FEATURE丨2026.09.19
ROCK ATTENTION 65「HIRO」
TEXT & PHOTO:栗林啓

PHOTO:ossie
国内のロックシーンの最先端を駆け抜け、輝き続けるフロンティアたちの横顔に迫るインタビュー特集「ROCK ATTENTION」。第65回に登場するのはHIRO(HEAD PHONES PRESIDENT)である。
日本を代表するヘヴィロックバンドのHEAD PHONES PRESIDENTのギタリストであるHIROの4枚目となるソロアルバム『Imperfectly Fusion』がリリースとなった。前作『Open World』から約5年。長い制作期間を経て完成した新作『Imperfectly Fusion』は、これまでのHIROの作品とは少し違う表情を見せている。配信版には7曲を収録し、CD版にはANZAをフィーチャーした「Amnesia」をボーナストラックとして収録。さらに、これまでリフを中心に組み立てていた作曲スタイルから大きく変化し、今回はベースをアンサンブルの中心に据えた楽曲作りにも挑戦している。なぜ5年もの時間が必要だったのか?そして、『Imperfectly Fusion』というタイトルに込められたものとは何なのか?全曲を聴きながら、1曲ずつ制作の背景を聞いた。
◆HIROプロフィール
確かな技術に裏打ちされた重厚なバンドサウンドと美しいメロディ、生々しいエモーションを混在させたそのスケール感とダイナミズムは他の追随を許さず、日本へヴィロック界を代表する唯一無二の存在であるHEAD PHONES PRESIDENT。そのHEAD PHONES PRESIDENTのギタリストであるHIROは、ギター、ベース、キーボード、ミキシング、マスタリング、作詞作曲、編曲までこなすマルチプレイヤーである。現在までに『Burn Control』『Super Strings Theory』『Open World』『Imperfectry Fusion』の4枚のソロアルバムをリリース。

ーー まずは一般的ですけど、タイトル『Imperfectly Fusion』に込めた意味を教えてください。
HIRO:意味は『不完全融合』ですよね、直訳すると。前作の『Open World』の頃は、コロナ禍が明けて世界に平穏が訪れるはずだったじゃないですか?けれども、終わってみたらさらにやばい状況になったと。戦争起こってさらにカオスな状態になってしまったと。完璧に融合、世界が調和して融合するはずだったのに、もっとやばくなってるみたいな。 調和しなかった。 だから、みんなが思ってたのと違うなと思ってる状態を指しています。
ーー なるほど。ソロ用にずっと曲作りをされているのは伺っていましたが、なんだかんだで5年掛かりました。時間が掛かった理由を教えてください。
HIRO:自分でずっと言ってましたからね。作ってる、作ってるって(笑)ずっと言い続けたけど、それはなんでかっていうと、自分で分析したところ結局はネタ切れですね。作曲能力の限界だったっていうところ。まあ、惰性で曲は作れてはいたけど、自分がそれだと面白くなくて、ずっとボツにしていて。これだって思う曲ができなくて、それで5年掛かっちゃったっていうのが大きな理由ですね。
ーー 曲作りのインプットの為に、何か特別にやってみたことってありますか?
HIRO:インプットはしないんですよね、俺。しない派なんです。何にも聴かないし。特に同業者の音とかは絶対聴かないし、ロックとかメタルとかは絶対聴かない。バンドの曲作る時もそうだし、そういうインプットは極力しないようにしてるんですよ。シャットダウンすると。
ーー 全然関係ないところでアイデアを見つけるとか? 例えば本とか映画とか?
HIRO:そういうのはしてたと思いますね。 でもね、曲はね、ロック以外は聴くんですよ。ジャズとかクラシックとかバロック聴いたり。最近ハマっているのはAllan HorzworthとかChick Coreaとかなんで、そういうところからの方がアイデアはもらえるんですよね。ロックは聴かないです。ロック以外は聴きます。音楽的にはその辺から影響をもらって、インプットしてたって感じですね。それでネタをどんどん溜めていたって感じでしょうか。
ーー それでは恒例の個別に曲で解説って感じでいいですか?

