特集

TEXT:鈴木亮介 PHOTO:矢沢隆則

今波に乗るガールズロックバンドにスポットを当てる特集「rock girly parfait」。2019年に結成10周年を迎え、全国ツアー真っ只中のGacharic Spinの3回目をお届けします。(第1弾「F チョッパー KOGA × yuri」はこちら第2弾「はな × アンジェリーナ1/3」はこちら
 
Gacharic Spinは2009年6月にF チョッパー KOGA(Bass)と高校の同級生であるはな(Vocal & Guitar)を中心に結成。その後TOMO-ZO(Guitar)、オレオレオナ(Keyboard)の加入を経て2014年10月にメジャーデビュー。フジテレビ系アニメ「ドラゴンボール改」のエンディングテーマや、ハウスウェルネスフーズ“メガシャキ”CMに楽曲が起用。渋谷公会堂をはじめ国内外でのライブ活動は年間100本ペースを記録。その後メンバー脱退などを経て2019年2月に17歳の現役女子高生、アンジェリーナ1/3がマイクパフォーマーとして加入。さらに2019年3月、新メンバーとしてドラマーのyuriの加入と、結成以来ドラムを叩き続けてきたはながボーカル&ギターに転向することを発表し、話題となりました。
 
結成10周年を迎える2019年は3月27日に入門編・中級編・上級編の3タイプからなる『ガチャっ10BEST』をリリースしたほか、ほとんど毎週末にかけて全国を回るワンマンおよび対バンのツアーを開催。その集大成として10月14日(月・祝)に東京・中野サンプラザでのワンマンライブを控えています。
 
そんな結成10年を迎えてもなお攻め続けるロックバンド・Gacharic Spinを本誌BEEASTでは大特集!3回にわたりメンバー対談を通じてバンドの軌跡と奇跡に迫ります。第3弾は、TOMO-ZO(Guitar)とオレオレオナ(Keyboard)の対談です。この2人、実はGacharic Spin加入前に同じバンド(EU PHORIA)でともにメジャーデビューもしている、旧知の仲。
 

Gacharic Spin プロフィール
リーダーのF チョッパー KOGAをはじめ、はなTOMO-ZOオレオレオナyuriアンジェリーナ1/3、6人からなる全力エンターテイメントガールズバンド。
 
2019年3月に発売のベストアルバムのジャケットには、手塚プロダクションとのコラボレーションが実現!!ピンチをチャンスに変えて来たGacharic Spinのイメージにぴったりの不死鳥と一緒に10周年に挑む!!
 
年間100本以上のライブをこなすライブバンド。2015年にはフジテレビ系アニメ「ドラゴンボール改」のエンディングテーマを担当。2016年~2017年にハウスウェルネスフーズ“メガシャキ”CM曲としてオンエアされた、メジャー3rdシングル「シャキシャキして!!」がスマッシュヒット。2018年4月サードアルバム『G-litter』をリリース。国内のみならず海外のフェスやイベントにも出演。

 

“ゼロから作った”カワイイキャラと「遺伝子レベルでセクシー」 ふたりはガチャピン加入前からの盟友
— お二人はGacharic Spin加入前からつながりがあるんですよね。

 
TOMO-ZO:そうです。以前一緒にガールズバンドをやっていて…
 
オレオ:何年前だ?
 
TOMO-ZO:出会ってもう15~16年かな。人生の半分オレオ
 
オレオ:(笑)
 

— 新メンバー加入もさることながらオレオさんの髪型の変化には驚きました。

 
オレオ:ベリーショートって一回やってみたかったんです。新体制になるしみんな少しずつ変化をもたらそうって話したとき、私の場合(前の衣装の)ハンバーガーからだとベーコン足すくらいになっちゃうんで…好きな髪形を一回やってみたいなということで。
 
TOMO-ZO:この髪型が似合う人ってなかなかいないよね。私がやったら大変なことになると思う(笑)
 
オレオ:一回みんなでやってみたいよね。
 

— かなり反響も大きかったのでは?

