特集

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TEXT & PHOTO:株本和美

国内のロックシーンの最先端を駆け抜け、輝き続けるフロンティアたちの横顔に迫るインタビュー特集「ROCK ATTENTION」。第40回に登場するのは、LAZYgunsBRISKYレイジーガンズブリスキー)。
 

L to R:Moe(Drums)、Lucy(Vocals)、izumi(Guitars)、AZU(Bass)

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LAZYgunsBRISKYインタビュー 完全復活へ向けての思いとは?

 
LAZYgunsBRISKYが、渋谷・CHELSEA HOTELで2015年4月5日に行われた『DONUT presents ~ROCK’N’ROLL SHOWCASE VOL.3~』において、シークレット出演し“完全復活宣言”を行った。
 
LucyizumiAZUMoeの4人からなる同バンドは、2006年に高校の同級生が集まり結成した。そして、浅井健一(ex BLANKEY JET CITYSHERBETS)初のプロデュース作品として、2008年12月にミニアルバム「Catching!」でメジャーデビュー。
 
国内外で高い評価を得るも、2012年の5月12日に惜しまれつつ解散。その後は、ソロや別のバンドで各々活躍をしていた彼女たちだが、衝撃の解散ライブから丸3年となる2015年5月12日に、東京・渋谷のTSUTAYA O-Crestにて行われる復活ライブが決定した。
 
復活宣言を行ったばかりの彼女たちにインタビューを実施。今のLAZYgunsBRISKYを伝えるため、たっぷりと語ってもらった。本誌BEEASTの特集にて、完全復活を宣言した今の気持ちや、解散から復活への経緯、今後の目標などについてお伝えしよう。
 

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解散から再結成に至るまで……

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—“完全復活”を発表した今の気持ちを教えてください。

 
Lucy:すごくワクワクしています。“今”の私たちが、どんなLAZYgunsBRISKY(以下LAZY)になるのか、まだ全貌を把握しきれていないところもあるので、私たちも期待しているという感じです。
 
AZU:本当に楽しみです。4月のシークレットライブで復活宣言をさせていただいたのですが、ステージに立った時、昔の感覚を思い出しつつ、「もっとやれるな」という手応えも感じたので、これから更にリハーサルを積んで、5月12日の復活ライブに向けて頑張りたいし、そこでは大爆発したいです。
 
Moe:復活の話を聞いたとき、最初は「やれるのかな?」と不安もありましたが、復活宣言をして動き始めると、楽しみなことや、やりたいこと、やらなくてはいけないことに追われて(笑)。それも含めて、今はやる気で一杯です。みんなも、昔と環境も違っているので新鮮さもありますね。
 
izumi:単純に楽しみです。リハーサルに入って音を鳴らした瞬間、「やっぱりこれだよな」って思うし、自分のテンションが上がる音楽が演奏できるというのは嬉しいですね。懐かしさもあるけど、昔とは違う感覚もあって。“大人”になったんだな、とも思うし。5月のライブがどういう感じになるのか楽しみです。
 

—復活のきっかけは?

 
AZU:解散後、ふと「LAZYやりたいな~」と思うことはありましたが、解散していたし、復活するにはまだ早いかなと思っていて行動には移さず……。解散直後は、他の環境で自分を高めることのほうが必要だと考えていたので、特に復活に向けて動くことはありませんでした。そうして過ごす中、昨年の10月くらいにLAZY時代にお世話になった方と飲む機会があり、懐かしくなってLucyを電話で呼んだことがきっかけです。
 
Lucy:そう、夜10時すぎ。3年ぶりにAZUから電話がかかってきて(笑)。その時私は、自宅にいて、メイクも落として寝る直前だったので、めちゃくちゃ驚きましたね。
 
