本誌BEEASTが自信を持ってプッシュする太鼓判アーティストの特集、第50弾はEmpress。2019年7月、ガールズロックシーンに突如姿を現したバンドだ。彼女たちは、みずからをEmpress(女帝)と名乗り、威風堂々としたステージングを展開。目ざとい音楽ファンたちは、早くも彼女らに熱い視線を注ぎ、その成長を追いかけている。本誌BEEASTが自信を持ってプッシュする太鼓判アーティストの特集、第50弾はそのEmpressだ。
マナ(Vocal)・みつき(Guitar)・Yui(Bass)の3人が織りなすEmpressは、エッジの効いたラウド/ハーロックなサウンドをベースにしながら、耳心地良いメロディアスな歌を魅力にしている。触れた人たちの気持ちを熱く滾らせながらも、歌に心が強く惹かれる。ライブでは臨場感を持った演奏に刺激を受け、ステージ前方で騒ぐ観客たちが増え続けている。
活動を始めてから約5ヶ月後となる12月25日(みつきの誕生日)、Empressは初の音源「one day/渚」を会場限定音源としてリリースする。先に今後の予定を伝えておくと、Empressは2020年4月に初の全国流通となる1stミニアルバムの発売に向け、現在制作を進めている。バンドは、そのときを全国進出へ踏み出すための第一歩と位置づけているように、今回の会場限定盤は、応援し続けている人たちと高めてきた熱を共有し、さらに大きく膨らませてゆくアイテムとしての役割を担っている。
だからと言って安易に作り上げた作品ではない。むしろ、Empressが始動したときに生まれた3曲の中の2曲を形にしたように、バンドにとって始まりを示すのと同時に、今のEmpressのライブに於ける顔とも言える曲たちを詰め込んだシングル盤にもなっている。
今回、Empressの3人にインタヴューを行なった。女帝という強いバンド名とは裏腹に、意外と物腰の柔らかい、むしろチャーミングな女性たちばかりだったのも嬉しい意外性。ここへ、3人の言葉をお届けしよう。
みつき:Empressの初ライブが2019年7月●日。そこから遡ること4ヶ月前の3月に、まずは、わたしとマナが出会いました。きっかけは…。
マナ:いわゆるメンバー募集サイトでしたけど。出会った瞬間、運命を感じたよね。
みつき:お互いの目を見た瞬間、感じたよね。
マナ:互いに「運命の人と出会えた」という確信を得たことで、意気投合。お互い性格も何もわからない状態ながら「一緒にやろう」と決めました。そこからが早かったんですよ。
みつき :わたしがFullMooNさんのお手伝いをしていたことから、バンドのプロデューサーに現状を報告したところ、ブッキング面で協力してくれる話になり、まだ他のメンバーが決まってないにも関わらず7月●日のライブを決めれば、Empressの代表曲『one day』もいただきました。そこからは、わたしが曲制作をしながら、マナが歌詞を書けば、時々わたしも作詞をしつつ。同時に他のメンバー探しもスタート。ただ、当初から女性ドラマーを見つけるのが大変なのは今のシーンの状況を見てわかっていたので、そこは活動を続けながら長い目で見つけていこうという姿勢のもと、今も探し続けています(現状は、サポートドラマー)。ベースも当初は、なかなかEmpressに相応しいメンバーが見つからず、最初はかつてのKIX’Sのように2人でライブを行なおうという気持ちでいたところ、初ライブに向け二週間を切ったくらいの時期にYuiと出会い、そこでも運命を感じあえたんだよね。
Yui:感じたね。わたしの場合、2人が作り上げた3曲のデモ音源を先に聴かせてもらい、「このバンドの楽曲めっちゃ格好いい」と惚れ込み、それで会った形だったんですけど。出会ったときの運命はもちろん。わたしに関しては、2人と顔合わせする前から運命を感じてました(笑)。
マナ:あのときは「この3人で始動ライブを始めたい」という気持ちから、Yuiには急いで楽曲を覚えてもらい、無事、この3人でEmpressとして正式なスタートを切ることができました。
みつき:いくら「運命を感じてた」とはいえ、初ライブへ向けた楽曲作りや演奏を仕上げる時間も必要だったことから、正直バタバタはしていました。むしろ、Empressとしてライブ活動を始めてからなんですよ、お互いの性格面でのコミュニケーションも深く繋ぐようになったのは。
