コラム
ビートレポート
中村“MR.MONDO”匠
大阪府出身、1983年2月1日生まれのO型。
1997年に大阪で結成され、今年で20周年目を迎えるTHE NEATBEATSのドラマ―。国内外問わず、年間100本以上のライブ行うロックンロールバンドで、なかでも、国内のグループでは唯一無二と言えるオール・ビンテージ機材で演奏する“生音ライブ・シリーズ「BACK TO CAVERN!」は、ボーカル以外は全て生音、PA無しの音響でセットされ、1960年代初期のビート・バンドの登竜門的会場で知られるリバプール、キャバーン・クラブを想像させる英国パブの様な演奏スタイルを忠実に再現した贅沢な空間。そのこだわりが大反響を呼び、毎回即ソールドアウトのイベントだ。
現在は、結成20周年を記念したツアー『~The Neatbeats 20th Anniversary “Two-Man Special”~「RHYTHM AND BEAT SHOW」』の真最中。4月にはスペイン&ポルトガルツアー、5月にはフランス最大級のロックンロール・フェス「COSMIC TRIP FESTIVEL 2017」への出演が決定している。また、ドラマ―としてのみならず、渋谷OTO「Upliners」をオーガナイズするなど、DJとしても精力的に活動中。

第七回「扁桃腺を取る」

私は子供の頃からよく高熱を出しておりました。喉が腫れての高熱、いわゆる咽頭炎というヤツです。

それは成人してからも治まらず、頻度が増していました。周りからは「よく風邪ひくね~」なんて言われてたのですが、風邪の時と咽頭炎の時では体感が全く違うのです。別物の様な気がしているのですけど実際どうなんでしょうね?風邪と一緒にされると少々気分が悪いのは確かです。でも調べたらやっぱり風邪?わからない。。

23~24歳の頃には半年ペースで40℃以上の熱が出ていました。それが月1回になり、隔週になり、ほぼ毎週…といった感じで慢性化。あまりの高熱で救急車で運ばれる事もありましたし、診察に行ったら、この状態では帰せないと言われて即入院になった事もありました。

これは扁桃腺の炎症が癖になってしまって起こるものなので、ある日の診察で「扁桃腺取っちゃおうぜ!」という話になりました。

扁桃腺というのは喉から風邪の菌などが入らないようにフィルターの役目をしているとの事。大人はある程度の免疫力があるので取ってしまっても特に問題は無いと聞き、この辛い生活から解放されるならと手術を決意。
 
 
私がお世話になっていたのは都内にある耳鼻咽喉科専門の手術・入院施設がある有名病院。

皆、耳鼻咽喉科の患者なので食事などは殆ど制限も受けない訳で、病院食もビュッフェ形式の洒落た洋食だったりします。

ただ入院当日は検査、翌日には手術、術後は痛みで固形物を飲み込む事が困難な私は、一切食べられません。でも入院費は同じ値段です。(未だに納得してない)

