特集

WOMEN'S POWER SP 2012_52

TEXT:桂伸也、八神灰児 PHOTO:桂伸也、shingo

先日も開催20周年を迎えたことをBEEASTでも報じた『WOMEN’S POWER』だが、その前人未到のステップを上がったことで、女の力はまた一つ、世に認識されたことだろう。そして、このイベントも新たな時代を刻む一ページと成るべく、リスタートを切った。フレッシュな気持ちで臨む今回は、第1回と同じく3月3日は桃の節句からの開始。東京、大阪に多くのバンドを従えたステージ、次のヒロインとなるのは誰か?新たな幕は切って落とされた。
 
hana
 

1日目(東京:2012.3.3 桂伸也)

 
いよいよスタートを切った、新たな第1歩。ビッグ・アーティストを数多く輩出してきたこのイベントだけに、次に大きな躍進を見せるのはどの女性達なのか?はたまた、ファンを熱狂させる新星は現れるのか?等オープンを待つファン達の期待も様々だ。土曜日開催で、まだ1日目ということもあり、オープン前のフロアはまだリラックスした雰囲気が漂っていたが、スケジュールが進む毎に、会場の温度は一度、また一度と上がっていくことを、ファン達は知るよしもなかった。
 
1.ZomBeats!
 
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トップバッターを飾ったのは、新鋭ZomBeats!。メンバーは、aimi(Vocal& Keyboard)、nike(Guitar)、hartus(Bass)、kazki(Drums)。白と黒を基調としたメンバーの中、赤いレザーのファッションで身を固めたaimi(Vocal& Keyboard)の姿は、ロック・スターはたまたロック・クィーンさながらに見えた。重いビートとワイルドなギターを強調したサウンドの割に、意外にもポップなメロディがよく似合う。メロディの中に含まれた哀愁感のようなものが、ガールズ・ロックで歌われるべき乙女の複雑な心情を、うまく表しているようでもあり、それが絶妙にラウドなサウンドとしてバンドのパフォーマンスにも影響しているようだ。その切なさ感が、Zombieから来ているものかどうかは定かではないが、その登場は華々しい。新たなディケイドを迎えた『WOMEN’S POWER』の第一歩にふさわしいバンドの登場に、フロアからは惜しみない拍手が送られた。
 
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◆ZomBeats! 公式サイト
http://12.xmbs.jp/ZomBeats/
◆セットリスト
M01:Good-Bye Feel
M02:うたかた
M03:RUIN
M04:SHIGANSYA
M05:Lost days

2.水越結花
 
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昨年9月に行われた『WOMEN’S POWER』から、2度目の登場となる水越結花。元気で明るいガールズ・ロックの楽しさを持ちながらも、爽やかな雰囲気を合わせて振りまく彼女。瑞々しく爽やかな雰囲気から4曲目の「Rainy Girl」では、ロックぽい力強さ、たくましさを曲に込め、会場のファン達との一体感を強めていく。同調して拍手と歓声で彼女に合わせる観衆達。出会った人を、出会った時からファミリーと呼ぶ彼女の身上を表すようなパフォーマンス、『WOMEN’S POWER』に集まったファンの仲にも、明らかに新たなファミリーが増えたようにも見えた。ロックな部分も、それとはまた違った面でも、様々な魅力を放ち続ける水越結花。新たなリリースでは全国デビューを果たし、更に新たなステップを目指している彼女。この日、ステージを降りても、会場には暫く春の訪れのような清々しい空気が会場の人々を包んだ。
 
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◆水越結花 公式サイト(オフィシャルブログ)
http://ameblo.jp/miyu328/
◆セットリスト
M01:in the room
M02:milk tea
M03:your song
M04:Rainy Girl
M05:Umbrella

3.狂ったバナナ
 
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清楚な雰囲気を醸し出した水越結花から一転、見るからにロック・ガールズという出で立ちのバンド、狂ったバナナが登場。メンバーは、羽希(Vocal)、空也(Guitar)、悠禅(Bass)、逆鱗(Drums)。Tシャツにジーンズというラフながら根性すら見せる羽希(Vocal)を筆頭に、その荒々しいステージングと、ラフでワイルドなサウンドは迫力たっぷり。バンドはこのメンバーになって最初のライブということだったが、オープニングよりいきなり「跳べ!」と叫ぶ羽希。その度胸は、とてもこの日が最初とは思えないほどの度胸だ。骨っぽく、クールでカッコいい。ガールズという部分をルックスのみに止め、反骨心あふれるストレートなロック・サウンドを展開していく。気持ちのよいノリを活かすフックの入れ方にもセンスが感じられ、思わずヘドバンを見せるオーディエンス達。楽曲のタイトルからして、一筋縄ではいかないセンスを持ち得てるとみられる彼女ら。この日見せたインパクトは、今後の可能性を大きく見せていた。
 
