ご存じの方も多いだろう、CROWLEYは2017年12月30日に「Crowley Warm Up GIG」と称し名古屋 ell.FITSALLでワンマン公演を開催。この日に合わせ、全国各地からCROWLEYの雄姿を瞼に焼き付けようと、大勢の信者たちが生地・名古屋へ集結。もちろん、チケットも完売させた。その反響の高さや、これからの活動への飛躍のため、CROWLEYは新たなライブを発表。それが、2018年5月5日にElectric Lady Landで行う「The Evil Returns~CROWLEY復活!!~」になる。しかもこの日、今や入手不可能となっていた幻のアルバム『Whisper of the Evil』とシングル『The Scream of Death』、さらに未発表デモ音源『Love Story (1984 demo)』を加え、全10曲入りの当日会場限定盤として発売する。
オフィシャルサイトへは、「5月5日のライヴ会場にて先行販売される『Whisper of the Evil Premium Edition』は、後に一般流通になる商品とは一部の収録曲やアルバムジャケットのデザインが多少異なる内容になる予定。5月5日のライヴ会場で発売する作品は、この日のみのバージョンになります」と記されている。流通盤も、5月5日の公演から、そんな遠くない時期には発売になる予定だ。ライヴ当日には、入場者全員に、昨年リリースしたアルバム『NOCTURNE』へ収録した『Don’t be in a hurry』の日本語ヴァージョンのCDをプレゼント。さらに、アルバム『Whisper of the Evil Premium Edition』の購入者には、別の特典も用意。ここまでの流れや、今後の予定を踏まえつつ、今回もHIRO(Drums)と古久根吉紀(Guitar)に話を伺った。さっそく、いろんなエピソードの数々を、ここに披露しようか。
—アルバム『NOCTURNE』、かなり高い反響を起こせば、12月30日に名古屋 ell.FITSALLで行った「Crowley Warm Up GIG」もソールドアウトを記録。幸先の良いスタートを切りました。
HIRO:CROWLEY12月30日のワンマン公演は、メンバー自身演って良かったなと思ってる。というのも、当初の予定では、復活GIGは今年行う予定で考えていたこと。ところが、嬉しいオファーと言うべきなんでしょうね。我々CROWLEYがホームグラウンドにしてきたElectric Lady Landが、昨年40周年を迎えました。その周年GIGのトリとして、「過去にElectric Lady Landの華として活動してきたCROWLEYに、40周年イベントシリーズのトリを飾って欲しい」という相談を受けました。
HIRO:しかも、「Crowley Warm Up GIG」の手応えも良かったからなんでしょうね。一度、発売を決定まで持っていきながらも、CROWLEYの復活海外公演が中止になったことで、ふたたびお蔵入りになっていた『Whisper of the Evil』の初CD化までElectric Lady Landの許諾を得ることが出来た。
—『Whisper of the Evil』の原盤を保持しているのが…。
HIRO:E.L.Lレーベル。改めて経緯を語るなら、とある海外のプロモーターから、「CROWLEYの北米ツアーを行いたい。ぜひ、活動を再開しないか?」というオファーを受けたことをきっかけに、かつてのメンバーらに呼びかけたところ、自分と古久根吉紀、そしてショーンこと岩井高志(Vocals)の3人がその話に共鳴。新メンバーとして三芳俊二(Bass)を迎え、再始動を決めました。さらに海外ツアー向けにと、新たな体制になったCROWLEYとしてリ・アレンジし、英詞バージョンでセルフカバーしたアルバム『NOCTURNE』を制作。じつはそのツアーへ、海外ファンからも「CD化して再発して欲しい」というオファーの多かった『Whisper of the Evil』も初CD化し、一緒に持っていこうと計画をしていました。
その話を、『Whisper of the Evil』の原盤を所有しているE.L.Lレーベルのオーナーへ持ちかけたところ、「『Whisper of the Evil』を発売する明確な理由があるのなら、こちらも協力しよう」ということからCD化の許諾を得て、アルバム『NOCTURNE』の制作と平行し、『Whisper of the Evil』のリ・マスタリングも始めていました。ところが、北米ツアーを組んでいたプロモーターが消息を絶ち、ツアーは幻に。必然的に『Whisper of the Evil』のリイシュー盤に関しても、「北米ツアーの話がなくなったのなら、今回の再発の話も一度保留にしてくれ」と言われ、再発の話は一度絶ち消えになったわけなんです。
HIRO:そこから、新たにいろんな人たちの協力を得て、アルバム『NOCTURNE』のリリースと、復活劇に至る露出などを行った。結果、バンドの予想を超えた大きな話題を得たこともあり、先に触れた12月30日の「Crowley Warm Up GIG」の話をいただけた。そこでも、E E.L.レーベルの元オーナーであり、今もElectric Lady Landのオーナーを納得させる成果を導き出したことが、『Whisper of the Evil』の再発や、5月5日に我々のホームグラウンドであるElectric Lady Landで行う「The Evil Returns~CROWLEY復活!!~」へと繋がったわけだからね。
古久根:アルバム『NOCTURNE』に対する世間からのリアクションや、12月30日に名古屋 ell.FITSALLで行った「Crowley Warm Up GIG」を通し会場をソールドアウトさせたのみならず、凄まじい熱狂を生み出したライブを行った成果など、一つ一つ結果を示したからこそ、こうやって求めていた形を現実化していけたり、新しい動きを作ることへ繋がっていった。
—CROWLEYは、5月5日にElectric Lady Landを舞台に「The Evil Returns~CROWLEY復活!!~」を行います。今回も、単発公演になるんですね。
HIRO:そうしました。当初は、東京か大阪どちらかもう1ヶ所をとも考えたけど、先に「Crowley Warm Up GIG」を行ったとはいえ、もともとは単発のライブで復活GIGを行おうと決めていたように、あえて今回は地元の、しかもCROWLEYのホームグラウンドであるElectric Lady Landでの公演のみと決めました。
