連載

YHMF熱血現場最前線!

熱血6
TEXT:鈴木亮介 PHOTO:ヨコマキミヨ

過去にRADWIMPS藍坊主を輩出し、今年で11回目を迎える高校生バンドコンテストの草分け的存在「YHMF(ヨコハマ・ハイスクール・ミュージック・フェスティバル)」に密着する連載「YHMF熱血現場最前線!」。BEEASTではオフィシャルメディアとして、タイトル通り現場の最前線を毎月お伝えしていきます。

お待たせしました!連載6回目となる今回は、8月10日に横浜アリーナにて行われたYHMFの決戦大会の模様をたっぷりお届けします!今回は「8.10横アリ 前篇」として、オープニングから前半10組+ゲストパフォーマーのライブリポートを中心にお伝えします。

Photo

午前11時。新横浜駅から歩くこと5分、横浜アリーナが見えてきました。国内外のビッグアーティストの数々の公演が行われてきたこの場所で今日、高校生ミュージシャンの頂点が決まります。正面入り口には炎天下の中早くも30~40人のお客さんが開場を待っています。そのほとんどは10代女性。同級生の活躍を見に来たのでしょうか。

関係者入口から受け付けを済ませ、早速場内へ。既にロビーには協賛各社のブースが設営され、大勢のスタッフが行き来しています。そしてホール内に入ると、前日に引き続きゲストパフォーマーの入念なリハーサルが行われていました。開演の時間が近付くにつれ、1分毎に期待が高まってきます。

PhotoPhoto

正午を少し回ったところで、開場。待っていましたとばかりに多くの来場客でロビーが賑わい、行列が出来ました。先頭にいた女子高生3人組に話を聞いたところ、「同じ高校の先輩を見に来た」とのことで、何と朝10時から並んでいたということです。開演まで1時間あるのですが、行列は途絶えることがありません。そして、何組かの出場バンドがロビーを訪れ、来てくれた同級生を出迎えているのが印象的でした。

PhotoPhoto

午後1時10分、ピアノによる「キンコンカンコン」が鳴り、スクリーンに映し出された花火の映像とともに、勢いよく開幕です!!オープニングは横浜創英高校バトン部「BRIGHTS」によるチアのパフォーマンス。続いてメイン司会を務める早川亜李彩さん(高3)と橋野佳文さん(高2)が登場。前半の司会を担当する木村カレンさん(高1)、新井水彩さん(高1)、後半の司会を務める山田萌子さん(高3)、先間亜図夢君(高3)も加わり、出場バンド19組を次々に紹介していきます。

PhotoPhoto

今年のYHMFには313曲の応募があり、その中から音源選考、ライブ選考を勝ち抜いた19組(うち1組辞退)と、京都ライブキッズVol.20より選出された1組が、今横浜アリーナのステージに立っています。その後、審査員の紹介やゲストバンドの紹介、さらには昨年から始まったヘアメイク部門の紹介も。そして、共催の横浜市を代表して林文子市長によるビデオメッセージが流れます。観客は一様にもう待ち切れないといった表情!

PhotoPhoto

午後1時半、木村さんと新井さんの1年生コンビの司会で、前半スタート!トップバッターは揃いのオレンジTシャツで元気よく登場のジェニー。同じ高校の男2人女2人で結成されたこのバンドはパフォーマンス中終始笑顔なのが特長です。観客に手拍子を促し、しっかりと会場を温めていました。

PhotoPhoto

続いて2組目は男性4人組のThe Learners。往年の忌野清志郎を想起させる華やかさがあり、ステージを縦横に使ってしっかり自分達の世界観を伝えていました。演奏前に流れるバンドの紹介VTRでは、メンバーが学校コントを披露し、場内大爆笑。

PhotoPhoto

3組目のTARANTonSは残念ながら出場辞退。4組目の登場は女性4名のコビトイルカ。真っ白の可愛らしいマリンファッションとは対象的に、ベースの重低音を強力に響かせたロックナンバーを披露。終演後は一様に「楽しかった」「緊張しなかった」と笑顔でした。

PhotoPhoto

5組目は経験II(セカンド)。ギター、ベース、ドラムの男性3人構成で、今大会唯一のインスト。ボーカルが見つからずこのスタイルになったとのことですが、個々のテクニックが卓越しており肉厚感のある演奏でした。

PhotoPhoto

6組目は男性4人組のMASK.が登場。「自分たちに言い聞かせるような、周りに感謝できる曲」というハードコア・メタルを披露。高校生とは思えない実力派のステージの連続に、観客も驚嘆しているようです。

PhotoPhoto

7組目は大阪から応募の女性5人組Tinks of Crane。パワフルでボーイッシュなボーカルとピアノの悲しい旋律、そしてシックな黒で統一した衣装が曲のテーマである「失恋の雰囲気」をしっかり表現し、会場を染めていきます。

