28日に行われたイベントは、『DOMINATION　TOUR　in　FUKUOKA～rule　the　night』と銘打ち、NYF、Unveil Raze、PARANOIZ、SQUARE ASHを招いての企画だ。開場時からすでにフロアは満員で、トップバッターのPARANOIZが登場。そしてSQUARE ASH、NYF、さらに名古屋からはUnveil Razeと先輩バンドが極上のサウンドで場を盛り上げ、ついにはサークルピット（会場をぐるぐる走り回る鬼ごっこのような現象）が巻きおこるほどの勢いだ。十分にあたたまったところで本日主役、BRIDEARが登場。ミステリアスなイントロから始まる「Light In The Dark」で幕を開け、一気に空気をBRIDEARの世界へと引き込んでいく。全国ワンマンツアーという道のりを見事に乗り切った彼女たちのステージは、堂々たるもので、全6曲とアンコールの「Scream」を披露。ギュッと凝縮されたステージで明日に控えるワンマンへ弾みをつけた。
 
そして迎えた29日のワンマンツアーファイナル。チケットは見事にソールドアウトしており、会場にはツアーTシャツに身を包んだファンたちが早い時間から集結。前日以上に期待と緊張が入り交じったような空気がフロアを支配する中、BRIDEARの登場だ。手拍子に乗って順番に姿をあらわし、センターに据えられた台で丁寧に挨拶をしてからスタンバイをする姿は、これから始まるステージへ捧げる儀式のようでもある。最後に登場したKIMIが右手を掲げ、それを合図にギターの爆音で宴はスタート！早いビートに乗って、観客は頭を振りながら雄たけびをあげ、幕開けからヒートアップする。
 !!
一気に「Light In The Dark 」「Roulette」「Voice Is To Silence」「Imitation」を続けて演奏し、「みんな踊れーー！！」と挑発するKimiの言葉のあと「Scream」のイントロに突入。Misaのデスボイスも冴えわたる。
 
前半5曲を駆け抜けたところでKIMIが、「こんばんは！BRIDEARです！DOMINATIONツアーファイナル、こんなに沢山集まっていただきありがとうございます」と感謝を述べる。福岡でのチケット完売も手伝ってか「今までの福岡ライブで一番楽しいかもしれない！」と笑顔で語るとフロアからも「ソールドアウトおめでとう！」の声が飛び交う。「みんなが楽しいと私たちも楽しいから、最後まで思い切り暴れてくださーーーい！」と煽り「Marginal Lie」のイントロ。「オイ！オイ！オイ！」とフロアから拳があがり一体感が生まれる。次々に楽曲を披露していくなか、美弦、Misa、晴琉の各ソロとハーモニー、Kaiがドラムソロをクールに決めると拍手が沸き起こっていた。

「これからも成長した姿を見せていきたい」と語る彼女たちの言葉どおり、ライブの度に変化をし、圧巻のパフォーマンスで私たちを魅了し続けているBRIDEARは、今最も勢いのあるガールズメタルバンドといっても過言ではないだろう。後半も、彼女たちの持ち味である美しいメロディーラインと骨太なサウンドがフロアを揺らし、盛り上がりを見せていく。ラストは「Another Name」「Wing Of Hope」へと続き、最後はコーラスの大合唱で感動的なフィナーレを迎え、本編では全14曲を披露した。
 
しかし、“音楽の街”福岡の観客はこれで満足はしない。すぐさまアンコールの手拍子とBRIDEARコールが沸き起こる。再びステージに姿を見せたメンバーたちは、「My.Heart Sigh」と「Pray」を丁寧に演奏し、きらびやかなラストでステージを終えた。
 
今回、地元福岡での2デイズは、彼女たちにとって「冒険」だったとKIMIは言う。イベントとツアーファイナルというこの企画は、全国ワンマンツアーを行う上で、ホームである福岡では特別な事をやりたかったからだという思いを明かした。
 
この日の公演後は、28日と29日の両日参加者への特典お渡し会&サイン会が行われた。待ちわびるファンの前に現れた彼女たちは、ステージ上でのクールなイメージとは一変。ちょっと天然な一面や冗談を言いあう姿は、等身大の女の子そのもの。あどけない素顔のギャップも魅力の一つだ。
 
そして、3月23日には、1STアルバム『BARYTE』を、あの和田誠-Makoto–Captain-Wadaがサポートするレーベル『爆音！BAKU-ON. ca』で、KADOKAWAより発売が決定。更に、同日、アルバムリリースイベントが渋谷star loungeで行われることも決定している。体の底からしびれる“めんたいメタル”を是非体感していただきたい。