特集

JAP NIGHT Vol.15

TEXT:児玉圭一

2010年6月5日・6日、ロックファッション・メーカー「JAP工房」主催のライヴイベント『ROCK!LIVE!ALIVE!5 – JAP NIGHT Vol.15 -』が、吉祥寺「PLANET K」にて開催されました。「JAP工房」は1981年の創業以来、ワイルドでフェティッシュなアンダーグラウンド・ティストを感じさせるアイテムを次々と生み出し続けている、ロック・ブランドの老舗。比類なき個性と魅力を放つデザインセンスに惹かれた多くのミュージシャン、聖飢魔IIEARTHSHAKER高見沢俊彦 等がステージコスチュームを「JAP工房」にオファーしていることは有名です。

そんな、ロックファッションの草分けである「JAP工房」が2日間に渡ってオーガナイズする“JAP NIGHT vol.15”。サブタイトルは“ROCK SAVE THE ART 2010”。開場時間を回ったばかりの「PLANET K」には、たくさんのオーディエンスが詰め掛け、待望感に満ちた表情を浮かべてステージを見詰めています。果たしてロックはアートを救えるのでしょうか?

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2010.6.5(一夜)

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17時半、デカダントなコスチュームをまとった「JAP工房」スタッフが、イベントのスタートをアナウンス。1バンド目のまりじゅが登場。メンバーは、らいあ(Vocal)・シュン(Guitar)・ねじ(Guitar)・ヤス(Guitar)・たっち~(Bass)・マサキ(Drums)。オリジナルソングとHIDE沢田研二 等の名曲を楽しそうにプレイする彼等のステージングは、パーティーのオープニングに相応しいハッピーなムードに溢れています。

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まりじゅ 公式サイト
http://hp19.0zero.jp/343/Marijuana/

◆セットリスト
M01. Sadistic Drug
M02. Alice Alice
M03. Rocket Dive(HIDE
M04. 誘惑(GLAY
M05. トゥナイト(LUNA SEA
M06. 勝手にしやがれ(沢田研二
M07. DESIRE(中森明菜
M08. 夏祭り(WHITEBERRY

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2バンド目は朱音AKANE)。メンバーはЯiE(Vocal)・hiroaki(Guitar)・tsute(Bass)・toshiki(Drums)。今夜が初ライヴだという彼等は、歯切れ良いリズムの「wing」でスタート。紅一点ЯiEの凛々しい歌声と安定感のあるバンドサウンドがエンジン全開で燃え上がり、躍動感がほとばしる朱音のステージを目の当たりにしたオーディエンスは、惜しみない歓声を朱音に送ります。

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朱音 Myspace
http://www.myspace.com/akaneaka

◆セットリスト
M01. wing
M02. rose
M03. Rain
M04. RED

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3バンド目は時の黒猫。メンバーはYOU-KO(Vocal)・ダイスケ(Guitar & Chorus)・カワカミノボル(Bass)・Hagi(Drums)。活動歴16年を誇るベテランバンド。艶やかなギターフレーズとリズム隊の重厚なプレイの中からYOU-KOの深みのあるヴォーカルが浮かび上がる様は夢幻の境地。間断なく展開されるスリリングな演奏とオーディエンスとの熱狂的な交歓は、めくるめくような高揚感をフロアーにもたらしています。

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時の黒猫 公式サイト
http://www.jap-inc.com/kuronecco/

◆セットリスト
M01. 夜の太陽
M02. ドクロキャンディ
M03. Do you remember me?
M04. 不思議な歌が
M05. ギガロ
M06. Dragonfly in the dark(short ver.)