古久根:CROWLEYは12月30日に「Crowley Warm Up GIG」をやったわけだけど、あの日の会場に来てくれたファンたちの顔を観たら、やっぱし意味のある行動をしっかりしてかなきゃと思ったというか。正直、あんなにもキラキラとした表情で熱狂してくれるファンたちの姿を観たのは、ホント久しぶりだった。何より、バンドが登場した瞬間、地響きのような「ウオォォォォォーーッ!!!!」という歓声を聴いたときには、久しぶりに心が震えたからね。
—今回、5月5日のElectric Lady Landで『Whisper of the Evil Premium Edition』を発売することを告知しました。中身ですが、アルバム『Whisper of the Evil』とシングル『The Scream of Death』、加えて未発表デモ音源『Love Story (1984 demo)』を収録した全10曲入りの形を取りました。
HIRO:アルバム『Whisper of the Evil』とシングル『The Scream of Death』を合わせて全9曲入りでは、どこか中途半端だなと感じたことから、この『Whisper of the Evil Premium Edition』には未発表デモ音源『Love Story (1984 demo)』を持ってきたわけですが…。
『Love Story (1984 demo)』は、とてもレアな音源。なぜ『Love Story (1984 demo)』と記されているかというと、これはヴォーカル岩井の…当時で言うなら、CROWLEYの二代目ヴォーカリストであるショーンのオーディションテープに収録していた音源だからなんです。
HIRO:あの時期は、正直かなり切羽詰まっていた時期。と言うのも、E.L.Lレーベルが制作するオムニバス盤『HARD ROCK VARIATION』へCROWLEYも2曲参加することが決定。その矢先のヴォーカル脱退劇だったことから、急いでヴォーカリストを探し出す必要性があった。にも関わらず、なんであんな面倒な手間を取っていたのか…。
じつは、ショーンのテープオーディションをするとき、彼には何曲か歌入れしてもらったんですね。その中の1曲が『Love Story (1984 demo)』なんです。面白いのが、加入後のショーンの歌い方とは、あきらかに異なっていること。それも当然と言えば当然なんだけど。あのときにショーンへ渡したのが、初代ヴォーカリストの歌が入ったデモトラックと、その歌声を抜いたトラック。つまり、最初にショーンは、初代ヴォーカリストの歌い方を真似てきた。その後、CROWLEYのメンバーとして作り上げた独自の歌い方とニュアンスが異なるのは、そういう理由があってのこと。
古久根:あきらかに、CROWLEYのメンバーとして活動している頃のショーンと、『Love Story (1984 demo)』の歌い方や歌声は異なるからね。
—それを、『Whisper of the Evil Premium Edition』では聞けてしまうわけですね。
HIRO:そう。しかも『Love Story (1984 demo)』を収録した『Whisper of the Evil Premium Edition』は、5月5日のElectric Lady Landで行うライヴ会場のみの販売になります。今、流通盤のための手配環境を整えていますが、そちらには、別の楽曲をボーナストラックとして収録します。
古久根:せっかく繋がりを持って描き始めた新たなCROWLEYの物語のように、その物語を長く途切れさせたくないなと、メンバーみんなが思っていること。『Whisper of the Evil』の流通盤としてのリリースはもちろん。それを形にした後には、『Whisper of the Evil』を手にしてのライヴだって考えているように、けっして早くはないけど、一つ一つの動きを次にしっかりと繋げていくので。
それに、『NOCTURNE』はセルフカバー作品であり、これから形にしてゆく『Whisper of the Evil Premium Edition』はリイシュー作品になる。これら一連の動きが終わったところで、本当の意味での勝負となる新作の制作へ着手しようと思ってる。同時に、なかなか今のCROWLEYのライヴを観れない人たちのためにライヴ影像をどうしようかとも考えてはいることなんだけど…。
HIRO:それと、今はまだ制作中ですが、『Whisper of the Evil』のジャケットは、細かいところで多少デザインが変わるかも知れない。
古久根:何がどう変わったのかも探り当て、見比べてもらうことも楽しんでいただけたら。
HIRO:何処が変わったんだよ…あっ、みたいな。
古久根:もちろん、変えないところは変えないでやっていくつもり。ライブのSEとかもね。
HIRO:最初、「Crowley Warm Up GIG」に合わせSEも新調しようかと思ったけど。とあるファンの方の書き込みに、「ライブが始まるとき、あの「オーメン」のテーマが流れてきた瞬間に、嬉しい緊張感が高まる」と書いてあった。それを読んだときに、「一人でもそう思う人がいるということは、その背景にはもっとたくさん同じ思いを持っている人たちがいるんだろうな」と思い、結局、SEは昔のままにやったんだけど。でも、それこそが本当に正解だった。
◆CD Information
Title : Whisper of the Evil Premium Edition
(DME-003) 価格 : \2800 (税抜)
5月5日名古屋 Electric Lady Landで先行販売。
収録予定曲
(1) The Scream of Death
(2) Stalker
(3) Bad Stone
(4) Night Angel
(5) Pretender
(6) Woman in a Black Cape
(7) Floating Man
(8) Midnight Dream
(9) In Despair
〜Bonus Track〜
(10) Love Story (1984 Demo)
◆LIVE Information
The Evil Returns〜Crowley復活!!! Whisper〜CDリリース記念ライヴ!!!
2018年 5月5日(土)会場 : Electric Lady Land
開場 : 18:00 開演 : 18:30
前売り \4000 当日 : \4500
ローソンチケット CODE : 41538
チケットぴあ : P104-211