80~90年代に世界に猛威を振るったアメリカのL.A.メタルブーム。その華麗でワイルドなスタイルと、ハード&グルーヴィーなサウンドが多くのファンを獲得し、一大ムーブメントとなったが、最近多種多様なスタイルが分刻みに現れては蔓延し、混沌としたロック界で、かつて世界を制覇した勢いは陰りを見せつつある。しかし、”パーティー” ”ロックンロール”というキーワードを武器に、人の”心地よい”部分を表現するそのスタイルは、陰りではなく一つのライフスタイルとしてその位置を確立してしまったのかもしれない。近年、ヘヴィ・メタルがその勢力を復活させているのがその根拠となりえるだろう。
そんな良き時代の精神を頑なに守り続ける日本のロックバンド、THE LEX。そして彼らをフォローする凄腕の3バンドが集合し、この日彼等の1st デビューアルバム発売記念を祝うパーティライブイベントが開かれた。その”楽しき”宴の一部始終をレポートしよう。
映画「ターミネーター」のテーマSEより最初に登場したのは、QUIET ROSE。メンバーはMASAKI(Vocal)、chihiro(Guitar)、u-suke(Drums)。オリジナルメンバーのベースが未確定{THE LEXの#2(Bass)がサポート}というハンデをものともせず、ワクワクする一時を演出してくれた。派手なルックスや、キャッチーさを追及したメロディには、L.A.メタルのような華麗さもあるが、そのメロディには伝統的なジャパニーズ・メタルの創世記でよく耳にした隠し味を感じたのは、chihiroの操るフライングVが輝くのを見たからだろうか? 何処までも響いていくギターリフの上を、MASAKIの歌がセクシーに踊る。グルーヴィーなu-sukeと#2のリズムも、聞きごたえがある。
「明けましてぇ~!!Rock’n Roll!!」ハイトーンで艶やかな声を持ち味とした、そのMASAKIの一言に合わせ、ガツンと響くサウンド。フロアの熱が上気していく感覚を覚える。時にワイルド&セクシーに、時にハードに聴かせるQUIET ROSE。往年のL.A.っぽさを醸し出しながらも、単なる懐メロで終わらないのは、”今を生きる”彼らが歌っているからだ。その熱さが、これからも続く数々の”Party”で更に熱いものになっていくことを、願ってやまない。
http://id33.fm-p.jp/355/quietrose666/
◆セットリスト
M01. GET YOUR GUN
M02. DANCE WITH THE DEVIL
M03. HEARTBREAK
M04. THROUGH THE NIGHT
M05. LUCKY 13
M06. ROCK IT UP
◆インフォメーション
2011/03/05(土)【新 宿】ANTIKNOCK
続いて登場したのは、紅月(アカツキ) 。メンバーはSHOHEI(Vocal & Guitar)、SHOW(Guitar)、Rikiya(Bass)、礼(Drums)。この日登場したバンドの中では他と異なる、唯一クール&ドラマチックな雰囲気を身上としているのは、「MOON」、「煉獄」という曲名だけでも伝わってくる。彼等のサウンドは、一つの面白いアクセントをつけてくれた。L’Arc-en-Cielのhydeを彷彿させるSHOHEIの、ちょっとカリスマ的な雰囲気と低域を中心とした情熱的なヴォイスに、魅了される女性も、フロアには多くいたのではないだろうか? 揺るがないビート感と、切れ味のあるギターのカッティングに、フロアの観衆も、自然に体を動かされる。
「まだまだ!もっといけるだろ!?」SHOHEIのあおりに応じて、多くの少女達がステージの彼らに釘付けになる。激しさを増すビートのなかで、ありったけの思いを込めた詞がメロディに囲まれ、飛び出してくる。そのサウンドが、他のバンドと異なっている事など関係なく、その魅力を存分に見せてくれる。インダストリアルな激しさを取り入れた曲や、日本的なメロディを曲に込めた「和田純愛歌」等、曲作りに見られるその多様性にも、まだまだバンドのこれからの伸びしろを感じ、クール&シリアスな彼らの世界観を、更に豊かにしていくことを期待したい。
http://www.myspace.com/akatsuki.z
◆セットリスト
M01. MOON
M02. VaniShing Blood
M03. 煉獄
M04. Venus
M05. Call for love
M06. 平和主義者
M07. Duvel
M08. 和田純愛歌
そして、「星条旗よ永遠なれ」のSEにのせて、LA★69 の登場だ。メンバーは★MARK★(Vocal)、JACK(Guitar
、KAZUKI(Bass)、Capirain★Iyecchi(Drums)の4人。その名に違わず、L.A.メタルの正統的なサウンドを追求したパーティーソングと、目一杯の楽しさを詰め込んだ華麗なパフォーマンスでオーディエンスを魅了する。「We are LA★69!!」そう★MARK★が叫ぶ度にフロアからは大きな歓声が上がり、ステージとフロアの一体感が強くなる。決して本人達だけが楽しいライブをしているのではない、見ているものをステージに引き込み、魅了される様を見る。それが彼ら自身のパーティーを楽しんでいる秘訣のようにも見える。こんなにも「R&R with I love you」なんて曲が似合うバンドが、今日本にあるだろうか?