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4バンド目は今年結成30周年を迎えたAUTO-MOD。言わずと知れたインダストリアル・ヘヴィロックの帝王です。メンバーはGENET(Vocal)・MASA(Bass)・YUKINO(Guitar)・TELL(Drums)・Seila(Countertenor)。GENETの掛け声と共に、鮮烈な縦ノリビートが爆発。凄まじいエネルギーが押し寄せてくる、シアトリカルなパフォーマンスは正に圧巻。AUTO-MODの本領であるカオスでスリリングな瞬間が次々と繰り広げられて行きます。

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AUTO-MOD 公式サイト
http://www.auto-mod.com/

◆セットリスト
M01. Requiem
M02. Devil Dance
M03. Merry-go-round
M04. Poison Night
M05. Miss You
M06. 禁呪
M07. Mind Suicide
M08. Belzebuth

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5バンド目はJILLIONSPERSONZJILL(Vocal)と渡邉貢(Bass)が、藤沼伸一(Guitar:ex.ANARCHYTHE ROCK BAND、現REGINA)と、YU-NA(Drums)を迎えて結成したライヴ・ユニットです。PERSONZナンバーで構成されたレパートリーは、やはり名曲揃い!渡邉貢のメロディアスなベース、YU-NAの的確なドラミング、藤沼伸一のツボを心得たワイルドなギター、そして日本が誇るロック・クィーンJILLのソウルフルなシャウトは、普遍的なカッコよさをたたえています。

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PERSONZ 公式サイト
http://www.personz.net/
藤沼伸一 公式サイト
http://www.areyoujap.com/

◆セットリスト
M01. 素晴らしきメディア
M02. FAMOUS FOR 15MINUTES
M03. 武器よさらば
M04. 21st LOVERS
M05. RODEO DRIVE

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6バンド目はEATER LUNCH。メンバーは幽鬼(Vocal)・NOBORU(Bass)・YAMATO(Guitar)・SAMMY(タイコ)・NOBU(タイコII)・Hagi(Support Drums)・Aki(Support Guitar)。気だるげなヴォーカルとブルージーなギターが酩酊感をかもし出し、ステージ両脇の女性メンバー二人がシンプルなドラムセットを叩きまくります。ストーナー・ロック的な雰囲気を感じさせる彼等のライヴは、聴く者の心を幽玄の世界へと誘う妖しさに満ちています。

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EATER LUNCH

◆セットリスト
M01. 有害公然合法Y褻
M02. ギミーヘル
M03. フリーダム
M04. 足元に注意
M05. おさんぽ
M06. ワンダフルワールド
M07. イッツオンリーイーターランチ
M08. MOMO
M09. ロックンロールE(encore)

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2010.6.6(二夜)

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明けて、6月6日。イベント2日目の「PLANET K」は、開場とほぼ同時にフルハウス。場内が暗転して、ステージに登場するのはEROS→。メンバーは高橋ヨシロウ(Bass & Vocal)・秋田エイジロウ(Drums)・TAKECHIYO(Guitar & Chorus)。本誌でも既にお馴染みのACTIONの別ユニットであるEROS→は、重厚な手応えを感じさせるハードロックナンバーを次々にプレイ。アン・ルイスに提供した「MEIKI」、そして、とっておきのパーティーチューン「THE PARTY」が観客を早くもヒートアップさせています。

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EROS→ 公式サイト
http://www.100000volt.com/

◆セットリスト
M01. INTRODUCTION~VIOLENCE
M02. BACK STAGE QUEEN
M03. 時を越えて
M04. MEIKI
M05. THE PARTY

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2バンド目はGORILLA。メンバーはハチ(Vocal)・大助(Guitar)・やっくん(Bass)・タカシ(Drums)。長い活動の末、惜しくも解散したGORILLAの一日限りの再結成ライヴが始まり、風通しの良い、アメリカンフィーリングを感じさせる豪快なロックナンバーがフロアーを揺らします。抱擁力のあるバンドサウンドと力感溢れるヴォーカルが見事に溶け合ったGORILLAのステージは、爽快な「夢の中でも」でピークを迎えました。

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GORILLA

◆セットリスト
M01. 風に抱かれて
M02. プッシーキャッツ・イン・ブラック
M03. 六月のムーンライト
M04. 唄ってくれよ女たち
M05. ロストボーイ
M06. 夢の中でも

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3組目は本田恭章(Vocal & Guitar)。バンドメンバーは枕本トクロウ(Keyboard)・ナカジマノブ(Drums)・松本タカヒロ(Guitar)・ハル(Bass)。1曲目からハード&グラマラスなロックが炸裂。曲を追う毎にエモーショナルなグルーヴのたかぶりを見せて行くバンドの演奏に負けじと本田恭章のヴォーカルも更にセクシーでデンジャラスな熱を放射。デビュー曲「0909させて」が始まると、多くの女性客が歓声を上げ、場内は熱狂乱舞状態になって行きます。

