演奏

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TEXT:山崎光尚 PHOTO:ヨコマキミヨ

東方Project、略称”東方”という存在、そしてその意味をご存知であろうか?“それは、人気同人STGサークル『上海アリス幻樂団』によって創作されたゲーム、漫画、小説、そこに付随される楽曲などの作品群の総称であり、楽曲に関しては、プロ、アマチュア問わずリスペクトされ、様々なバージョンがアレンジ・カバーされている。

IRON ATTACK!は、IRON-CHINOまいなすいょんによって同人音楽サークルとして始動した、主に東方のメタルアレンジ(これを「東方重金属」と呼ぶ)を手がけているバンドだ。そんな色んな意味で世界随一とも言えるバンドのライブレポートを、今回はお届けしたい!リーダーであり、へヴィ・メタルバンドLIGHTNINGの中心人物でもあるIRON-CHINOを中心として集まった現メンバーと、リーダーとゆかりのあるゲストが入り乱れた、ファンにはたまらない仕掛けが満載であった予測不能なライブを!加えて”東方のアレンジ曲”もすでに自分たちのものとしてしまっているとも言える、彼らの熱き模様をお送りしよう!!
 
◆IRON ATTACK! is:
IRON-CHINO(Guitar)、Bach(Guitar)、龍5150(Bass)、ゆうき(Drums)、勇舞(Vocal)、まいなすいょん(Vocal)、ロバート・ウォーターマン(以下、ロバート:Guest Vocal

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満員御礼・すし詰め状態の渋谷サイクロン。メタラーたちで溢れ返った、会場の空気は凄まじく熱い。プロジェクターには過去のライブ映像や、Bachが散歩する風景が映し出され、節々で笑い声が起こり、会場はほのぼのムード。そんな空気から一転、メンバーがステージ上に登場すると、「ウオー!!」と、メタル魂溢れる雄たけびが観客たちから放たれる。その歓声に答えるかのように「激しくいこうぜ!!」と、勇舞がシャウト。いよいよライブの幕開けだ!
 
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オープニングナンバーは、「Star Dust」。ハイトーンにシャウトする勇舞(Vocal/LIGHTNING)。そしてコードストロークの合間に拳を突き上げ、観客たちを煽るIRON-CHINO。間奏では、もはや”お家芸”とも言っても過言ではないであろうIRON-CHINOBachによるツインリードのハモリが飛び出し、観客たちも「待ってました!」と、さらに拳を振り上げる。続く「Sparking」では、「頭振っていこうぜ!」と勇舞が叫ぶと、観客たちは「オイ!オイ!」と、またまた振り上げる拳と怒号で応戦。この上ない熱気で返す観客たちの姿が、なんだかIRON ATTACK!らしく思えて楽しい!
 
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そしてIRON-CHINOによる「再びIRON ATTACK!の理想を掲げるため、サイクロンよ、俺は帰ってきた!」と、「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」に登場した有名な台詞をパロッたMCが。これには、元ネタを知っているであろう観客たちも大爆笑!さらに「京都、名古屋が暑かったから、渋谷は涼しいなあと思っていたら、この熱気!でも、外はリア充だらけ(笑)!俺たちはそんなリア充を成敗する、Slayerでありたいんだ!!」と、「Slayer」に突入。サビのパートでは、勇舞も観客たちも大絶叫!間髪入れず「Night after night」を炸裂させ、短めのドラムソロをゆうきが披露。ゆうきの姿がはっきりと見え、ファンたちも大きな声援を上げる。立て続けに鬼のようなバスドラムの連打から「Never die」へ。楽器陣の超絶なプレイに呼応するように、恐るべきハイトーンヴォイスを響かせる勇舞。やはり彼らは、一見ふざけているように見えるが、実はただ者ではない!
 
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リーダーからメンバー紹介がされると、やんややんやの大喝采。さらに「もう一人、オリジナルメンバーがいます。まいなすいょん、カモン!!」と、女性シンガーのまいなすいょんが登場!勇舞と入れ替わり、「TRUE EVER ROSE」へ!笑顔で歌う彼女の姿に観客たちは、ほっこり癒やされている感じ。そして、さらにリーダーから「まいなすいょんが個人的にやっている東方サークル・Sister’s Spread-i(以下、しすぷれ)の曲をいくつかやってみたい!」とのコール。しすぷれのナンバー「Wanderin’ Sorrow」がプレイされると、これまた観客たちは大盛り上がり!手を振りながら歌うまいなすいょんのがまた、かわいらしい。さらにしすぷれの「RAINBOW SPREAD!」を叩き付ける!コアなファンたちへの、サービス精神を感じた一幕。再びIRON ATTACK!のナンバーへ。初期の名曲「~AETERNITAS LUDOLOGY~」。ツインギターの美旋律に先導され湧き上がり、そして、少し静かになるパートでは、手の平を広げ高々と掲げ、左右に振りながら呼応する観客たち。心地よい一体感。「ありがとうございました~!」と、キュートにステージを去るまいなすいょん。彼女の登場に、惜しみのない拍手が送られた。
 