PhotoPhoto

8組目は京都大会を通じて2年連続出場のDodico.が揃いの制服姿で登場。ボーカル、ベース、アコギと電子パーカッションの女性4人組は座って演奏。スローテンポの優しいメロディで、しっとりと歌い上げます。

PhotoPhoto

9組目は女性ソロシンガーSakuがアコギの弾き語り。夏場のサイダーのような透明感のある歌声が魅力。歌詞がスッと入ってきます。終演後は「緊張したが、大勢のお客さんに聞いてもらえて嬉しい」と話していました。

PhotoPhoto

前半最後の登場は男性3人組のNEWT。友人が飼っていたイモリがバンド名の由来。爽やかな見た目通りのポップで爽快な楽曲を披露。歌詞には「うまく行かなくても、投げ出さずに続けよう」という意志が込められています。

PhotoPhoto

あっという間に前半9組の演奏が終了。腕時計に目をやり、開演から既に2時間近く経過していることにびっくり!以前の連載記事内でampelの小岩井君が話していたように、本当にどの出場者もまた聞きたい!と思える楽曲ばかりです。司会の2人も1年生コンビと思えないぴったりと息の合った掛け合いで、時に早口言葉の無茶振りをし合いつつ、しっかりと大役を果たしました。

さて、バンドの熱演が続いたところで、高校生パフォーマーの中継ぎへ。まずは、数々のミュージシャンのPVに出演するなど活躍中の現代によるロボットダンスのパフォーマンス。多摩地区の都立高校に通う現役の男子高生です。次いでBTN21によるチアリーディング。約30名による華やかなステージは、さながらスポーツのハーフタイムショーのよう。

PhotoPhoto

そして、お待ちかねのヘアメイク部門です。前半は「サマーアレンジ」をテーマにしたファッションショーを展開。15名のモデルが3人ずつ、「夏の花」「マリン」「夏祭り」など5つのテーマに分かれて登場。この日のために何度も何度も練習したのでしょう。しっかりと足取りを揃えて、堂々としたステージングで観客を魅了していました。

ここで一旦休憩。既に中央アリーナ席は8割方が埋まっています。前方の席は大半が高校生か、その少し上と思われる10代で占められ、後方に出場者の親御さん世代や、小学生の子も含めた家族連れなどが多く見られます。観客の中には、YHMFにエントリーし、残念ながらライブ選考で落選してしまったバンドの子の姿もありました。

PhotoPhoto

休憩が終わると、ゲストバンドの登場。昨年の覇者であるNEONです。「今日出ている皆さんはどれもすごい人ばかりなので、負けないようにやりたい」と決してお世辞でないコメントとともに、3曲を披露。ボーカルのあさひは演奏後のインタビューでグランプリを取って変わったことを尋ねられ、「この1年を振り返り、グランプリだからというプレッシャーがあった時期も正直あった」とコメント。やはり喜びが大きい反面、周囲の反応や状況の変化には戸惑いもあったのでしょう。しかし、「今後はジャンルにとらわれず、やりたい曲をやっていきたい。今日の出場者たちも、横浜アリーナのステージを楽しんでほしい」と、笑顔で話していました。

PhotoPhoto

◆YHMF公式ホームページ
http://www.sunphonix.co.jp/yhmf/

◆NEON
http://84.xmbs.jp/NEOTONE/

※YHMF2010 各賞と副賞一覧
◆特別審査員賞
(優秀な演奏をし、今後の活躍が期待される1組に贈呈)
賞状・トロフィー・副賞(内は提供社名)
ステレオ・モバイル・アンプ「モバイルキューブ」(ローランド株式会社)
マルチトラック・レコーダー、オーディオインターフェイス、コントロール・サーフェスの3つの機能を統合した「R-16」(株式会社ズーム)

◆まいどアリーナ賞
(ライブパフォーマンスが優れた1組に贈呈)
賞状・トロフィー・副賞(内は提供社名)
デジタルレコーダー「D888」(株式会社コルグ)
プリンスホテル ギフト券 3万円(株式会社 横浜アリーナ)

◆優秀賞
賞状・トロフィー・副賞(内は提供社名)
ポータブルヘッドフォン「ATH-SJ5」「ATH-SJ3」(株式会社オーディオテクニカ)
ケーウェーブ ピックアップ内蔵ウクレレ「レスポルファス」(キワヤ商会)
ハンディ・ビデオ・レコーダー「Q3」(株式会社ズーム)
図書券 3万円分(一般財団法人 日本音楽著作権協会)

◆グランプリ
賞状・グランプリトロフィー・副賞(内は提供社名)
崎陽軒商品券 1万円分(株式会社 崎陽軒)
フェイマス ファイングレードキワヤ 90周年記念モデルウクレレ(キワヤ商会)
インイヤーヘッドフォン IE-S(株式会社ボーズ)
PCDJシステム「スピン」(株式会社ベスタクス)
フェンダー ギターアンプ「G-DEC3」(株式会社山野楽器)