 
オレオ:ハンバーガーがいなくなって、私が新メンバーなんじゃないか?って説もありますね。最近知ってくださったファンの方も、昔からのガチャマン、ピン子(=ファンの愛称)さえも「オレオ様がいなくなった」って。いやいやいるって(笑)。でもみんなに似合ってるって言ってもらえて嬉しいです。
 

— 髪型が変わって、服装や気分も変わったと思いますが、それがステージパフォーマンスに影響してくる部分もありますか?

 
オレオ:それはありますね。新体制になってからガラッと変わって、”かっこいい”を追求しているし、私自身はハンバーガーで培った大きく見せる動きと体力が全部合わさって、過去最強のオレオになってると思います。
 
TOMO-ZO:動きにキレがあるもんね。
 
オレオ:瞬発力が…
 
TOMO-ZO:後ろにいるけどすごい目立つ。
 

— あのハンバーガーがある意味では大リーグボール養成ギプスのようなものだったわけですね。たまに恋しくはなりませんか?

 
オレオ:たまに着たいなとは思いますが、今このヘアスタイルで突然ハンバーガーやったらざわめきがすると思うんで(笑)
 

— Gacharic Spinというバンドを語る上で「逆境」という言葉はやはり外せません。ここまでを振り返って、お二人にとっての逆境とは?

 
TOMO-ZO:私は初代ボーカルが抜けてサポートボーカルのツアーを回ったときが”ザ・逆境”でした。それが一番ですが、そういう積み重ねがあったからこそ今の逆境にも打ち勝てることになったと思うので、あれもバンドにとっては必要な経験だったと思います。
 
オレオ:ボーカルが抜けちゃうっていうのはまさに大ピンチだよね。
 
TOMO-ZO:ツアーの開催が決まっていて、全部キャンセルするわけにはいかないから何とか開催しようということで仲間のボーカリストに声をかけてリハも入りまくって…
 
オレオ:すごかったよね。あのリハの量!
 
TOMO-ZO:ファイナルはメンバーが入れ代わり立ち代わり歌ってミュージカルみたいにやって。
 

— そこで色んな人のつながりが増えたり、メンバーが色々しなきゃいけないという経験は確実に今のGacharic Spinの強みを形成していますよね。

 
TOMO-ZO:そうですね。鍛えられてる感はあります!
 

— 特に成長を感じたのはどういう面ですか?

 
TOMO-ZO:成長ですか?うーん…
 
オレオ:TOMOちゃん自身常に成長してるから。
 
TOMO-ZO:いやいや…成長というと、ガチャピンって本当に何でもアリじゃないですか。それは入ったときに感じていて。今私カワイイ担当をやらせてもらってるんですけど…
 
オレオ:自ら言っちゃうのね(笑)
 
TOMO-ZO:でもガチャピンに加入するまで自分の中に「カワイイ」というものが全くなかったんですね。オレオは知ってると思うけど。
 
オレオ:そう。スカートなんて全く履かない子でした。いつもジーパンにTシャツ、みたいな。
 
TOMO-ZO:だから加入した最初の頃は「スカートしか着ちゃいけない」って自分の中でルールを作って。
 
オレオ:努力…(泣)
 
TOMO-ZO:自分の中にないものからスタートしたので、そこで吹っ切れたというか、そこが一番の成長ポイントだね。自分だけではこのキャラができるって気づかなったし、新しい自分を発見できたし。
 
オレオ:やれるのがすごい。
 

— オレオさんの「セクシー担当」も、ゼロから作り上げたものなんですか?

