コラム
21st Century Progressive Man
永川敏郎
1980年、プログレッシブロックバンド「ノヴェラ」でデビュー以来、日本を代表するロックキーボードプレイヤーとして活躍。1986年にハードロックバンド「アースシェイカー」に参加。90年代より、自身がリーダーであるプログレッシブロックバンド「ジェラルド」の活動のかたわら、様々なセッションワークをこなす。2017年は、アースシェイカー等、ハードロックシーンでの活動をこなす。 BEEAST主催「プログレの館」でのトーク&ライブを定期的に開催中。

Progressive Man 第15話

みなさんこんにちは。永川敏郎です。

3月の中頃に、わたくしにとって大きなイベントがありました。
『Voices Of Rainbow』というイベントです。

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本物のRainbowの歴代ボーカリストが集まり、ライブを行うという、夢のようなイベントです。

Rainbowというのは、1975年あたりから活動を始めたハードロックバンドでして、ギタリストのリッチー・ブラックモアという人が作ったバンドです。このギタリストは有名ですよね。元ディープ・パープルの人です。
 

わたくしが最初に聞いたRainbowはセカンドアルバムの『Rising』でした。1976年の頃。ラジオから聞いたこのサウンドにとてもカッコ良さを覚え、すっかりファンになりました。

当時、高校生のわたくしは、ディープ・パープルにハマり、日々ジョン・ロードのオルガンをコピーする毎日を過ごしていました、勉強もしないで~ww

Rainbowサウンドは、オルガンのみではなく、仰々しいシンセサウンドが満載、それが当時は新鮮でカッコ良かったのよね~。いま聞くとちょっと恥ずかしいw
メロトロンとかミニムーグとかいう高価な楽器で曲を盛り上げる手法、当時は様式美とか言われてましたね。
 

1976年のRainbow来日公演も行きました。京都会館第1ホール。

Rainbowは鳥肌モノですよ。大きな虹のアーチがステージにあり、アンコールではリッチー・ブラックモアのお決まりのギターを叩き壊すというパフォーマンスもあり、お客さんは大盛り上り。高校生のわたくしには刺激強過ぎでした。それ以来、わたくしRainbowマニア~w

当時のボーカリストは、ロニー・ジェームス・ディオという人。

この方は2010年にお亡くなりになり、もう生声を聞くことはできませんが、その後に加入したRainbowボーカリスト達が大集合したイベント、それが『Voices Of Rainbow 2013』なのです。
 

わたくしは、ラッキーなことに日本人バンドメンバーとしてキーボードを担当しました。

高校生の頃、京都会館第1ホールで、「あたいもこんなバンドに入りたいな~~」と思ったそのバンドの人(厳密に言えばその後にRainbowに在籍したひとですが)と同じステージに上れるなんて…。
そのレポートをしてみますね~。

とは言っても、ライブレポートではなく、丸秘ツアー裏レポート(前編)ですよww
 

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今年2月中頃から、このライブ用の日本人メンバーだけのリハーサルが始まりました。

かなり前から演奏曲は決まっていて、メンバーはすでに予習済み、最初のリハーサルからほぼ完成型な感じで、勤勉な日本人ですよ。それと言うのも、外人さんと一緒のリハーサルはツアー前日に行われますが、1回歌って、「オーケー。エエかんじやね~。明日からロックしよ~ぜ~。」って言うのは想定済みなのですw

ので、前もっての個人練習がすべてなかんじ。気合いれて練習しましたから~。w

2000年からジョー・リン・ターナーとはライブをしています、最初の頃は、「ここでこうして~、あれして~、こうしようぜ~。」みたいなやりとりがありましたが、1度出来てしまうと、「オーケー。それそれ。え~と、次は~~~」みたいにサクサク進行なんですよ。
外人さんの感覚なんでしょうか、それとも適当なのか~ww