M01 Neon Mirage
HIRO:1曲目は「Neon Mirage」。キャッチーな曲ですよね。コンパクトで、聞きやすい。テンポも良くて。
ーー 曲のタイプとしては「Breakthrough Starshot」に似てますね。
HIRO:そうですね。そういうノリのいい感じの曲ですよね。これが、一番ご機嫌な部類に入るナンバーだと思います。それでいてシンプルで、すごく聴いてて楽しい曲で、自分も気に入ってますね。今回全般的にそうですけど、ちょっと曲作りの方法とかも結構変わってて、前はバンドでの曲作りの手法を取り入れるというか、そのままリフでゴリ押すみたいな、リフ主体で曲を作ってたんですけど、今回はそれをあまりやってなくて、リフも弾いてますけど、もうリフが終わったらもうリズムギターはもう抑える感じで。その代わりベースで組み立てる感じでやったんですよ。トリオのアンサンブルというか、そういうアレンジで全部やるようにしました。
ーー ベースがどの曲も結構前に出ています。
HIRO:そうなんですよ、ベース!だからギター弾かない(笑)リズムギター弾かないって、必要以上にやらないって決めたんで、ベースは結構弾いてます。ベースも結構聴きどころなんですよね。今回全部自分で弾いたんですけど、ベースは結構楽しかったですね、うん。
ーー 最初に曲を聞いた時にちょっとイメージしたのが、実はIron Maidenというか、Steve Harrisが作りそうなベースラインだなと。
HIRO:そうなんだ。Iron Maiden通ってないから。
ーー そうだと思ったんですけど。なんでHIROさんからブリティッシュロックなんだろうなって。(曲を聴きながら)この辺もそうだけど。 面白いなと、ベースが。ベースラインがそんな感じなのかもしれないです。
HIRO:こういうベース好きなんだよな。動くやつ。
ーー それがちょっとSteve Harrisっぽいのかもしれないなと。
HIRO:Steve Harrisってこういう感じなんですか?
ーー 音が出もなんかバキバキしてるじゃないですか?なんかその疾走する、最初の感じがそうなのか思って。
HIRO:そうなんだ。でもあれですよ、今回は5年苦しんだだけあって、結構作曲の幅というか、かなり広がったなと思ってて。ベースで組み立てるっていうのは今回初めてだったんで、すごくやってて楽しかったし、逆に難しくもありました。特にミックス、マスタリングが難しくて、どの程度までローエンドを出していいのかとか分からないから、今までギターでダブルトラックでリフでゴリ押ししてローエンドを出してたんだけど、それがなくなってすごいスッキリして、ベースでその低音の部分を担うようになったから、あの、どうしようと思って感じでずっと悩んでました。これでいいのかどうかは分からないんだけど。では、次の曲いきますか。
M02 Pulse Chrome
HIRO:えーとね、これはね。 これも割とシンプルな感じの曲で。
ーー これ「Groove Riot」的ですよね。
HIRO:そうかもしれないですね、うん。多分ね、アイデア自体は割と古いものだったと思うんですよ。自分のリフのメモに入ってるストックに入ってるもので、割と勢いで弾いたリフの展開をそのままでやってますね。でも、そのアプローチとかを結構変えて幅を持たせてるという感じです。コード進行的にはあんまり凝ったことはしてなくて、普通のロック。
ーー でもメジャーマイナーを行き来するのがHIROさん的というか?