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◆狂ったバナナ 公式サイト
なし
◆セットリスト
M01:彷徨えし五本の指
M02:夢幻スパイラル
M03:Brain Storm
M04:囚われのアルテミス
M05:タルタロスの終宴

4.GoDeath
 
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関西から来た、ラウドで強力なサウンドを身上とする刺客、GoDeath。メンバーは、煌/kou(Vocal)、mi-ya(Guitar)、asami(Bass)、ALi(Drums)。彼女らもまだ『WOMEN’S POWER』登場2回目というところだが、その堂々としたステージングは、2回目にしてはすっかり堂々とし、常連組という風格すら感じる。どちらかというとポップな風貌のバンドメンバーの中で、一人黒のボディスーツに身を包んだ煌/kou(Vocal)の存在感は鮮烈にセクシーさを表しつつ、同時に威圧感さえ感じさせる。ヘヴィなギター・リフの中に巧みに入れ込まれているメロディが、それを取り囲んでいるラウド・サウンドとの対比を得ることで強烈な印象を与えている。そのバランスを心得、絶妙なセンスで展開する彼女らのステージ。しかも勢いも抜群だ。『WOMEN’S POWER』ではAldiousGALMETと躍進した彼女らに続く第3の刺客として、今後の動向にも注意必至だ。
 
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◆GoDeath 公式サイト
http://godeath.com/
◆セットリスト
M01:希望
M02:ジャガー(仮)
M03:歪み
M04:虚構
M05:Negation

5.Re:MAKER
 
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1日目のトリを務めたのは、ロックというカテゴリーの中で、音楽的に高いレベルを追求したハイ・テクニカル・バンドRe:MAKER。メンバーは、Saki(Guitar)、Fin(Bass)、NANA-A(Support-Drums)。演奏力の高さもさることながら、通常ゲスト・ヴォーカルを入れてのステージを繰り広げるというユニークなバンド構成。Saki(Guitar)とFin(Bass)の、幅広いイマジネーションを具現化する為に敢えて選択した構成ともいえる。そして今回登場したのは、なんと二人の初音ミク(!?)を模したヴォーカロイド。幾何的かつ繊細なそのヴォイスが、そのSaki、Finの強力タッグによる超絶サウンドと供に、絶妙なロック・サウンドを作り上げていく。プレイ面でも、彼女らの魅せる超絶プレイは、少なくとも国内の女性アーティストの中でも類を見ない迫力パフォーマンスだ。その微妙なトーナリティを持った楽曲群等、何から何まで規格外といった雰囲気で、会場を終始圧倒した。
 
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◆Re:MAKER 公式サイト
http://www.re-maker.asia/
◆セットリスト
M01:HERO
M02:Mirror
M03:(新曲)
M04:siren
M05:Re:START

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そして毎度恒例のスペシャルセッションへ。水越結花を中心としてステージに集められた、出演メンバー勢揃いのその姿は圧巻。そして今回用意された楽曲はDo As Infinityの「本日ハ晴天ナリ」。この日だけでも様々なスタイルのバンドが集められたが、そのスタイルに縛られずに、お互いが同じサウンドを共有している場面が見られる意味で、この場はファンにとっても、そしてステージのアーティスト達にとっても非常に貴重な一時だ。一方では慣れない楽曲に悪戦苦闘、また一方では、自分のステージとはまた異なった、リラックスした雰囲気、更に他方では、他バンドとの交流を深め、楽しさを目いっぱいフロアの観衆とともに共有する瞬間でもある。この日も初登場のバンドも多かったにもかかわらず、その大勢が集まったステージで、彼女らが集まったことで生まれたパワーを強くフロアに誇示し、文字通りの『WOMEN’S POWER』を改めて認識させ幕を閉じた。
 