タバコに関しても耳鼻咽喉科ですから喫煙所なんて物はある訳もなく、タバコの存在自体が否定されている状況でした。

禁煙を余儀無くされるのは分かっていたので、入院直前は最寄りのコンビニで一箱近くチェーンスモーク。大変に気持ち悪い。これで無理矢理、禁煙を決意し病院へ。
 
 
入院の手続きを済ませて自分のベッドへ案内されます。1週間、6人部屋での生活がスタートします。

身の回りを整えていたら隣との仕切りのカーテンがサッと開きます。

「やあ!(ネームプレートを見ながら)中村くん?どうして入院する事になったの?」

と声を掛けてきた隣のベッドの推定40代、都内でSMショークラブとハプニングバーを経営している男性・Kさん。中耳炎が持病で手術を受け入院生活を送っているとの事。

「この手術した左耳以外は元気だから本当に暇でさー。この病院、バルコニーがあるんだよ。いっとく?」

2人でバルコニーへ。おもむろにタバコを取り出すKさん…。
 
 
私「えー!良いんですか!?」

K「だって中耳炎に関係ねーもん!見付かったら怒られるけどね!」

と言って私にタバコを差し出します。

植木の陰に隠れて喫煙。中学生か…。さっき行った禁煙決意の儀式は何だったんだ。。
 
 
その日、1日でKさんとは相当お近付きになりました。消灯後もこっそりバルコニーにタバコを吸いに行ったりして。

K「中村くんさー、今度ウチのバーに遊びにおいでよ。」

私「それってハプニング的なお店ですよね…。そういうのはチョット…。」

K「うそー?俺が楽しみ方教えてやるよ?」

私「僕にはハードルが高いですね…。」
 
 
K「じゃあさ、SMの方の店は?興味あるよね?調教のやり方を教えてやるよ!」

私「いや…SMも苦手で…。」

K「うそだよ!SMは人間なら誰しもが持っている感覚であり性癖なんだよ?」

私「ほぅ…。(そんな事ないでしょ…)」

K「あれは凄いよー。縛りなんて芸術だからね。調教というか洗脳なんだよね!最初抵抗してた女の子も途中から恍惚の表情を浮かべちゃってさ!」

私「なるほどですね~…。」

K「分かんないかなぁ。…あ!ゴメン!中村くんは縛られたい方だ?」

私「そういう事じゃないです…。」
 
 
K「そうだ!美容師を呼んでヘアカットショーもやってんだよ!」

私「へー!そういうのもあるんですね!それなら良いかもです!」

K「何ならカットモデルやりなよ!若いし、いいじゃん!人前でカットされるんだけど平気?」

私「別に平気ですよ!面白そう!」

K「アンダーヘアだけどね!」

私「…。」

危なく大変なカットモデルを引き受けるところでした…。
 
 
そんなこんなで手術当日。

朝一番にバルコニーでK氏と喫煙を1発かましてから手術室へ。(まだ吸うか)

手術台に寝転んで上を見上げると、壁に設置されている大きなモニターに自分の顔が映し出されています。枕元に麻酔科の先生が立ちます。

酸素マスクで私の口を覆いながら

麻酔科医師「中村さんはお酒飲みます~?量を飲む人は麻酔が効きづらいんですよね~。それでも、数を『10』数えられたら大したもんだ。やってみましょうか。『10』数えてみて下さい。」と言いながら点滴に注射器で麻酔を混入させます。

私「1、2、、」

点滴の刺さっている左腕が一瞬でブワーッと熱くなって記憶はここまで。気が付くと病室のベッドでした。明らかに今まで無かった空洞を口腔内に感じる。口の両端にも痛みを感じた。どうやら手術は、器具を使って口を大きく開き、上から扁桃腺を焼き切るといった手法で行われたらしく、器具で強引に口を大きく開けた際に唇の両端が裂けてしまったのだ。

普通であれば、裂けたところが痛ーい!となるのですけど、扁桃腺を焼き切られた後の痛みは尋常ではありません!唾も飲み込めないので、定期的に御手洗いへ。食事は点滴。アクビは激痛。何をするにも痛くてワーワー騒いでたら座薬の鎮痛剤を出してくれたのですが、それも全く効きません!

2日目になると、10分粥なんていって白米の全く入っていないお粥を出してくれるのですが、熱した米のとぎ汁みたいで劇的に不味い!気持ち悪いです!そして熱いのは痛い!

デザートにゼリーも添えられていたのですけど、オレンジ味で激沁みる!柑橘系はアカン!食堂で動けなくなり悶絶…。看護婦さんへ猛烈に抗議!何て事をしてくれるんだ!

それを見ていたKさん。

「あらら…可哀想に…。行っとく?」という事で術後初の一服です。。結局、術前・術後と全く禁煙してません。持つべきものは悪友です。ありがとうございます。

そして実は、これ以降に病院内でどの様に過ごしていたのか全く記憶にございません。

痛みに気を取られていたのでしょう。

Kさんとの別れ際も覚えていない。連絡先を交換したかどうかも分からない。
 
 
一つだけ覚えているのは、先生が瓶に入ったホルマリン漬けの扁桃腺をコロコロしながら「中村くーん。これ扁桃腺。焼き切ったから真っ黒焦げ。持って帰るー?」と言われた事。

そんなもん要るかい!と思ったのですけど、実際お持ち帰りする人もいるのだとか…。

使い道が無さすぎる。。
 
 
私の周りにも咽頭炎で悩んでいる人が多く、参考になればと思い描き始めたコラムですが、あまり有益な情報を盛り込む事が出来ずに申し訳なく思います。。

とりあえず、術後は超痛いです。禁煙しても腫れます。そして扁桃腺を取った後も跡地が腫れます。
 
 
お医者さんに言われました。
「中村さんは喉が弱いけど我慢強いからタチが悪い」と。

皆さんも身体に異変を感じたら、早めの受診を心掛けていきましょう!

