエピソードがあったんですね。

 
HIRO:実際、ショーンは優秀な奴なんで、何事も飲み込みは早かったね。彼のCROWLEYとしての初作業は、ライブではなく、オムニバス盤用のレコーディングからになるんだけど。
 
じつは、ショーンのテープオーディションをするとき、彼には何曲か歌入れしてもらったんですね。その中の1曲が『Love Story (1984 demo)』なんです。面白いのが、加入後のショーンの歌い方とは、あきらかに異なっていること。それも当然と言えば当然なんだけど。あのときにショーンへ渡したのが、初代ヴォーカリストの歌が入ったデモトラックと、その歌声を抜いたトラック。つまり、最初にショーンは、初代ヴォーカリストの歌い方を真似てきた。その後、CROWLEYのメンバーとして作り上げた独自の歌い方とニュアンスが異なるのは、そういう理由があってのこと。
 
古久根:あきらかに、CROWLEYのメンバーとして活動している頃のショーンと、『Love Story (1984 demo)』の歌い方や歌声は異なるからね。
 

—それを、『Whisper of the Evil Premium Edition』では聞けてしまうわけですね。

 
HIRO:そう。しかも『Love Story (1984 demo)』を収録した『Whisper of the Evil Premium Edition』は、5月5日のElectric Lady Landで行うライヴ会場のみの販売になります。今、流通盤のための手配環境を整えていますが、そちらには、別の楽曲をボーナストラックとして収録します。
 

—流通盤の『Whisper of the Evil』ですが、何時頃の発売になるのでしょうか?

 
HIRO:現時点では、5月5日の復活LIVEの日から、そんな遠くはない時期にと調整をしています。出来れば、年内中には、みなさんの手元へ届くようにはしたいなと思います。
 
古久根:せっかく繋がりを持って描き始めた新たなCROWLEYの物語のように、その物語を長く途切れさせたくないなと、メンバーみんなが思っていること。『Whisper of the Evil』の流通盤としてのリリースはもちろん。それを形にした後には、『Whisper of the Evil』を手にしてのライヴだって考えているように、けっして早くはないけど、一つ一つの動きを次にしっかりと繋げていくので。
 
HIRO:もう一つ言いたいのが、CROWLEYの活動はけっして同窓会的な動きにはしないということ。

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アルバム『NOCTURNE』、英詞が好きか日本詞が好みかは聞き手の判断に委ねること。
—HIROさん、今、CROWLEYは同窓会的な動きとは異なると口にしましたが、それはどういうことなのかとても興味があります。

 
HIRO:今の世の中では、再結成ブームじゃないけど、内外問わずそういうことが起きてるじゃない。もちろん、CROWLEYの復活も、ファンたちの中ではノスタルジックに受け止めてる人たちもいれば、同じようなムーブメントとして受け止めている人たちだっているのはバンド側もわかっていること。しかも、ほとんどの復活パターンが、先に同窓会的なライヴを行い、その反響次第で同窓会ライヴを繰り返したり、そのうえで作品を作ったりしている。でもCROWLEYに関しては、先にアルバムを作り活動の狼煙を上げ、その作品をしっかり届けたうえでライブ活動を再開したかった。
 
確かに『NOCTURNE』もセルフカバー作ではあるけど、あの作品は、海外のファンへ向け、新ためてCROWLEYの音源を、しかも、今のCROWLEYのスタイルで届けようと英詞に変えて作った作品のように、普通のセルフカバー作品とは異なるもの。ただし、英詞で歌い直した『NOCTURNE』に対して、「英語バージョンのほうが格好いいね」という人もいれば、「なんで日本じゃないの」という人たちも、正直います。
 
古久根:古久根 そうなんだよね。「どうだった?」と感想を聴いたら、開口一番「なんで日本語じゃないの?」「日本語のほうが好きなんだけど」って言う人も実際にいたように、そこの判断は聞き手に任せようと思ってる。とにかく、お客さんたちが楽しんでくれているのであれば、メンバーはそれでいいなという気持ちなんで。
 
HIRO:岩井自身が、歌う上で日本詞だ英詞だということにはこだわっていなければ、CROWLEY自体が変なルールなどは一切敷いてないバンド。アルバム『NOCTURNE』に収録してある英詞ナンバーを、その日の環境や状況、気分に合わせ、日本詞で歌いたいと判断すれば、そう歌うだろうし。今は英詞がいいと思ったら、そうしていくだけのこと。事実、CROWLEYの楽曲は、日本詞はもちろん、英詞も上手くハマる曲たちばかり。海外の人たちにおいても、英詞で歌った『NOCTURNE』を非常に高く評価してくれている。まぁ、今の時代の流れなのか。海外の人たちの中にも「オリジナルのまま聞きたい」という人たちもいるように、そこも聞き手の判断に委ねようとは思ってるけどね。
 