【セッションメンバー】
Vocal:aimi(Zombeats!)、水越結花羽希(狂ったバナナ)、煌/kou(GoDeath)、さゆき(ゲスト・ヴォーカル: Re:MAKER)
Guitar:nike(Zombeats!)、エリカ(水越結花バンド)、mi-ya(GoDeath)
Bass:Fin(Re:Maker)
Drums:逆鱗(狂ったバナナ)

 

2日目(東京:2012.3.4 桂伸也)

 
日曜日ということもあってか、この日はオープンより多くのガールズ・ロック・ファンがフロアを埋めていた。会場の雰囲気は昨日の盛り上がりからこなれた感じになり、観衆の体もほぐれ、更なる興奮は必至だ。数多く登場するバンドの、成長の軌跡を眺め、次のヒロイン候補は?等と様々な思惑を巡らせながらライブを楽しむ、それもこのイベントの醍醐味といってもいい。前日にも増してこの日もまた、今後が見逃せない強力なラインナップが出揃い、フロアの興奮を誘った。
 
1.コイノオトシゴ
 
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この日のトップ・バッターは、フレッシュなルックスと女の子らしいポップでキュートなサウンドが話題のコイノオトシゴ。メンバーは、Mah(Vocal)、アイラ(Guitar)、ルイ(Bass)、かよ(Drums)。近年のガールズ・ロックの典型ともいえる、スクール・ファッションが眩しい。同じ女学生をイメージさせながらも、それぞれの個性を活かしたファッションは、ステージに登場した時点でファンを魅了し、キュートなその姿には、フロアの男子達もかなり萌えた。しかしその外見だけでなく、メロディには刹那さを感じさせるのは、何らか彼女らが作り出す独特の世界観があるようだ。激しい曲も、ゆったりした曲も何か特徴的なメッセージを感じる。何かその哀愁味を感じさせる部分は、彼女らが作り出そうとしている世界観につながっているようにも見えた。そのルックスに負けない溌剌としたパフォーマンスと、同時に作り出す彼女らならではの世界観を並行して作り出したステージは魅力十分、彼女らの成長とともに変化していくバンドとしての様、そしてそのサウンドを、今後も追ってみたい。
 
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◆コイノオトシゴ 公式サイト
http://koioto.net/
◆セットリスト
M01:lil pleasure
M02:アクセル
M03:Shellie
M04:JOKER

2.Noah’s Ark
 
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前日のセッション前の告知タイムにも登場したNoah’s Ark。メンバーは、Hikari(Vocal)、成美(Guitar)、Mami(Bass)、りの(Drums)。その際彼女らが自身を語ったとおり、メロスピという表現がよく似合うヘヴィ・サウンドが身上だ。ハードなメタルサウンドでメジャーなトーナリティを作り上げた上に、ポップでキャッチーなメロディを加えたという、また新たなファン層を獲得しそうな好センス。Hikari(Vocal)の務めるステージの進行には何か初々しさのようなフレッシュ感があり、迫力のビート感を持ったりの(Drums)と供に新鮮さを強く感じさせた。そして、成美(Guitar)、Mami(Bass)の抜群のテクニックは、その二人のフレッシュマンをしっかりと支える。そのNoah’s Arkというバンド名が指し示すとおり、そのサウンドを作り上げるテーマには、何か神話的な内容も多く含まれているようであり、ファンタジックな要素も多く、ハードなサウンド好みのファン達にピッタリなサウンドとして、この日も強くアピールした。
 
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◆Noah’s Ark 公式サイト
なし
◆セットリスト
M01:嘆きの楽園
M02:Gray Ark
M03:方舟
M04:悠久の守護神

3.七彩☆GLITTER
 
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もうすっかり『WOMEN’S POWER』では常連となった七彩☆GLITTER。メンバーはLEN(Vocal)・あさぴー☆(Guitar)・Mica(Bass)・Yuko(Support Drums)。改めて彼女らが登場すると分かった瞬間に、ホッとした気分、リラックスする雰囲気を感じるのは、恐らく気のせいではないだろう。この日も、彼女らの持ち味であるシンプルな楽曲と、音数よりもフィーリングを大事にした、珠玉のメロディを聴かせる。活きの良さが持ち味のあさぴー☆(Guitar)と、じっとバンドを支える安定感抜群のMica(Bass)、そしてフロントマンであり、七彩☆GLITTERのアウトラインを明確に形作るLEN(Vocal)。彼女らの作り出す清々しいサウンド、そこから見えてくる世界観は今回も遺憾なく発揮され、皆を気持ちのよい空間へと誘う。情熱に流されずに、彼女らならではのポリシーは、回を増す毎に完成度を高め、まるでフロアとステージで勝手知ったる中のような、フレンドリーな雰囲気を作り上げ、会場を盛り上げた。
 
