その5「惑星にて」
新しい年に入って、いよいよここからが冬の寒さの本番だ。
都内で暮らしている頃には、ただ漠然と冬が来た、気付いたら終わっていたという感じだったが、標高1150m、マイナス15度にもなる、富士山の麓ではそういうわけにはいかない。
約半年近い長い冬の中でもこのピークの時期をどう乗り越えるかがとても大きな試練なのだ。
秋にはマキを準備して、車のタイヤを変えて、絨毯を敷いたり、その他もろもろ、冬を迎える準備をしなくてはならい。
これらを怠れば冬がとても辛いものになるし、停電したり、マキが切れたりしたら命の危険もある。
東京生まれ、埼玉育ちの自分には今までにない経験だが、冬をどう乗り越えるかというのは太古の昔から地球上の生命共通のあり方であり、それが生命力にもつながっていると感じる。
ネイティヴアメリカンのように、ダイレクトに地球と共に暮らしているという気になれるし、冬は寒くても嫌いではない。
そのおかげで、残りの時期を本当にうれしく、ありがたい気持ちで過ごせる。
ツアーや他のリハーサルで出かけることも多いが、そうじゃない時はずっと家にいたいと思う。
鳥の声を聞いて、山や、木を見ていたり、静寂の夜が好きなのだ。
昔は山に住んで仕事ができるのは小説家ぐらいで、それをとても羨ましいと思ったが、インターネットやレコーディング機材の進化でどこにいても音楽ができるようになった。
いい時代になったものだ。
しかし、冬はいつ大雪が降って、家から出られなくなるかわからないので、極力ライヴをやらずに、新しい奏法を探したり、作曲する時期ということにしているので、ここ数年、作曲はほとんど冬にしている。
雪に覆われた世界で普通に真夏の雰囲気の音楽を作ったりしているのだ。
もともと世の中の流れや、時代性とは関係のない、イマジネーションで音楽を作る方だが、、移住して以来、ほとんど現代の世の中の音楽と関わりもないし、影響を受ける事もなくなった。
「惑星にて」という、新しいアルバムをリリースした。
1984年にレベッカというバンドでデビューして以来通算27枚目のアルバム。
ほぼ自分の作曲なので、27枚のオリジナルアルバムは良いペースだと思う。
ここ数年、アコースティックに専念していたが、やりたかったことを、やりつくしてみると、やはりロックギタリストとしては、血が騒いでくる。
今回は、ヘヴィーに行くところは、とことんヘヴィーにやったが、昔と違うのは、今回はエレキとアコースティックをほぼ半々ずつというバランスになっていて、エレキの曲でもアコースティックギターが入っている。
アコースティックギターは自分にとって、自然を表現し、地球とのつながりを感じられる楽器なのだ。
自分の自然な感情とリンクしているので、ナチュラルに盛り上がれるし、はとてもいいバランスだと思う。
死ぬまで、この素晴らしい惑星に生きていられるという喜びについての11の楽曲。
ぜひ多くの人に聴いてほしい。
■木暮“shake”武彦 Website
http://www.psychodelicious.com/
■原始神母 Official Facebook
https://www.facebook.com/pinkfloydtrips/
▼木暮”shake”武彦 TOUR 2016 『惑星にて』with Big Mountain Blue▼
・2017年1月21日(土)代々木Zher the ZOO
key 三国義貴
Dr.Per. 丹菊正和
Bass 山崎洋
Violin ARIA
Cho ラヴリーレイナ
18:30 open/19:00 start
前売¥4,500 当日¥5,000(共に1ドリンク別)
問い合わせ:Zher the ZOO/03-5358-4491