特集

BEEAST太鼓判シリーズ 第4弾アーティスト『LIGHTNING』

TEXT:桂伸也

本誌BEEASTが自信を持ってプッシュする太鼓判アーティストの特集!第4弾はLIGHTNINGをお届けします!メンバーは、勇舞(Vocal)・IRON-CHINO(Guitar:以下、IRON)・KOUTA(Guitar)・御橋(Bass)・GIGA THRASHER(Drums)の5人。メタル界の新たなスター候補である彼らの魅力を、インタビュー及びリリース記念として行われた2つのイベントより追っていきたいと思います。

IRONKOUTAという二人の超絶ギタリストが織り成す、強力なツイン・リード・ギターを前面に打ち出した、正統派ヘヴィ・メタル・サウンドを追求するストイックな面と、楽しいメタル・ライブを目指すキャッチーでアットホームな面を併せ持つことで絶大な人気を呼んでいます。特に新メンバーの勇舞(Vocal)を迎え、2012年末にリリースされたニュー・アルバム『Justice Strike』は各所で話題騒然、次世代のポスト・ジャパニーズ・メタル・ヒーローといっても過言ではないのでしょうか。
 

 


 

メンバーへショートインタビュー!
Q1:ニューアルバム『Justice Strike』の聴き所は?
Q2:LIGHTNINGに対する思いや、今後に対する意気込みを語ってください。
 
IRON-CHINO(Guitar):
(Q1)私のギター・ソロですね(笑)リフがあって、歌があって、サビがあって、盛り上がるという風に作っているのですが、最終的に一番盛り上がるのは私のギター・ソロだという作りに全てなっています(笑)逆にこういうバンドってあまりないんじゃないかと思うんですね。自分の中で名曲の条件が3つあって、それはリフ、ソロ、歌なんです。どれが欠けてもダメだという。勿論歌も良く出来ています。今回のアルバムは、全曲条件を満たしているんじゃないかと、自負しています。
(Q2)これからについては、目が海外にしか向いていません。絶対海外、特にヨーロッパでライブ、リリースといきたいですね。若干まだユーロが安いですが、これから徐々にゴールドの買い戻しが起こるでしょうから、大丈夫でしょう(笑)

 
KOUTA(Guitar):
(Q1)やっぱり私のギター・ソロですね(笑)例えば歌があって、IRONのギター・ソロがあって、その間くらいに私のギター・ソロがあるんですが、それが「ただのつまんない」ソロじゃ意味がなし、そこに自分のソロが構成されていることによって、IRONのギター・ソロも「待ってました!」的な感じが出ることを意識しました。曲にすき間を与えない、という感じで。特に今時のメタル・ギタリストって、速く弾ければOKみたいなところに陥りがちなので、もっと一歩踏み込んだところを考えまして。あとは勇舞の圧倒的な歌唱力ですね。特にバラエティな楽曲群に合わせて、勇舞の多彩な歌唱っていう魅力が、一気に花開いています。
(Q2)やっぱり海外進出ですね。どんどん海外に出て、LIGHTNINGの良さっていうのを知ってもらいたい。以前フランスでライブもやりましたけども、そういった場をこれからもどんどん広げて、日本のヘヴィ・メタルのよさをどんどん海外の人にも知ってもらいたいですね。LIGHTNINGのメロディって、多彩なところもあるし。海外でも日本語のままライブをやったこともあり、日本人のよさみたいなところを魅せていければと思っています。

 
勇舞(Vocal):
(Q1)歌唱力です(笑)ヘヴィ・メタルのメロディというよりは、いいメロディをしっかり作りこんだ上にヘヴィ・メタルなサウンドを乗せているような感じなので、どちらかというとヘヴィ・メタルが苦手と思っているという人にも聴き易いサウンドに仕上がってるんじゃないかと思うんです。だからその点は聴いて、感じてもらいたいと思います。
(Q2)僕はヘヴィ・メタル好きなんですけど、まだ自分を「ヘヴィ・メタルのヴォーカル」だと思ってないので(笑)いい感じで、IRONの作る曲に自分の声が乗っていけばいいなって思っています。僕はまだLIGHTNINGに参加して、アルバム一枚しか実績がないので、今後どうやっていけるか、どんなことが出来るかという可能性は一番あると思うんですよ。その可能性がどこまで伸びるかは分からないですけど、それが旨く上に向いて、融合していけばいいなと思っています。そこまで自分を高めていかないといけないですけどね。今あるものを大事にしていきつつ、バンド全体が更に新しい視野を加えていければいいですね。