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◆七彩☆GLITTER 公式サイト
http://www.justmystage.com/home/nanairo07/
◆セットリスト
M01:ドロシー
M02:藍色事情
M03:secret
M04:ウタカタレクイエム
M05:夏色GLADICAL
M06:Dazzlinnight

4.CREA
 
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去年初登場ながら既に3回目の出演、この日のイベントでも大きな注目を浴びたCREA。メンバーは、Naki(Vocal)、Aiko(Guitar)、Anna(Bass)、Miku(Drums)。最近ではシングル2枚連続リリースとその後更にアルバムのリリースも決定しており、急速にその勢いを増している彼女らだが、今回はいつもNaki(Vocal)が使っていた小熊のぬいぐるみも成りを潜め、前回までとはまた違う展開でステージを進めているように見えた。ハードなロック・サウンドの中に、憂いを込めたような雰囲気が漂う。前回までは会場を目いっぱい楽しい雰囲気にしようと、盛り上げる様なパフォーマンスが多かったが、この日のステージでは、Nakiの真剣な表情に、情感をそのメロディに込める思いのようなものも見られ、CREAのまた別の表情を垣間見ることができた。まだ様々な面を作り出そうと意欲的な彼女らだけに、次はどんな手で来るか?また彼女らの別の面を魅せ、ファンを楽しませてくれるのは間違いなさそうだ。
 
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◆CREA 公式サイト
http://www.crea-music.com/
◆セットリスト
M01:AR
M02:デドリー
M03:mellow out
M04:LAST DANCE
M05:LINK
M05:Windy

5.Alstro Merry
 
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関西出身、東京公演初登場のAlstro Merry。メンバーはAIMI(Vocal)、SAKI(Bass)、SAYA(Keyboard)、CHIHIRO(Drums)。この東京でのイベントでは初めてのステージながら、多くの観衆が彼女らの登場に大きな盛り上がりを見せ、注目度はピカ一であるバンドの一つと見た。白いワイシャツのシンプルなファッションと、シンプルなハーモニーは、その真骨頂となるメロディを存分に聴かせ、詞の余韻を強く残す為の前振りに過ぎない。キーボード、ベース、ドラムという編成的な構成はユニークで、パンチの効いたビートに、跳ねるようなキーボードのリフが絡む。まるでAvril Lavigneのように晴れ晴れしたような気分を感じるそのハーモニーも、特筆すべき彼女らの持ち味だ。どちらかというと華奢でか弱いようにも見えたルックスからは想像もできないイマジネーションとパワーで、この日も多くのファンのハートをものにした。今後東京でのライブの予定はまだないが、これから更に大きな動きを見せ、沢山の支持者を増やしていくことを願って止まない。
 
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◆Alstro Merry 公式サイト
http://25.xmbs.jp/alstromerry/
◆セットリスト
M01:LEAVE FOR DREAM
M02:PEACE
M03:Alstro Meria
M04:omoi
M05:Endless Love
M06:YELL

6.DESTROSE
 
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2日に渡った東京でのステージもいよいよクライマックス。もうすっかり『WOMEN’S POWER』の顔ともなったガールズ・メタル・グループDESTROSEの登場だ。メンバーは、Marina(Vocal)、Mina(Guitar)、華子(Guitar)、miho(Bass)、Haruna(Drums)。昨年末の『WOMEN’S POWER』より奇跡のような復活劇を果たし、遂にこのポジションにたどり着いた。その美しくも荒々しいサウンドとパフォーマンスは、ずっと彼女らを応援しているファンはもとより、彼女らを初めてみたファンにも強烈にアピールしたことだろう。ステージが始まった後は、フロアのファンは終始首や腕を振りっぱなしで、エキサイトした状態が続いた。ステージを楽しむ者にそうせざるを得ない方向に向ける彼女らのパフォーマンス。そのコンビネーションも、切れ味鋭いメタリックでワイルドなサウンドも、一歩抜きん出ているようにも見えた。3月末に今後の躍進の是非を占うニュー・シングルのリリースをした彼女ら、今後の動向から更に目が離せない。
 
