REPORT丨2015.10.03
DESTROSE ONE-MAN LIVE 2015 -Persistence of Rose-
ガールズメタルバンドの中では、おそらく本誌最多の登場を果たしたDESTROSE。読者にはお馴染みのバンドだろう。そのDESTROSEが無期限の活動停止を発表し、目黒で開催されるワンマンを一つの区切りとし、ガールズロックシーンから離れることになった。HARD ROCK/HEAVY METALが好きで、ライブハウスによく通っている人なら、DESTROSEのステージを観た経験があるのではないだろうか。
ガールズロックの祭典、『WOMEN’S POWER』の常連バンドとして、また単独でも精力的な活動を続け、ガールズメタルシーンを牽引してきたバンドだ。本誌でも、数々のライブレポートだけでなく、特集「BEEAST太鼓判シリーズ第13弾アーティストDESTROSE」でのインタビューなど、強くプッシュをしてきた経緯がある。DESTROSEの方向性は結成当時からブレておらず、ツインリードギターをウリにした、メロディのあるHEAVY METALを奏でていた。
BEEASTは創刊から7年を迎え、紆余曲折しながら今に至るが、私がDESTROSEと出会ったのは、実はBEEATを創刊するより前のことだ。バンド仲間が出るライブを観に行った時、対バンとして登場したのがDESTROSEだった。まだ少し幼く見える女性たちが、頭を振りながらHEAVY METALを全身で表現していた。耳によく残るツインリードギターのフレーズが印象的で、DESTROSEの名前が私の中に残ることになった。
DESTROSEは度重なるメンバーチェンジにより、まさに波乱万丈のバンド活動を続けてきた。私の知る限り、ガールズメタルバンドで最多のメンバーチェンジではないかと思う。そして現在のDESTROSEには、オリジナルメンバーは一人も在籍していない。歴代のメンバーがDESTROSEのマインドを継承して、昇華させてきた特殊なバンドだ。公になっているかどうかは別にして、元DESTROSEのメンバーだったアーティストの中には、今のガールズロックシーンで活躍している人もちらほら見かける。
◆DESTROSE:
成美(Guiitar)、miho(Bass)、RISA☆RISA(Drums)、IBUKI(Support Vocals)、MIKI(Support Guitar)
DESTROSE キーホルダー(1名様)

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すっかり定番となったmihoのMCへ。DESTROSEのリーダーになってからのmihoは、間違いなくアーティストとして一皮むけたと思う。おとなしく見えた加入当初に比べて、“私が引っ張っていく!”という気迫を、近年のステージからいつも感じていた。今夜は今まで以上にそれを感じる。続いて「Winds of Fall」。現メンバーでは、最後に加入したRISA☆RISAの2バスドラムが炸裂!その実力はこれからまさに華が咲くところ!DESTROSEのドラマーとしてのプライドが、スティックの先からほとばしっているかのようだ。間髪入れず「Destination」へ。IBUKIとmihoのハーモニーもキマッている。
メンバー紹介から「Skykiller」。mihoのハーモニーパートを、野太い声のオーディエンスが大きく歌う。続けて「Hearts Grave」へ。ツインリードギターのハーモニーの上で、IBUKIの声が、会場に響き渡る。サポートボーカルという枠を超えて、ファンの心をつかんでいるのがよくわかる。続く「Lifer 13」ではmihoのグルーブするベースラインがよく聴こえる。エンディングのシンガロングもバッチリだ。そしてmihoの3回目のMCへ。DESTROSEのナンバーは、どれも体力を激しく消耗するタイプが多いが、彼女たちは息切れもせず、本当に凄い。休憩をとるほどに喋らず、すぐに「Brave hearted」へ。これは個人的に一番好きなナンバーで、ボーカルメロディにからめるmihoのハーモニーと、細かいツインリードギターがたまらない!
4回目のmihoのMCへ。少し長めに話し、他のメンバーにもマイクを取らせて、声を会場へ届けている。気配りの仕方に、リーダーらしさを感じる。曲は、モダンでメロディアスな「悠遠」へ。安定したリズム隊の上で、成美とMIKIが美しいメロディのハーモニーを奏でる。間髪入れず「Eutopia」。すでに1時間半近くも盛り上がっているオーディエンスの腕の力強さが、まったく衰えない!天井をつきぬけるかのようなパワーで、バンドへの愛情を伝える!メンバーもその様子を見て、どこか満足げな顔をしている。当たり前だが、彼女たちはこのライブで活動を停止するのだから、全身全霊をぶつけてステージをしている!本気の魂が、会場の空気を極限まで熱くする!
M01. Prologue
M02. Rewrite the Curse
M03. Winds of Fall
M04. Destination
M05. Fenixx
M06. Skykiller
M07. Hearts Grave
M08. Lifer 13
M09. Brave hearted
M10. Romancer
M11. Beautiful Dreamer
M12. Fade Out
M13. 悠遠
M14. Eutopia
M15. Headless Goddess
– encore –
M16. 破壊の薔薇
そしてアンコールは「破壊の薔薇」!イントロでパイロ爆裂!それを合図にするかのように、オーディエンスは全身を激しく揺さぶる。エンディングではスネアドラムに深いリバーブがかけられ、RISA☆RISAがタメにタメてフィニッシュ!すごいライブだ。これだけの実力を持ち、高いクオリティの楽曲を備えたガールズメタルバンドは数少ない。DESTROSEの歴史はいったんフリーズとなるが、いつの日か再始動することを願いたい。記念撮影のため、メンバーがステージ前方に集まり、オーディエンスと空間をメモリーする。DESTROSEの歩んできた道は、けして楽ではなかった。しかしDESTROSEのファンは、いつも愛を持ってバンドに接してきたのではないだろうか。その愛があったからこそ、DESTROSEは形を変えながら、マインドを継承できたのだと思う。DESTROSEの想い出を大切に、今後のメンバーの活動を見守りたい。