チケット発売後、即完売となったアウトレイジの“RISE”ツアー初日。2010年1月30日、渋谷BOXXの公演へ足を運んだ。相変わらずの渋谷の雑踏を抜け、公園通りを音楽の聖地“渋谷区役所前”へ。この交差点は、日本のロックシーンに無くてはならない場所だ。国立代々木競技場・NHKホール・CC Lemonホール・eggmanといった老舗ライヴ会場は、常に伝説を作ってきた。最近では、AXやBOXXといった新しい会場でも伝説が生まれている。これだけのライヴ会場が一箇所に集まっている場所は、日本中探しても“渋谷区役所前”界隈だけだ。
私がこの聖地に来る時は、なぜか仕事の打ち合わせと重なることが多い。すぐそばに東武ホテルがあるので、そこの1Fを打ち合わせの場所に指名する。もちろん仕事を終えたらそのままライヴ会場へ直行したいからだ。私が物書きを始めて約30年、その間に数え切れぬほど、同じパターンを繰り返してきた。打ち合わせが上の空になってしまうことはあまり無いのだが、「話し聞いてます?桜坂さん?」と何度も言われる始末。何とか話しを終えて、少し早めにBOXXへ移動すると、そこにはどこからどう見てもアウトレイジファン!という姿のオーディエンスがすでに整理券順に並んでいた。
アウトレイジといえばTシャツ!と即答してしまうほど、この組み合わせは最高だ。しばらく会場の外から物販コーナーやオーディエンスを見ていたが、コインロッカーに次から次へとジャケットがぶち込まれて、多くの人はTシャツ1枚に。真冬の夕方にもかかわらず、これぞ“漢”と書いてオトコな心意気。開場までの間、震えながらテンションを上げている様子が伝わってくる。頭の中はすでに爆音が鳴っているはずだ。ところどころに女性の姿も。冷え性は女性のデフォルトなので、つい心配をしてしまうが、アウトレイジが好きな女性は、それだけパワフルなのだろう。
いよいよ開場。ゴキゲンなメタルナンバーが会場に流れる中、最前列をゲットすべく走る人もいれば、早い整理番号なのに私が居る一番後ろの関係者席界隈に陣取る人もいる。ファンはすでに自分の楽しみ方を知るアウトレイジリピーターであることが一目でわかる。会場は次第に鮨詰めとなり、満員電車並みの混雑だ。まさにソールドアウト。見渡す限り、隙間無くオーディエンス。Led Zeppelin「Immigrant Song」のSEでついに時が来た。橋本直樹(Vocal)・阿部洋介(Guitar)、安井義博(Bass)、丹下眞也(Drums)がステージに登場。新譜『OUTRAGE』から「Rise」でスタート!いきなりのシンガロング(※サビ等をアーティストと共に歌う行為)で、会場中が「ダイ!ハード!」。
立て続けに新譜から「You Care? I Don’t Care」、新譜とはいえヘヴィローテーションで聞き込んでいるだろうオーディエンスの反応は絶好調だ。そして3rdアルバム『THE GREAT BLUE』の「Just Believe In Me」と、ミニEP『Outrage』から「Death Trap」。その後は、4thアルバム『THE FINAL DAY』の「Visions」と「Veiled Sky」。再び新譜から「Until You Are Dead」と「Reign」。凄い。ここまでで、すでに感動的なライヴだ!照明もホワイトを基本にしたプレーンな色で、黒いステージとのコントラストが美しい。派手な照明効果が無くても、素晴らしいビジュアル効果。アウトレイジに良く似合っている。
中盤にさしかかると、1stアルバム『BLACK CLOUDS』の「Under Control Of Law」と「Black Clouds」、そして4thの絶品バラード「River」から「Madness」へ!このゾクゾク感がたまらない!続いて6thアルバム『LIFE UNTIL DEAF』より、「Undertow」「Echo」「Live Until You Die」と三連チャン!会場の一部はオーディエンスの洪水が起きている!それにしても橋本直樹の歌のパワーは本当に凄い。まったく衰えないまま、ライヴは後半戦へ。2ndアルバム『BLIND TO REALITIY』の「Blind To Reality」、3rdから「The Day Of Rage」で、ラストナンバーは4thの「Fangs」だ!