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龍5150(Bass)が、上半身裸になり、「オオ!かかってこい!」と、観客たちを煽ると、熱きメタラーたちの熱気はさらに高まる。IRON-CHINOが「カモーン、勇舞!!」と、再び勇舞を召還。さらにたたみかけるように「今日はライブ録音しているので、みんな歌ってくれたらなんかには収録されるかも(笑)!」とリーダー。「Gypsy ways」だ!切ないギターリフから、一気に盛り上がる展開が熱すぎる高速ナンバー。そして恐るべき最速ナンバーである「Previous life, After life」へ雪崩れ込めば、この音速スペシャルコンボの連発に、燃え上がらないメタラーがどこにいるだろう!?
 
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IRON ATTACK!初体験の筆者も思わず熱くなってしまったところで、ここで本編の終了。当然、「アンコール!!」の声はこだまする。大概のアーティストであれば、わずかながらのインターバルを置くところだが、すぐに出てきた楽器陣たち!IRON-CHINOが叫ぶ。「みんなの予想の斜め上をいきます!2009年に(IRON ATTACK!で)「Poltergeist」というアルバムを出したのですが、この男を呼びました!LIGHTNING二代目シンガー、ロバート・ウォーターマン!!」。曲によってのシンガー交代もひとつのエンターテインメントと化し、コールしたIRON ATTACK!の代表曲「Poltergeist」へ。このまさかのサプライズに、ファンたちは狂喜乱舞!!サビのパートでは、「Poltergeist!!!」と、ロバートと共に大合唱!!立て続けにロバート時代のLIGHTNINGの「Thousand Fields 」をサプライズ披露!メロイックサインを掲げまくりながら熱唱し、熱きメタル魂を打ち出すロバート。その雄雄しい巨漢と共に、圧倒的な存在感を見せつけた。
 
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アンコールタイムは終わったが、まだまだメタル魂の放出が足りない観客たち。そんな気持ちを察してか、またもほとんどインターバルなしで彼らは戻ってきた!「出てくるの、はえーだろ?やさしさですよ(笑)。最後です!今日は集まってくれてありがとう!みんなの声が俺たちの歴史を作ります!!」とのIRON-CHINOのMCから最終曲「Rain in vain」へと速攻で突入する。これまた高速ナンバーだが、一分の隙もないプレイをこれでもかと披露!まさにメタル三昧のショータイムは、これにて幕を閉じた。なごり惜しそうにステージを去る面々たち。
 
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◆ 公式サイト:
http://ameblo.jp/ironchino/
◆セットリスト:
M01.Star Dust
M02.Sparking
M03.Slayer
M04.Night after night
M05.Never die
(シンガー交代:勇舞→まいなすいょん
M06.TRUE EVER ROSE
M07.Wanderin’ Sorrow
M08.RAINBOW SPREAD!
M09.~AETERNITAS LUDOLOGY~
(シンガー交代:まいなすいょん→勇舞
M10.Gypsy ways
M11.Previous life, After life
アンコール1
(シンガー登場:ロバート
M12.Poltergeist
M13.Thousand Fields (from LIGHTNING
アンコール2
M14.Rain in vain

カバーあり、オリジナルあり、セルフカバーありのエンターテインメントショーだった。優れた技術に裏打ちされた正統派ヘヴィーメタル・ライブであり、ほっこりとした笑いもある。こんな空間は、そうそう体感できない。
冒頭にも記した”東方”の楽曲を多くメタルアレンジしていることで知られる、IRON ATTACK!。しかし、それ以外の楽曲もバランスよく散りばめ、生粋のファンも、筆者のような初見者にも飽きさせないエンターテインメント空間がそこにはあった。そして、終演後に汗だくになりながらサイン会に応じていたIRON-CHINOBach、ファンたちと握手を交わしていた龍5150。ファンたちも長蛇の列を作りながら、彼らとの交流を楽しみにしている光景に、またまた、ほっこり。そんな、気さくフレンドリーで、恐ろしくも熱いIRON ATTACK!のライブを、BEEAST読者のみなさんに生で味わってほしい!!
 

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『ももてつNMカフェ』 Vol.1
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