今年、バンド結成26周年目となるTHE NEATBEATS(Mr.Pan、Mr.Lawdy、Mr.Gully、Mr.Mondo)。Mr.Panが長年の夢だったと語る、ライブスペース、カフェ、レコード・ショップが一体化した空間が東京・荻窪に誕生します。
英国キャバーン・クラブのような地下ライブ空間「TOP BEAT CLUB」をイチから建築設計して作る応援プロジェクト(クラウドファンディング)を起ち上げ、ついに2023年2月10日(金)にオープン!こけら落とし公演を控えたTHE NEATBEATSにお話を伺いました。
Mr.Pan:こういうスペースを作るよ、ということを知ってもらったり、盛り上げたりするためにクラウドファンディングをやらせてもらったんですが、想像以上でびっくりしました。実際、工事費などで大変な面もあるけど、これをアテにしちゃダメだなというのはあったし、お金よりもみんなが楽しんで参加する方がいいかなと思ったから、最初は「目標金額696万円」とかユーモアを入れて始めたんですけど、それが3~4日で達成しちゃって。変な言い方だけど「逆にまずいな」って焦った。
Mr.Lawdy:それだけみんなが期待してくれているってことだよね。
Mr.Pan:みんなこんなに楽しみにしてくれているのかってね、今思えばその時は「大丈夫か?これで出来なかったらねぇ…」って思ってた。そこから色々また内装の細かいところを詰めていき、クラファンが盛り上がっていくとともに、俺はめちゃくちゃ焦ってた(笑)。
Mr.Gully:内装工事も盛り上がってきた感じでね(笑)。
Mr.Pan:こけら落としを、ノリでニート(THE NEATBEATS)の日(2月10日)に決めたはいいものの、その日までに出来てるのかな?ってなってきて。工事の工程がね。かかわってくれている人は、和気あいあいとやってくれているようで、「結構やばいよ」って言いながら(笑)。
Mr.Gully:んで、僕らは普通にライブも入れていたから、眞鍋くん(Mr.Pan)がスゴイ顔で現場に電話しているときとかあったもんね(笑)。
Mr.Pan:防音工事も内装も、レンガも知り合いばかりでやってもらえたから、出来たのかもしれないね。みんなミュージシャンだから、すごく考えてくれて。予算の限界とか知っているし、それをうまいことやりながら、それでも質をおとさず。それは良かったかな。
Mr.Pan:空間対策はこのご時世だから、安心してもらえるように特段の配慮をしてて。音響は、あんまり大きいものをいれて爆音でやる、というイメージより、コンパクトにいい音のほうがいいから。THE NEATBEATSは爆音といわれているから、説得力がないけど(笑)。雰囲気的にはずっといても疲れない方がいいかな。
例えば、俺のライブハウスのイメージで、若い頃は爆音だろうがなんだろうが受け入れていたけど、年齢がいったり、色々な事情があったりで、ライブハウスに来て疲れるのは良くないなと思ったから、トータルで、全部楽しい、居心地がいいっていうのがいいかもしれない。そういう場所が欲しいな、って思っていたから。遊びに行ったら時間を忘れちゃう、みたいなイメージで“場所”を作りたかったから、むしろライブハウスだけだったらやってないな。ライブハウスを作るのが大変というのは知っているしね。それだったら、演奏する方がいいかな。
だから、あまりライブハウスを作る、というイメージではやってない。ただまあね、「キャバーン・クラブ」みたいな、って言った手前(笑)。
Mr.Gully:レンガは絶対に必要になるよなぁ。
Mr.Lawdy:僕らはこの状態になったのを見たのは今日が初めてで。まっさらの箱の状態から、途中の過程をすっ飛ばして、次が“今の形”だから「お!レンガがアーチになってる」って思いましたよ。眞鍋くん(Mr.Pan)は、日々作業をしていたからね。
Mr.Pan:だから、俺はあんまり感動がないのよ。ようやく出来た…みたいな気持ち。感動というより、お疲れ様でした、間に合った!みたいな(笑)。初めて見る人が、どう感じるかというのはすごく興味があるね。
Mr.Pan:ステージは、THE NEATBEATSが好きな感じの音だったね。外音も壁がレンガだからお客さんが入ったときどうなるかね?リハをやった感じでは、自分のイメージ通りというか、俺の嫌いな感じではなかった。それは良かったね。
Mr.Lawdy:場所の都合上、防音ですごく吸音するライブハウスとかもあるしね。
