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![]() 【NEWS】欅坂46、5年間の活動に幕。櫻坂46として新たな坂を上る2020年10月14日
TEXT:矢沢隆則
![]() 欅坂46が5年間の活動に幕を下ろし、2020年10月12日(月)、13日(火)の2日間、このグループ名で最後のライブを行った。配信で行われたそのライブのタイトルは「THE LAST LIVE」。今回は最終日の模様を中心にレポートする。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 定刻を少し過ぎた18時15分、デビュー曲「サイレントマジョリティー」のインストゥルメンタルとともにスライドショーが展開しはじめた。最初の一枚はいつかのライブ写真。緑のサイリウムで埋め尽くされたホール全景から熱気が伝わってくる。まるでアルバムをめくるかのように展開していくスライドショーは、一期生を中心としたライブパフォーマンス、MVのオフショット、バックステージの様子など、いずれもメンバーの笑顔が溢れる写真で構成されていた。そこに二期生、新二期生の初々しい姿が加わり、現在へと近づいていく。15分に渡ったスライドショー、最後を締めくくったのは9月21日、新グループ名が発表された瞬間。「欅坂46を超えろ」の文字がかたく握られた拳とともに渋谷のスクランブル交差点4面連動の大型ビジョンに映し出された時のものだ。そして、その一枚で今の彼女たちに繋がった。 18時35分、逆光の中、開け放たれたゲートからアリーナ上に標された一筋の光の道をメンバーが縦二列になり行進していく。その先にあるのはメインステージ。全員がステージ上で横一列に並ぶと同時にライブの登場曲「OVERTURE」が流れ始めた。シルエット状態のメンバーの後ろでは、大型スクリーンに全員の顔写真と名前が映し出された。ライブ前のもっとも高揚感が上がる瞬間。画面の前で大勢のファンが声援を送っている様子が容易に想像できる。その高揚感をいきなりマックスに上げる楽曲でライブがスタートした。「危なっかしい計画」。ライブの盛り上がりに欠かせないこの楽曲を1曲目に持ってきたことで、最後を明るく締めくくりたい、そんな意図が伺えた。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 冠番組でラフな煽り文句が取り上げられた小林由依が「ラストー!ぶちあがれー!」と冒頭から声を枯らしてのシャウト。イントロのギターのリフに合わせてメンバーが「オイ!オイ!」とスクラムを組んでヘッドバンギング。サビのタオル回しが定番となっているこの曲はライブのために作られたようなもの。歌い出しと同時にメンバー全員から笑顔がこぼれた。しかし、そんな中、ひとりだけ目を潤ませるメンバーがいた。佐藤詩織だ。先日、公式HPで卒業発表をし、ライブ前日の冠番組内で最後の挨拶をした彼女にとっては、このメンバーと歌う最後のステージになる。もともと美大に通っていた彼女は二科展でもたびたび入選。そちらの道へ進むべく、改名のタイミングで卒業することを決意したのだ。 2曲目は「手を繋いで帰ろうか」。キャプテン菅井友香が「ラストライブ2日目、まだまだ楽しんでいきましょー!」と満面の笑顔で煽る。この楽曲はデビュー曲「サイレントマジョリティー」のカップリング曲で菅井友香と副キャプテンの守屋茜を中心に展開していく。この楽曲がファンイベント以外で披露されたのは2016年の「ガールズアワード」以来。当時二人にはまだ役職がなかったことからも時の流れを感じずにはいられない。今はグループのまとめ役としての顔を持つが、この日は新二期生を巻き込んだ可愛らしいパフォーマンスで、デビュー当時を思い出させた。 3曲目は3枚目シングルの表題曲「二人セゾン」。ここでセンターを務める小池美波にスポットが当たる。実は初日から一期生を中心に、メンバー個人にスポットが当たるブロックがあった。ステージに立つメンバーの後ろにデビュー当時の初々しい姿や、これまでの成長過程をまとめた映像が流れるのだが、表情は様々。毅然とした表情で前を見据える者、照れ笑いを浮かべる者、大粒の涙を流す者。小池美波は自身の映像が流れる中、微笑を浮かべながらも意思を持った目でステージ上からアリーナへと歩みを進めた。その先にあったのは長身の土生瑞穂を中心にメンバー全員が折り重なるようにして作られた欅の木。通称、土生タワーと呼ばれるその元に着くと同時に「二人セゾン」が始まった。 先日まで公開されていた欅坂46のドキュメンタリー映画『僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46』の中で「二人セゾン」のセンター代行を任された際、あまりの重責にうずくまって泣きじゃくっていた彼女。今の表情からそんなことがあったなどと微塵も感じられない。