コラム
ロックは現場で起きてるんや!〜三原流ライブ参戦記〜
三原勇希
中学生の頃モデルとしてデビューし、tvkの音楽バラエティ番組「sakusaku」のMCを三年務めたのち、日本テレビ「シューイチ」でトレンドレポーターなどのお仕事をしてきました! おしゃれと体を動かす事が大好きな、自称かなりのアクティブ女子です。ライブやダンスも大好きです☆ 出身地:大阪府 血液型:AB 星座:牡羊座 趣味:おしゃれと呼ばれる物全般・料理・散策

17/02/27 くるりの20回転「チミの名は。」@Zepp Divercity

昨年、20周年を迎えたロックバンド
くるりのベストアルバム「くるりの20回転」
これを記念したツアーを観に行ってきました。

これだけ音楽が好きだと言っておきながら、青春時代はアジカンRADWIMPSくらいしかロックバンドを聴いていなかった。しかし思い入れのあるそれらと同じくらい好きで、しかもこの先一生飽きずに聴き続けられると思うのがくるりである。

このベストアルバムは、くるりがこれまでリリースしたシングル曲ーデビュー曲の「東京」から最新曲「琥珀色の街、上海蟹の朝」まで全てリリースした順にまとめたアルバムで38曲も入っている。実は私は高校生の頃、大好きなRIP SLYMEとコラボしていた「ラヴぃ」以降少ーしずつくるりを聴くようになったので、後追いで聴いていたため、東京という超名曲でデビューを飾っていることに驚いた。その次も虹、青い空、街、春風とヒット曲が続くなんてすごい新人バンドだぁ。そこから今までの軌跡を眺めるだけでもとても面白い。変化に富んでいるから。

もちろんこのアルバムからたくさんやってくれるのだろうし、そしたらとんでもないゴールデンセットリストだなぁと、楽しみに何度も何度も聴いて行った。
しかし、そんなまっすぐな考えはくるりには通用しなかったのだ。

当日、もちろんチケットはSOLD OUT。関係者の立ち見もたくさん。
開演時間ぴったりにメンバーはステージに現れ「どうも くるりですー、よろしく」といつもの岸田さんのゆるい挨拶からライブはスタートした。(思うけど、一曲目が始まる前に名前を言って挨拶するアーティストってあんまりいないかも)

一曲目は「愉快なピーナッツ」。ミドルテンポで軽快、なのにずしっとくるナンバー。そこからバンジョーが鳴るカントリーテイストの「リバー」へと続き、暖かい日差しに包まれたような気持ちに。ああ、嬉しい!

ここでのMCで岸田さんから「今日はオリジナルのメンバーを連れてきました」と、ドラマーの森信行さんを紹介。大きく手を上げて拍手するファンが何人もいた。やっぱりスペシャルな日だ。

「あまり人気のない曲をやります、俺もほとんど覚えてない(笑)」といって演奏したのは「夜行列車と鳥瓜」。大きくゆれるような岸田さんの第一声にしびれた。ロックバンドだ、と思い知らされるぶっとい音。この曲のガシャガシャしたギターの音が好きだった。続く「尼崎の魚」ではライブならではの音の強弱、緩急がたまらない・・・不気味で変なすごい曲。一曲に色んな要素詰めすぎなのにめちゃくちゃかっこいい。これぞくるりの醍醐味。

MCではツアータイトル「チミの名は。」の話。
「とてもインスパイアされまして」と岸田さん(笑)。なんでも流行る前から目をつけて、タイトルを決めてから映画を観に行ったのだそう。「観てみたらなるほど、と。入れ替わるのか、と。」・・・
「こういうタイトルをつけたからには、学園ものにするか、トリビュート to 志村けん的な内容にするか、入れ替わるかせなあかんなと考えて・・・で、入れ替わるのがいいかなと」
といって、ドラムがさんから、現サポートメンバーのクリフ・アーモンドにチェンジ。全然”君の名は。”じゃないやん。笑 ギターも山本幹宗さんから松本大樹さんにチェンジ。

入れ替わっての一曲目は、佐藤さんのベースが響いて「BIRTHDAY」! 続いてクリフの力強いドラムが超印象的な「Bus To Finsbury」。昨年はフェスもワンマンも何度かくるりのライブを観ることができたけど、本当に彼のベースは耳も目も惹かれる。テクニックはもちろんなんだけど音の迫力がすごい。続いて「Morning Paper」!好きな曲。この曲は最初テンポ遅いのに後半に進むにつれて畳み掛けてクライマックスを迎える演奏が好き。ライブだどなおさらです。 真っ赤な照明の中に、岸田さんのエレキが歪む。この曲やってくれるとは想像してなかったなぁ。

と、皆が薄々気づいてきたことを岸田さんが口にする。
「全然シングルの曲やってへん。」(笑)
「次もシングルじゃありません。でも俺の中では心の中のシングル。心の中ではシングルになって、オリコン14位くらいかな」という紹介から「Tonight is The Night」!演奏後に「まぁ(シングルに)ならへんわな。」と岸田さん(笑)。曰く、”抑制がきいている、でも内面のエモーショナルさが際立つ”この曲が好きなのだそう。なるほど、言葉にするとそうなるのかー。私は曲の良さを言葉で説明するのが苦手なので、勉強になります。

