連載

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たんこぶちん『TANCOBEST』
TEXT:鈴木亮介

2007年に結成し、10年以上止まることなく活動を続けているガールズバンド・たんこぶちん。デビュー5年目にして自身初のベストアルバム『TANCOBEST』を3月7日(水)にリリースした。親子で応援できるロックバンド、たんこぶちんの特長を、デビュー前から取材し続ける記者の目線でまとめてみた。
 

幼馴染ゆえのグルーブ

たんこぶちんと同じ2007年に結成したバンドを並べてみると、KEYTALKflumpoolBrian the SunGLIM SPANKY東京カランコロンねごと摩天楼オペラ、…枚挙にいとまがないが、この中でたんこぶちんは断トツの最年少だ。それもそのはず、彼女たちがバンドを結成したのは小学校6年生のとき。同級生で結成し、中学に進むと地元・佐賀にとどまらず各コンクールで頭角を現し、2013年に現役高校生ながら「ドレミFUN LIFE」でメジャーデビューを果たした。
 
全員同級生…ということなら他にも例はあるだろうが、たんこぶちんの場合は姉妹が同じバンド内に存在する。同級生で姉妹、つまり双子のNODOKA(Bass)とHONOKA(Drums)が、それもリズム隊として在籍することで、唯一無二のグルーブを表現できているのだ。兄弟がバンドに在籍する例は、Oasis、VAN HALEN、THE BEACH BOYSムーンライダーズ、THE YELLOW MONKEY、マキシマム ザ ホルモン…とこれまた枚挙にいとまなしだが、女性姉妹、双子というのは極めて珍しい。家族でも友人でも同志でもある、運命共同体のビートを感じてほしい。
 

初期から名曲揃い、”敷かれた”レールは盤石

たんこぶちんは2011年、2012年と2年連続で「SCANDALコピーバンド&ヴォーカリストコンテスト」の決勝大会に進出し、デビュー前からSCANDALとの共演を果たしている。今やガールズバンド日本代表としてワールドツアーを重ねるほどになったSCANDAL、その背中を追うたんこぶちんも、SCANDALとの共通点が幾つかある。
 
まず第一に、”型を学ぶ”ことを徹底し、確実な演奏力でステージを重ねてきていることだ。『TANCOBEST』にも収録されている「TOUGH BOY (~TOUGH GIRL)」、「Alright!!」、「ze ze ze」のイントロはいずれもツインギターの疾走がシビれる秀逸な楽曲。ロックの醍醐味はイントロのギター。耳の肥えたお父さんお母さん世代にも、高校に入って初めてギターに触れた10代にも、十二分に満足できるギターサウンドが詰まっているし、そうしてそれらがライブではさらに何倍ものきらめきを放つ。親子で一緒にライブに行って楽しめるバンド。それはひとえに、彼女たちのライブに対するストイックさがあってのことだ。
 
メンバー自身、インタビューでは「敷かれたレールをひたすら走ってきて、自分たちでレールを作ってこなかったことに劣等感を感じている」と語っているが、その強固なレールは、彼女たち自身の素質とパーソナリティが周りの精鋭たちを引き寄せた結果だろう。本当に実力がなければ”お膳立て”だけでここまでの魅力的なバンドに育っていないはずだ。SCANDALも、初期の作品『TEMPTATION BOX』がファンの中で高い評価を得ているが、同様にたんこぶちんもデビュー当初の楽曲は、音階を一段ずつ上がるキャッチーなフレーズに5人の自己紹介的な要素も含んだ「ドレミFUN LIFE」、ライブでも根強い人気の「走れメロディー」など、名曲が多い。『TANCOBEST』では初期楽曲の魅力を再発見し、成長の軌跡をたどることができる。
 

SCANDALとの共通点多々、世界を目指せるバンド

さらに、SCANDALとの共通点はメンバーの個性がはっきりし、同性からの支持を集めていること。キュートでお茶目なCHIHARU(Keyboard)は、ひとたびステージに立つと音楽の神様が憑依したかのように全身で鍵盤をなぞり、表現。シルクのような艶を放ったかと思えばまた次の瞬間にはダイナマイトを放ってみたりと、豊かな表現でたんこぶちんのロックサウンドを支える。ボーイッシュないで立ちのYURI(Guitar)は、ステージでの格好良さを誰よりもストイックに追究。そのステージングには情熱だけでなく繊細さも持ち合わせており、男性からも女性からもリスペクト的支持を集めている。
 
そしてバンドの顔としてたんこぶちんを10年にわたり牽引し続けるのがMADOKA(Vocal & Guitar)だ。2017年公開の映画『二度めの夏、二度と会えない君』ではヒロイン役を務めるなど活動の幅を広げ、自らバンドの可動域、可能性を拡張している。ショートカットにハーフパンツ姿でステージに立つと、一見少年のような少女のようなあどけなさを感じてしまうのだが、ボーカルとしてどれだけ広いステージであろうと掌握するパワー・迫力とリーダーシップ、曲ごとに表情を変えるスケールの大きさ、さらには艶やかさも表現し、その小さな体にどれだけのものが詰まっているのだろうと、ライブのたびに驚かずにはいられない。
 