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◆DESTROSE 公式サイト
http://destroya.nobody.jp/
◆セットリスト
M01:Headless Goddess
M02:Lifer
M03:Hearts Grave
M04:Destination
M05:SkyKiller
M06:Fenixx

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そして、前日に引き続き恒例のセッションタイム。この日はDESTROSEMarinaがステージを仕切る。見るからに姉御肌の彼女が仕切るだけあり前日とはまた異なった雰囲気でセッションへの布陣が出揃う。このようなステージの雰囲気も、ライブを、そしてイベントを観戦する上で非常に意義のあるポイントだ。特に『WOMEN’S POWER』というイベントの、この恒例行事も特別な時間であり、ある意味ではこの部分は、絶対にイベントの中で見逃せないタイミングもいえよう。この日も前日に引き続き送られたナンバーは、「本日ハ晴天ナリ」。そのタイトルのとおり、まるで彼女らの明るい未来を示したような、気持ちの前身を見せるコーラス。その声に同調し声が上がるフロアには、そんな彼女らからのプレゼントをしっかりと受け止めたかのようにも見えた。
 
【セッションメンバー】
Vocal:Mah(コイノオトシゴ)、Hikari(Noah’s Ark)、LEN(七彩☆GLITTER)、Naki(CREA)、AIMI(Alstro Merry)、Marina(DESTROSE)
Guitar:あさぴー☆(七彩☆GLITTER)、成美(Noah’s Ark)、Aiko(CREA)
Bass:ルイ(コイノオトシゴ)
Drums:Haruna(DESTROSE)
Keyboard:SAYA(Alstro Merry)

 

3日目(大阪:2012.3.11 八神灰児、shingo)

 
3.11。日本全国で色んな意味を持ったであろうこの日。天気予報もどこ吹く風の生憎の空模様に悪戦苦闘しながらも、大阪は心斎橋にあるライブハウスKING COBRAは、次代を担う彼女達のサウンドに焦がれようとしていた。取材準備の為にと早めに訪れた会場には熱烈な本イベントや出演バンドのファン達による行列が既に。身の引き締まる思いで会場入りし、湧き上がる期待を胸に今か今かと開演を会場入りしたファンのみんなと共に待ち続ける。大半は男性だが女性の姿もチラホラと伺える。関西勢×2vs関東勢×2となった今夜の饗宴。最前列からギュッと詰まりに詰まったガールズ・ロックファン待望の夜が今、ここ大阪でその幕を開ける!
 
1.Alstro Merry
 
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この日のトップバッターとなったのは関西勢から登場の、Alstro Merryだ。メンバーはAIMI(Vocal)、SAKI(Bass)、SAYA(Keyboard)、CHIHIRO(Drums)。砕けにクダけた歌声を乗せたSEにて登場!本編中のMCにて明かされたが、このSEは絶賛販売中の音源にボーナストラックで収録されている曲なのだそうだ。実はこのバンド、構成からも察して頂けるようにGuitarサウンドは打ち込みによる同期。そんな前情報から突入した本編はキュートにしてロック!そしてポップにしてキャッチーという見事なまでの一番手ぶり!今回の衣装である大きめの白カッターシャツとかもう反則レベルです!彼女達の物販でも購入可能なジュリアナ扇子を使った煽りで、彼女らの名刺代わりとも言えるバンド名の由来とする花の名を持つ1曲目「Alstro Meria」で一気に会場をまくし立てる。続く全ての楽曲にも同期特有の不安感をまるで感じさせないCHIHIRO(Drums)のキープ力とドライブ感満点のSAKI(Bass)が繰り出す低音が本当に心地よい。SAYA(Keyboard)はショルダータイプでのプレイかと思わせる程のアグレッシブなプレイスタイル。5日後には誕生日を迎えるそうだ!コングラッチュレーション♪ステージアクションをモノともしないAIMI(Vocal)の安定感をSAKIの伸びのあるハモリがツイン・ヴォーカルかと思わせんばかりに会場を包む。ファンも初見もひっくるめて会場中をそのリズムの虜にした彼女らを今後もしかと活目せよ!と誰しもに伝えずにはおかないステージとなった。
 
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◆Alstro Merry 公式サイト
http://25.xmbs.jp/alstromerry/
◆セットリスト
M01. Alstro Meria
M02. LEAVE FOR DREAM
M03. 未来空
M04. omoi
M05. Endless Love
M06. YELL

2.ZomBeats!
 