 
オレオ:えっと…私はガチャピンに加入する前サポートメンバーとして何本かツアーを回ったんですが、そのとき、これだけ濃いメンバーが揃ってる中で何かキャラクターを考えなきゃと思いまして。当時髪の毛が茶髪のロングだったので、まぁ何となくセクシーじゃね?って感じでセクシーキャラが決まったんです。
 
TOMO-ZO:私は既に加入していて…2011年頃かな。
 
オレオ:当時私は「もうバンドはやらない」って思ってたんですけど、そのツアー中に熱いメンバーの気持ちに触れて、もう一度、仲間と一緒に何かをやるってすごくいいなーって思って、入っちゃって(笑)、それで「セクシーキャラ引き続きやる?」って話になって。まぁでも自分の中に(セクシー要素が)ないか?と言われたらそんなことはないので、そこはTOMO-ZOとは違うところですね。ここ太文字にしてもらっていいですか?
 

— わかりました、強調しておきます。キャラとかじゃないってことですね。

 
オレオ:太文字で、赤で。
 
TOMO-ZO:セクシーさが隠し切れない。
 
オレオ:生まれつき、遺伝子レベルでセクシーなんで。
 

「オンオフの切り替えがうまい」オレオ、ありのままで7年
— 今のお話だと、Gacharic Spinのサポート時代はもう一度バンド活動をすることに消極的だったのですね。

 
オレオ:当時は一人でピアノの弾き語りとして活動していて、静かな音楽をやっていたんですけど、誰かと何かをやることに自分は向いてないんじゃないかと思ったり、前のバンドでやりきった!という思いもあって。だけどこのガチャピンの、しかもピンチになっていたときのガチャピンを見たときに、こんだけ必死になれる人たちを見たことがないなーって思ったんです。自分が思ってた頑張るとか必死とかそれ以上のことを平気で…もちろん平気ではないと思うけど、本当に前向きにやっている彼女たちを見たときに「もう1回この人たちとだったら、夢を見れるかもしれない」って、一緒にバンドをやりたいと思えたんです。で、(小声で)入ってしまいました。
 
TOMO-ZO:(笑)
 
オレオ:やっぱり簡単にはついていけなくて、とにかくすごいから。今でも本当に過密のスケジュールの中でも夜ホテルで隣の部屋からベンベン聴こえたりドンドン聴こえたりするから、追いかけるのに大変な面も…私ナマケモノタイプなので。
 
TOMO-ZO:バンドメンバーからも私からも「オレオを入れたら面白いんじゃないか」って意見はあったんです。でも、私は(オレオより前に)ガチャピンに入ってこの大変さを知ってるから、オレオを巻き込んで良いものかと…(笑)
 
オレオ:TOMOちゃんは私の性格を知ってるから。
 
TOMO-ZO:オレオ着いていけるのか?って心配はあったけど…でも今そういう気持ちを聞けて、声かけて良かったなーって思う。
 
オレオ:みんな恐ろしいくらいにストイックだからね。
 

— 加入から7年を経て、オレオさんもだんだんストイックになっていった感じですか?

 
オレオ:ストイック…ではないかな?自分のペースはあまり乱したくないんですよ。誰かがやってるから自分もやらなきゃっていうよりは、自分自身が「今は本当にやらなきゃ」って思ったらやる。
 
TOMO-ZO:確かに(笑)。オンオフが一番しっかり出来てるのがオレオだよね。
 
オレオ:え、そうかな?でも確かにみんなはずっとオンかも。
 
TOMO-ZO:持続しちゃう。
 
オレオ:やるときはやる、やらないときはやらない、じゃないと私は7年持ってなかったと思う。あと、それをみんながイライラせずに見守ってくれてるから。
 
TOMO-ZO:あはは(笑)
 
オレオ:あなたはあなたって見守ってくれてるのがうれしい。
 
TOMO-ZO:最初「オレオ続くかな?」って思ってたから、オレオの周年イベントはいつも感極まっちゃう。
 
オレオ:お互いのイベントで泣き合ってるよね(笑)。なんだろう、お母さんみたいな気持ち。
 
TOMO-ZO:お互いお母さん。
 

— それぞれ「カワイイ担当」「セクシー担当」として心がけていることはありますか?

