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TEXT:金井孝介 PHOTO:本間加恵
全国の高校生が音楽やヘアメイクなどを通じて交流をはかる「高校生の、高校生による、高校生のためのフェスティバル」。それがYHMFである。総勢160名のスタッフは全員高校生。出演者も大部分が高校生という、まさに「青春」が溢れたイベントだ。今年で15回目の開催となる今年も、例年に劣らない高校生パワーを見せつけてくれる。「つかめ、青春」をキャッチコピーに掲げ、夏を駆け抜けるように謳歌する高校生の姿は、日差しのようにまぶしい。渋谷O-EASTで行われた決戦大会の模様をレポートしよう。 【ゲスト】きゃとる
続いて、ゲストバンドの演奏。ステージ一発目は、昨年のYHMF2012グランプリに輝いたきゃとるの演奏からだ。さすがグランプリバンドの貫禄といった感じである。本格的な演奏に加え、ボーカルの声の伸びが秀逸。かわいらしいMCとの対比も、見事にはまっていて面白い。 【01】Sugar on the Palette
ここからは今年度の出場バンドの演奏だ。会場の熱気もさらに高まっていく。一番手はSugar on the Palette。一発目からの荒々しいサウンドで、攻めていく雰囲気を作っている。特筆すべきはギターのうなりだろう。ソロのキレの良さも、聴いていて興奮してくる。しかしバンドは一体感を持って、世界観を伝えてくる。 【02】逆境クォーツ
そして二番手には逆境クォーツ。このバンドもまた、渋く荒いサウンドで魅せてくる。叩きつけるような、どことなく80年代ロックを思わせる音楽を見せつけ、観客を完全にバンドの世界に引きずりこんでいた。 【03】夢豚
3番手は夢豚(ムートン)の演奏だ。ガールズバンドらしいキラキラしたロックの世界を展開する。それなのに、メロディーはLed Zeppelinを思わせるのだ。アンバランスな雰囲気が楽しいバンドである。夢豚の演奏が終了すると、場内の雰囲気も少し落ち着く。
高校生たちのパフォーマンスはバンドだけにとどまらない。白熱のライブバトルに挟まれる形で、高校生ダンスパフォーマー・J-Boysの三人が登場。キレッキレのダンスを披露する。計算しつくされたような躍動感のあるダンスは、かなりの技術の上に成り立っていると思わせる。やはりここに出てくる高校生たち、ただものではない。
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【04】羊文学
続いて登場するバンドは、羊文学。先ほどまでの雰囲気とは一転して、不可思議な世界を繰り広げる。コード進行やバッキングも、観客の度肝を抜いたことだろう。重厚なバンドサウンドやボーカルも、良い意味での「不可思議さ」を演出するのにぴったりだ。 【05】馴れ初めリリィ
次に登場した馴れ初めリリィも、凄腕のバンドである。ライブ中は2階席にいたのだが、もはや舞台上で聴いているかのような錯覚に陥るほどに、言葉や音が確実に飛んでくる。各々の音の粒がはっきりして、かみ締めるようなメロディーの運び方が心地良い。 【06】MWnuts
前のバンドの余韻に浸っていたら、もう次に順番が移っていた。6番手のMWnutsは、これまたパンクロック風味のサウンドだ。自然にヘッドバンギングがやりたくなる。しかしギターはメロディアスな旋律を奏でる。なかなか聴かせるサウンドだ。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() そして舞台はヘアメイクショーに突入。今年は「フラワー部門」「ウェディング部門」に分かれての発表である。事前に高校生モデルオーディションをやり、スタッフも事前に研修を行う徹底ぶり。モデルが颯爽と登場すると、場内は黄色い歓声で沸き返った。しばし、華やかな世界に耽溺する。純粋に、心の底から楽しい。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
【07】SHIHO
ヘアメイクショーが終了し、大会も終盤戦。完全燃焼に向けて、オーディエンスにも気合が伺える。7番手に登場したのはSHIHO。ギター1本の弾き語りで、しっとりと音楽が始まった。思わず聞き入ってしまうギターの音。その音からは、彼女の内に秘めた感情が伝わる。しっとりとした旋律の中に、今にも爆発しそうな激しさをうかがわせるSHIHOの音楽は、フルステージで聴いてみたいと思わせる力がある。 【08】SummerWinterGeneration
8番手に登場するのはSummerWinterGenerationの4人。骨太なバンドサウンドを展開する。オーディエンスの乗せ方もうまい。個人の楽器の技量も高く、楽しさの中に見え隠れする技術も、かなり心をやられるポイント。その真摯な姿勢、感服である。 【09】Jacka☆napes
ここまで来ると、さすがにオーディエンスに疲れが見え始めてもおかしくない頃だ。しかし出場バンドが客席を一切休ませない。次に登場するJacka☆napesは、とにかくボーカルの歌唱力の高さにやられるバンドだ。声の伸びや、つややかさなどが心地良いことこの上ない。その周りを支えるサウンドも、一人一人の主張がはっきりと伺える。 【10】the Village Papas
そして現役高校生たちのラストを飾るのは、the Village Papas。オーディエンスの煽り方から既にその実力を予感させるが、演奏が始まった途端に、会場が衝撃に包まれた。ディスコ風のサウンドは、どこかthe telephonesを思わせるほどに輝かしい。全てがガツンと脳天に突き刺さる演奏である。圧巻のギターソロに、もはや一瞬も目を離してはいられないほどのバンドサウンド。すさまじいものを観た、と感じた。 【ゲスト】Any
そしてゲストバンドの登場だ。ゲストのAnyは、YHMF2007でグランプリを獲得し、そこから着実にプロとしての道を歩み続けている。貫禄を感じさせる、どっしりとした演奏を観せてくれた。ビート感に溢れた、安心させられるサウンド。さすが、と言いたくなるバンドだ。 【審査結果発表】
![]() 齋藤幹(Vocal & Guitar)、堀内拓海(Guitar)、 川村祐輔(Bass)、義永華子(Drums) 感無量です。このステージで演奏できたことだけでも幸せなのに、グランプリまでいただくことができました! 本番前の緊張している時も、友達が励ましてくれたし、みんなに感謝したいです。これからも、「みんなに愛されるバンド」を目指して、活動していきたいです。本当にありがとうございました! ◆the Village Papas Twitterアカウント https://twitter.com/theVillagePapas 【準グランプリ】馴れ初めリリィ オーディエンス賞】Sugar on the Palette ベストパフォーマー賞】MWnuts 高橋健太(Drums) ![]() ![]() |