昨年・2013年に結成40周年を迎えたレジェンド・外道が、新年早々の1月13日、渋谷CLUB CRAWLにてワンマンライブを敢行した。これはストリートロックにフォーカスしたラジオ日本の番組「ROCK RUSH RADIO」の10周年を記念した企画「ROCK LEGEND」の第3弾として開催されたもので、1970年代以降日本のロックシーンに影響を与えた伝説的アーティストを番組とライブとで紹介するという多角的切り口を持った番組連動型のイベントだ。第1弾は昨年10月にTHE COOLSのボーカリストであったPITPI(ピッピ)こと水口晴幸率いるHAL with BAD EGGSのワンマンライブを開催。第2弾は昨年11月に頭脳警察のワンマンライブを開催。今回が第3弾となる。
先日、本誌インタビューの際に、加納秀人は「そのときにできる最高のものをやっていきます。これだけは最低限なんて考えずに、素晴らしいことをいっぱい、思いつくこともドンドンやっていきたい」「まず外道を体験してもらいたい。生の外道を」と語っていた。41年目の外道、新年一発目はどんなギグをかましてくれるのか。
◆外道 メンバー:
加納秀人(Guitar & Vocal)、松本慎二(Bass & Vocal)、そうる透(Drums & Vocal)
フロアは和やかな空気で包まれている。今宵、ここに集まりしはみな外道フリーク。それは、MCとしてサイドステージに立った「ROCK RUSH RADIO」パーソナリティのTAKEMI、そしてオープニングアクトとしてメインステージでスタンバイするFIXもまた、同じだ。ここにいるみなが、日本のロックの継承者だ。
中でも、外道が大好きで、外道に憧れてこの世界に入ったというロックバンド・FIXの3人は、目を爛々と輝かせている。いや、緊張で涙目になっているのか。1曲目「3210」の導入SE、「スリー、ツーワン、ゼロ…」のカウントがリピートされる中、口を開く。「こんばんは、FIXです。吐きそうです!」そんな第一声とは裏腹に、3人のシャープなサウンドは快活!観客も即座に受け入れ、体を揺らし始める。
Taku(Vocal & Guitar)、susie(Bass)、YUE(Drums)の3名で2004年に結成したFIX。リズム隊の女性プレイヤー2名のスピード感が心地良い2曲目「幻」、ゴキゲンなギターフレーズが炸裂する3曲目「Hi hello」と、ここぞという所で確実にキメてくる秀逸なサウンドの連続。
後半もニューアルバム収録の「Hey Doctor」や、爽やかなボーカルと軽快なベースラインの融合が楽しい「のら猫」など、元気いっぱいのロックンロールが続く。完全に外道フリークたちに受け入れられ、一つになったFIX。「おれ、ギターやってて良かった!」Takuは心底楽しそうな表情を浮かべると、渾身の力を込めてエレキをかき鳴らす!最後は「Ride on」。終盤のソロパートでは3人それぞれにこれでもかとポテンシャルを発揮し、観客たちのハートへ強烈に爪痕を残し、ステージを下りた。
M01. 3210
M02. 幻
M03. Hi hello
M04. 未来の歌
M05. Hey Doctor
M06. のら猫
M07. Ride on
◆FIX 公式サイト
http://www.t-a-k-u.com/
・2014年03月22日(土)【新 宿】MOTION
・2014年03月23日(日)【世田谷】GOKIGENYA GARAGE
FIX レコ発 ツアー
・2014年04月11日(金)【岡 山】表町 IMAGE
・2014年04月13日(日)【大 阪】三国ヶ丘 FUZZ
・2014年04月17日(木)【渋 谷】CLUB CRAWL
・2014年04月29日(祝)【世田谷】GOKIGENYA GARAGE
・2014年05月19日(月)【荻 窪】Club Doctor
FIX10周年ワンマンLIVE
・2014年12月29日(月)【渋 谷】CLUB CRAWL