HIRO:そう、それであの2Aでメジャーに行ってみたいな、そういう感じで展開を持たせてて。なんだけど、ベーシックな部分は普通のなんかEマイナーのグルーヴでやってる感じなんで、そういう感じでやりました。そんな感じかな、これは。まあ、すごいノリが良くて。 そうですね、わかりやすい感じ。このベースは好きですよ。あんまりいないじゃないですか、こういうベースって。メタルとかもないんですよ。でも、自分はそういうの好きなんですよ。なんかグランジとかガレージロックみたいなあのベース、ああいうの好きなんですよ。ベースなんだけど、ギターみたいな。だからリズム隊でそうやっててくれるとギターもやりやすいというか。ベースとギターの役割をする感じをちょっとイメージしてやってます。
ーー リズムギターっぽいベースって感じですよね。
HIRO:そうなんですよ、Nirvanaとか。自分が一番好きなのはNirvanaのKrist Novoselicのベースなんです。ギターもいいし、歌もドラムもすごいんだけど、自分は一番すごいのはベースだと思ってて。なんていうか、疾走感というか、あのグルーヴというか、エッジ感というか。別にギターがなくてもいいんですよ、ドラムとベースだけで。Red Hot Chili Peppersもそうじゃないですか。ギターなくてもいいじゃん、ドラムとベースと歌だけで成立する。
ーー わかります。
HIRO:だからそういうのが好きで憧れてたから、自分でやってみようと思っていう感じ。そのアプローチで基本的に全曲やってます。だからそれが面白かったし、難しかった。初めてやったから。
ーー そうですよね、うん。
HIRO:どうしてもね、今までのやり方でやるとギター弾きすぎちゃってて、それが嫌だったんですよ。飽きちゃってて、それに。

M03 Strange Blues
HIRO:次行きますか。これはね、自分のもうひとつの悩みの種にノリのいい曲しか作れないみたいなのがあって。なんかそういうのが多くて、自分で嫌だったんですよ。だからスローでマイナーで暗くてダークでみたいな曲を今回やろうと思って。今回はそっちを増やそうと思って、最初にアルバム用の曲として着手したのが多分これだったと思います。 過去のライブでちょこちょこ何曲か新曲としてやってたんだけど、多分最初にやったのってこれなんですよ。その時はまだあのアレンジこうはなってないんだったけど、最初にやったのこれだったんです。
ーー この下降のフレーズとか聞いたことあると思います。
HIRO:そうですね。もう2025年ぐらいに、もう早い段階で多分やってたんじゃないかなと。今こんなん作ってるみたいな感じで、試しでやって。これブルーズっぽいんだけど、こっからスケールがね、ちょっとね、おかしなことなるんですよ。ちょっとメロディックマイナー使って、ちょっとなんて言うんでしょう。
ーー Steve Vai的ですよね。
HIRO:Steve Vaiみたいなんですかね、うんうん。 自分の中ではちょっとこう、プログレッシヴフュージョンというか、ジャズフュージョン、Allan Holdsworth的な、この辺とかのオーギュメントの感じ。(曲を聴きながら)この辺とかAllan Holdsworthみたいな感じでやってるんですよね。だからGマイナーだけど、そういうペンタで行くんじゃなくて、どんどんこうスケールを変えて、あのブルーズっぽいブルーズロックかなと思ったら、なんか違ったみたいな不穏な世界観に持っていくみたいな感じ。
ーー それがStrange(奇妙な)なんですね。
HIRO:そうかもしれない。ストレンジなブルーズっていう意味で。それもあるかもしれない。それで、ここから後半でまたテンポ変わってくるんですよね。
ーー このテンポ変わるのがすごいオシャレですよね?
HIRO:あ、そうですか?
