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REPORT2012.02.24

PRAYING MANTIS 2012/1/12@渋谷Club Quattro

TEXT:桂伸也

結成30周年、NWOBHMムーヴメントの生き残りとして名高いPRAYING MANTIS。ヘヴィ・メタル創世記を支えたそのオーソドックスともいえるサウンドの奥深さを知る彼らの存在は、今や世界遺産並みともいえる重要な存在だ。しかも、活動開始後30年を越える今でも、その音はノスタルジーではなく、現役の音としてその存在を示している。更に昨年発表されたメモリアル・アルバム『METALMORPHOSIS』は、完全なオリジナル・ニューアルバムではないにもかかわらず、その斬新さを存分に醸し出している。そんな彼らが、またその輝くようなパフォーマンスを披露すべく来日。果たして、今現在も彼らは、真の意味で健在なのだろうか?そのライブでの様子を追った。
 
◆PRAYING MANTIS
Michael Freeland (Vocal)
ChrisTroy (Bass)
Tino Troy (Guitar)
Andrew Burgess (Guitar)
Gary Mackenzie (Drums)

いかにもといった無骨な出で立ちで登場したMichaelと一同。彼らが放つオーラは正しく、「これぞヘヴィ・メタル」と、そのサウンド自体を讃える要素にも見え、それを会場の隅々が認めたようだった。その証拠として、彼らが登場するや否や、会場中から大きな喜びの感性が嵐のように巻き起こった。「Good Evening Japan! How are you doing?」Michaelの叫びと共に、勇ましい8ビートが会場を揺らす。ギターのメロディが印象的な「Children Of The Earth」からのオープニング。フロアも大興奮で、いきなりサビを会場全体でコーラスするという派手なスタート。メロディ、詞と共に、その完成度の高さ、音楽として質の高さを物語るスタートからは、彼らの音にベーシックなカッコよさが見事に詰まっている感じだ。例えばBruce Dickinsonのような、NWOBHの「あの頃始まった声」を時に感じさせるMichaelのヴォイス。「もっともっと!」と歓声をあおるその声から、メタルという音楽が今も残っている理由を感じさせる。複雑なポリリズムから断続的なブレイクで始まるメロディに、フロアとの息もますます合ってくる。
 
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観衆の中には、血気盛んなヘヴィ・メタルファンも多かったが、中にはあのNWOBHと青春が重なる、筋金入りのメタラーも多く、まるでJAZZを聴きに来た親父のように、その音に浸っている。ただそのリズムを感じ、気持ちを高める者もいれば、頑固一徹で鍛え上げられた彼らの音を、まるでソムリエのようにじっくりと味わう者も。それぞれの感じ方は違えど、彼らのサウンドを楽しんでいるということでは満場一致の共通したポイントがそこにはあった。時にバロック的なキメから曲紹介、抜群のギターメロが決まるバラード、更に8ビートに転換、加えてシャッフル気味の8ビートと、彼らの作り出すリズムグルーヴには何か人を動かす力がある、ということを改めて示してくれる。
 
「前回来日したとき、ライブに来てくれたやつはいるかな?」
「Running For Tomorrow」をプレイした後に、Michaelが語りかけ、その上がった手を見て喜ぶ。更にバラード、ポップな曲調、広大なロックと、華やかさ、楽しさ、深さを感じる曲が続く。今のメタルのように極端なエッジはないかもしれないが、真に求めるサウンドを追求した形、結果として彼らの作品は明確な意味を持ち存在している。それは、本当の意味でキャッチーさを持ち、会場内にそのサウンドを蔓延させ人々の心をつかむことで実証されている。どちらかというとほぼ均質な8ビートが続くが、時にブリッジのコーラスをフロアと分け合い、ここまで緊張やグルーヴを持続させられるのは驚異的。また、時に見せるメタルの真骨頂ともいえるブルージーなシャッフル・パターンは、かつて日本でブームを引き起こしたジャパニーズ・メタルにつながった印象も感じさせ、改めて彼らの、存在の大きさを感じさせた。
 
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Chrisが、活動30周年の感謝、そして日本に来られたことの感謝の旨を、「Flirting With Suicide」をプレイする前に伝えると、Tinoが「もう終わりか?」と茶々を入れる。更に一曲毎にカッコいい曲紹介を入れ、キャッチーかつ、ノリに優れたヴォイスと、パフォーマンスがご機嫌なグルーヴを作るMichael。彼らのそんなリラックスしながらも上質な空間を作り上げる演奏に満足するフロアの観衆達。その光景には、「かつてヘヴィ・メタルが誕生した頃の、新鮮な空気が戻ってきた」というような感じさえ見られる。揺るぎのない強力なグルーヴを持つ8ビート、シャッフルに、皆手拍子で合わせる。ステージの4人も、本当に楽しんでいる模様。
 