AZU:私とLucyは、解散してから全然連絡をとっていなかったのに、それでも来てくれて。
 
Lucy:うん。その時なぜか、すごく「私、行かなきゃ」という気持ちになって……。もしこの日AZUに会いに行かなかったら、今(完全復活)は無かったかもしれないね。
 
A2

—すごくいいタイミングだったんですね。

 
Lucy:その時期、私も“音楽と向き合いたい”と思いながら生きていて。もちろんLAZYのことを思い出す日もあったし、自分自身がこれから先のことを考えるというタイミングでした。そこにAZUからの連絡(笑)。フワッとしているかもしれないですが、みんなのタイミングがあったというのも、復活が叶った大きな理由の一つです。
 
AZU:それでLucyと再会したその日は、具体的なことを話したわけではなくて、漠然と「また、一緒に何かやろうよ。スタジオとかに入って遊ぼうよ」という話で盛り上がりました。その後、izumiちゃんとMoeちゃんに声をかけて、12月に4人で再会しました。
 

—4人で再会してから復活の話が具体的になっていったと……。

 
AZU:はい。「4人で何かやろうよ」という話から膨らみ、ついにはライブをやることが決まり(笑)。だけど、せっかくライブをやるなら中途半端にはしたくないということで、復活の話が具体的になりました。そんな流れで、LAZYが解散した日(5月12日)に復活ライブをやることを決めました。そうだよね?
 
3人:そうそう、大丈夫だよ(笑)。
 

—12月に4人で再会した時はすぐに打ち解けましたか?

 
AZU:カラオケにいって、朝まで飲んだよね。再結成の話で盛り上がって、久しぶりにみんなで遊んだーという感じでした。途中から、高校時代の友達も集まってきて結局飲み会になっちゃった(笑)。
 

—離れていた時間のブランクは全く感じなかったと?

Moe:全く感じませんでした。むしろ高校生くらいの時の感覚に戻りすぎ(笑)。
 
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—AZUさんとizumiさんは別のバンドでも活動をされていますが、ご自身にとって「LAZY」での活動はどんな位置づけでしょうか?

 
AZU:バンドはそれぞれ色があって存在しているから、それぞれが全く別物ですね。音やメンバー、場所が変われば、そこいる自分の役割も変わってくるという感覚です。LAZYではLAZYでの自分の役割があるし、他ではまた別の役割があるからね。個人的には、他のバンドでの活動は自分の表現の幅が広がっているな、と感じています。
 
izumi:そうですね。バンドが変われば全然別物で、サウンドも全然違うしね。私はこの3年間で、ギタリストとしての自分を考えるようになりました。バンドメンバーのひとりというよりかは、個人のギタリストとしてステージに立った時に「どんなギタリストでいようか?」という気持ちの方が強いです。だから、どんなバンドに入ったとしてもこのスタンスは変わらないと思います。
 

—ちなみにLAZYでのAZUさんの役割は?

 
AZU:結構、面倒を見てもらっていることが多いなと感じていて(笑)。身の回りのことが私は出来ていない子だと実感しています(笑)。いつも、「これやろうよ」と提案するのは好きですが、それをまとめてくれるメンバーがいるから、色んな事が実現できるんだなって感じています(笑)。
 

—メンバー内で、一番面倒見がいいのは?

 
AZU:まとめ役は、Moe。私はやりたいことをぼんぼん投げて、それをMoeが上手にまとめてくれます。
 
Moe:その通りです(笑)。
 
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—「LAZYはこれまでターニングポイントが何度かあったと思いますが、デビューから解散までを振り返るといかがですか?

 
Lucy:本当に、走ってきたと思います。大きな流れを振り返ってみると、解散している間から現在に至るまでもすべてがLAZYだったという感覚ですね。割と波乱万丈なバンド生活でしたが、それも私たちらしいと思います(笑)。何でも自分たちで選択していたし、インディーズにはじまり、メジャーへ行き、契約終了後は独自レーベルで「何クソ!」って思いながらの再出発……。その後も声をかけてくれた方がいて、CDを出し全国ツアーをし、海外デビューまでさせてもらって。本当に色々経験させていただきました。
 

—海外公演はなかなかできない経験だと思いますが、どんな感覚でしたか?