Mr.Pan:ここは、わざわざ地下を掘ってから作っているから、吸音とか防音に関しては最初から、イメージ的にはこういう感じでやりたい、と話していたから、トゥーマッチな防音とかはせずに出来そうな感じでよかったな。
Mr.Mondo:めちゃくちゃやりやすい。生音がなんでそんなに前に届くのかはわからないけどアーチ状のところでやったことがないので、それなのかな?不思議なんですよね。
Mr.Pan:返しもちゃんと聞こえるからね。ドラムの音をモニターから返してくれ、っていうのは俺的には本当はあまりやりたくないから、なるべく生の音でやりたいから、生音でやれるというのは良いステージなのかな、って思います。
Mr.Pan:防音や吸音に関してはプロの方をいれて、デザインとかはおもしろがれる人を。レンガのアーチなんて誰も想像してないから、誰もわかってなかった(笑)。
Mr.Gully:眞鍋くん(Mr.Pan)、日本中のライブハウスのステージの間取りを調べてたからね。4~5年前から(笑)。
Mr.Pan:たまたま、タイミングがあって。コロナでライブハウスを辞めていた方とかもいたから、こういうことがやりたいから手伝ってくれへん?って声をかけたら、みんな来てくれたっていうね。俺はシルバー人材センターと思ってる(笑)。俺もそうだけど、中高年の人材を集めたって冗談で言ってるけど、経験も歴もあるし、立ち上げメンバーもそうだけど、スタッフさんたちも長い付き合いの人が多くて。これから、次の若い人につないでいくのは目標やね。
俺の仕事はもう終わってる感があって、もうつくったから。あとは誰がやるか、というところにシフトしているから、若い人材を募集してる(笑)。
Mr.Lawdy:オープンする前なのにもう募集してるの!?
Mr.Pan:俺はもういい(笑)。
Mr.Pan:1回目はみんなご祝儀で出てくれるから、問題は2回目。2回目出たら、あそこは良かったってことだからね。2回目でたら本物だな、ってことで。
Mr.Pan:機材搬入が楽だ、というのは一番やね。あとは、このご時世の流れで行くと換気とか空調関係かな。ハイファイな時代にあったものと、時代錯誤の部分が両極端にあったほうが面白いかな。新しいものと古いものが両方あるというイメージで、それが良かったかな。
Mr.Lawdy:眞鍋くん(Mr.Pan)ひとりだったら追いつかないところを、わかっている人たちがまわりにいて、一緒になってやってくれて。盤石の布陣で誰が来ても楽しめる、というそういう場所になっているんじゃないかな。
Mr.Gully:僕は、板の上に立って思ったのが、レンガのアーチの作り。こっちも見ていい景色だし、これでお客さんが入ったらもっといい感じだし、パッと景色が良かったのが第一印象です。あとは動線が完璧です!
Mr.Mondo:お客さんへの配慮、出る側への配慮、働く方への配慮が行き届いているな、と思ってます。フロアの段差もいいですよね。
Mr.Pan:段差もね。色々なライブハウス行ったとき、(ステージの高さや段差を)ちょっと図らせて~って。ほんまにめちゃくちゃ図ってた(笑)。
Mr.Lawdy:上のカフェも楽しみだな。
Mr.Pan:THE NEATBEATSが最初に出演するから、2月はコラボメニューみたいな感じで、僕らメンバーが食べたいものをコックさんに伝え、アイデアを出してそれを作ってもらう、そういうのをやろうかなと。作ってくれる方の見た目が、食べるのが好きそうな感じだから安心(笑)。
Mr.Gully:見た目は大事。
Mr.Lawdy:カフェでご飯食べて、ライブを観てもらったらいいですよね。
Mr.Pan:あ~「出来たらラッキー」みたいな。くらいかな?出来ひんくても、それをやりたい、と思っていることが大事かな、と思います。極端なことをいうと、60年代の「キャバーン・クラブ」で演奏したい、というのはあるもんね。ジェリー&ザ・ペースメイカーズとビートルズの間にTHE NEATBEATSがあったらすごいな、とか思うけど、それは無理だから。でもそれを今の時代でやりたい、という思いはずっとあったから。出来てなくてもずーっと思っていてもいいし。とにかく、それをやりたいって思っておく方がいいよね。出来なかったとしても。思い続けるということ、それは結構重要かもしれない。
Mr.Pan:東京はそうやね。ある程度機材も置いておけるし、いろんなことを試せるし。「キャバーン・クラブ」というコンセプトで作る、というのが一番だったから、俺らが観たいイベントは、ビートルズの完コピバンド。ここで観たい(笑)。
Mr.Gully:いいなあ。それ観たい!