我慢で病気は治りません!
 
 
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■THE NEATBEATS
Officail Website:http://www.neatbeats.net/
MR.MONDO Twitter:https://twitter.com/Nakamura_Takumi

■THE NEATBEATS Live Information

2017/09/09 (土)@大阪ロフトプラスワンWEST
2017/09/18 (月)@いしがきMUSIC FESTIVAL 2017
2017/09/19 (火)@恵比寿 LIQUIDROOM
2017/09/24 (日)@岐阜 CLUB ROOTS
2017/10/06 (金)@熊本ワンドロップダイニングスタジオ
2017/10/07 (土)@福岡INSA (ワンマン)
2017/10/08 (日)@松江 AZTiC canova
2017/10/09 (月)@松山星空JETT
2017/10/14 (土)@大阪塚本ハウリンバー(ワンマン)
2017/10/15 (日)@大阪塚本ハウリンバー(ワンマン)
2017/10/20 (金)@新宿 red cloth(ワンマン)
2017/10/21 (土)@新宿 red cloth(ワンマン)
2017/10/28 (土)@京都拾得
2017/10/29 (日)@梅田シャングリラ
2017/11/02 (木)@札幌 COLONY (ワンマン)
2017/11/03 (金)@旭川 CASINO DRIVE

●「ROCK’N’ROLL EXPRESS!」
2017/09/01 (金)@名古屋クラブクアトロ
2017/09/02 (土)@広島クラブクアトロ
2017/09/10 (日)@梅田クラブクアトロ
●”ロッケンロー★サミット2017″
2017/09/23 (土)@渋谷TSUTAYA O-EAST

■THE NEATBEATS Release Information

アーチスト : THE NEATBEATS
タイトル : LIKE THE CAVERN LIVE! REEL NO.3 & NO.4
レーベル : MAJESTIC SOUND RECORDS
品番 : MSCD-085/6
形式 : 2枚組CD (限定盤)
発売日 : 2017/3/22(水)
定価 : ¥2,600 (税抜)


(DISC 1)
1. RUN CHICKEN RUN
2. FARMER JOHN
3. YAH YAH YAH
4. 明日が来なけりゃいい
5. YOU CAN’T JUDGE A BOOK BY THE COVER
6. I WANT YOU
7. TWISTIN’ TIME WITH YOU
8. SWEET CHERRY PIE
9. I WANT TO BE YOUR DRIVER
10. YOU’VE GOT WHAT I WANT
11. オレに任せろ
12. TREAT HER RIGHT
13. BLUE BLUE BLUE
14. HEY 彼女
15. (DO THE) GLOBAL TWIST
16. 甘いジュース
17. YOU’RE SO FINE
18. 噂の男
19. DON’T YOU JUST KNOW IT MEDLEY
20. LIES
21. LITTLE BITTY PRETTY ONE
22. 黒いジャンパー
(DISC 2)
1. SHAKIN’ THE NIGHT
2. DR.FEELGOOD
3. ハートをわたそう
4. お願いBABY
5. TWISTIN’ THE NIGHT AWAY
6. HIPPY HIPPY SHAKE
7. HAMBURG TWIST
8. MAMA TALK TO YOUR DAUGHTER
9. MY BONNIE
10. SHAKE
11. I’M GOING DOWN THE LINE
12. TWIST AND SHOUT
13. I’M GONNA SIT RIGHT DOWN AND CRY
14. KANSAS CITY
15. ONE FINE DAY
16. MASHED POTATOES
17. I CAN TELL
18. THAT IS ROCK & ROLL
19. TWISTIN’ DAY
20. BABY LET’S GET SHAKE
21. MY BABE (REHEARSAL TAKE)
22. HELLO JOSEPHINE (REHEARSAL TAKE)