 
Lucy:音楽に国境は無いと感じました。むしろ、「自分はその国の人間なんじゃないか?」と思えるくらい、壁が無かった。それも含めて、LAZYはとても恵まれていたし、それこそ財産だと思っています。振り返りはするけれど、過去ではない感じがします。“解散”さえも通過点だった、なんて言うと迷惑な話かなぁ……。
 
AZU:私たちは、本当に恵まれたバンド生活を送っていたと思います。10代後半から20代前半に経験したことは、この先大人になる上でとても活かされる経験だと思うんです。自分を形成していくような大切な時期に、良い環境でバンドをやれていたというのはすごく財産です。
 
izumi:LAZYをやっていた時は、ひたすら駆け抜けて駆け抜けてという感じでした。解散後も、これまでの自分たちのことやLAZYのことを無意識に考え続けていていたと思うし、この3年閒があったからこそ色々考えることができたと思う。Lucyが言っていたように、解散をしたからといって立ち止まっていたわけではなかったと思うし、更に良いものを作っていける気がしています。いいタイミングで、その機会がやってきたのかな。
 
Moe:メジャー契約が終わり、自分たちでCDを出すしかなくなった時も“新しい経験”だという気持ちが大きかったかも。だけど、私たちは昔から、何かやる時のモチベーションが低くはなかった気がするな。メジャー契約が終わったからといって止まることは考えていなかったよね。
 
Lucy:メジャーじゃなくなった、ということをあまりマイナスにとらえていなくて。むしろ、出来ることが増えたので、会場限定のシングルを自分たちで作ろうとか、デザインはどうしよう、誰にお願いする? という風に“自由度”が広がった事を楽しめていたと思います。
 
3人:うん。
 

■STAGE(2015.4.5@CHELSEA HOTEL/(C)Takumi Akuzawa)
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—独自レーベル時代も経て、まさかの解散ライブ。あの時、なぜ “解散”という道を選んだのか教えてください。

 
Lucy:今思うと「何で解散したの?」と思うところもありますが、その頃は方向性の違いが一番大きかったです。
 
AZU:そうだね。
 
Lucy:当時、私はバンドの音をポップにしたかったけど、AZUはカッコイイ音を求めていた。今思うと、AZUが完全に正しいよ(笑)。
 
AZU:(笑)いや、わかんないよ~。
 
Lucy:バンドとして“売れたい”という思いがあって。一口に“売れたい”といっても、1万枚売れたら満足なのか、ミリオンなのか、と問いたときに、「私はミリオンを目指したい」と考えていました。ではミリオンをたたき出す音楽ってどういうものだろうか探っていった時に、ほかのメンバーと方向性がかみ合わなくなってしまい、その他にも色々な問題も重なってきて、考える余裕が無くなってしまったんです。そうなるとプランニングも出来ないし、明るい未来も描けなくて……。そんな状態でライブを続けて行くつもりもないから、この問題が解決しないならここで終わりにしよう、という話になりました。
 

—心の余裕が無くなっていたことも原因のひとつ?

 
Lucy:音楽面での方向性の違いもあったし、意地の張り合いもあったのかもしれません。私も子供だったし……。全員が個性的で、しっかり主張を持っていたからこそ、ちょっとのズレが修正出来なくなり、かみ合わなくなってしまった。もう、そうなると脆くガタガタと崩れていった感じです。
 
izumi: あの時、解散の話が出たときはショックでしたし考えられませんでした。本当に解散したくなかったので、冷静にバンドのことを見ることが全くできなくて、「もう、死ぬ~!」みたいな気持でした。だけど、“解散”することが決まったのなら他には(解散を回避する)道は無いから、ひたすら解散ライブまで突っ走ろうと決めて、最後のステージはいつも通りの気持ちで立ちました。
 