ーー 聞いてすごいオシャレだなって。
HIRO:ここからテンポがBPM60から88に変わるんですよね。
ーー この感じがすごいオシャレだなって(笑)
HIRO:あ、本当に?オシャレなの?じゃあよかった(笑)この辺も奇妙ですよね。それで、また戻って終わるみたいな感じ。だからその構成も奇妙だし、ギターのアプローチも奇妙だしみたいな。ブルーズじゃねえじゃねえかよみたいな(笑)そういうツッコミどころもあってっていう感じ。でもすごく気に入ってます、これ、苦しんだから。すごく難しくて、 すごい面白いですよね。2つの構成を混ぜてまた戻すっていうのはすごい難しくて、結構苦労したんですよね。だから苦労した甲斐があって気に入ってます。
ーー 戻るのがまたオシャレだな(笑)
HIRO:戻るんですよね。 戻んないと変じゃないですか?戻んないと多分聞いてて違和感なんですよ。最初のはなんだろうみたいな。そういう曲もあるんだけど、自分はちょっとちゃんと完結させたいタイプなんで。物語を終わらせたいんで、また戻って。これはGマイナーで結構アルペジオとか3弦の開放弦を生かしてうまく作れたかなと思います。この辺、下降のラインとか。難しいけど、聞いてて楽しいかなっていう感じですね。で、次。
M04 Funk Logic
HIRO:ファンクなナンバーですね。これはね、ギターはストラトキャスターを使ってるんですよ。これも難しかった、ミックスが。イメージ的には、あの布袋寅泰さんの映画『Kill Bill』の「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」ってあるじゃないですか?あれを自分で作るならどうなるかなと。テンポ感とかグルーヴとか違うんだけど、ああいう感じをイメージしてます。で、ちょっと歯切れのいいカッティングが必要だったんで、ストラトを使ったんですけど、他の曲のギターの音はハムバッカーで作ってるじゃないですか。音のバランス取れなくて、この曲だけギターの音がスカスカになっちゃって。パワーの差がすごく出てしまってまずいと思って。パワー感がもう聞いてて歴然とするぐらいもう違ってて。結構ミックス苦労しました。シングルコイルなんだけど、ハムバッカーっぽい音の感じでまとめるっていうのにめちゃくちゃ苦労して。演奏自体は別にあれだったんだけど、その他の曲とのバランスが取れなくて、結構苦労しましたね。
ーー これ最初に聴いた時にイメージしたのはGreg Howeでした。
HIRO:本当に?確かにそれもあるかもな。でもあんなに弾いてないけどね(笑)この曲結構リズムギターで構築しちゃってるんで。
ーー でもあの人も初期の頃は結構シンプルな感じでやってたから。
HIRO:でもこの辺のギターソロ、ここでイメージしたのはNeal Schonなんですけど。Neal Schonにもハマってるんで最近。こういうなんかアメリカンな感じのペンタトニックの使い方とか。今やってる人いないから、そういうのをどんどんやっていきたいなと思って。ここでベースソロも入ってて、ギターと同じフレーズなんだけど。後半ちょっとね、頭がおかしくなってるんで(笑)これぐらいちょっとやっとかないと、中途半端なことやってもただのダンサブルな曲で終わっちゃうんで。一応ここでこういう激しい側面も持ってるんだよみたいなアピールもしとかないと(笑)
ーー ただのファンクじゃないよみたいな?
HIRO:そうそうそう(笑)面白くも何ともないんで。これ、そうか、Greg Howeか。
ーー 雰囲気ですけどね。
HIRO:これベースが難しかったです。ファンクグルーヴでやってみようと思ったものの、そんなの俺やったことないし(笑)
ーー 跳ねる感じはなかなか難しいですよね。
HIRO:ギターはなんとかリフ作れたとしてもベースが弾けないんで、すごい悩んだんです、これ。 Googleでいっぱい検索しました(笑)ファンキーグルーヴベースとかで出てくるの片っ端から見て、ああこういう感じ、こういうアプローチあるのかって(笑)そういうのを見ながらやりました。