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勢いのついた今夜の2番目を担うはZomBeats!。最後の「!」まで含めてぞんびーつ!メンバーは、aimi(Vocal& Keyboard)、nike(Guitar)、hartus(Bass)、kazki(Drums)。某テレビドラマを連想させる語りから始まるSEと共に登場した、アニメ大好きコスプレバンドを自称する彼女達がまず会場を虜にしたのはその艶やかな衣装だ。登場からインパクト満点の出で立ちは踊り子にメイドに執事と各メンバーのパートと個性を表した仕様を伺える。バンドとして際立つのやはりaimi(Vocal& Keyboard)のしなやか肩口にしっかりと担がれた鍵盤だろう。ヴォーカルとしての存在感も確かすぎるほど確かな彼女が奏でる旋律は、そのスタイルから想像していた以上に流麗で力強い。装飾音程度に用いられるようなお飾りとはその演奏力が違いすぎる!関東勢として参加した彼女らではあるが、メインフロントたる彼女は関西出身の凱旋LIVE的な形となったこともMCでは語られ、大阪会場はお帰りとばかりに更なる盛り上がりと熱をまとっていく。hartus(Bass)、kazki(Drums)がリズムを捉える客席の足元を先導すればnike(Guitar)のしなやかな指先からは想像できないズシっと上体を揺さぶられるかのフレーズでいつしか全身でそのサウンドをそのドライブを感じているって寸法の彼女達のズテージ。かつて某音楽番組にて雌雄を決したアイドル達へ楽曲提供される形となった「RUIN」は、彼女達の今後を予感せずにはいられないナンバーだ!プレイヤーとしてだけではない、若くして様々な才能を開花していくであろう彼女達の今後に期待したい!!
 
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◆ZomBeats! 公式サイト
http://12.xmbs.jp/ZomBeats/
◆セットリスト
M01. Good-bye Feel
M02. うたかた
M03. RUIN
M04. SHIGANSYA
M05. Lost days

3.DESTROSE
 
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新たなる展開を迎え更なる活躍が目覚ましいDESTROSEが大阪のステージに帰ってくる。メンバーは、Marina(Vocal)、Mina(Guitar)、華子(Guitar)、miho(Bass)、Haruna(Drums)。その麗しき容姿にも同様に、ファンを始め馴染みとなった「パイレーツ オブ カリビアン」のテーマによるSEから颯爽と登場したDESTROSE。メンバー達がステージ上にそろうや否や繰り出される「Headless Goddess」ではMarinaが上げたシャウトと共に、客席とステージにはヘッド・バンギングによるうねりともいうような、まさにそう、荒波を凌駕し航海する海賊達の力強さとしなやかさを彷彿とさせつつ会場を飲み込んでく一体感への航路は、俗にいう遠征組が持つ探り探りのそれとは確実にして完全に一線を画している。伸びやかに突き抜ける懐かしさと新しさをその響きに併せ持つヴォーカルと、硬質に様式美をその楽曲の全てに追従していくアンサンブルが繰り出すメタルセンスはまさに彼女達の専売特許。ここ大阪においても決して少数なんかではない、生の彼女らが放つエネルギーを待ち詫びていた観衆も一気呵成にと大歓喜。ステージ前列は彼女からの煽りを待つまでもなく我先にとアクティヴなヘッド・バンギングを連発。そんな関西ノリなややくい気味とも言える熱いエールに、呼応して負けじとステージではフロントメンバー全員が見事なシンクロによるヘッド・バンギングをこれでもかと返してくる。最強の布陣から生みだされるグルーヴをここ関西でも見せつけたDESTROSE。彼女らが求めていく視線の向こうには更なるグランドラインがきっと見え続けているに違いない。次回にもきっと訪れる関西での更なる航海に期待せずにおかない今宵の宴となった。
 
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◆DESTROSE 公式サイト
http://destroya.nobody.jp/
◆セットリスト
M01. Headless Goddess
M02. Hearts Grave
M03. Destination
M04. Skykiller
M05. Fenixx