—「本当に解散するのか?」と噂になるくらい、熱いラストライブでしたものね。

 
Lucy:そこはすごく意識してステージに立ちました。解散ライブだからこそ、いつも以上のパワフルさと明るさで。だって、ロックンロールは悲しさも蹴飛ばすし、笑い飛ばす音楽だから、それを見せたいという気持ちが強かったです。ラストライブだからといって、湿っぽくなるのもイヤだったし、私は、久しぶりにMoeとステージに立ったこともあってすごく嬉しかった(※)。見ている人も前向きになれて、スカッとできるような、LAZY史上で最高のライブを見たと言われて終わりたかったというのはあります。
※解散前の時期、腕を痛めたMoeは一時的にLAZYを休んでいた。
 

—その思いは、見事に伝わっていましたね。

 
Lucy:よかった……。
 
AZU:解散ライブは、みんな吹っ切れていたよね。あの日に撮った写真は、一番良い表情だったし!
 
Moe:うん、私、部屋に飾っているよ。
 
AZU:わだかまりや確執が起こるのは、みんながそれだけ一生懸命やるからだし、色んな事を経験したからこそ出てきた問題もあって。モヤモヤしながらLAZYをやっていた時もあったけど、解散ライブをちゃんとやるという一つの目標の上に、最後はまとまっていたから、皆の顔もすっきりしていたし、自分もスカッとした気持ちでやれていたから、力も抜けていたのかな。後のことは後で考えたらいいやという気持ちでステージに立っていたから、じっくりふりかえる時間もないまま解散しちゃったという感じ。でも、あのライブがあるから、今があるのかな。
 
Lucy:うん。すごいケンカ別れをしていたら、おそらく再結成の話も出ていなかったかもしれないね。
 

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4月にシークレットライブを敢行!

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—シークレットライブで久しぶりに4人揃ってステージに立たれた感想を教えてください。

 
AZU:まず、主催の「DONUT」さんからオファーをいただいたことが、とても嬉しかったです。
 
Lucy:当日は、緊張で声がでないかも……と不安になり、本番前までひとりで集中していました。本番は“楽しかった”というのは感じているけど、ガチガチで何をしゃべったかとか全然覚えていないんだよね(笑)。後から、お客さんに「みんな良い表情をしていたよ」と声をかけてもらえたのでホっとしました。この日は、ハンドマイクにしたら震えるな~って思うくらい緊張していました。
 
AZU:私もまれに見る緊張だった(笑)。いつもは、ある程度リハーサルで、ここはMCがあって、こういうパフォーマンスをしよう……という風に、シミュレーションをして挑みますし、そういうステージパフォーマンスにも挑戦してきた3年間だったけど、今回のシークレットライブはノ―プランでした。LAZYの時の私は、どんな風に動いていたかな? と、過去の映像を見て確認をしたりするなどして挑みましたが、3年の間に他のメンバーもパフォーマンスが変わっているだろうから、どんなふうになるか予想もできなくて。楽しみな気持ちと、不安が入り混じっていました。しかも、その日見た夢が最悪なの。Moeのドラムが曲の途中で止まるというハプニングが起こる内容で(笑)。
 
Moe:そう。AZUが本番前にそれを言うんですよ~(怒)。「本当に止めようか?」って脅しました(笑)。自分の失敗じゃないところがひどくない!?
 
一同:(笑)
 
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—シークレットライブ後、ファンの反応は?

 
Lucy:その日のお客さんは、ダイレクトな反応を見せてくださって、一緒に歌ってくれたり、ノってくれたりしているのがわかったので、すごく嬉しかったです。(テンション)アガったよね。Twitterでもいろんな人からの反応があって、嬉しかったです。“LAZYは忘れられていなかった”と感じました。
 
