連載

メタルヘルス

QUIET RIOT 編
TEXT:桜坂秋太郎

メタルヘルスは月末寄りに実施しているのですが、台風が来るというので、慌てて取り掛かった私です。すっかり寒くなってきましたが、相変わらず適応力の弱い私は体調不良。何年、年十年生きても、季節の変わり目に対応できません。リタイア後は本当に南国移住を考えているのですが、それまでにやるべきこと、やらなければならないことを、消化したいと思います。今回の「disk union」指令は…QUIET RIOT!なんと、本企画のタイトルとなっている『Metal Health』の生みの親!しかもアルバムは『QRIII』 or 『Quiet Riot』ということで、悩んだあげく 『Quiet Riot』をチョイス!QUIET RIOTといえば、先月再始動のニュースが世界を流れました。

バンドの看板であるKevin DuBrow(Vocal)が、2007年にラスベガスで他界。その結果、活動停止となっていたQUIET RIOTですが、何と活動を再開したようです。現メンバーは、Frankie Banali(Drums)・Chuck Wright(Bass)・Alex Grossi(Guitar)、そしてMark Huff(Vocal)。公式サイトの一部引用ですが『The sample track featuring Cum On Feel The Noize, Metal Health/Bang Your Head and Slick Black Cadillac are new re-recorded versions with Mark Huff on vocals as a representation of QUIET RIOT now. They are not intended as replacements for the original versions. They will not be used for commercial exploitation.』ということで、新ヴォーカリストMark Huffの歌が早くも公式サイトで聴けます。

disk union 今月の一押しアルバム
 
ジャケット

QUIET RIOT「Quiet Riot」
01. Stay With Me Tonight 4:40
02. Callin’ The Shots 4:41
03. Run To You 4:43
04. I’m Fallin’ 4:18
05. King Of The Hill 4:24
06. The Joker 3:55
07. Lunar Obsession 1:44
08. Don’t Wanna Be Your Fool 5:03
09. Coppin’ A Feel 3:44
10. In A Rush 2:38
11. Empty Promises 4:25

【アルバム解説】
2010年9月22日発売!

L.A.メタルの世界制覇の原動力となったQUIET RIOT。ヴォーカルがPaul Shortinoに替わっての隠れた名盤「QUIET RIOT」のデジタル・リマスター再発盤。

ヒット・チャートを席巻し、大成功を収めた故に、歯にものを着せぬ言動で”Big Mouth”とも称されてしまったフロントマンKevin DuBrowが、バンド・メンバーにより追い出されて、新たにROUGH CUTTのPaul Shortinoが加入。Kevinとは違って哀愁のメロディを歌うのに長けたPaulの声が見事にハマッた楽曲が並ぶ隠れた名盤。QUIET RIOTらしさとかではなく純粋に哀愁のメロディが素晴らしい作品!88年発表作品。デジタル・リマスター再発盤。

【QUIET RIOT 公式サイト】
http://www.officialquietriot.com/


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【QUIET RIOT】実施中その1

ロック好きじゃない人でも、大ヒットしたQUIET RIOTの「Cum On Feel The Noize」は耳にしたことがあると思います。SLADEのオリジナル版よりも、QUIET RIOT版の方が、日本では有名です。今でもテレビやラジオの番組中でよく使われているナンバーです。あくの強い歌がウリのKevin DuBrow。彼が亡くなった頃、私もちょうどラスベガスに滞在していました。直接面識は無かったのですが、やはり亡くなられた時の空気を共有していたような妙な気分になったものです。

QUIET RIOTは1975年に結成してからというもの、実に波乱万丈。Randy Rhoads(Guitar)やRudy Sarzo(Bass)が、その後Ozzy Osbourneバンドへ。たび重なるメンバーチェンジを経て、天国と地獄を見てきたバンドですが、 1988年リリースの『Quiet Riot』と題されたこのアルバムは、唯一Kevin DuBrowではない歌が収められた作品!ソウルフルな持ち味が魅力のPaul Shortino(Vocal)が、Rough Cuttを辞めてQUIET RIOTに参加しています。

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【QUIET RIOT】実施中その2

世界を制した頃のWHITESNAKEを彷彿させる「Stay With Me Tonight」でスタート。渋くて色っぽい、文句無しのカッコいいナンバー。このアルバム『Quiet Riot』を作った時のメンバーは、Frankie BanaliSean McNabb(Bass)・Carlos Cavazo(Guitar)・Paul ShortinoCarlos Cavazoのギターが、かなり良い音を出してます。Paul Shortinoの歌とのコンビネーションもバッチリ。

Carlos Cavazo節が楽しめる「Callin The Shots」、そして静から動への「Run To You」。この手のパワーバラードは80年代後半を象徴するかのようなナンバー。サビのハーモニーがたまりません。パワーバラードはランニングに向いてます。続いてミディアムナンバー「I’m Fallin’」から「King Of The Hill」。全体的に、Paul Shortinoに合わせて楽曲を作ったのでしょう。ブルージーで素晴らしい歌唱を楽しめます。

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【QUIET RIOT】最後の一曲が終わりフィナーレ

「The Joker」の後はインストの「Lunar Obsession」。そしてこのアルバムで一番のお気に入り「Don’t Wanna Be Your Fool」。夜のドライブで聴きたいようなムードある極上のナンバーですが、残念ながら走っているのは爽やかな朝なので、シチュエーション的には少々アンマッチ。そしてPaul Shortinoの美味しい声質が生きる「Coppin’ A Feel」、さらにアルバム唯一のアップテンポナンバー「In A Rush」へ。もう少しこの手の高揚感、アップテンポなナンバーがあると、よりランニング向きになるかもしれません。

ラストナンバーは「Empty Promises」。ラストスパートというテンポではないものの、実にPaul ShortinoQUIET RIOTの象徴的なナンバー。ここまで聴いて思ったのは、Carlos Cavazoのギターが実に生き生きしていて気持ち良いこと。私感ではKevin DuBrowのイメージが強いQUIET RIOTとしてではなく、別のバンドとして聴いた方が好印象かもしれません。アルバム『Quiet Riot』の完成度はかなり高く、買って損の無い作品。あの時代になぜ商業的に成功しなかったのが不思議です。

結果的にKevin DuBrow時代のQUIET RIOTを越えられず、またKevin DuBrowが復帰するのですが、この辺はまさにダイエットにも似ています。食生活を変えよう!と試みるのですが、結果的に元の生活に戻っているような…。私も本誌別企画の「レコーディング魂」でなぜかメタルバンドをやることになったため、ダイエットを考えたのですが…。一度失敗(現在リバウンド状態)しているので、食生活による体重減に消極的。やはり体を動かすことで減量したいと思います。メタボロックな同士達よ! さぁ一緒にメタルヘルス!

ランナー【QUIET RIOTの効果】
実施前:体重67.5kg/体脂肪22%
実施後:体重66.8kg/体脂肪20%