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本田恭章 公式サイト
http://www.yasuakihonda.com/

◆セットリスト
M01. KISS the GALAXY
M02. DREAMING TRAVELING
M03. AGAINST the WALL
M04. SHOOTING STAR
M05. FIRE NIGHT
M06. SODOM TOWN
M07. 0909させて

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4バンド目は第5期J.J.SJumping Jap Stars】。メンバーは川上真樹(Vocal:フラワーチャイルド)・斉藤光浩(Guitar:BOWWOW)・ジェットフィンガー横関敦(Guitar:ex.BRONX)・ZOD星島(Bass:ex.聖飢魔II)・高橋“Roger”和久(Drums:THE 卍 etc、ex.X-RAY)。J-ROCK界を代表するそうそうたるメンツが集ったスーパーセッションは、70年代英国ロックのオンパレード!素晴らしい演奏力に裏打ちされた名曲の連打は、ピーク状態のオーディエンスを更に熱く盛り上げてくれます。

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川上真樹 公式サイト
http://www.mackiescafe.com/
斉藤光浩 公式サイト
http://www.mitsuhiro-saito.com/
高橋“Roger”和久 公式サイト
http://www.k5.dion.ne.jp/~roger/

◆セットリスト
M01. Stay with me(Faces
M02. Angel(Rod Stewart
M03. Hot legs(Rod Stewart
M04. Feel like makin’ love(Bad Company
M05. Ziggy stardust(David Bowie
M06. Suffragette city(David Bowie
M07. We will rock you(Queen

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2日目のラストを飾るのは、初日に続いて登場の時の黒猫。惜しくも本日をもって、活動を停止してしまう彼等ですが、セットリストを入れ替えてのラストライヴは、昨日以上の躍動感を感じさせます。プログレッシヴなサウンドとYOU-KOの覚醒した深い歌声が見事な融合を見せるライヴ本編を終えたバンドは、熱い手拍子に応え、プロデューサーである斉藤光浩と共に、2曲のアンコールナンバーを披露。感動的な喝采の中、記念すべきイベントを見事に締め括りました。

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時の黒猫 公式サイト
http://www.jap-inc.com/kuronecco/

◆セットリスト
M01. ROSE~ROSE
M02. 生命(いのち)のこと
M03. 月の龍
M04. 夜の静寂(よるのしじま)
M05. 星の彼方
M06. おでこのこいつ
M07. 戦争を知らない大人たちへ
M08. I love Rock’n’Roll(encore)
M09. Dragonfly in the dark(encore)

11組バンドのサウンドの波がステージを荒々しく満たした『ROCK!LIVE!ALIVE!5 – JAP NIGHT Vol.15 -』。ロックの本質であるセクシュアリティや、衝撃性を体現したミュージシャン達のひたむきな情熱と、見事な演奏、そして彼等が身にまとうアート感覚に満ちた「JAP工房」の華麗なコスチュームに魅了された2日間。僕の脳裏にはJIMI HENDRIXの座右の銘である「人は誰でも芸術品であるか、芸術品を着るべきだ」という言葉が浮かびました。

言わずと知れたことですが、ロックとファッションは、互いに触発され合うことで進化して来たアートフォームです。例えば、グラムロック期のDAVID BOWIE山本寛斎とのコラボレーション、または英国パンク黎明期のSEX PISTOLSMALCOM McLAEN及びJAMIE REIDの連帯によって生み出された、デザイン・ファッション・カルチャー革命の影響力が巨大なものであったことは周知の通りです。

常に手に手を取って発達して来たロックとファッションは、才能あるアーティストと時代を加速させて行く革新的なデザインがメタモルフォーゼを繰り返し、新しい何かを生み出して、これからもアートを救い続けることでしょう。ロックファッションを愛して止まない皆さん、ぜひ一度「JAP工房」に足を運んでみてはいかがでしょうか?あなたのロックライフにグラマラスな彩りを添える、ステキなアイテムがきっと見つかるはずです。

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◆JAP工房 公式サイト
http://www.jap-inc.com/

※本特集記事のすべての画像は、JAP工房オフィシャル高井賢カメラマン撮影物です。