古久根:12月30日の「Crowley Warm Up GIG」では、アルバム『NOCTURNE』を受けてのライブということで、収録曲は全部アルバム通りのバージョンで歌ったけど。今後、そこもフレキシブルに対応していったほうが、むしろ、お客さんたちだって面白いだろうからね。
 

—今回の復活劇をきっかけにCROWLEYを知った人たちは、今の時代の中、CROWLEYの奏でるサウンドがとても新鮮に耳に響いているようです。

 
HIRO:昔からCROWLEYの音楽は、時代の中で異質な香りを放っていたし、それを今の時代の中へ投影しても絶対に古くは聞こえない自信があった。事実、身近でもメタルなど一切聞かない若い世代の子たちへ、「僕のやっているバンドだから」とCROWLEYの音楽を聞かせたところ、「これ、格好いいっすね。これって、どういうジャンルなんですか?」と聴いてきたから、「これはメタルだよ」と言ったら、みんなビックリしてた。それくらいメタルに興味のない人たちからも興味関心の声を聴けば、すでにメタルという枠組みさえ凌駕した音楽として認知されている。同じことを海外の友人らにも言われたように、CROWLEYの音楽を知らない世代の人たちにとっては、今のCROWLEYの音楽はメタルという枠組みでは捉えきれない音楽性を持って受け止められている。もちろん、昔からのジャパメタファンたちにも支持を得ているように、良い意味で今、CROWLEYの音楽性がボーダレス化している。
 
古久根:そのうえで嬉しいなと思うのが、CROWLEYファンって、「誰々のファンだけどCROWLEYも好き」ではなく、「CROWLEYが何より一番好き」という人たちが多いこと。12月30日にライブをやったとき、その想いは確信に変わった。あんなキラキラとした笑顔を浮かべ、本気で喜んでいる表情の人たちを見たら、その想いは何にも変えがたい真実だと思えたからね。
 
HIRO: 確かにね。あの日のライヴには、誰々が好きだけどCROWLEYも好きだから行ってみようじゃなく、CROWLEYのことが一番好きだからこそ絶対にライヴを体感したいという人たちばかりが集まっていた。
 
古久根:普通にギターを弾いてても熱狂してくれるんだけど、俺がショーンの近くに寄るだけで、みんなからの熱い視線を感じるんだよ。しかも、俺らを見つめるお客さんたち自身がCROWLEYを求めるオーラを放っている。あのライブをやってるとき、何度「これ、この感覚なんだよ」と思えたことか。そういう熱い気持ちがステージ上にもバシバシ飛び込んでくる。それが楽しくって、終盤には、わざとショーンのほうへ近づいたりもしていたからね。
 
HIRO: 言ってしまえば、The Rolling Stonesミック・ジャガーキース・リチャーズみたいなもの。
 
古久根:そうだね。

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CROWLEYは、けっしてノスタルジーに陥るバンドではない。
—5月5日にElectric Lady Landで行う単独公演「The Evil Returns~CROWLEY復活!!~」が、CROWLEYにとって正式な復活ライヴとなります。ということは、ここから、いろんな物語が本格的に幕明けるということですよね。

 
HIRO:そうしていきます。何より大事にしたいのが、この流れを絶やさぬようにしていくこと。継続してこそバンドだと思うからこそ、そこはしっかり物語を描き続けたいなと思ってる。
 
それに、『NOCTURNE』はセルフカバー作品であり、これから形にしてゆく『Whisper of the Evil Premium Edition』はリイシュー作品になる。これら一連の動きが終わったところで、本当の意味での勝負となる新作の制作へ着手しようと思ってる。同時に、なかなか今のCROWLEYのライヴを観れない人たちのためにライヴ影像をどうしようかとも考えてはいることなんだけど…。
 

—そうやって、新しい表情を提示しながら、進化を止まない姿勢でいてくれることが嬉しいことです。

 
HIRO:CROWLEYは、けっして昔の楽曲ばかりを頼りに新曲を出さないバンドにはなりたくない。たとえ新曲を出そうとも、昔の曲を演奏するとウケるけど、新曲を演奏したとたんに反応が鈍くなるようなバンドにもなりたくはない。CROWLEYは、けっしてノスタルジーに陥るバンドではない。むしろ、 新しい楽曲が評価や支持を得てこそ本当の意味で復活したことであり、新曲に対して称賛を得るのはもちろん、そこを軸に活動してゆくバンドとして突き進み続けたい。それがCROWLEYの宿命だからこそね。
 

