「CONNECT NOTE」名義では久々の開催となるHAED PHONES PRESIDENTの主催イベント。出演は他にJURASSIC JADE、VORCHAOS、ANGERSと共演経験の多い所縁のあるバンドである。ライブの合間は、DJ YUGOによる選曲で更に会場の雰囲気を盛り上げる。それぞれ4組ともスタイルの異なるバンドではあるが、魂を込めたぶつかり合いは特別な化学反応を起こしていた。
 
1番手はANGERS。HEAD PHONES PRESIDENTとの共演も多く、samiとANZAのつながりも深い。オルゴールの音色のSEからゴシックメタルの流れを汲む重厚で濃密なサウンドへと続く。samiの耽美的な衣装のスタイルも相まって、ANGERSならではのヘヴィな世界観を築き上げていた。HEAD PHONES PRESIDENTの「I will stay」のカバーも披露され、彼らへのリスペクトも感じさせるライブであった。
 
2番手はHEAD PHONES PRESIDENTとの共演機会も多く、台湾でも共演経験のあるVORCHAOS。ベテランバンドが後に2つも控えている状況であったが、そんなことはお構いなしとばかりにアグレッシヴなステージを展開した。彼らのサウンドは、淳の情熱的なヴォーカルを中心に据えたメロディアスでソングオリエンテッドなものであるが、楽器隊の演奏はヘヴィで熱くタイトそのもの。静と動の対比が見事な「Unchanged the world」から「碧 限りなく…」の流れは、彼らの演奏力の高さと楽曲の素晴らしさでVORCHAOSの魅力が見事に表現されていた。そして、最後は「We are VORCHAOS!」の掛け声と共にライブを締め括った。
 
3番手はJURASSIC JADE。長年バンドを率いたギターのNOBがJURASSIC JADEを2024年春頃に勇退するとのことで、現ラインナップでの残り少ないライブのひとつとなった。ただし、感傷的な空気はなく、いつも通りのアグレッシヴなライブが展開された。オープニングの「A Small World」から「Rain In Black」までの4曲は、新譜の『Nyx filia』の曲順通りでが続く。HIZUMIは所狭しと舞い、叫ぶ。NOBのギターの鋭利なリフとリズムは、間違いなくJURASSIC JADEのサウンドの核となっている。ライブの全10曲中6曲が新譜の『Nyx filia』からの曲であったが、アグレッシヴでタイトなサウンドはまさしくJURASSIC JADEそのもので、ラストの大曲「No Cherry Blossom」は圧巻の迫力があった。しかしながら、ライブではお馴染みのHIZUMIとNOBのほっこりする掛け合いがもう見られなくなるかと思うと寂しい限りである。

ラストを飾るのはHEAD PHONES PRESIDENT。他のバンドの熱のこもった演奏に触発されてか、ANZAの動きがいつにも増して激しく、熱いパフォーマンスだった。オープニングとラストが新曲という彼ららしい攻めたセットリストが興味深い。その他は比較的最近の曲でまとめられた選曲であるが、メロディアスな曲からヘヴィでアグレッシヴ曲までバラエティに富んだ構成だった。彼らもまた静と動の対比の表現が卓越したバンドである。ミディアムテンポの「Miss You」からアグレッシブな「Alive」でギアチェンジし、一気に「Just A Human」へと畳み掛ける流れや激しい「New World」からインターバルを挟んでの美しいメロディが非常に印象的な「For you」へと繋がる流れは特に秀逸だった。MCではANZAは共演のバンド、DJ YUGO、そして観客への感謝の言葉を述べ、ラストの2曲アグレッシブな「The One To Break」、シンセサウンドが印象的なミディアムテンポの新曲「Burn it all down」と畳み掛け、イベントは幕を閉じた。