マナ:けど、みんなが運命を感じていたように、そこの不安はまったくなかったけどね(笑)。
みつき:むしろ、マナと出会った時点では「格好いいロックを」くらいのざっくりとしたところから始まっていたように、この3人が出揃ってから、本格的にEmpressの色を煮詰めだせば、今も、見えてきた色をしっかり深めているところです。
Yui:歌はキャッチーでメロディアスだけど、3人ともハードな音楽が大好きなんですよ。だから、自然と攻める激しさをどの楽曲にも求めれば、それがステージングにも自然と出てしまうからね。
みつき:とくにYuiはね(笑)。
マナ:音楽性はもちろんだけど、今のEmpressが最も大切にしているのが「ライブを通し、お客さんたちと一緒に楽しむ」こと。自己満足を求め、お客さんたちをおいてけぼりにするようなライブだけは絶対にしたくない。むしろ今は、ステージと客席との垣根を無くし、一緒にはしゃぎながら騒ぎ倒せるライブを心がけています。
Yui:みんなハードな音楽性を好むように、演奏面にはがっちり激しさを出しながら。でも、キャッチーな歌を魅力にしていれば、ガーリーな…可愛い女の子らしさも大切にしながらライブや楽曲の制作も押し進めています。
マナ:最初こそ、バンド名に合わせ”女帝感”を心がけていたんだけど、3人とも性格が女帝とはかけ離れすぎてるというか(笑)。それに「上から目線で攻める」スタンスは嫌だったこともあって、バンド名とは異なり、うちらに女帝感はないです(笑)。
みつき:バンド名は、タロットカードを眺めていた中、言葉の響きと意味から取りました。だけど、3人の性格的に女帝にはなれなさそうです(笑)。
Yui:格好よくガンガンに攻めたい姿勢のせいか、ついモニターに足をかけ、お客さんたちを煽ってしまいます(笑)。でも、ライブを観ている方ならわかってると思うけど、みんなライブ中はすっごい笑顔なんですね。そうなるのも、一方的なステージングではなく、フロアとコミュニケーションを取れてる実感を何時も得ているからなんです。だから、「一緒に楽しむ」姿勢は何時も心がけながらライブを行なっています。
みつき:わたし自身もそうだし、Empressというバンド自体が「音楽を通して人と人とを繋ぐ存在」になりたいんですよ。それがステージングを通して伝わるからこそ、お客さんたちも「楽しさ」をもっと求めたくてEmpressの音楽を求めてくるように、そこはもっともっと突き詰めていきたいところです。
マナ:音楽性に関してはね、ハードロック・サウンドを軸に据えながらも、格好いいスタイルからポップな表情や可愛らしい面までといろいろ求めているように、軸をぶらすことなく、今は柔軟に広げていきたいなと思っています。
Yui:たとえポップな楽曲を作ろうと、3人とも激しい音楽性が好きだから自然とそこを求めてしまうからね。
マナ:いくらポップな歌でも激しいサウンドで攻めてくように、そこのバランス感が今のEmpressの魅力になっていると、自分たちでも感じています。
みつき:楽曲は、バンドの始動へ向け、FullMooNのプロデューサーからいただきました。そこへマナが歌詞をつけた形です。
マナ:「one day」は、出だしから明るく壮大さを打ち出しながらもロック感が強く出た、まさにEmpressの方向性を最初に示した楽曲です。当時から、「この歌がEmpressの顔になる」感触を持っていたことから、歌詞には「人生を生きてゆく中で」というテーマを据えました。具体的に語るなら、「明日が来ることはけっして当たり前じゃない。だからこそ1日1日を大切に生きて欲しいし、後悔のない人生にしたい」。その強い意思を自分たちへも向けつつ、Empressへ触れ合う人たちにも、この想いを長く共有してもらいたくて書きました。
Yui:第一印象のキャッチーさは変わらず、実際に演奏をしていると重量感を覚えれば、ライブで演るたびフロアでみんなが盛り上がっていくように、すごくノリやすい楽曲です。マナの書いた歌詞にも、強く共感を覚えています。
みつき:触れた瞬間にポップさを感じながらも、じつはグッとくる感情的な楽曲です。演奏をしているとテンションがどんどん上がれば、ギターもガツガツ弾いていくように、ライブでは一緒にオイオイ盛り上がってください。