—12月30日は、年末ということで足を運べなかった人たちも多くいたようですが。今回は5月5日とゴールデンウィークの真っ只中、仕事を持っている人たちも都合をつけやすいのが嬉しいんです。

 
HIRO:その声は、実際に多く寄せられていたからね。12月30日の公演がソールドアウトしたとはいえ、それでも「仕事の都合で」「家族のことで」と日時を空けられず、泣く泣く足を運ぶのを断念した声も多く届いていた。だからこそ今回、なるべく大勢の人たちが全国から足を運びやすいようにと日時を決めました。
 
古久根:今振り返るとさ、よく年末のあの時期に、あれだけ大勢の人たちがCROWLEYのライブに足を運んでくれたよなとも思えるように、そこは本当に嬉しいことだよね。今回は、年末時期よりは足を運びやすいと思うから、せひ、一緒にライブを楽しみたいなと思ってる。
 

—この日の会場に足を運ばないことには手に出来ない音源もあれば、その会場のみで手にできるレアーアイテムもありますからね。

 
古久根:確かに、レアーアイテムは用意しているね。
 
HIRO:もちろん、「地方にも来てください」という声も。それどころか、海外からも「来て欲しい」という声をたくさんいただいてるように、ツアーだって考えてはいること。ただし、ツアーを打って出るだけの制作チームが固まってない段階で闇雲にライブツアーを行うことはしたくない。まずは、1本1本のライブを大切にしながら、そこへ強烈な印象を与えていきたい。だから、観てくれる人たちにも、その1本1本のライブをメンバーと同じよう大事にして欲しい。
 
古久根:まずは、自分たちの環境を整えることが大事だからこそね。
 
HIRO:広範囲でツアーが出来る環境になれば、踏み出します。そのためにも今は、目の前のライブを何よりも大事にしていきたい。
それと、ファンたちを喜ばせたい気持ちはとても強いけど、だからと言って自分たちのポリシーを曲げたり、変に媚を売ってまでやろうとは思ってない。我々が格好いいと思える楽曲や活動を行いながら、それについてきてくれる人たちと一緒に未来を作っていきたい。
 
古久根:そうやって、少しずつCROWLEYを取り巻くサークルをデカくしていく。今のCROWLEYが求めているのはそこだからこそね。
 
HIRO:それと、今はまだ制作中ですが、『Whisper of the Evil』のジャケットは、細かいところで多少デザインが変わるかも知れない。
 
古久根:何がどう変わったのかも探り当て、見比べてもらうことも楽しんでいただけたら。
 
HIRO:何処が変わったんだよ…あっ、みたいな。
 
古久根:もちろん、変えないところは変えないでやっていくつもり。ライブのSEとかもね。
 
HIRO:最初、「Crowley Warm Up GIG」に合わせSEも新調しようかと思ったけど。とあるファンの方の書き込みに、「ライブが始まるとき、あの「オーメン」のテーマが流れてきた瞬間に、嬉しい緊張感が高まる」と書いてあった。それを読んだときに、「一人でもそう思う人がいるということは、その背景にはもっとたくさん同じ思いを持っている人たちがいるんだろうな」と思い、結局、SEは昔のままにやったんだけど。でも、それこそが本当に正解だった。
 
古久根:だって、俺たち自身が、「オーメン」のテーマ曲が流れた瞬間に嬉しい緊張感を覚えていたからね。
 
HIRO:「オーメン」のテーマ曲が流れた瞬間、その時代の匂いをふたたびまとったような感覚に陥ったというか、かつて散々経験したCROWLEYのライブが始まるときの緊張感が、あのSEを聴いた瞬間に蘇ってきた。あの独特な緊張感を感じるうえでも、やはり、あのテーマ曲は欠かせないんだろうね。

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◆CD Information
Title : Whisper of the Evil Premium Edition
(DME-003) 価格 : \2800 (税抜)
5月5日名古屋 Electric Lady Landで先行販売。
 
収録予定曲
(1) The Scream of Death
(2) Stalker
(3) Bad Stone
(4) Night Angel
(5) Pretender
(6) Woman in a Black Cape
(7) Floating Man
(8) Midnight Dream
(9) In Despair
〜Bonus Track〜
(10) Love Story (1984 Demo)

 
◆LIVE Information
The Evil Returns〜Crowley復活!!! Whisper〜CDリリース記念ライヴ!!!
2018年 5月5日(土)会場 : Electric Lady Land
開場 : 18:00 開演 : 18:30
前売り \4000 当日 : \4500
ローソンチケット CODE : 41538
チケットぴあ : P104-211


CROWLEY – GHOUL (PV Ver.1)

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