あっという間にアンコールがかかり、6thから「Megalomania」と「You Suck」!会場が揺れるほどヒートアップ!そのまま新譜の「Terrorizer」へ。ヘッドバンギングしていると、本当に一瞬の出来事のように、アンコールが終わってしまう。鳴り止まぬオーディエンスの声に、2回目のアンコール。聞こえてきたのはあのオープニング!そう4thの超名曲「My Final Day」!この日一番のシンガロング!振り上げられた拳の数がやけに多くなったと思ったら、両手を挙げているオーディエンスが多数!そのままミニアルバムの「Step On It」へと繋がり、公演終了。
ゆっくりと会場を後にするオーディエンスは、喉がガラガラで汗だくの状態だ。今日のセットリストは実に素晴らしかった。新旧織り交ぜながら、まったく違和感が無い。それだけ楽曲のクオリティが高いということだが、それにしてもデビュー前の87年発売ミニアルバムのクオリティは恐るべき・・・。23年後に新譜と一緒のセットリストに入れても、何ら遜色ないというのは驚きだ。アウトレイジ、日本が誇るモンスターメタルバンドであることに、疑いの余地はまったくない。
丹下眞也が終始笑顔でプレイしていたのも心に残る。アーティストが楽しそうにしているとオーディエンスもなぜかうれしくなるものだ。阿部洋介もKRANKアンプのサウンドが最高。凄まじい重低音を吐き出すREVOLUTION-1のヘヴィさは、新譜にも使われていることからアウトレイジサウンドの核となっているのがわかる。そしてバンドのグルーヴは、やはり安井義博。このベースが無ければ、アウトレイジじゃないと言っても過言ではない。直球勝負の橋本直樹は、変化球が多いロックヴォーカリストの中で、男惚れするほどの存在感を放つ。このメンバーが揃って楽曲を作り、ライヴをやることに大きな意味があると思う。
ツアーファイナルの2010年5月01日CLUB CITTA公演は、何と新譜の完全再現ライヴを含めた二部構成となるらしい。これは絶対に見逃せない。新譜のナンバーは、ライヴで強烈なインパクトを放つことが証明された。楽しみにその日を待ちたい。ライヴが終わった後、物販コーナーを見てみると、グッズは飛ぶように売れていたようだ。ファンのバンドを愛する気持ちの一つの表れだと思う。現実に戻った私は、BOXXに来る前に話していた東武ホテルでの打ち合わせ内容が、まったく記憶に残っていないことに気が付いた。運悪く原稿の締め切りまでに時間が無いことだけは覚えている。・・・アウトレイジにもらったパワーで乗り切ろう。
http://www.outrage-jp.com/
JAPAN TOUR 2010“RISE”
http://clubcitta.co.jp/001/outrage2010/
2010年1月30日(土)【東 京】SHIBUYA BOXX
2010年2月13日(土)【福 岡】DRUM Be-1
2010年2月14日(日)【大 阪】umeda AKASO
2010年2月27日(土)【名古屋】Electric Lady Land
2010年3月13日(土)【高 松】DIME
2010年3月14日(日)【広 島】CAVE-BE
2010年3月26日(金)【新 潟】CLUB JUNK BOX
2010年3月27日(土)【仙 台】HOOK
2010年4月24日(土)【札 幌】SOUND CRUE
2010年5月01日(土)【川 崎】CLUB CITTA’
M01. Rise
M02. You Care? I Don’t Care
M03. Just Believe In Me
M04. Death Trap
M05. Visions
M06. Veiled Sky
M07. Until You Are Dead
M08. Reign
M09. Under Control Of Law
M10. Black Clouds
M11. River
M12. Madness
M13. Undertow
M14. Echo
M15. Live Until You Die
M16. Blind To Reality
M17. The Day Of Rage
M18. Fangs
– encore 1 –
M19. Megalomania
M20. You Suck
M21. Terrorizer
– encore 2 –
M22. My Final Day
M23. Step On It
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