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マオfrom SID「月/星」
TEXT:岡本恵里

「えっ!これがロックバンドのボーカリスト!?」
 
事前情報なしに今作を聴いたリスナーは、彼の正体を知るとまずそう思うに違いない。
“甘さ”と”力強さ”が同居する珠玉の歌声は、タイトル通り夜空に輝く月と星のような包容力と煌めきに満ちている。
 
マオ from SID」名義で今回リリースされるダブルAサイドシングルは、シドのボーカルであるマオのソロデビュー作品。活動13年になるロックバンド、シドからマオのキャリアとしては初めてのソロ活動となる。
 
現在進行形で活躍している人気バンドのボーカルがソロ活動…といってしまうと、あらぬ誤解や憶測がつきものだが、気を揉んだファンの皆さんもこれを聴くと、”バンド活動とは独立した別物”として「シドマオ」というアーティストの技量をみせつける作品であることがわかるだろう。
 
アーティスト写真ひとつをとってみても、普段の愛嬌のあるイメージとはうってかわって、ダークカラーのスーツを着こなしたスタイリッシュで大人の魅力溢れる仕上がりとなっている。
 
楽曲もまた、シドとは明確に区別されていながらもとても「マオらしさ」でいっぱいだ。
柔らかなピアノから壮大に拡がる美しいメロディーと、永遠の愛を歌う優しさに満ちた「月」。
甘さと、ちょっぴり毒を含んだ表現が彼らしい、軽快なテンポで恋のはじまりを歌う「星」。
どちらも情景が目に浮かぶようなストーリーを持ち、それぞれが独立しながらもリンクする、まさに月と星のような曲で、細部にまでこだわって丁寧に作られたまさに「作品」と呼ぶにふさわしい。
 
ロックバンド、シドのボーカルとして、歌謡曲テイストを盛り込んだ曲から疾走感のあるロックナンバー、情緒溢れるバラードまで多彩な楽曲を見事に歌い上げるシンガーとしてのマオの実力は既に折り紙つきだが、あえてバンド形態によらない形で今作をつくりあげたことで、彼自身のスキルも、ひいてはバンドの引き出しもさらに増え、今後に活かされることは間違いないはずだ。
 
今作は「初回A」「初回B」というWリードシングルとして、曲順、ジャケット、特典映像をそれぞれ変えてパッケージされている。同シングルリリースに先駆けて全国インストアツアーを開催するなど、従来のバンド活動とは一線を画した形体でのアプローチで、徹底して差別化されているのも特徴だ。
 
マオの歌を心待ちにしていたファンの方も、今作ではじめて彼の音楽に触れ、冒頭のように驚いた方も、聴けば聴くほどハマっていき、優しい気持ちになれる作品なのでぜひ心ゆくまで浸ってほしい。
 

 


 
◆リリース情報
マオfrom SID「月/星」
・2016年06月22日(水)発売
“月”盤【初回生産限定盤A(CD+DVD)】
KSCL-2731~2732 ¥1,500(税込)
※初回特典DVD 『月』Music Video
<収録曲>
M01. 月
M02. 星

“星”盤【初回生産限定盤B(CD+DVD)】
KSCL-2733~2734 ¥1,500(税込)
※初回特典DVD 密着オフショットムービー
M01. 星
M02. 月

【通常盤】KSCL- 2735 ¥1,000(税込)
M01. 月
M02. 星
M03. 月‐Instrumental‐
M04. 星‐Instrumental‐

 

 


 
◆マオ from SID オフィシャルサイト
http://www.maofromsid.com/
◆SID(シド)オフィシャルサイト
http://sid-web.info/pc_index.html
 


 
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