Moe:ちゃんとやれたので良かったですね。4人でステージに立って音を出せたことにホっとしたし、緊張もしたけど楽しかった。やって良かったという気持ちがすごくあります。小学生みたいですけど「楽しかったです」って(笑)。でも、これはすごく久々の感情でした。私は他のメンバーと違って、解散後の3年間は、バンド活動などはやっていなかったし、音楽を聞くだけの立場でしたが、それもすごく楽しくて。こうやって音楽を聞いていると、「私は、すごく楽しいことをやっていたんだな」と思いました。でも、“楽しい”ということだけで良かったのに、(プロとして)やっていると、楽しいだけじゃないことも色々出てきますよね。LAZYの後期は、一番大事なところを見失いながらの日々だったので……。だけど、今「音楽やるのは楽しいことだ」っていうことが、自分で今回再確認できたことも良かったし、ホッとしています。
 
izumi:この日のライブは、あっという間に終わっちゃった~という感想です。本当に楽しくて、高校生の頃に戻ったみたいな感覚です。復活宣言をした時のお客さんの反応もあたたかかったので嬉しかったです。LAZYは色んな人に支えてもらっているな、と実感した日でもありました。
 

—izumiさんの相棒、白いアンプも輝いていましたね。ステージで音を出してみていかがでしたか?

 
izumi:基本的に、自分のギターとアンプで音を出すこと自体が大好きなので、それが出来ただけで幸せです。20分のステージでしたが、どうしても自分のアンプが使いたくて、持参しました(笑)。レスポールとマーシャルの組み合わせで使っている人は沢山いるけれど、「私が一番良い音だ」って思いたいし、それを出していきたいです。これは、譲れないところですね。あのアンプは、20歳くらいの時に初めて買ったもので、最初は見た目で選びましたが、音を出してみたら「これだ!」って直感で気に入っています。
 
AZU:昔、あのアンプのせいで“音がデカイ”ってケンカになったよね(笑)。
 
izumi:うん(笑)。やる場所によってはパワーがすごいので。メンバーに「うるさいよ」って言われても、これ以上ボリュームを下げられなくて怒られた……。
 
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—衣装も、以前は白いが多かった気がしますが、今回はシックな印象。何か意図が?

 
Lucy:最近のガールズバンドは結構白い衣装を着ている人たちが多いような気がするしね。今回私は黒い衣装でしたけど、そんなにこだわりは無かったかな(笑)。本当は、“黒とデニム”というコンセプトでやろうって意見もあって、一応みんなはデニムを身につけていたよね。黒を選んだのは、単純に黒い衣装の方がカッコイイしっていう理由です。もう、心が黒いから、黒でいいじゃない?
 
AZU:私の心は透明だよ~(笑)
 
Moe:私も~。
 
izumi:(笑)
 
Lucy:え~、だって白い服を着たがる人は、心が黒いからなんだよ!
 

—一層LAZYへの想いを強く感じました。あらためて、LAZYでなくてはならない理由や強み、LAZYでしかできないこととは?

 
Lucy:私は、“カッコイイ”と思うことだけをステージでやりたいと思っています。ステージでは、最高にカッコつけて、全てをさらけ出している……。そういうむき出しの姿がカッコイイと思うし、憧れますし、そういう人間になりたいと願っています。そういう意味では、LAZYのステージは“理想の自分”でいられる場だからLAZYでなくてはならないということでしょうか。
 
izumi:高校時代にみんなと出会い、LAZYを結成しました。青春時代も反抗した時期も一緒に育ってきたので、同じものを見てきたし、誰よりも長い時間一緒にすごした大切なものです。お互いのことをよくわかっているから、言葉にしなくても音を出しただけで通じあう感覚があって、それはLAZYの強みだと思います。
 
AZU:私が今やりたいことは、“自分たちのペースで末永く続けていく”ということです。CDも作りたいし、ライブツアーにも行きたいけど、それよりも、今のLAZYを自分自身で楽しみたいというのが一番やりたいことです。初心に帰ったという感じかな。
 
Moe:うん、「リハ入りたい!」って言ってるもんね(笑)
 
AZU:そう、今はリハが楽しくてしかたがないって感じです。だって、一番かみ合っていなかった時期は、4人で顔を合わせることも辛かったもん。
 
Lucy:そうだね。おばあちゃんになってもLAZYをやりたい。これからは、それを実現するための選択をしていきたいし、“この4人でやる”というのが私の中では一番強い気持ちかな。
 
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—一度離れたからこそ、自分自身の気持ちが再確認できたことも多かった?