M05 Undercurrent
HIRO:で、次。これはね、この最初のリフから曲作り始めたんですよ。で、これはあの、聞いてる感じではわからないんだけど、ちょっとコードの押さえ方がちょっと面白くて、(実演しながら)なんかちょっと親指使ったりしてるんですよね。だから聞いた感じわかんないと思うんだけど、そういう感じで面白いこう、和音のアプローチしてて、そこからスタートしました。(曲を聴きながら)ここでワンコードになって、ここもちょっと変わったスケール。
ーー この感じもSteve Vaiっぽいですよね。
HIRO:そうですね。
ーー これはHIROさんの受けた影響がすごい出てるんだなと。
HIRO:自分はね、ここもやっぱりAllan Holdsworthなんですよ。自分の中では。
ーー それが私にはSteve Vaiっぽく聞こえると。
HIRO :どっちでも大丈夫なんですけど。
ーー でもこの曲の展開とかは「Super Strings Theory」に似てる。似てるっていうか、なんか奇妙な感じだけど、こう流れてってるっていう。HIROワールド、いわゆるHIROワールドが(笑)
HIRO:確かにそうかもしれない。サビのね、コード進行はちょっと複雑ですね。で、アコースティックギターを弾いてます、これ。バッキングにアコギを重ねるっていうアプローチを多分初めてやったんじゃないかな。ここもまたちょっと不穏な雰囲気になって。いろいろスケール変えてますね。ここでまた結構リディアン系のフレーズになったりして。ここでAllan Holdsworthみたいになって。ワンコードの中にいろいろやってますね。で、この後にBでピアノのソロみたいなのが入ったりして。ライブでどうすんだみたいなことはあんまり考えずに、思いついたアイデアをそのまま作ったって感じなんで。だからライブでやるのはちょっと難しそうだなと。でも、まあ面白い曲になったかなみたいな感じですね。で、キーがC♯なんで、結構Aメロのところとか結構5弦のベースの2フレットとかでドンってやってたら結構重たくなってるんじゃないかな。この曲の重さは全部やっぱりベースで出してますね。7弦ギターとかも使ってないんで。ベースは5弦ベースを使いました。ギターは普通に6弦で、別に7弦の低さを出すわけでもなくっていう。普通の6弦のコードでやってて、重さはもう全部ベースに任せて今回やってるので。 7弦ギターって多分使ってないですよ。今回は全部 6弦で弾いてる感じです。あ、唯一あれか、ミュージックビデオの曲か、あれのリフだけ、あの曲だけ7弦のリフが入ってるけど、別にあれも6弦で弾こうと思えば弾けるんで、オーバーダビングで重ねてるだけで、6弦でも弾けるようなアレンジになってるから。だからそうですね、7弦もあんまりやりたくなかったんですよ、今回。今までずっとバンドでもそうだし、ソロでもそうだし、ずっとその7弦のリフでゴリ押しで作ってきたから、それも飽きちゃって。今回はもう低音の部分、ローエンドはもう全部ベースでやるって決めていたので。
M06 Spanish Heatwave
HIRO:で、これは 2025年にスペインに行ったじゃないですか。『Rock Imperium Festival』、6月末ぐらいだったかな?(編集部註:Rock Imperium Festival 2025は2025年6月26日から29日の4日間に渡ってスペインのカルタヘナで開催された)そこに参加するって決まった時点で、もう絶対ミュージックビデオを撮ろうと。で、その日程が決まった瞬間に作り始めた曲なので、一番最初に完成したのがこれ。だからビデオも撮ったんで、その時にもう手の動きも合わせなきゃいけなかったから。もうその時にはできていたんですよ。撮影した時にはもう全部ソロも全部構築して決めて。ミックスとかで音の仕上がりとかは変わるけど、プレイ的にはもう完成してたんです。 2025年の6月の時点で。