 
オレオ:恥ずかしい!質問が恥ずかしい(笑)。
 
TOMO-ZO:私は…
 
オレオ:びっくりした!あるのね?あるならどうぞ。
 
TOMO-ZO:最近新体制になって、熱さを一番大事にしたいなと思ってステージに挑んでるので、どうしてもステージで男らしくなってしまうんですね。なのでこれはヤバいと思って、ステージに立つ前に「私はかわいい、私はかわいい」って言い聞かせてます。
 
オレオ:自己暗示してるの?まじかー。すごいわ。やった方がいいかな?「私はセクシー」って。
 
TOMO-ZO:大丈夫。あふれ出してるから。
 
オレオ:隠し切れない。
 
TOMO-ZO:基本、「裸(ら)」でいるもんね。
 
オレオ:確かに。私は、あんまり…服をまとわない…ことです。遠征先のホテルでも、新メンバーと同じ部屋になるときはまだ刺激が強すぎるかなと思って脱げないんですよ。一応先輩として、というのもあるし。でもTOMO-ZOと同じ部屋になるとすぐ脱いじゃうんですよ。
 
TOMO-ZO:ありのままで(笑)
 
オレオ:生まれたままのオレオでいるので。
 
TOMO-ZO:ありのまま過ぎる。普通の会話をしていて、ふと振り返るともう裸なんですよ。
 
オレオ:そんなにグラマラスだとは思ってないんですけど、自分の体のことは自分でわかってた方がいいかなって…これ音楽誌ですよね?大丈夫かな(笑)
 

自分が今Gacharic Spinのステージを客席から観たら、誇らしいと思う
— 逆境というと、パフォーマーが卒業し新体制(5期)となるまでのこの一年間も様々なドラマがあったように思います。

 
オレオ:濃かったねぇ…
 
TOMO-ZO:本当に今までで一番リハに入ってるんじゃないかって。ゼロから作り直すつもりでやってるので、緻密に。
 
オレオ:結構なエネルギーを使うだろうとは予想していたけど、いざやり始めてみると想像以上に大変で。
 
TOMO-ZO:でもそこで進化できるものもあるし新鮮な気持ちもあるから。楽しいって気持ちもあるからやっていけるのかな。
 
オレオ:うんうん。あとは今までやっていた曲をリアレンジした、この体制でやる新曲?旧新曲?をツアーでかなりおろしているので、その準備が想像以上に大変。
 

— リハもたくさん入っているようですが、ライブもかなりの本数がありますよね。毎回のライブの中での発見もありますか?

 
オレオ:ありますね。毎回見直すこともあれば、ハプニング的に起きたことが「これすごくいいからこれを続けてやってみたら?」ってなることもあるし。楽器の変わったはなを含めた新メンバーのフレッシュ感もあるし、TOMO-ZOKOGAさんと私も、新人みたいな気持ちで…前のバンドも含めたら10何年やってるけど、「新たにバンドを組んだ人たちの演奏とパフォーマンス」みたいな気持ちがしていて、毎回記録映像を見るのが楽しみだし、お客さんの反応も嬉しいです。
 
TOMO-ZO:今が一番いいって言ってくださる方が多くて。
 
オレオ:そう言っていただけるのはありがたいし、それが作れてるんだっていうのが自信になる。
 

— メンバー目線でのステージの見どころ、「特にここが注目」という点があれば教えてください。

 
オレオ:TOMOちゃんの最近のステージはキレが半端ない!でもキレがありつつ女の子らしさと、最近は女性らしさもプレイに出ていて、それが後ろから見ていていいなって思う。私は男っぽくなっちゃうので、この髪型だけど女性らしいというのを意識したいので、後ろから見て「いいね、真似したいな」って思います。特にギターソロがすごいことになってる。
 