 
Lucy:会ってなかった3年間で、みんな人間的にも音楽的にも色んな事を吸収していて、考え方にも変化があって。だから、もう一度集まりLAZYの音楽をやるなら、いろんな表現があって当然だし、それもいいじゃんって思います。「じゃあ、もっとこうしようよ」って方向にふくらませていけると思います。
 
AZU:3年間ひとりになって、良い意味でも悪い意味でも変わっちゃった部分もすごくあって……。変わっちゃいけないところも、変わっちゃったな、私って思うことがあったりするんだよね。
 

—例えばどういうところが変わったと思いますか?

 
AZU:怒りたい時に怒れなくなった自分に対してすごく悔しい。まぁ人間社会で上手にやるには、怒らない方が絶対良いに決まっていますけど、ここぞという時には必要でしょう? 社会人の友達から、仕事で理不尽なことがあっても耐えているという話も聞きますけど“絶対に譲れないもの”を持っていないと、いつか崩壊してしまうと思っていて。譲れないものを無くしたら無くしたで、幸せに生きられるかもしれないけれど、私はそういう生き方をしたくない。何かに対して怒れなくなったというのが、そこに対してのプライドが無くなっちゃったということだとしたら、これは自分にとって良くないこと。時には、飲み込まなくてはならないこともあるし、必要なら我慢もするけど、もしLAZYのことで理不尽なことが起きたら、私は声をあげたいと思うし、そういう気持ちは忘れたくないです。プライドというか、「これが私たちです」っていうものを確立したい。LAZYは自分たちで守りたいし、自分たちで作っていきたいです。
 
Lucy:みんなひとりになって、同じようなことを感じていたのかも。
 
AZU:何かを決める時でも4人の中でひとりでもNoと言えばやらないし、4人が納得しなきゃやらないよってね。今は自然とそうなってるよね。
 

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復活ライブへ向けて……
–復活ライブに向けて新曲も準備中だとか? 音楽面での変化はどうですか?

 
Lucy:歌詞がまだ書けていないので、曲を作っているAZUから状況を(笑)。
 
AZU:ポップな雰囲気になると思います。ポップで、皆で歌えるようなものを作りたいですね。最後に出したアルバム『LAZYgunsBRISKY』が、自分の中ですごく心に残っていて、あのアルバムで、自分たちのバンド名をセルフタイトルでつけたから、そこからの延長線上のものを描きたいと思っています。等身大の自分たちを歌っていくのがLAZYだと思うし、それに、ちょっととんがっているのもLAZYだと思うから、そういうものを表現した曲になったら良いなと思います。
 

–とんがっている感じがLAZYらしさの一つでカッコイイですよね。

 
AZU:だけど、出てきたばかりの頃、私たち生意気だったんだよね(笑)。ライブでいきがっていたら、ステージにコップが飛んできたもん(笑)。
 
Lucy:あった、あった。下手くそだったのかな?
 
3人:下手だったんでしょう(笑)
 

–5月12日の復活ライブでの初披露、楽しみですね。

 
AZU:頑張ります! 頑張ったらもう一曲出来あがるかも!?(笑)
 

–曲作りはAZUさんが中心に行っているんですか?

 
AZU:まず、曲を作ったら、メンバーに聞いてもらっていますね。
 
Lucy:その曲に、メロディーを変えながら歌詞を載せて、メンバーと相談しながら耳触りのいい言葉や、耳に残る言葉を載せながら作っていく、という感じで進めています。
 
AZU:それからスタジオに入って演奏し、パソコンに音を取り込みながらフレーズとかを選んだり、izumiちゃんが持ってきた音を合わせたりして、曲を作っていきます。
 

–歌詞の言葉選びや世界観についてはどんなこだわりがありますか?