で、ビデオもその時に撮って、ライブはだから1回しかなかったのに、4日ぐらい滞在してたから、絶対これビデオ撮ろうで撮って公開できたのがようやくちょっとこの間、8月10日です。ついこの間ようやく。1年以上経ってる。映画だよ、映画じゃねえかよ(笑)で、なんでかというと、その音が完パケしないと。なんて言うんですか、マスタリングまでやらないとその音を当てられないから、先にこれだけやってとかいうと、後の後から作る曲に影響出たら嫌だなと思って。ミックスもマスタリングも全部できてからバランス聞きながらやらないとダメだったから、ここまで時間かかりました。でもまあ良かったのかな?先行でミュージックビデオを出して、それでいついつ配信始まるよみたいな形にはずっとしたかったから、ずっと温めてたっていう。で、ライブでよくやってたけど、多分全貌を皆さんにお伝えできたのは、このミュージックビデオだと思います。多分アコギを使うなんて誰も思ってなかったと思います。俺も言ってないし(笑)エレキでやってたからライブは。で、その時タイトルもまだ決まってないし。結局「Spanish Heatwave」っていうそのままのタイトルになったっていう(笑)
ーー 曲名からもスペインだし(笑)
HIRO:そうそうそう(笑)
ーー アコギもスパニッシュギターっぽいし。
HIRO:そうそうそう(笑)で、ワールドカップでスペイン優勝したし。すごい俺結構ね、運命的な(笑)あ、本当だ。 俺なんかあれなんかな。そういう運命だったんだな。スペインがこうね、検索ワードがこう上がってる時にこうなってたんで(笑)
ーー 本当ですね(笑)
HIRO:なんかこのリリースに向けて世界が俺にこう追いついてきてるのかなっていう感じですよ(笑)うん、だからそうだな?これもグルーヴよりな部分はやっぱベースでやっていて、そんなにリズムギターもミックスで出してないし。あんまりその目立つように弾いてないんですよ。多分これもストラトかな?リズムギター。カラッとした音で、ちょっと添える感じでミックスで混ぜてるんで、基本ベースでやってるみたいな感じです。ちょっとこうMVの雰囲気もして。ダークな感じのアウトロをつけたりしてみたいな感じでやっております(笑)あんまり曲長くするのは好きじゃないけど、映像があるんで、まあちょっと長くてもいいかなと。多分これ5分30秒ぐらいのかな?普段あんまりやらないんですよ。いつも5分以内では収めるようにしてるんだけど、これはまあいいのかな?ビデオがあの想定して作ってるっていう感じです。このMVはANZAが撮ってくれました。書いてないけど。ヴォーカリストとして参加してるから、カメラも撮ってるとか書くとなんかちょっと情報が多すぎておかしなことになるから書かなかったけど。 プロのカメラマン、ANZAさんは(笑)
ーー 「Wavering Summer」に続いて二作目ですからね。
HIRO:これもね。 ANZAはマジでうまい。NARUMIもよく撮ってるけど、ロケーションを生かす撮影をさせたらANZAの方がうまいなと思う。あの、早いんですよ。こうなんかこう、夕日をバックにひび割れた大地で弾いてるシーンを撮りたいんだって。ああ、はいはい、わかったわかったみたいな。すぐもう絵が浮かんでるんで。 どういう絵が欲しいのかもうすぐわかるんでしょうね、多分。そういう多分ANZAさんの演技のキャリアで培われてきた映像に関する勘というか、すごい鋭いですよ。でも、NARUMIはね、ちょっとね、おかしいんですよ、感覚が(笑)だからそういう、あの、自然のロケーションを生かしたのはやっぱANZAの方が上手くて。だからちょっとうれしい。ドローンみたいに撮るのがうまいんでANZA。
M07 Silhouette Night
HIRO:この曲は。うーん。何だろうね。なんて言うんだろう、これ。スムースジャズ的な感じを作ろうかなと思って。
ーー これ聴いた時にイメージしたのは、サスペンスドラマの劇伴みたいな感じをイメージしました。
HIRO:火曜サスペンス劇場とか?
ーー そうそうそう(笑)
HIRO :どういうところで出てくるんですか? 推理してるシーンとか?
