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REPORT2026.09.15

【REPORT】Gravity End「Gravity End presents -EVENT HORIZON Vol.1-」

TEXT: 長澤智典 / PHOTO: 万年平男、Takayuki〝JIMMY〟Hosoya

元D.T.RのTomoもメンバーに。アメリカンハードロックの息吹を感じさせるGravity End、衝撃のデビューライブの模様を直撃!


不敵で不埒な奴らが、ベテラン勢が群雄割拠する今のHR/HMシーンに殴り込みをかけてきた。バンドは、2024年に誕生。彼らは安易に走り出すのではなく、バンドの懐を強固なものにしたうえで動き出そうとした。つまり、1本のライブごとに強烈なインパクトを与え、観客たちに衝撃を与えることこそがこのバンドの信条とでもいうように、逸る気持ちを抑え、あえて2年という歳月を費やし、満を持して活動の狼煙を上げた。

 ELISE(エリーゼ)や双頭青龍のヴォーカルとして活動。みずから「MUSIC BEEAST」というメディアを立ち上げ、編集長としてもシーンを支えている桜坂秋太郎ことAkitaro “Ah-san”

 元X japanLOUDNESSのベーシストである沢田泰司TAIJI)が中心となって結成したD.T.RDIRTY TRASHROAD)のギタリストとして、デビュー。解散後は、高崎晃LOUDNESS)やMASAKIアニメタル地獄カルテット等)ら強者たちと活動を繰り広げてきた、黒田朋幸ことTomo

 双頭青龍のベーシストとして活動。勇猛なベーシストでありつつ、裏方として多くのアーティストを育て上げ、マネージメントをしてきた裏方獅子丸ことShishimaru

ELISE双頭青龍のドラマーとして活動。Akitaroと同じく、80年代からHR/HMシーンにどっぷりと身を浸し、現在は、元SABER TIGERのベーシストである三瓶朋大SAMPEI)と共に、札幌を拠点にHowling Starのメンバーとしても活動中。2つのバンドで辣腕を振るう殿木達郎ことTono

全員がプロデューサーとして活動していることも、Gravity Endの大きな強みだ。


満を持して始動したGravity Endの初ライブが、9月6日に新宿Cat’s Holeで、バンドの主催公演として行われた。『Gravity End presents-EVENT HORIZON Vol.1-』には、主催者のGravity Endを筆頭に、Hz¥zLzMisty Greenが出演した。ここからは、イベントのトリとして登場し、衝撃を与えたGravity Endの初ライブの模様をお届けしたい。

物語の幕開けを告げるように不穏なSEが流れ出す。ワウペダルを用いたTomoのギターの音色が、その場の空気に、さらに不安と慄きを重ねていく。まるで、歴戦の猛者たちが墓場から蘇ってくるような雰囲気だ。そこへ…。   Tonoのドラムカウントが、その場の空気を一変させる合図だった。猛々しいドラムロールに、いななくように歪みを上げたTomoのギターが絡み合う。その音へ導かれるように、Akitaroが姿を現した。タイトなドラムビートに合わせて、Shishimaruのベースも唸り出す。お立ち台に左足を乗せたAkitaroがフロアを凝視しながら、重厚ながらもゆったりとしたグルーヴを生かした80年代のアメリカンハードロックの匂いを振りまく「TO BE FREE」に乗せて、自由に声を羽ばたかせた。

Gravity Endのライブは、ヘヴィネスながらもエッジの鋭いミドルナンバーで幕を開けた。Akitaroの背景で、ドライブするリフや胸躍らせる旋律をずっと弾き続けるTomoの姿も印象的だ。曲が進むごとに、楽器陣の気持ちが高ぶり出したのか、轟く演奏に生きた熱がさらに漲りだす。その音を背中に感じたAkitaroも、シャウトした声も交えながら、観客たちを、自分たちの懐へ巻き込んでいった。ヴォーカルとギターそれぞれが主張しながらも、ポイントごとに寄り添うからこそ、それぞれの存在に耳が惹かれながらも、共鳴し合ったときに気持ちが嬉しく奮い立たされる。

Tomoのギターが胸躍る印象深いリフを刻み出すのを合図に、リズム隊の演奏がそこへ重なり出した。心地よい跳ねた刺激も加えながら、演奏はスケールの大きく解放感あふれる世界を描き出す。80~90年代を席巻したアメリカンハードロックの神髄ともいうべきスタイルを持った「READY TO ROLL」だ。あらゆる鬱憤をぶち撒けるように、躍動した演奏の上で、耳に心地よい英詞のメロディーをAkitaroが歌う。キャッチーな歌と唸る演奏がロックンロールというビートの上で混じり合い、気持ちを上げる。フロアでも身体を揺らすのみならず、拳を突き上げ、演奏に身を委ねる人たちの姿があちらこちらに生まれていた。