そしてライブ前日の3月11日。
大きなリハーサルスタジオに2人のボーカリストが登場です。

ジョー・リン・ターナーRainbow3代目ボーカリスト)とドゥギー・ホワイトRainbow4代目ボーカリスト)。

「ヘ~イ、ガ~~イ~」って絶対言います。今回もそう言って入ってきましたwww
「ひさしぶり~、元気にしてる~?」とか、「ロックしようぜ~。」みたいなことを英語で言ってましたw。
ドゥギーさんは、「風邪ひいたのよね~、だいぶ良くなったけど~~」ってショボンなかんじでした。

で、音出し開始。1曲目「Spotlight Kid」をバランス取りのチェックで演奏していたら、いきなり歌いだして、曲が終わると、「オーケー、グレイト~」。「次は、I Surrender~」って、サウンドチェックだと思っていたら実は始まっていたのですよw。関西弁でいう「イラチ」。せっかちな人です。そんなかんじで全曲走破。「ほな、明日ね~」って言って帰って行きました。約1時間30分。まるで嵐のようです。

おそらく、ツアー前日なんで、「日本人バンドは何回も一緒してるし、大丈夫でしょ。」っていうのと「あまり声出すと明日が辛くなるし~」というのとで、軽めの調整ということなんですね。

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そして、とうとうやってきました、3月12日、中野サンプラザでのライブ初日です。
お昼過ぎに中野到着。久々のサンプラザですよ。

1984年には、当時やっていたバンド、NOVELAでの東京公演。80年代後半から90年代にかけては、EARTHSHAKERでのライブで。いろんな思い出ありすぎですよ、この会館は~。個人的には、ロックの聖地、渋谷公会堂より思い出深いとこなのよね~ここは~。

最初にグラハム・ボネットRainbowの2代目ボーカリスト)のアルカトラスというバンドがリハーサルをし、その後、わたくしたちがセッティング&準備。すべてが順調に済み、リハーサルに臨みました。2人のボーカリストは、やはり「ヘ~イ、ガ~~イ~」と言って登場。数曲をチェックしてリハーサル終了。

「今日もロックするぜ~、オ~~」とか言ってジョー・リン・ターナーはステージに上がっていきましたね、いつものことですw

曲順どおりにライブも順調に進み、後半の「Kill The King」という有名曲を演奏中、びっくりした事がありました。イントロが終わって次は歌という時に、歌のメロが入らなかったのです。

ジョー・リン・ターナーは、「イントロあと1回しね~」ってドラマーに合図をだしたようですが、ほかのメンバーは知りませんでした、っていうか、みんなに教えてよ~w。で、曲がスゴイことになりました。崩壊ですね。

それぞれのメンバーは異常に気付き、ボーカルに合わせること約数秒、曲が元に戻りました。その後なにも無かったかのように演奏しましたが、聞いてる人にはバレバレかも。

これもライブの醍醐味ということで~ww

そんなこんなで、出番は終了~。「明日も、あさってもロックしようぜ~」ってジョー・リン・ターナーさんは満足げに言ってました。ひとまず任務完了、良いステージができたと思っていますが、「明日はちゃんと歌入ってね~」って心の中で言っていたのは日本人バンドのメンバー全員でしょwww

次の日から名古屋、大阪公演です。続きの暴露話(後編)は来月ですw。
 
 

わたくしライブに参加します。
 
2013年4月14日(日)G-ROCKS下高井戸
BLACK MAX LIVE 2013
 
OPEN 17:30/START 18:30
Charge:2,500円
出演:BLACK MAX
 
BLACK MAXは、Rainbow & DEEP PURPLEのカヴァーバンド。
リッチーブラックモア・フォロワーとして全国に有名なギタリスト早瀬のパフォーマンスは必見!
 
会場のLink http://groks.co.jp/index.php?cl=ev&id=112
 
 
というイベントです。
『Voices Of Rainbow』が終わったと思いきや、またまたのRainbow & Deep Purpleカヴァーライブです。わたくし楽しんでますよ、少し苦しんでますけどww。準備期間から~。
ぜひお越しください。
 
ではまた来月です。
 


インフォメーションはこちらから。
ジェラルドHP http://sound.jp/gerard/
永川商店ブログ http://blogs.yahoo.co.jp/gerard_toshio_egawa