ーー 推理してるっていうか、犯人を追い詰めて、追いかけてる途中みたいな(笑)しかも結構古い頃のやつですよ、画面が4対3の時代の(笑)
HIRO:それはあるかもしれない(笑) だってこの辺のクリーンのストラトのソロでイメージしてるのMark Knopflerだから。あのDire Straitsのあの感じを出したくて。あとEric Johnsonとかかな。Eric Johnson的な感じのクリーンを、音はその辺をイメージして。あの2コーラス目のソロはMark Knopflerをイメージしてます。で、このここでまたちょっとおかしなことになるんだけど、これはまあ多分自分の感性っていうか、そのままスムースジャズやってもしょうがねえだろみたいな(笑)だから自分の個性をここで入れるみたいな感じ。ここでね、ちょっとSteve Vaiみたいなんですよね。これリディアンで。Eのリディアンで。ここはSteve Vaiっぽいんですよね。
ーー 影響が多いですね。
HIRO:(曲を聴きながら)この辺はNeal Schonなんですよね。この辺はSteve Stevensみたいな感じになるんですよ。なんかこう、いろいろこう、自分の影響がごちゃごちゃ混ざって。混ぜるの危険(笑)みたいな部分ありますよね。で、また戻ってみたいな感じて。それで、Prismの影響もありますね、これ。和田アキラさんの影響もあるんですね。そうだね。結構ストラト使ってるんだな。やっぱこういうクリーンはやっぱストラトのシングルコイルの音はやっぱりいいんで。それで、シタールもダビングしてるんですよ、イントロ。アクセントでね。ふと思いついて、あ、イントロをシタールでいってみようかなと思って。まあ割とハマったんじゃないかなと。久しぶりに使いました。
M08 Amnesia(ボーナストラック)
HIRO:で、次がANZAさん。参加ですね、初めて。いつかやりたいなと思ってたんですよね。
ーー 「Amnesia」って、スペイン語ですか?
HIRO:いや、これなんだろうね。まあ記憶喪失。 調べたら記憶喪失。
ーー 調べたらスペイン語で記憶喪失って。
HIRO:あ、スペイン語なんだ。知らなかったそれは。(編集部註:amnesiaは英語でもスペイン語でも同表記、日本語で記憶喪失)最初違うタイトルだったんですよ。彷徨う人々みたいな感じで。だから、アルバムのタイトルと、なんか絡めてというか、あの、世界がこう混沌としちゃってみたいな。うまくフィットできずにもがいてるみたいな、そういう感じの世界観でやってたんですけど、歌詞の中に灰色の記憶がどうとか、そういうのあるから、なんかじゃあ記憶喪失の方がしっくりみたいな感じになりました。だけどまああんまりこう、この曲に関しては意味を決めたくないんで、聴いてる人がいろいろ想いを馳せてもらえたらいいのかなと思って決めたんです。
ーー 歌メロが歌謡曲っぽいですよね。しかも昔、80年代の。
HIRO:ストレートな曲なんじゃないですかね。でもね、これね、元々キーが違ったんですよ。これAマイナーなんだけど、元々ね、F♯マイナーで一音半下がってたんですよ。で、それに作ってたんですよ。で、今回作った中で一番古い曲で、これ2016年ぐらいに作った曲なんです。最初バンド用で作ったんですよ。だけどボツになって。ボツになったんだけど、なんかずっと気になってて。それで、一曲ANZAさんになんか歌ってもらいたいなと思ってた時に、この曲存在を思い出して、じゃあちょっと本腰入れてまとめてみようってギターソロとかも入れて、ベースも弾いて作って、ANZAさんにちょっと歌入れてみてって言ったら、キーが低すぎて全然歌えないってなって。ギターとかも全部弾いてアコギも全部弾いて入れたのに。じゃあ、Aにして上げて、それでこうなったんですよ。ギターソロも全部取り直して。そこまでキーが上がるとギターソロももうそのまま移調すればいいとかそういうレベルじゃなくなっちゃうから、全部録り直してやったんですよ。で、メロディに関しては昔に作ったままで。だから80年代のテイストがあるとしたら、多分ANZAさんの声とかも関わってきてる。そういう影響もあるのかなと。ANZAさんが日本語で歌うと、やっぱりどうしてもそういう感じになりますよね。ただやっぱり、英語よりもやっぱり日本語の方が、感情の乗り方とかすごいんですよANZAさん。ダイレクトに響いてくるから、そういう魅力もちょっと見せたかった。アニソンとかそういうのではなく、J-POPとかではなく、自分の作るロックで日本語で歌った時のANZAさんの魅力みたいなのも。そうですね、そのパターンはないですね。それを伝えたくて、あえてその日本語でやろうと思ったんです。曲はできてたんだけど、その日本語の歌詞が分からなくて。それは苦労しました。何を伝えるか?