さあいよいよ、待ちに待ったレジェンド・外道の登場!オープニングナンバーは「虹の彼方から」。加納秀人のギターは出だしから泣きに泣かせる。そこにそっと寄り添う松本慎二のベース。一瞬にして外道の解説不要な至極の音の世界が広がる。「GET DOWN」、「OH my my」と続け、そうる透 のマシンガンのごとき凄まじい手数が撃ち込まれると、客席からは「外道最高!」の呼び声が。
「2014年で41周年…あと10年、ギンギンに盛り上がってるんで」と松本慎二。来たる外道50周年を記念したライブは日比谷野音で開催する、もう予約を入れてある、と力強いコメントに客席も歓声で応じる。「フルパワーの外道魂、よろしく!」
ハイトーンの歌声を響かせる「心の叫び」や、タイトル通りロックの頂点を感じさせる「Rock’n Roll マウンテン」など、序盤は新曲を立て続けに披露。7曲目「イエローモンキー」では、3人がそれぞれの音で会話しているかのような阿吽の呼吸で、魅せる。
「いかしたブルース行きます」シンプルかつ極上の予告に心躍る。8曲目は「いつもの所でブルースを」。外道の王道ロックと双璧をなすもう一つの魅力、40年モノのブルースナンバーが心に沁み入る。一音一音、ブルージーな音を紡ぎ出す加納秀人。松本慎二とそうる透の重低音が土台をしっかりと作る。
「ロックの基本はブルース。ロックンロールとブルースをずっと守り続けてきた」外道のプライドが為せる技。演奏曲は”原点回帰の優しいラブソング”という「MY LOVE」へ。ゴールデンアワーは続く。
「新年明けましておめでとう!」中盤、加納秀人が初のMC。「最後まで楽しんでいってください!」シンプルに挨拶を締めると、馴染みのリフを鳴らす!ほんのワンフレーズだけで、こんなにワクワクさせられるのか。レジェンド・外道の圧倒的なそうる透が4カウント、松本慎二もリズムに乗り、演奏するのは「ダンスダンス」!
「今年最初の…みんなの幸せと健康、発展、未来をお願いしましょう!」といざない、景気づけに外道コール!「人生200年と思ったらまだまだ若いからね!」と加納秀人。そしてそうる透が怒涛のドラムソロで厄払いし、「悪魔のベイビー」を熱唱。煌びやかで上質な時間に、新年特有の明るさも加わって、豪華絢爛な正月モード。新曲「Hey Rock’n Roll 外道」から定番曲「何?(外道ダンス)」へと続き、ラストスパート!
最後は加納秀人も頭を振りまくり、「ビュンビュン」、「香り」の必殺ナンバーでビシッと本編を締めた外道。「物足りなさ」ではなく「感謝の意」を込めたようなアンコールの拍手が起こり、3人のレジェンドはステージへ再登場。「みんなに力もらってる感じです。今年をあわせてあと10年しっかり走り続けられるかなと思えるような、記念すべきライブになりました」と松本慎二が観客を称える。
最後はゴキゲンなロックンロールナンバー「愛の寝台車」で、しばしのおわかれ。45年、50年へ向けて走り出せ!外道!
http://www.ainoa.co.jp/music/gedo/
◆セットリスト
M01. 虹の彼方から
M02. GET DOWN
M03. OH my my
M04. 心の叫び
M05. この世界に
M06. Rock’n Roll マウンテン
M07. イエローモンキー
M08. いつもの所でブルースを
M09. MY LOVE
M10. そんな
M11. ダンスダンス~悪魔のベイビー
M12. Hey Rock’n Roll 外道
M13. 何?(外道ダンス)
M14. ビュンビュン
M15. 香り
-encore-
E01. 愛の寝台車
・2014年03月27日(木)【原 宿】CROCODILE
・2014年03月29日(土)【西千葉】ZX
※加納秀人ソロライブ&セッション
・2014年05月30日(金)【心斎橋】soma
・2014年05月31日(土)【富 山】SUMMER KNIGHT
・2014年06月01日(日)【金 沢】JealousGuy
◆リリースインフォメーション
ニューアルバム『魂の叫び』
2013年11月06日~発売中
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