4.GoDeath
 
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最後に登場したのはGoDeath。メンバーは、煌/kou(Vocal)、mi-ya(Guitar)、asami(Bass)、ALi(Drums)。自ら銘打った東名阪ツアーを大暴れのまま駆け抜けてきた彼女達。まさに今宵はそう、その集大成たる夜なのだ!煌/kou(Vocal)の圧倒的な歌声とステージセンスに、そしてそのボンデージルックに会場中の視線が釘付け。デス・ヴォイスと艶やかなクリーンを効果的に使い分け構成され奏でられていく大胆なサウンドは、会場のオーディエンスを瞬時に虜にする。ALi(Drums)の圧倒的なドラミングと軽快なMCによる飽きさせないライブ構成もGoDeathならでは。彼女らの圧倒的なスタミナの高さと経験値により、俗にデスメタルと呼称される様々なバンド達と確実に何かが違うGoDeath。彼女らに魅せられ共に東名阪を駆け抜けてきたファン達も多く、一丸となって彼女らの強烈なライブパフォーマンスを後押しする。「首がもげるまで!振り回していけよー!!」との煽りから、あちらこちらで発生する猛烈なヘッド・バンギングは関わる全てを飲み込んでいく彼女らの迫力!そして破壊力そのもの!自らのHPにおいてもその多くを語らないGoDeath。その世界に触れる為には肩書きも能書きもいらない。ファン達と共に躍動するこの生きた時間こそが、初対面のオーディエンスをも飲み込み虜にするこのステージにある時間こそが、まさに色あせることのない彼女らのプロフィール。トリを飾るにふさわしい最高のボルテージを見せつけた。
 
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◆GoDeath 公式サイト
http://godeath.com/
◆セットリスト
M01. オロチ
M02. 連鎖
M03. 誘惑
M04. 希望
M05. 歪み
M06. Negation

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全LIVE終演後には『WOMEN’S POWER』恒例となる出演者一丸となってのスペシャル・セッション。それぞれに余すところなく個性を発揮した面々が一同に、その雌雄をある意味で争い競い合ったステージ上にて会す感じは、見ごたえある良質な映画作品のエンドロールを迎えた時の満足感と同じに思えた。またセッション演奏前には会場へ応援に駆けつけていた出演以外の様々なガールズバンドの面々からライブ告知などの時間も用意され『WOMEN’S POWER』がまさにガールズバンドの総本山的イベントであることを再認識させてくれた。その中にはスペシャルゲストとして『WOMEN’S POWER』では馴染みのYoshi(Aldious)、みっき~(G∀LMET)の登壇もありそんなサプライズが更に今回の大阪会場を沸かせる形となった。そして今回セッションにと用意された楽曲は、東京公演と同じく、「本日ハ晴天ナリ」。まさに彼女らのエネルギーが、今宵見せつけられた女性ならではの力強さが、この日本の毎日をも、もしかしたら晴天にしていくに違いないなと、様々な想いあふれる1日に会場中の笑顔を連れて次なるステージへとまた一歩このイベントは更なる力をつけたはずだ。
 
【セッションメンバー】
Vocal:AIMI(Alstro Merry)、aimi(ZomBeats!)、Marina(DESTROSE)、煌/kou(GoDeath)
Guitar:nike(ZomBeats!)、Mina(DESTROSE)
Bass:SAKI(Alstro Merry)
Drums:ALi(GoDeath)
Keyboard:SAYA(Alstro Merry)

 
hana
 
全11バンドの猛者達による、夢の競演。深い歴史を刻んだイベントだけに、出演者の思いもそれぞれで、大きなステップアップを目指して殺気すら感じさせるもの、はたまた初のステージに戸惑いがありながらも、そのフレッシュな感覚でアクティヴさをアピールしたものなど、様々な表情が感じられ、また女性のロックという魅力を改めて感じるショウとなったのは、いうまでもない。この日出演した女性達が、今後このステップを機に次はどのような展開を見せていくか?それはバンド単体の成長という面と供に、この日競演した他バンドとの交流による、この世界で築いた箔のようなものとしても、今後バンド、そしてアーティストとしての活動で、色んな場面で見えてくることだろう。彼女らの益々の活躍を願いながらも、このイベントの存続と発展を、更に願わずにはいられない。