JACKがユニオンジャックが表面に施されたギターをかき鳴らすと、それだけでそこに彼等の空間が生まれる。その上で★MARK★は、そのパーティーを心から楽しんでいるような笑顔を見せ、そしてそのセクシーでワイルドなパフォーマンスをフロアと楽しさを共有するように演じる。そこに理屈など存在せず、彼らはカッコいい、そう思える魅力を持っている。Motrey Crueの「Kickstart My Heart」を思わせる「Baby The Lucky Star」で目一杯観衆をあおり、フロアを熱狂させるカリスマ的な姿は、Vince Neilを彷彿。BAD BOYSの勲章を旨に、その名に恥じない、L.A.の派手さを自分達のスタイルとして吸収した、正しく”音を楽しむ”音楽を奏でる彼ら。いつか新宿を”L.A.”にする日も来るのではないだろうか?その時が来ることを心待ちにしたい。
http://la-69.com/
◆セットリスト
M01. R&R with I love you
M02. ★New Breed Bad Boy★
M03. Rock & Dive
M04. Baby The Lucky Star
M05. Generation Rock Star
M06. Sunshine Girl Friend
M07. Julia
◆インフォメーション
2011年02月20日(日)【心斎橋】Culb ALIVE
2011年02月26日(土)【新 宿】Wild Side TOKYO
2011年03月25日(金)【新 宿】Wild Side TOKYO
そして、この日のトリを務めたTHE LEX。メンバーはHIDEKI(Vocal & Guitar)、KEIRRY BLOOD(Guitar & Chorus)、#2(Bass & Chorus)、Tatsuya(Drums)。この日の主賓でもあり、アルバムリリースという一大イベントに、バンドの息も相当高まっていることを感じるハイテンションなステージだった。ひたすら歌い続け、ギターをかき鳴らすHIDEKI。KEIRRY BLOODの、ハイテクニックなフレージングと、フロアに色気を振り撒く余裕のパフォーマンス。そしてグルーヴィーなビートでサウンドを支える#2、Tatsuya。その彼らの一挙一動が、この日の、このイベントの雰囲気をそのまま表しているようにも見えた。
登場からいきなり激しいバスドラの連打。興奮が最高潮に達する。観客を笛であおるHIDEKI。Jon Bon Joviのような甘い声に、たくさんの女性がノックアウトされていた。KEIRRY BLOODが繰り出すギターのオブリガードは、Edward Van Halen以降に流行した、ハーモニクス&アームダウンの定番フレーズ。これがまた観衆を一層興奮させる。一曲を終え、HIDEKIが叫ぶ。「Happy New Year!LEXです!!」
大きな歓声がいくつもフロアからステージに向けてぶちまけられる。200人も入れば満員のこのライブハウスでは、既に入り口通路まで人だかりが出来、その全てが彼等の歌に酔いしれていた。カウベルを入れたTatsuyaのグルーヴィーなビートに、小さなベースを飼い慣らすかの様にカッコいいアクションが立て続けに決まる#2。押しばかりのキラーなナンバーだけではなく、「Thing」のようなバラードを美しく、丁寧に決める技量もある。テクニックだけではなく、歌心で人の気持ちすら掴もうとする気持ちも強い。全般に実直な8ビートの連続が、フロアから聴いているとやけに気持ちがいい。このスタイルで、今後スターダムにのし上がっていく最有力候補の一人といえるだろう。いや、是非それが実現するまで、走り続けて欲しいと切に願う。
http://a-babe.plala.jp/~lex/
◆セットリスト
M01. No War
M02. It’s start losing sight
M03. Oh! right
M04. Destroy
M05. Burning Flash
M06. Thing
M07. Blue Sky
M08. Y.F
M09. Dance(encore)
M10. Let Me Go(encore)
◆インフォメーション
2011年02月26日(土)【新 宿】Wild Side TOKYO
その衰勢から、過去の遺物とまで扱われながら近年、当時活躍したバンドマン達の再隆起が活発化している。大人になった彼らのサウンドはちょっとシブく、当時を懐かしむ人たちには”違うサウンド”と捉えられるかもしれない。が、この日現れた4つのグループは、往年のグループが大活躍した年齢に合致する。そのサウンドを一番勢いよく、楽しく、そしてセクシー&クレイジーにパーティーを盛り上げられる、その素養を彼らは強く現すことができるのだ。
「Party Rockは不滅なり」眉間に皺を寄せて不機嫌な顔しかさせない日常に、彼らは中指を立て、叫ぶ。”Fxxk You! ”人を解放に導き、そこでしか楽しめない空間を作る彼らに、素晴らしい未来が待ち構えていることを願わずにはいられない。
1. LET ME GO
2. IT’S START LOSING SIGHT
3. NO WAR
4. BLUE SKY
5. DESTROY
6. THING
7. SECRET WOMAN
8. BURNING FRASH
9. Y.F
10. HOW CAN I LOSING
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