TOMO-ZO:今までは同期がある曲ばかりだったんですけど、同期の音を減らしてオレオが代わりに弾こうっていう曲が増えて、オレオのキーボーディストとしてのパフォーマンスがすごい…
 
オレオ:見えてきた?15年の付き合いの中で。
 
TOMO-ZO:ふと振り返ってオレオが一生懸命、忙しそうなのを見ると。
 
オレオ:今まではヒマ…ってわけじゃないけど、ちょっと踊っちゃったりとか、ハンバーガーを見せるために削ったフレーズとかいっぱいあったから(笑)
 
TOMO-ZO:「NAONのYAON」というライブイベントで、メンバーそれぞれが他のミュージシャンのサポートとしても出演したんですけど、そこでハタからオレオのプレイを見たときに、「あ、大御所キーボーディストだ…」って。
 
オレオ:やめてやめて!新人だから。フレッシュキーボーディスト。
 
TOMO-ZO:すごいミュージシャン的な?風に見えて。いや、ミュージシャンなんだけど(笑)
 
オレオ:結構前からミュージシャンのつもりだったけど、やっと認めてもらえましたね。
 
TOMO-ZO:ミュージシャンとして、かっこよかったよ。あと私が好きなのはオレオがライブ中に感情的になってウォーってやったり、KOGAさんのMCでワーッと泣いちゃったりとか、それって本気でやっていてライブの成果が出たからそういう感情になるのだと思うし、素敵なことだなって。
 
オレオ:恥ずかしい!
 
TOMO-ZO:褒め合うの恥ずかしいね。
 

— 「NAONのYAON」はまさにそうですが、メンバーのステージ本番を観る機会ってなかなかないですよね。

 
TOMO-ZO:普通に自分がガチャピンのステージを観てみたい。
 
オレオ:そうねー。誇らしいと思う。「NAONのYAON」は最初(2013年)にGacharic SpinとしてでなくTOMO-ZOが一人だけ出たんですよ。そのときから勝手に誇りなので。「うちのTOMO-ZOどうですか?(ドヤ!)」って。
 
TOMO-ZO:あと私ははなちゃんが(ボーカル&ギターに転向して)あんなに熱いパフォーマンスをするとは思ってなかったのでびっくり。
 
オレオ:これまでは割とクールなイメージがあったからね。
 
TOMO-ZO:ステージであの熱量をお客さんに向けて発せられるのはすごい。
 
オレオ:MCで涙ぐみながら話しているのを見ると、ね。私なんかは割と喜怒哀楽が激しい方だったけど、はなちゃんはステージの上ではそういうところをあまり見せる感じではなかったから。そういう面を知れたのは良かった。
 

— フォーメーションが変わったことで、お二人の演奏にも影響はありますか?

 
オレオ:演奏に集中できるようになったかも。前で歌っている人がいるということ…前は客席とフロアのつなぎ目役として、歌を届けるパフォーマーがいたけど、歌っている人が前にいるって全然違うんだなって。だから私は力を抜くとかではなく、己の場所に集中できるようになったと思うし、バンド全体の熱量は前よりも伝わるようになったと思います。
 
TOMO-ZO:前よりはるかに汗の量が違うんですよ。バンド全体の熱量は上がってるんだろうなって。
 
オレオ:KOGAさんはスラッパーとして年々すごいことになってると思うんですよね。努力ができる天才。
 
TOMO-ZO:確かにスラップは年々音圧が上がってる気がする。お客さんにもKOGAさんは一味違うよねって言ってもらえて、ちゃんと届いてるなってうれしくなる。
 
オレオ:あと最近ははなちゃんが前に出たからなのか、彼女たちも同級生で15~16年の仲なので、MCのときにいい意味でのリラックス感があって、見ていてほっこりします。
 

— 新メンバーの二人にはどんな印象を持っていますか?

