連載

杏林大学

TEXT:鈴木亮介

Photo全国の大学・短大・専門学校の全面協力の下、ロックなキャンパスライフを送る学生にスポットを当てる「キャンパスロック図鑑」。連載4回目を迎え、徐々に各大学のカラーも見え始めてきました。唐突ですが、幼少期にお正月の箱根駅伝を見ながら漠然と「大学生って、かっこいいなぁ」と憧れた経験、読者の皆さんはありませんでしたか?小学生の頃、プロ野球のチームを応援するように「○○大は今年もやってくれる」「やっぱ箱根の坂は○○大が強いでしょ」と評論し合った経験はありませんか?「キャンパスロック図鑑」では、そんな「ロック版・大学対抗戦」を誌上で楽しく繰り広げていければと思います。いずれ、BEEAST主催の大学対抗マッチを開いたら面白いんじゃないか…ともこっそり考えています。

さて、今回登場するのは杏林大学です。1970年に大学を設立し、同時に三鷹の新川病院を移管し医学部付属病院として開設しました。「良医」を指す中国の故事が学名の由来で、医学部が有名ですが、総合政策学部や外国語学部といった文系学部も充実しています。今年外国語学部に新設された観光交流文化学科では、「観光保健論」「旅行医学概論」など医学系と文学系の融合科目が履修できるのが杏林ならでは。そして、ご紹介するのは杏林大学社外軽音楽部です。代表を務める総合政策学部企業経営学科3年の田中俊也さんに話をうかがいました。

— まずはじめに、杏林大学社外軽音楽部の特長を教えてください。

Photo田中:私たち社外軽音楽部は、主にメジャーシーンで活躍しているアーティストの楽曲を演奏するコピーバンドを組んでいます。ジャンルはJ-POP、アニメソング、パンクロック、ブィジュアル系、Heavy Metalなど様々です。社外軽音楽部には、一度も楽器に触れたことのない初心者からすでに演奏技術を持った上級者まで、楽器やバンドを愛する熱いメタルハートを持った53人が集まり、楽しく活動しています。中には、「G-1 GrandPrix 2008」のギター最速決定戦で大会史上最年少優勝を果たしたメンバーもいます。特に初心者で入部してきた部員が、社外軽音楽部の活動の中でめきめき上達していくのを感じた瞬間は本当に感動します。ライブの時に部員全員で巻き起こるモッシュやヘッドバンギングは圧巻です。部活の枠を超えてさらに学外でバンド活動を行っている部員もいます。

— 部員数やバンド数はどのくらいでしょうか?また、活動についても教えてください。

田中:部員は現在1年生20人、2年生17人、3年生6人、4年生10人のあわせて53人です。毎週月曜日、火曜日、金曜日、日曜日の9時から21時まで部室のミーティングルームで活動しています。バンド数は15から20バンドあり、活動日にはそれぞれがライブに向けて切磋琢磨しています。バンド練習がない日でも、部員は放課後になると自然と部室に足が向き、大勢集まってワイワイと賑やかに喋っています。先輩後輩の枠を超えて、音楽の話はもちろん、授業のことや部活のこと、恋愛のこと、世間話などを語り合うのもまたひとつの楽しみですね。最近は活動の幅を広げるため、近くの純心女子大学(八王子市)の軽音楽部とも年に数回一緒に活動しています。また、今年3月には大学近くを流れる浅川の清掃活動もしました。今後も色々な地域ボランティアなどにも挑戦していきたいです。やはり杏林大学あっての社外軽音楽部なので、ライブなどにとどまらず、そうした活動を通してより多くの人に杏林大学と社外軽音楽部を知ってもらえたらと思います。

— 年間を通してライブやイベントはどのくらい行うのですか?

Photo田中:ライブは年間7本あります。まず4月は「部活紹介ライブ」があり、社外軽音楽部の魅力をしっかりアピールします。そして6月は「新入生歓迎ライブ」があり、ここで1年生バンドがデビュー。それからすぐに、7月には近くにある東京純心女子大学の軽音学部を交えた「七夕ライブ」があります。そして秋は何と言っても「学園祭ライブ」が目玉ですね。毎年10月に行われる大学の学園祭「杏園祭」で野外ライブを行います。さらに、11月は「部内ライブ」、12月は他大学を交えた「クリスマスライブ」、そして3月はライブハウスを借りて先輩の卒業を祝う「追いコンライブ」を実施しています。また各ライブ後の反省会や交流会も部員の絆が深まる大切なイベントです。このほか、夏には「花火大会」や「小旅行」などを企画したりと、イベントが盛りだくさんです。

— 田中代表にとって、杏林大学社外軽音楽部はどのような存在ですか?