 
御橋(Bass):
(Q1)当然ベースを聴いていただきたい(笑)全曲でのベース。ギタリストが弾くような、派手なベースに挑戦したというところですね。
(Q2)演奏してお客さんが一緒に歌ってくれるのが楽しい思っていますので、海外だろうとどこだろうと変わらずに、聴いた人が「ウォーッ!!」と唸ってもらいたい。ライブで曲をやって、ギター・ソロやサビをみんなで歌ったりするのがLIGHTNINGの素晴らしいところじゃないかと思っています。

 
GIGA THRASHER(Drums):
(Q1)アルバム全体を通して、ドラマティックに仕上がっているところですかね。まあ、当然リスナー層は一番ヘヴィ・メタルのファンの方になると思うのですが、特に余り凝り固まっていない感じがすると思うんですね。結構幅広い層に受け入れられる仕上がり。勿論基本は攻撃的でガーっと押してくるような感じではあるんですが、その上でバラエティ感が出てると思うんです、ドラマ性のあるという面でね。特に今回はいろんなタイプのアルバムが入っています。
(Q2)IRONの行きたい方向に任せているという感じで(笑)自分はその方向のイメージに近い感じで乗っけられるかというところですね。やっぱりそれは、IRONの作る楽曲に惚れてて、あくまでIRONを信用しているからそうしているということなのですが。

 

 
hana

1.ステージ(2012/1/22 渋谷サイクロン)

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強じんなビートからその幕を開けるステージ、質実剛健といった彼らのイメージ。「声出して行こうぜ!」勇舞が叫びます。とにかく超絶、華麗なIRON-CHINOKOUTAのギター・ソロが乱れ飛ぶ中、フロントマンの勇舞がその絶妙な存在感をみせていきます。不適なまでにクールなKOUTAの立ち姿と、挑発するように激しいアクションを見せるIRON。好対照のギターコンビと、そこに真っ向勝負を挑みかけるように、激しいアクションを見せる勇舞はとにかく見応え十分です!嵐の展開を見せるフロント陣をしっかりと支える御橋GIGA THRASHERというリズムセクションの動きも見逃せません!彼らが構成するリズムセクションは、一見まるで「動かざること山の如し」を地で行くような冷静な出で立ちですが、そのサウンドが迫力のあるLIGHTNINGサウンドを何倍にも増幅する原動力となっているのはいうまでもありません。

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メロディアスなフィーリングとキメが抜群の「Far away」では、そのキメの部分でコーラスをフロアと共有し、一体感を深めていきます。更に、今回のリリース以前の曲すらも、新ヴォーカリストである勇舞で披露し、彼を含めたLIGHTNINGの存在感を明確にしていきます。激しい8ビートの王道的メタル・サウンドを見事に歌いこなす姿は圧巻、更にこういったビートでこそ、ドラムGIGA THRASHERの、タイトなバスドラと抜けるようなスネアによる分厚いコンビネーションが、ヘヴィな魅力を引き立て、迫力を更に倍増させていきます!

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しかし、彼らの魅力は単にそのヘヴィ・メタル・サウンドを極めるべくストイックな姿勢を保つ部分だけではありません。リーダーのIRONが別プロジェクトとして参加しているバンドEIZO Japanを引き合いとして、「さかもとえいぞうさんからは、EIZO Japanでは物販や告知の話はしない、と言われていたんですが…」と言う前置きとともに語られる告知や、まるで楽屋裏のような御橋IRONの間のトークなど、よく見られるヘヴィ・メタルのステージとは少し変わったアットホームな雰囲気が間に挟み込まれ、程よいコントラストが形成されます。メタルというアクティヴなイメージと、そんな暖かい雰囲気こそが、LIGHTNINGが展開するステージの、大きな魅力の一つともいえるでしょう。

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激しさを増すステージ。物語を表すかのような勇舞のパフォーマンスに絡む超高速ツイン・リードが更に会場の熱を上げていきます。要所で見られる、ギター・ソロによるバトルは圧巻、IRONが動きの大きなブロークン・コードによるスウィープ・ピッキングを何度も決め、クラシカルなフレーズで圧倒すると、対するKOUTAはブルージーな超絶速弾きプレイで応酬と、とにかく息をつかせない音の洪水が観衆に襲い掛かります。クライマックスに向かう中、見どころ十分のソロ・タイムから「Lightning Force」のイントロへ。そして勇舞が叫んだ「ラストナンバーいくぜ!」という掛け声で迎えたラストでも、そのツイン・ギターは決し後ろに引くことなく、オーディエンスを押しまくります。