 
オレオ:最初は2人とも女の子らしい印象だったから、着いてこれるのかな?って、それこそTOMO-ZOが私に思ったのと同じように心配したんですが、実際は全然心配する必要がなくて、むしろ2人とも自分から「何ができますか?」って聞ける強さがある。この子たちはここに来るためにタイミングで出会ったんじゃないかなって。運命とか信じちゃうタイプなんですけど、本当にそう思う。yuriだって、ちょうどボーカルに内定していた人が加入できなくなってどうしようってなったタイミングにたまたまライブを観に来てくれて、あの1回がなかったら今ここにいなかったと思うし。
 
TOMO-ZO:2人とも努力家!キャラクターは全然違うけどね。yuriは何でも器用にできちゃうタイプ。
 
オレオ:そうだね。yuriが器用でアンジーはマジで不器用!(笑)。でも見ててすごいなって思ったのは、言われたことを全部素直に吸収するんですよ。真っ直ぐな目で話を聞いてて、私だったら下向いちゃう。少しずつ階段を上がれる子だし、突然爆発的に良いときもあって、そういう力は持ってるなーって思います。アンジーの初ステージもすごかったよね。恵比寿LIQUIDROOM。
 
TOMO-ZO:yuri加入前の4.9期だね。
 
オレオ:アンジーは直前までものすごい緊張しちゃってて。でも階段の踊り場まで行ったら「あ、もう大丈夫」みたいになってて、強!って思ったよね。ステージもすごくよかったし。こういう爆発力を持ってる子はなかなかいないと思う。
 
TOMO-ZO:確かに。
 
オレオ:yuriは初ステージの沖縄のときに、緊張してるのかなーと思ったらライブの結構序盤で私に向かってウインクしてきたんですよ!オレオ様を誘惑しやがって、すげー!って(笑)
 
TOMO-ZO:このメンバーの中でそれがやれてるのがすごいよね。
 
オレオ:楽しんでる度胸を持ってるよね。ガチャピンメンバーにはもってこいの存在。
 
TOMO-ZO:こんな素敵な2人に巡り合えて…本当に奇跡だね。
 
オレオ:しかもかわいいし。
 
TOMO-ZO:そこがまたいいよね。
 

ワールドワイドに進化したGacharic Spin、10.14@中野サンプラザに向けて
— 新体制で既に数多くのライブを行っていますが、その中にはアメリカでのライブ(6月の『Anime Matsuri 2019』出演)もありました。久々のアメリカ公演はいかがでしたか?

 
オレオ:『Anime Matsuri』に出演するのは3回目です。2年ぶりで間が空いちゃったのに、よりGacharic Spinを目当てに観に来てくれるアメリカのファンが増えていてびっくり。
 
TOMO-ZO:『ドラゴンボール改』のエンディングに起用された「Don’t Let Me Down」は一緒に歌ってくれるファンもたくさんいて。
 
オレオ:前も歌ってくれている人がいたけどその人数がさらに増えたよね。また行きたいなぁ。
 
TOMO-ZO:体制が変わったのに応援し続けてくれて、しかも10周年の幕を自作してくれるファンもいて、うれしかったね。
 

— 観客の反応はやはり日本と違いますか?

 
オレオ:反応がダイレクトですね。
 
TOMO-ZO:周りを気にせず自分がいいと思ったら大いに盛り上がってくれる。お互いにつながり合ってる感じがして楽しい。
 
オレオ:私、自分のノリがアメリカ寄りだなって今回改めて思った。普段からステージとかでも「フゥ~!」って言っちゃうんだけど、日本だとびっくりされるじゃない?このヘアスタイルに引っ張られてるのかもしれないけど、己の言葉として、腹の底から「フゥ~!」って言えたら…。今回のアメリカ公演で、花道に出てお客さんに近づいてフロアの生「フゥ~!」を感じたときに、これはすごいな、と。パッションがドン!って来る感じで。
 
TOMO-ZO:本物の「フゥ~!」?
 