田中:自分にとって社外軽音楽部の存在を一言で表せば「充実」ですね。大学に入学したばかりの時期はほとんどの人が大学生活に夢と希望を持っていますよね。しかしどこか心の隅で大学は楽しいのか、友達できるのか、などその他色々不安な気持ちもあると思います。でも、社外軽音楽部に入部すればそんな不安も一瞬で飛んでいきます!!私は入学当初、大学に行って授業を受け、帰宅するだけの単調な大学生活を過ごしていましたが、現在社外軽音楽部で共に活動している副部長の栗原君から「軽音部見学しに行こうぜ!!」と誘われ、即入部。以来、私の大学生活は大きく変わりました。社外軽音楽部には同級生や先輩がたくさんいて、皆とても親しみやすい人ばかりです。部活帰りに夕飯を食べに行ったり、先輩に恋の相談や楽器や勉強を教えてもらったり、部員一丸となってライブに燃えたり、毎日が「充実」しています。後輩部員も当時の自分のように社外軽音楽部を通じて大学生活がより充実したものになるように応援していきたいです。本当に社外軽音楽部は最高です!!大学生活の第一歩は社外軽音楽部と言ってもいいのではないでしょうか?

— 最後に、今後の目標を教えてください。

Photo田中:部全体の目標は大学内の他の部活やサークルの中で一番!いや、もっと欲を言えば他の大学の部活やサークルの中で一番の部活にしていきたいですね。「杏林大学に社外軽音楽部あり!!」くらい部を盛り上げていきたいです。この目標を達成するために今までの活動はもちろん、まず第一歩に大学生によるロックフェスティバルに参加したり、練習漬けの合宿の企画など新しい事に積極的に挑戦したりしていきたいですね。また、部長として率先して部を更に盛り上げていきたいと思っていますし、そのためにはよりいっそう自分自身の演奏技術を向上させ、後輩を指導していきたいです。その結果として部全体の演奏技術の向上につながればと思っています。それから個人的には、自分の大好きなHeavy Metalを演奏する部員がだんだん少なくなっている気がします。社外軽音楽部のHeavy Metalシーンがその他のジャンルに負けないように頑張りたいですね。Metal is Forever!!

※杏林大学よりメッセージ

八王子と三鷹の2つのキャンパスで5千人を超える学生が学ぶ杏林大学。
10月~11月に学園祭をそれぞれのキャンパスで開催します。詳細は大学ホームページへ。
オープンキャンパス
学園祭

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目標や希望をいろいろあげましたが、何よりも部員のみんながこの社外軽音楽部で楽しく活動でき、たくさんの思い出がつくれるといいと思います。そして大学時代、社外軽音部の一員でよかったと思ってもらったらこれ以上の幸せはないですね。これからも社外軽音楽部は部員一丸となって活動していきます!!

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◆杏林大学プロフィール
・ 大学住所
〒192-8508 東京都八王子市宮下町476
・ 創立年
1970年
・ 学生数
(2010年5月1日現在)5119名
・ 大学HP
http://www.kyorin-u.ac.jp/

◆ビースト推薦文
「杏林」の名の通り、立派な人格を持って社会に貢献する医者や職業人を育てたいというのがこの大学のモットー。それは、医学部にとどまらず、社外軽音楽部をはじめとした学内のサークルにもしっかり伝承されているのだなと感じました。部員同士で楽しみつつも、演奏技術を高めるために切磋琢磨し合う厳しさは、裏返せば真の優しさ。「杏林」の名を冠するにふさわしいですね。自分たちの演奏の素晴らしさを知ってもらうために、スタジオやライブハウスから飛び出て積極的に外へアピールしていく姿勢にも共感!浅川を掃除するメタルロッカー、最高です!