バレエ経験者をフロントに配したこの楽曲を佐藤詩織、原田葵らとしなやかに歌い上げた。 4曲目のイントロが流れ始めるとキャプテン菅井友香が「いつも見守ってくださってありがとうございます。次の曲はひらがなけやきメンバーと一緒に歌い始めた曲です。二期生、新二期生も加えてみんなで届けたいと思います。聞いてください。『太陽は見上げる人を選ばない』」と曲紹介。2019年の東京ドーム公演の本編最後を飾ったこの曲は淡々としたメロディーの中に前向な意志の強さを感じさせる。欅坂46を語る上で欠かせない一曲である。 ここで原田葵にスポットがあたる。デビュー当時は童顔であるがゆえ、いじられキャラだった彼女。途中、進学のため活動を休んでいたが、昨年の『欅共和国』で復活。大人っぽく変貌した現在は賢いキャラとしてクイズ番組でも活躍している。 5曲目は「制服と太陽」。進路相談をモチーフにしたこの楽曲の中にメンバー全員が自分のスカートの裾を掴んで振る場面がある。その振り入れの際、「自分が青春を楽しんだ分だけ振っていい」という指示があったそうだ。背景のスクリーンにデビュー当時の懐かしい写真が映し出される中、メンバー全員が思いっきりスカートの裾を振ってみせた。 6曲目はセカンドシングルの表題曲「世界には愛しかない」。センターを務めるのは副キャプテンの守屋茜だ。ポエトリーリーディングが印象的なこの楽曲では守屋茜、土生瑞穂、小林由依の順で歌詞を繋いでいく。二番に入ると二期生の松田里奈、そしてキャプテンの菅井友香へと繋がれた。 ここで尾関梨香にスポットが当たる。デビュー当時のあどけない自分の映像が流れると思わず苦笑いを浮かべた彼女。冠番組で早い段階で頭角を現すと、それ以降、バラエティ番組でなくてはならない存在になった。テレビを見る限りいじられキャラのようだが、実はメンバーからの人望も厚く、後輩からも慕われている。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ここから初披露の曲が続く。7曲目は「コンセントレーション」。尾関梨香、小池美波、齋藤冬優花、二期生の松平璃子、山﨑天によるユニット曲だ。8曲目は菅井友香、守屋茜、渡邉理佐、二期生の田村保乃、松田里奈によるユニット曲「Deadline」。その曲が終わると二期生にスポットが当たる。流れた映像は二期生が欅坂46に配属され、初めて一期生と対面した時の様子。声を震わせながら自己紹介をするメンバー、思わず泣き出すメンバー、そんな懐かしい映像が流れる中、アリーナ中央に二期生9人が集まった。背中合わせに円を作り曲に備えると、誰からともなしに手を繋ぎだした。その瞬間、メンバー全員から涙が溢れ出す。その涙を堪えながらステージに上がる。一期生と合流して歌う曲は「10月のプールに飛び込んだ」。CMソングとして耳馴染みのある曲だ。水柱の演出が楽曲の世界観を後押しした。 10曲目はキャプテン菅井友香をセンターに据えた「砂塵」。これもまたCMソングとして起用された曲だ。まるで砂塵をまき散らすかのように、アリーナ全体に敷かれたドライアイスの中でパフォーマンスを繰り広げた。11曲目は「風に吹かれても」。センターの小林由依が木の葉をフッと吹くのを合図に全員が笑顔で歌い始める。デビュー当時、笑わないアイドルとしてメディアに取り上げられることも多かった欅坂46。5枚目シングルのこの曲で初めて笑顔でパフォーマンスをしたと話題になったことも懐かしい。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 12曲目は7枚目シングルの表題曲「アンビバレント」。一時期、歌番組などでメンバーが代わる代わるセンターを務めていたこの楽曲。この日は改名することを発表した配信ライブの時同様に小池美波が務めた。13曲目は6枚目シングルの表題曲「ガラスを割れ」。激しいパフォーマンスが多い欅坂46の楽曲だが、中でもこの曲はトップクラスだ。この日はダンサーを交えていつも以上に激しいパフォーマンス。歌い終わるとメンバーの域も絶え絶え。終わりが近づいてきた。 ここで副キャプテンの守屋茜の映像が流れる。オーディションに受かって間もない頃のコメントや、副キャプテンに任命された時の様子など。それらの映像を背にメインステージ上段に彼女が姿を現した。ステージ下段では全員が横並びに手を繋いで待っている。階段を下り守屋茜がその列に加わったと同時に始まったのは欅坂46ラストシングル「誰がその鐘を鳴らすのか?」。彼女たちの楽曲はその時々のグループの状態を表したものがとても多い。この楽曲のキーワードは「平等」。それを体現するかのように、この曲に関してはあえてセンターを置いていない。メンバーが順番に別れを告げるかのように代わる代わる主役になって行った。 ライブもいよいよ佳境だ。最後にスポットがあったのはキャプテン菅井友香。