オレオ:今まで私が言ってた「セクシー?フゥ~!」の「フゥ~!」は、ちょっとジャパニーズ「フゥ~!」だったかな(笑)。アメリカの「フゥ~!」を持って帰ってきたときに、何かがはじけた感じがありました。これ伝わるかな?
 
TOMO-ZO:アメリカで英語でやった煽りが意外とかっこいいね、日本でもやろう!ってなって、そのまま引き継いで英語で煽るシーンもあります。
 
オレオ:ワールドワイドに。
 

— ワールドワイドに進化していくGacharic Spinですが、いよいよ10月14日には中野サンプラザワンマンが控えています。意気込みをお聞かせください。

 
TOMO-ZO:私は音楽家を目指して実家のニコリン星から東京に来たのが高校生のときなんですが、高校が中野だったんです。毎日のように中野サンプラザを目にしていて「いつかここに立てたらいいな」と思っていた場所なので感慨深いものがあるし、あの頃の自分に「立てるんだよ!」って言ってあげたいし、それまで残された時間をもっともっと自分自身もGacharic Spinとしても進化して最高のステージを作りたいと思います。
 
オレオ:新しい試みもあるので、楽しみにしていてください!
 
TOMO-ZO:ガチャマン・ピン子(=Gacharic Spinのファン)たちがびっくり仰天できるようなことを考えているので。
 
オレオ:私は昔SPEEDになりたかったんですよ。というかSPEEDになる予定でいたんですね。その気持ちでいろんなレッスンを受けていたんですが、SPEEDになる第一歩だと思って立った、初めてのダンスのステージが中野サンプラザなんです。
 
TOMO-ZO:そうなんだ!
 
オレオ:11歳か12歳くらい。でもそのときって何百人いる生徒の一人で、2階席の踊り場でみんな自分の陣地を取ってメイクをして衣装に着替えてきて、裏には入れてもらえなかったので待てる場所もなくて。そんな状況で「私はいつかスターになる!」って思ってて。それが時を経て今、自分のバンドでワンマンライブができて、しかも10周年で続けられていて、すごいことだなって思って。私もあの日の自分に「今は赤いじゅうたんの上でメイクしてるけど、それは無駄じゃなかったよ」って言いたい。まぁSPEEDにはなれなかったんだけど(笑)
 
TOMO-ZO:違う形でね(笑)
 
オレオ:違う形だけどちゃんとステージ立てるよって、胸を張って言えるようなステージを作りたいですね。キーボーディストとして覚醒した今、プレイヤーとしても一つ階段をのぼった何かを見せられたらと思うので、お楽しみに!
 

◆ライブ情報
全国ツアー”ガチャっ10LIVE 2019”
・2019年08月31日(土)【岡 山】IMAGE <ЯeaL>
・2019年09月01日(日)【徳 島】club GRINDHOUSE
・2019年09月07日(土)【山 梨】甲府CONVICTION <the peggies>
・2019年09月08日(日)【長 野】松本Sound Hall a.C
・2019年09月14日(土)【石 川】金沢AZ<82回目の終身刑>
・2019年09月16日(祝)【新 潟】studio NEXS<HER NAME IN BLOOD>
・2019年09月21日(土)【北海道】札幌PENNY LANE 24 <THE冠>
・2019年09月22日(日)【北海道】札幌 PENNY LANE 24 <METALLIC SPIN>
・2019年09月28日(土)【福 島】HIPSHOT JAPAN
・2019年09月29日(日)【宮 城】仙台darwin
 
・2019年10月05日(土)【大 阪】松下IMPホール -TOUR SEMI FINAL-
・2019年10月14日(祝)【東 京】中野サンプラザ ~10周年特別ワンマン~ -TOUR FINAL-
 
Gacharic Spin Presents ~五番勝負~ Vol.5
Gacharic Spin × PENICILLIN

・2019年08月27日(火)【東 京】渋谷 TSUTAYA O-WEST

◆Gacharic Spin 公式サイト
http://www.gacharicspin.com/
 

 

 
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