Mr.Lawdy:曽我部恵一さん、観たいですね。
Mr.Mondo:あえての異業種でしょうか。PUNPEEさんとか?(笑)。
Mr.Gully:僕はTHE KAISERS。
Mr.Pan:イギリスから来てくれたら最高ですね。
Mr.Lawdy:けど、ビートルズ観たい。
Mr.Pan:ビートルズが使える機材、置いてるから(笑)。機材は、ある程度集めたから今度は放出しようかな、と思って。この場所でも普段から使えるように。
Mr.Pan:いろんな人が来て使ってくれたらいいな。ロックンロールの人だけじゃなくて、音楽興味ない人も来て居心地がいいじゃん、大人も子供も、みたいなのが理想ですね。
Mr.Mondo:ジャンル問わず、若い人にもどんどん演ってほしいなって思います。この天井のアーチをみて「キャバーン・クラブっていうところがあって、そこのオマージュだったんだ」くらい、場所としてひとり歩きしたらいいなと思いますね。
Mr.Gully:僕は、レコード掘って、飯食って、ライブを観て、飲んで、そしてレコードを掘って…ってのが嬉しいです。東京の夜を楽しんでもらいたいですね。「あそこに行きたい」ってなってほしいかな。
Mr.Lawdy:今日来て思ったのは、立って観るバンドじゃなくて、ジャズや静かな音楽でもいい音響でやれるような気がしましたね。
Mr.Pan:それやったら、なんとかして俺にたどり着いてくれ!誰かにたどり着いてくれ(笑)。
Mr.Pan:もう達成しました!あとは通常営業に戻るだけです(笑)。
Mr.Gully:2月もまあまあライブ入れてますから。
Mr.Pan:それがTHE NEATBEATSかなって。別にホーム作ったからそこにずっといるわけじゃなくて、どっかに行ってるのがいい(笑)。
Mr.Gully:だって僕らの2デイズのあと、デキシード・ザ・エモンズが出てくれるんだけど、僕らツアーで居てない……。眞鍋くん(Mr.Pan)がおらんくても、回っていくってのがいいね。
Mr.Pan:こけら落としは気持ち的にお客さんもたくさん来てくれるんですけど、その後もまんべんなく来てほしいですね!
2023年2月スケジュール
2月10日(金) 出演:THE NEATBEATS
2月11日(土) 出演:THE NEATBEATS
2月12日(日) 出演:デキシード・ザ・エモンズ
2月14日(火) 出演:ザ・ビートモーターズ
2月15日(水) 出演:a flood of circle/SIX LOUNGE O.A.:Sleeping Girls
2月16日(木) 出演:イマイアキノブトリオ/The 9Oz/hotspring
2月17日(金) 出演:Magical Sixx/Boogie theマッハモータース/the heiz
2月18日(土) 出演:JOHNNY PANDORA O.A.:GOOD SPIRITS DJ:Mr.Mondo(THE NEATBEATS)/Toshio Sasai(BLAST JAMS!!)
2月19日(日) 出演:ピーズ
2月21日(火) 出演:The Birthday
2月22日(水) 出演:夜のストレンジャーズ/ザ・サイクロンズ/汽笛と犬
2月23日(木) 出演:THE PRIVATES
2月24日(金) 出演:The HIGH/ザ・キャプテンズ/グリムロッカーズ
2月25日(土) 出演:LEARNERS DJ:関口敦士
2月26日(日)<DAY EVENT> 出演:GASOLINE/柳家睦とラットボーンズ DJ:拳銃太郎/ブル新中野 ゲスト:めろん畑 a GO GO
2月26日(日) 出演:GASOLINE/柳家睦とラットボーンズ DJ:拳銃太郎/ブル新中野 ゲスト:クリトリック・リス
2月28日(火) 出演:延原達治(THE PRIVATES)
2023年2月スケジュール
2月10日(金) 荻窪TOP BEAT CLUB
2月11日(土) 荻窪TOP BEAT CLUB
2月12日(日) 心斎橋BIGCAT
2月22日(水) 梅田TRAD
2月23日(木) 高松sound space RIZIN’
2月24日(金) 岡山 CRAZYMAMA2nd Room
2月25日(土) 熊本ONE DROP Dining Studio
2月26日(日) 門司BRICK HALL