 
Lucy:身近にありそうなシーンや、生活する中で広くあてはまりそうな言葉選びやフレーズは意識していて。それからストレートな表現より、どちらにも受け取れるような言葉を選んで作ることは意識しますね。ある人にとってはピンとこないかもしれないけど、別の人が聞いたらハッとするというような、聞いてくれた方が何かワンフレーズにでも引っかかってもらえたらと思っています。自分自身も、ライブで歌う時は、その時の状態で感情の入れ方を変えられるようにしているので、ガチガチに世界観を決めて作ってはいないし、その時に思ったことをシンプルに出すようにしています。
 

–Lucyさんの歌の表現力も幅広いですよね。

 
Lucy:本当ですか? あまり意識して歌ってはいなくて、その時々で変わっているかもしれないですね。歌を聴くときに、まず耳に入ってくる声だったり、音のフレーズが大事かな、と思っていて。そして“平たんにしたくない”という思いがあるので、感情というものは意識しているし、人の気持ちを掴むような歌い方をしていきたいというのはあります。
 
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–一度聞くと、耳キャッチされますよね。そんなLucyさんを後ろで見守るMoeさんはどう感じていますか?

 
Moe:いつも“ボーカルのテンションとシンクロしたい”という気持ちでいます。そして、心の支えはベースです(笑)。Lucyは、あまり後ろを振り返らないタイプなので、後ろ姿からもそれを掴めるようにというのは意識していますし、これからもそうしていきたいと思っています。
 
Lucy:私、あまり振り返らないからね(笑)
 
Moe:うん。だから、不意に振り返るとビックリする(笑)。4月のライブで、振り返ったから「どうした!?」って思ったよ。
 
Lucy:あの時は、本当に気持ちが良くて、みんなの顔を見渡したいと思ったから振り返ったんだよ~。今度から、ライブで振り返るとお客さんが心配しちゃうじゃないか(笑)。それだけ、Moeを信頼しているということ!
 
3人:(笑)
 

–最後に、5月12日のライブへ向けてメッセージをお願いします。

 
Moe:私たちも楽しみだし、皆さんも一緒に楽しみにしてくれていると嬉しいですね。
 
AZU:「楽しい」がキーワード。自分たちが楽しくないと、復活させる意味は無いですよね。出会って10年近くになる4人が、遊ぶような感覚で楽しみたいと思っているから、みんなも友達を連れてバカ騒ぎしに来てください。
 
izumi:自分たちもそうだけど、開放的に自由に。何も気にせず、仕事のこととかもこの日は忘れて、ただその瞬間を楽しんでほしいです。
 
Lucy:今、みんなでセットリスト考えているところですが、今までの感謝の気持ちや、応援してくれている方たちが聞きたいと思う曲をやりたいですね。主観も入っていますが、お客さんの顔を思い浮かべながら選んでいます。見に来てくれた方が楽しんでくれたら嬉しいです!

◆Live Information
Monsters Of JAProck ~Re-live!LAZYgunsBRISKY!~
・2015年05月12日(火)【東 京】 TSUTAYA O-Crest
 
[OPEN/START] 18:30/19:00
[料金]ADV ¥2,300/ DOOR ¥2,800 + 1D(¥500)

 
チケット予約はお名前、枚数をご記入のうえ
下記メールアドレスまで。

info@lazygunsbrisky.com
 

◆LAZYgunsBRISKY Official Website
http://lazygunsbrisky.com/
 
◆LAZYgunsBRISKY Official Twitter
https://twitter.com/lgb_lucy
 
LAZYgunsBRISKY/
Lucy(Vocals)、izumi(Guitars)、AZU(Bass)、Moe(Drums)
 
 
 
 
<取材協力>
 
ロックンロールの物語をレコードする音楽誌 「DONUT」 Official Wesite
http://donut.main.jp/
東京渋谷ライブハウス 「チェルシーホテル」
http://www.chelseahotel.jp/