続いては最新シングル「琥珀色の街、上海蟹の朝」! 何度かライブで聴いたけど今日のが一番だった。岸田さんのラップのフロウが、なんというか、ぐでんぐでんで、それがめちゃくちゃカッコよかった。話はそれるが結局上海蟹を食べずにシーズンが終わってしまった。でも中華料理店で注文しようとしたら「今年は早く終わってしまったんです」と言われたのだ。そこから「ふたつの世界」。

次がすごかった。ステージの右端、キーボードのあたりにオレンジの一つの光が灯り、切なく綺麗なピアノのイントロで小さな歓声が。「京都の大学生」だ。これが聴けるなんて・・・!ライブで聴くこの曲はとってもジャジーでレトロで、「はよ大人になってくれ/原チャで来はったわ」関西弁の歌詞もあいまって、雰囲気抜群。たまらない。くるりのこの振れ幅よ。この曲が入ったB面集「僕の住んでいた街」が売れたのには、くるり自身予想外だったそう。でも私もこのアルバムめっちゃ面白くて豊かで大好きです。

ここからはツインドラムにツインギターで大迫力のクライマックス!「o.A.o」に続いて「Long Tall Sally」。この曲は初めてライブで聴くと改めて、なんちゅう曲やっ!! 最初はバンジョーで始まるのがカントリーではなくオリエンタルで、そこから曲調もコードもリズムもものすごく変則的。思わず、難しそ~、くるりって本当にすごいな~なんて思いながら聴いてしまった。かっこいいわ。

「Superstar」「ロックンロール」「Ring! Ring! Ring!」そして「HOW TO GO」と、激しさと切なさと愛しさと心強さを兼ね備えたロックナンバーが続き、会場の熱気は最高潮!これがロックンロールでありSuperstarなんや、と思ったのは私だけではないはず・・・最後は「街」「虹」と、もう大満足の締めくくりで本編は終了した。

しかし、アンコールもすごかった。まず一人で現れ、岸田さんの弾き語りを2曲。リクエストを募ったが結局岸田さんが決めた(笑)鹿児島の民謡、「おはら節」。これが素晴らしかった。元々鹿児島の民謡の人かと思ってしまうくらいに。(笑)なぜだろう、鹿児島県民でも慣れ親しんだ曲でもないのに、民謡って、岸田さんの声って、心に沁みるものがありますね。続いて「Baby I Love You」。弾き語りだと余計に歌詞が入ってきていいな。愛が深いラブソングだ。

そこからグッズ紹介を挟み(レコード欲しかったのに売り切れ・・・泣)「ばらの花」「ワールズエンド・スーパーノヴァ」「Liverty&Gravity」!ここでやっと、シングルの曲をたくさん聞けて報われた感・・・いや、それがなくとも最高だったけど、個人的にも大好きな「Liverty&Gravity」が最後に岸田さんの口から聞かされた時は本当嬉しかったなぁ。これも変な曲で、楽しくて、大好きです。

くるりは(もちろん音源も十二分にすごくて、いい曲ばかりで、それがあるからなのだけど)ライブがライブである良さを改めて感じることができた。くるりを聴いてる時にしか味わえない気持ちがある。本当にかっこいいバンドだ。「40歳の今こんなんで、60歳になった時はどんなバンドになってるんでしょうね」と言ってくれた岸田さんがまたかっこよかった。20年後のくるりも観に行きたい。

 


◆三原勇希 インフォメーション
スペースシャワーTV「TOKYO MUSIC ODYSSEY 2017 GUIDE」MC

BS日テレ「真麻のドドンパッ!」 毎週水曜レギュラー出演中
 毎週月曜日~金曜日11:00~11:55/再放送15:00~15:55

スペースシャワーTV「スペシャのヨルジュウ♪」VJ レギュラー出演中
 毎週火曜日22:00~23:00 スペシャアプリより生配信
 翌日水曜日スペースシャワーTVにて22:00~23:00放送 

テレビ埼玉「フィッシング倶楽部」レギュラー出演中
 毎週木曜日21:00~21:30、他全国12ネット局にて放送

FM802「INTRO-JUICE 802」 DJ
 放送:毎週日曜日18時~20時

・『走るひと 3』発売中

 

◆三原勇希 オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/yuki-de/

【レポート】「聖澤女学院物語 ラストディーバ」
http://www.beeast69.com/report/104747
【レポート】「東京タワー Club333 Night View DJ」
http://www.beeast69.com/report/92370
【レポート】BEEAST presents 三原勇希のロック女子会vol.1
http://www.beeast69.com/report/62822
【連載】ロック社会科見学 sakusaku 4代目MC・三原勇希に突撃取材!
http://www.beeast69.com/serial/sociology/29232