「今夜最後の曲だ!」ギターのイントロと共に、ファン達に拍手をあおるMichael。ランニングを続ける8ビートと、その場を惜しむように鳴き続ける、激しくも美しく、切なさすら奏でるギター。ラストナンバー「Letting Go」で、会場は隅々までメロディを大合唱し、最高に盛り上がる。絶妙な転調のアイデアも、彼らならではの抜群なセンスの賜物。仕舞いにはMichaelがステージを降り、最前列のファン達とコンタクトを取りながら歌を熱唱する。最後にTinoが「Marvelous!」の一言で締める。
 
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鳴り止まないアンコールに応え現れた彼ら。まずはシンセSEと共に始まるドラマチックなバラード「Lovers To The Grave」また皆でメロディを歌う一体感がここでも現れる。更に、途中で登場するリズムチェンジが気持ちよく、ファンの気持ちを刺激する。そして、メンバー紹介をしながら始まるラスト曲、「Captured City」。シンプルな8ビートの中に現れるメロディックなギターのメロディと、微妙に現れるリズムチェンジがメインリフへの向芯力を強め、会場全体のコーラスを最高に押し上げてくれる。最後にまたTinoが叫んだ。「This is Absolutely Marvelous!!」メンバー一堂、スクラムを組むように肩を組み合い、皆に心からの感謝の意を込めて礼をし、この日のステージを締め括った。
 

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◆PRAYING MANTIS 公式サイト
http://www.praying-mantis.com/
 
◆TOKYO ONKYO ROCK SITE
http://ameblo.jp/tokyoonkyorock/
◆セットリスト:
M01.Children Of The Earth
M02.Panic In The Streets
M03.Time Slipping Away
M04.Running For Tomorrow
M05.Turn The Tide
M06.Highway
M07.Don’t Be Afraid Of The Dark
M08.Can’t See The Angels
M09.Praying Mantis
M10.Flirting With Suicide
M11.Dream On
M12.Borderline
M13.Turn The Tables
M14.Letting Go
[Encore]
M15.Lovers To The Grave
M16.Captured City

 
彼らが奏でるメロディ、ハーモニー、リズムは、光り輝いていた。それは、物置に仕舞われた、埃をかぶった鏡のような鈍い光ではなく、まるで湖面に反射する太陽の光がきらめく様のようだった。このことは、決して彼らのサウンド、そしてヘヴィ・メタルが誕生してから脈々と受け継がれるその音楽要素が、全く過去に埋もれてしまわない、いつまでも人々に求められるものであることを示しているようにも見えた。結成30周年を迎えた彼らがこの夜見せた輝きも、変わらない強い光を放っていた。改めてヘヴィ・メタル健在の根本を示した彼ら。早くも次の再会を願うファン達の為にも、更なる躍進を願ってやまない。

東京音協主催 今後のライブ予定
 
1)Michael Schenker 『TEMPLE OF ROCK JAPAN TOUR 2012』
日付・曜日:2012年3月29日(木)・30日(金) 19:00開演
会場:中野サンプラザ
席種料金:全席指定-8000円
[来日予定メンバー]
Michael Schenker : Lead Guitar (MSG, ex Scorpions/UFO)
Herman Rarebell : Drums (ex Scorpions)
Michael Voss : Vocal
Elliott Rubinson : Bass (Owner of Dean Guitar)
Wayne Findlay : Keyboards/Guitars (MSG)
 
2)『ATTACK OF THE DOUBLE AXEMEN Vol.2』
日付・曜日:2012年4月21日(土) 18:00開演
会場:SHIBUYA BOXX
席種料金:立見-4500円
[出演バンド]
Concerto Moon,  Kelly SIMONZ’s BAD TRIBE
詳細内容
※入場時ドリンク代別途必要。
※未就学児入場不可。
 
3)ROYAL HUNT 『20th ANNIVERSARY JAPAN TOUR 2012』
日付・曜日:2012年5月16日(水) 19:00開演
会場:Shibuya O-EAST
席種料金:立見-7000円
詳細内容:
※入場時ドリンク代別途必要。
 
4)RAGE 『JAPAN TOUR 2012』
日付・曜日:2012年5月24日(木) 19:00開演
会場:Shibuya O-EAST
席種料金:立見-7000円
[メンバー]
Peter “Peavy” Wagner(Vo,B)
Victor Smolski(G)
Andre Hilgers(Ds)
詳細内容:
※入場時ドリンク代別途必要。
※未就学児入場不可。
 
お問合せ:t-kaiin@t-onkyo.co.jp