次の10年へ、「はじまりのうた」

今回のベスト盤『TANCOBEST』は初期曲も含めて全て、今のたんこぶちんメンバーのモチベーションとスキルにより再録されているので、既にこれまでの作品を手に入れているファンもその進化・真価を体感できる貴重な1枚となっている。そしてその最終トラックには初めて音源化される「はじまりのうた」が収録されている。ボーカル・MADOKAが作詞・作曲を手がけており、ライブでは何度となく歌われてきた曲だ。「5人にとってこの曲は、歌うたび、演奏するたびに、くすぶっている心のどこかが震えるような存在」とメンバー自身語っているように、エモーショナルなサウンドに力強い歌詞が重なり、一歩前に進む勇気をもらえる。
 
インタビューやライブのMCでは「まだ満足していない」ということを、用意され尽くした美辞麗句ではなくたどたどしい自らの言葉で語る5人の背中には頼もしさと明るい希望しか見えない。継続は力。次の10年の針路をどう描き、進もうとしているのか。その目撃者に貴方もなってみてはいかがか。
 

 


 
◆リリース情報
YCCW10325『TANCOBEST(TYPE-A)』【通常盤】
・2018年03月07日(水)発売
YCCW-10325 2,037円(本体)+税
<収録曲>
M01. ドレミFUN LIFE
M02. シアワセタランチュラ
M03. 走れメロディー
M04. TOUGH BOY(~TOUGH GIRL)
M05. Alright !!
M06. Re:GiRL
M07. 泣いてもいいんだよ
M08. 鳴らせ
M09. ze ze ze
M10. 花火
M11. Bye Bye ~君といた春~
M12. 偶然と運命
M13. さよならbaby
M14. 遠距離恋愛爆撃ミサイル
M15. 夏のおわりに
M16. はじまりのうた(新曲)

YCCW10326『TANCOBEST(TYPE-B)』【初回生産限定盤】
・2018年03月07日(水)発売
YCCW-10326/B 2,778円(本体)+税
<収録曲>
M01. ドレミFUN LIFE
M02. シアワセタランチュラ
M03. 走れメロディー
M04. TOUGH BOY(~TOUGH GIRL)
M05. Alright !!
M06. Re:GiRL
M07. 泣いてもいいんだよ
M08. 鳴らせ
M09. ze ze ze
M10. 花火
M11. Bye Bye ~君といた春~
M12. 偶然と運命
M13. さよならbaby
M14. 遠距離恋愛爆撃ミサイル
M15. 夏のおわりに
M16. はじまりのうた(新曲)
<特典CD>
・二度めの夏、二度と会えない君
・We are the Girls Band !!!!! – full ver.(2014)
・走れメロディー (2017)
・We Gonna ROCK (2017)

YCCW10327『TANCOBEST(TYPE-C)』【初回生産限定盤】
・2018年03月07日(水)発売
YCCW-10327/B 3,241円(本体)+税
<収録曲>
M01. ドレミFUN LIFE
M02. シアワセタランチュラ
M03. 走れメロディー
M04. TOUGH BOY(~TOUGH GIRL)
M05. Alright !!
M06. Re:GiRL
M07. 泣いてもいいんだよ
M08. 鳴らせ
M09. ze ze ze
M10. 花火
M11. Bye Bye ~君といた春~
M12. 偶然と運命
M13. さよならbaby
M14. 遠距離恋愛爆撃ミサイル
M15. 夏のおわりに
M16. はじまりのうた(新曲)
<特典DVD>
・たんこぶちんミュージックビデオ全8曲収録及びメンバーによるコメンタリー解説
・『「ニドナツ」ワンマンライブツアー 2017』ドキュメント

YCBW-10080『「ニドナツ」ワンマンライブツアー 2017』
・2018年03月07日(水)発売
YCBW-10080 3,611円(本体)+税
<収録内容>
2017年11月26日@渋谷TSUTAYA O-WEST「二度めの夏、二度と会えない君 feat. Primember」発売記念ワンマンライブの模様

 


 

◆ライブ/イベント情報
ベストアルバム「TANCOBEST」リリース記念ツアー
・2018年03月13日(火)【北海道】札幌COLONY
・2018年03月17日(土)【東京】渋谷eggman
・2018年03月18日(日)【宮城】仙台HooK
・2018年03月21日(祝)【大阪】DROP
・2018年03月24日(土)【愛知】名古屋JAMMIN’
・2018年03月29日(木)【広島】BACKBEAT
・2018年03月31日(土)【福岡】BEAT STATION
・2018年04月01日(日)【佐賀】GEILS
・2018年04月14日(土)【東京】SPACE ODD(ワンマンライブ)

 


 
◆『TANCOBEST』特設サイト
https://www.yamahamusic.co.jp/tancobest/

◆たんこぶちん 公式サイト
http://tancobuchin.jp/
◆たんこぶちん モバイルファンクラブサイト
https://fc.tancobuchin.jp/

 


 
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