気持ちをスカッと解き放つ、アメリカンハードロックの持つ衝撃と魅力が、この曲には詰まっている。薄暗い地下のライブハウスにいながらも、晴れ渡る空の下、アクセルを思いきり踏み続けながら、カーラジオのボリュームをフルテンにしてハイウェイを爆走する。そんな景色が頭に浮かんでいた。MCでは、Akitaroが緩いトークを繰り広げていた。良い意味で演奏との落差も、Gravity Endの魅力として捉えておきたい。

触れた人たちの感情の表皮を切り裂き、そこへ度数の高いバーボンを注ぐように、荒々しく攻撃的なTomoのギターのリフが襲いかかる。そのフレーズが、胸をくすぐるメロディアスな旋律を奏でるのを合図に、さらにBPMを上げたリズム隊が、重量感を持った演奏でボトムを支えだす。「STANDING STILL」は、胸を高ぶらせるハードロックの衝撃ともいうべき楽曲だ。荒々しくも生き生きとした演奏の上で、気持ちを熱くしたAkitaroがお立ち台に上がり、低音域の声からシャウトまでを駆使し、揺れる気持ちのままに、キャッチーな歌を響かせていた。ヴォーカルとギターがそれぞれ印象深いメロディーを主張していくが、Gravity Endの強みでもあるリズム隊の繰り出すビートが、強烈な存在感を放つ2つの個性を中和するどころか、それぞれに際立たせる演奏をしていく。

ゴツゴツとした無骨な演奏ながら、尖った主張が交わり合うことで生まれるグルーヴに、耳も、心も引き寄せられる。それぞれが主張し、信頼関係のもとでぶつかり合うことで生まれるハードなロックンロールの衝撃に胸が奮い立つ。だから、フロアからも多くの拳が高く突き上げられていた。ギターソロを含め、終始弾き倒す勢いで音を繰り出していたTomoの主張の強さにも、このバンドに、古のハードロックバンド然とした色を加えている理由と魅力を感じていた。Tomoの躍動感あふれるエンディングプレイを受けて、ギターソロのコーナーへと流れていく展開にも、往時のハードロックバンドのライブの匂いを感じていた。Tomoは哀愁を帯びた旋律を高速で繰り出しながら、その演奏を次なる曲へのブリッジとしても用いていた

場内に、哀愁を帯びた、でも、情熱を覚えさせるスパニッシュな演奏が響き出した。その音色へ心を寄せるようにAkitaroが「WITHIN MY HEART」を歌い出す。背景に流したアコギの演奏と、Tomoのエレキによる演奏が重なりながら哀愁を膨らませていく。その重奏にAkitaroが思いを寄せ、同じく、哀愁を帯びた歌声で強く抱きしめる。湧き立つ気持ちをダイレクトに投影して歌い上げるAkitaroの姿も印象的だ。この曲では、あえて2人のみの演奏に終始しながら、Gravity Endというバンドが持つ懐深さと、良い意味でアメリカンハードロックに対する敬意を、彼らなりの表現力や形で示してくれた。MCでは、1月31日に、香港からPSYCHO SKULLを招聘し、Gravity Endと、もう1 組のバンドが出演する形で『Gravity End presents-EVENT HORIZON Vol.2-』を新宿Cat’s Holeで行うことを伝えていた。

ライブも後半へ。冒頭から攻撃的な音の牙を剥き出しにして「MIRROR REFLECTS」が襲いかかった。アタックの強いTonoのビートとリンクするように、身体を揺らし、拳を突き上げる観客たち。Shishimaruのベースも、ビートとシンクロしながら芯の太い音を繰り出し続ける。その上で、ときに美しい旋律も交え、Tomoがドライブさせた演奏をブーストし続けていた。言葉の一言ひと言に熱を込めて放つAkitaroの歌声も、リズム陣の繰り出すビートとシンクロし続けていた。次第にスケールを増しながら激しく音を主張していく展開にも、アメリカンハードロックの持つ毒々しい息吹を感じる。演奏へ巧みに緩急を付け、凛々しくもスリリングな空気を描きながら、演奏は突き進んでいった。そして…。

Gravity Endは最後に、この日一番疾走感を持った「DAY BY DAY」を叩き付けた。スタッスタッと切れ味鋭く疾走するTonoのドラムビートと轟き渡るShishimaruのベース演奏の上で、Tomoのギターが自由奔放に速弾きで旋律を繰り出し続ければ、Akitaroは身体も気持ちも前のめりに、沸き立つ感情のまま、雄々しい声で歌い上げていた。放熱し続けるハード&ロックンロールの衝撃。その熱をずっと高め続け、フロアに熱狂の景色を描き続けながら、Gravity Endのライブの幕は閉じていった。

 次のライブは、1月31日に新宿Cat’s Holeで行う「Gravity End presents-EVENT HORIZON Vol.2-」だ。その日まで、しばし心待ちにしていただきたい。

Set List
M01. TO BE FREE
M02. READY TO ROLL
M03. STANDING STILL
M04. GUITAR SOLO
M05. WITHIN MY HEART
M06. MIRROR REFLECTS
M07. DAY BY DAY

Gravity End Official Website

https://gravityend.jp