みつき :「渚」は、会場中の人たちと一つになれる楽曲をという狙いを持って作りました。サビ歌で、みんなで一緒に手を振れたらいいなということも意識しています。歌詞は、まだYuiがメンバー加入する前の2人きりだった時代に書きました。ここには、マナと出会う前と出会った後両方の気持ちを記してあります。「君の声に弾かれて」という言葉は、まさにマナの歌声のことです。
マナ :その言葉を聴いたうえで受け取った歌詞を読んだときには、わたし泣いちゃいました。一行一行からみつきの気持ちが伝わるように、大好きな歌です。わたし自身が「渚」に気持ちを支えられているように、道に迷ったときや気持ちが落ち込んだときに聴いてもらいたいし、その人の心も支えられたらなと思っています。曲調もポップなのが魅力です。
Yui :「渚」をライブで演奏するたびに、お客さんたちが手を振りながら楽しくはしゃぎだすんですね。あの一体感を持った風景を観るたびに、わたしも幸せを感じています。
マナ :「one day」も「渚」も、今のEmpressを代表する曲たち。だからこそ、これからもライブでは中心に据えながら想いを伝え続けてゆくつもりです。
みつき:マナはマイペース。だけど、すごく度胸があるように、いろんなことへ挑戦していこうという姿勢が強いんですね。怖いもの無しの真っ直ぐな性格は、とても魅力的だなと見ています。ステージ上でも、頼もしいよね。
Yui :身体は小っちゃいけど(笑)、頼もしいだけではなくステージに居ると安心するんですよ。しかも、てんぱっていても顔には出ないようにライブ中いつも平然を装っていれば、その姿に自分たちも安心感を覚えながらライブが出来ています。
マナ:とにかく真面目。普段から真面目だし、日常の何気ない仕種や行動に可愛らしさが出てるんですけど。ステージへ立ったとたんに人が変わるというか、豊かな表情でギターを弾いています。とくに、ギターソロのときの顔がわたしは大好きなように、ライブでも彼女の表情とギターの音がシンクロしてゆくところに注目してください。
Yui:確かに、日常とステージでは性格が異なるようにオンオフのスイッチがあるんだろうね。普段もキチッとはしてるけど、ライブのときのビシッとした格好良さは、やっぱし日常の姿とは異なるからね。
みつき:ライブのとき突然モニターに足をかけて演奏をするなど、格好いいステージングが多いように、そこは普段のYuiとは異なる面として見えてくるところ。
マナ:Yuiは、Empressの中の激しい担当だからね。わたしにしてみたら、ずっしりした存在感を持ってバンドを支える人であり、ライブではお客さんたちを激しく攻めるパフォーマンスをしてゆく人。でも、普段は面白いことが大好きで、いっつも笑ってます。
Yui:わたしはお客さんに戦いを挑む感覚でいるように、ライブに関しては攻めな気持ちがそう出てしまうのかも知れない。
みつき:むしろEmpressに関しては、見た目と音楽とのギャップを楽しんで欲しいなと思ってる。一見、可愛らしそうに見えて、ライブになると激しくイクみたいな。
Yui :みんなもそうだと思うけど、日常の中、嫌なことやしんどいことっていっぱいあると思います。そういうのを全部忘れ、その場に置いていけるのがEmpressのライブ。そこの魅力へ、今後もっともっと磨きをかけますから。
マナ :初めてライブを観た人たちさえ一緒に騒いでくれるように、初見でもすぐに楽しめるのがEmpressなんです。その楽しさを味わいにライブへ足を運び、1stシングル「one day/渚」も手にしてください。2020年4月には、初の全国流通盤となる1stミニアルバムも発売します。ライブも毎月相応の本数行なっているように、まずはEmpressのライブに触れ、一緒に騒ぎましょう!!!
マナ(Vocal)
みつき(Guitar)
Yui(Bass)
1stシングル「one day/渚」
2019年12月25日発売!!
2019/12/25(水)大塚Hearts+
2019/12/29(日)厚木Thunder Snake
2019/12/30(月)Music Lab. 濱書房
Empress twitter
https://twitter.com/Empress_tw