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そしてアンコールに即応じた格好で再びステージに登場。抱腹絶倒の、勇舞IRONKOUTAによるMCのやり取りがまたここでも披露され、会場を和やかな雰囲気に。そして、ファースト・アンコールは、超絶アニメソングの連発で強力プッシュ。この中でも抜群の存在感を見せる勇舞のヴォーカルと、2人のツインギターは全く勢いを下げることも無く、全面でそのフラッシーなフレーズをアピール、特に2曲目の「夢色チェイサー」では、最後のキメをフロアと共に歌うという一体感!そしてセカンド・アンコールへ。フロアのファン達の、腕の動きも更に鋭く、速く動き続けていきます。その光景はこの日の感動を素直に感じた結果とも言えるでしょう。入念に作り上げられた、キメとメロディが満載の派手なエンディングで、ステージの幕は下ろされました。
 
hana

2.ステージ(2012/2/12 渋谷TOWER RECORDS B1[インストアイベント])

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※タワーレコード渋谷店にて

先述のライブに続き、今回はレコ発イベントという出で立ちで開催されたステージ。ステージに現れるや否や観衆をあおるIRON、そして存在感抜群の勇舞。強力な緊張感を保ったこの日、バンドの中で、彼のリラックスしライブを楽しもうとしている表情が、バンドのなかで大きく芽生えた自信を表しているかのようでした。そんな彼らからのエネルギーを浴びたが故か、フロアのファン達は激しく鋭いヘドバンを繰り返しながらも、その表情はにこやかで、心からヘヴィ・メタルを楽しんでいるようにも見えました。

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※タワーレコード渋谷店にて

楽しいステージの中でも、やはりIRONKOUTAの強力なギター・プレイはここでも炸裂!その楽しさの中でもアクセントのような存在が絶妙なコントラストを作り上げていきます。そして最後はアルバムのタイトル曲「Justice Strike」へ。勇舞の強力なシャウトから始まるこの曲、一方では強力なエネルギーの放出、他方では悲痛な心の叫びと、様々な解釈を匂わせ、曲への興味を更にそそります。そんな抜群のキラーナンバーをプレイ、アンコールでも溌剌としたプレイを見せた後に、この日のステージも遂に幕引き。
 


最新アルバム「Justice Strike」
MICP-11027/2,700円(税込)
◆公式サイト
http://www.ironchino.jp/
 
◆セットリスト
1) 2012/1/22 渋谷サイクロン
M01.Justice Strike
M02.Thousand Fields
M03.Soldier Force
M04.FAR AWAY
M05.Never Surrender
M06.Destiny destination
M07.Lightning Force
M08.Brave heart
Encole 1
M01.Holy lonery Light
M02.夢色チェイサー
M03.Winners Forever
M04.真っ赤な誓い
Encole 2
M01.Save the Truth
 
2) 2012/2/12 渋谷TOWER RECORD B1「STAGE ONE」
SE 「THUNDER STEEL」~
M01.Save the truth
M02.Soldier Force
M03.Ride on the wind
M04.The Faith (Of Steel)
M05.End of the world
M06.HEAVY METAL (OF DESTINY)
M07.JUSTICE STRIKE
~Encole~
M08.BRAVE HEART


 
インタビューでの発言の通り、彼らの持ち味は、やはりそのIRONKOUTAというスーパー・ギタリストのテクニックを生かしたギター・サウンドといえるでしょう。それは決して「ギターだけ」というものではなく、ギターを中心として取り巻いているバンドとしての強い結束が、その存在を引き立てることで、ギターを中心としたバンドのサウンドを完成させているように感じられます。更に新しいヴォーカリスト勇舞の存在も輝いており、強力なフロント陣に、更に新しい色を加えていました。他方、そのバンドマンたちのアットホームな人柄が示す暖かい雰囲気は、まさにライブを楽しむという点ではピカイチのバンドです。残念ながらまだこれからのライブ・スケジュールが発表されていないLIGHTNINGですが、ステージの彼らは魅力十分、とにかく一度はライブに行かれることをお薦めします!!