ーー 歌詞はどなたが作ってますか?
HIRO:自分で。いろいろキーワードを書き出して、AIに教わったりして、こういうイメージで、なんか映画みたいなストーリーを自分で考えて、こういうのを曲にしたいんだけど、どういう歌詞が合うかなみたいな。それで候補で出してもらったりして、それを見ながら自分で考えたのと、これとこれを繋がるなみたいなことをやって、ようやく作ったみたいな感じ。だから、キーがAマイナーだし普通の感じなんですよ。一歩間違えたら痛い曲になりがちなキーじゃないですか、Aマイナーとか。ちょっとこう拍子を変えたりしてうまくごまかしてるみたいな(笑)サビのコード進行も。
ーー 3、3、3、3で行ってるのに、実は4拍子とか?
HIRO:そう。サビのコード進行もちょっと面白くて。DにいってDマイナーに行ってとか、そういう感じのパッシングのコードで、あまりロックで出てこないようなのをやったりしてます。
ーー ありがとうございます。 最後に、ファンの方にここを聴いてくださいっていうポイントはありますか?
HIRO:ポイントはベースです。いや、マジでベースが、ベースの録音が楽しすぎて最高でしたね。ギターは地獄だったんだけど。 最高に楽しくて。ベーシストとしてこのアルバムがブレイクスルーですね。次はちょっとスラップとかも披露できればなと。それで、ギター的には、そうだな、さっき言った、今回はリフでゴリ押しっていうのはしなかったんで、その辺の変化っていうのも聴きどころかなと思います。よりバンドアンサンブルで構築してるというか、もうDTMで一人で作ったんだけど、一番バンドっぽいんじゃないかなっていう。もうかなり生々しいバンドの感じで作ってるので、その辺が聴きどころかもしれないですね。
ーー ギターの音がなんかよりナチュラルな感じになってるというか?
HIRO:うん、そうかもしれない。エコーの感じもちょっと今までと変えたんで、今まで結構ガンガン、ステレオでパンでこう、ディレイの音振ったりして、結構派手にやってたんだけど、まあ普通になりました。よりソリッドな感じで作ったんで。なんていうんでしょうね。まあソリッドなサウンドを、あの、楽しんでもらえればなと思います。あとは作曲のバラエティーさとか、ひとつひとつ個性を持たせてったので、いろんな味が入ってるじゃないけど、そういうところも聴いてもらえば。作曲がしんどかった、アレンジがしんどかった。今までとは違うものを追い求めてたら5年もかかってしまいました。でもその5年かけた甲斐はあったかなっていう仕上がりになったと思います。もちろんANZAの参加曲もあったりして、聞きどころ満載のいいアルバムに仕上がったかなと思います。 ありがとうございます。
ーー フィジカル版も作るんでしょうか?
HIRO:フィジカル版も作ります。今回は配信7曲、フィジカル版でボーナストラックっていうなんか死語、誰も今時そんなことをやってる人いないのをやってみようかなと思ってやりました。ANZAとも相談して、ボーナストラックとして設定するならANZAが参加してくれる曲しかないなと思ってたんで。目玉ですよね、今回の。初めての歌入りだし、自分で作詞作曲してANZAに歌ってもらうっていうことだったので、まあそれしかないだろうと。
ーー ありがとうございました。
◆リリース情報
HIRO『Imperfectly Fusion』
M01. Neon Mirage
M02. Pulse Chrome
M03. Strange Blues
M04. Funk Logic
M05. Undercurrent
M06. Spanish Heatwave
M07. Silhouette Night
M08. Amnesia(ボーナストラック:CDのみ収録)
発売中
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