先日の改名することを発表した配信ライブでは、最後まで毅然とした表情を浮かべていた彼女だが、ステージ中央に一人で立っている段階ですでに大粒の涙が頬を伝っていた。その肩をメンバーが全員さすっていく。さらに溢れる涙。しかし、気丈に話し始める。(以下:挨拶全文) 「ここまで2日間に渡って行ってきました欅坂46『THE LAST LIVE』。ここまで見てくださった皆様ありがとうございます。なんか凄く感極まってしまったんですけど、改めていま欅坂で良かったなって思っています。この5年間でいつの間にか当たり前の存在になっていて、人生の一部となっていた欅坂46とついにお別れすることになるんだなって思ってます。永遠ってないのかなって改めて思って、でも、だからこそ欅坂がかけがえのない存在だったか、このチームの皆さん、応援してくださる皆さん、そしてメンバーの皆がどれだけ大切だったか改めて感じています。本当にここまで活動できたのは、どんな時も味方でいてくださって、応援してくださる皆さまがいてくださったからだと思っています。本当にいま感謝の気持ちでいっぱいです。思い返すと皆それぞれ人生を変えたいなと思ってオーディションを受けた娘が特に欅坂では多いのかなって思っています。先輩とかいろんな方のお陰で応援してくださる方も増えてきて、でもそんな中で自分たち、まだまだ越えなければいけないなとか、普通のグループじゃないのかなということをどんどん気づき始めて、それに悩んだりとか苦しい時期とかたくさんあったんですけど、でも、どんな時も支えてくれる皆さんや、メンバーがいたから乗り越えて来られたのかなと思っています。何より欅坂の素敵な楽曲とか、歌詞にいろんなことを教えてもらったなって思っています。私たちだからこそ、できる世界があるのかなって、だんだんとそんな欅坂のことを誇りに思うようになって、どんなに醜くても苦しくても自分たちらしくいていいんだって、教えてくれたのはこの欅坂でした。どんな時も支えてくださって本当にありがとうございます。皆さんとの思い出を決して忘れません。だから皆さんも欅坂がなくなっても、皆さんの心の中で欅坂の楽曲とか私たちがたくさん作ってきた作品を心の中で生かし続けてくれたら嬉しいです。どんな時もキラキラの緑のペンライトで道を作ってくださりありがとうございます。そして欅坂に出会ってくださって、応援してくださって、本当にありがとうございました!次の曲で本当にラストになります。5年間、支えてくださった皆さん、応援してくださったすべての皆さんに感謝の気持ちを込めて精いっぱい届けたいと思います。私たち欅坂46はこの曲で幕を閉じます。2016年4月6日、この曲で坂を上り始めました。聞いてください。『サイレントマジョリティー』」。 そう言い終えると、小林由依をセンターに、デビュー曲であり、ラストライブの一曲目でも披露した「サイレントマジョリティー」を全力でパフォーマンス。歌い終えるとメンバー全員がアリーナへ移動し、カメラに向かって横一列に並んだ。時おりマイクから息切れや泣きじゃくる声が洩れる。「欅坂46が大好きです。皆さんとのこの5年間はずっとずっと宝物です。本当にありがとうございました」。そしてメンバー全員で「以上、欅坂46でした!ありがとうございました!!」と声を揃え、いつも通りのライブの締めで幕を閉じた。 そのあとプロジェクションマッピングでスタッフの名前が流れる中、ずっと頭を上げ続けるメンバーたち。やがて暗転し、この日のライブが全て終了したと思ったその時。欅坂46から櫻坂46への改名発表された時のVTRが流れ始めた。まさか、この日に…そのまさかが起こった。
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 逆光に照らされたゲートから現れたのは櫻坂46のイメージカラーである純白の衣装に身を包んだメンバーたち。その中央にいたのはなんと二期生の森田ひかるだ。歌い始めた楽曲は櫻坂46としてファーストシングルとなる「Nobody’s fault」。 櫻坂46がこの場でお披露目になることは事前に知らされていなかったため、驚いたファンもきっと多かっただろう。しかも、センターがこれまでの一期生センター経験者ではなく、二期生の森田ひかるというところが再出発にふさわしい。新たな布陣で新しい坂を上り始めた彼女たち。櫻坂46として今度はどんなドラマを見せてくれるのか!?期待しかない。 ![]() ![]() ![]() Photo:上山陽介 ◆10月12日「欅坂46 LAST LIVE」セットリスト ◆10月13日「欅坂46 LAST LIVE」セットリスト ◆リリース情報 櫻坂46 1stシングル「Nobody’s fault」 【BEEAST関連記事】 ◆欅坂46 公式サイト ◆櫻坂46 公式サイト※10月14日(水)0:00開設
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