連載

ママはロッカー マザー3 横浜市 Vicky

※この記事は取材した2010年のアーカイブです。最新情報ではありません。

TEXT & PHOTO:桜坂秋太郎

今回登場してくれるのは、ブルースバンドビッキーズを率いているVicky。横浜エリアのバンドマンで、知らない人はモグリ!といわれる女性ブルースアーティスト。Albert Kingスタイルで、フライングVを愛器にヴォーカル&ギターで音楽活動をしています。「ママはロッカー」に登場してもらうため、ライヴ会場となる音小屋(ねこや)へと車を走らせます。

この日の出演もビッキーズでのプレイ。まずは満員の会場で“激熱”といえるホットなショーを堪能。正直な話、思っていた×3くらいの演奏に感動しました。撮影のため目の前で指使いを観ましたが、タイム感というかタメ具合が絶妙で、このテイストが“ブルースの女王”と呼ばれるゆえんでしょうか。ブルースというのは、生が一番。ビッキーズの演奏は超が付くパワフルさもあって、仕事じゃなくてビール片手に音を楽しみたい!と心から思ってしまいます。

—ステージお疲れ様でした!ビッキーズの今のメンバーとは長いのですか?
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Vicky:いえビッキーズ自体は、今年できたバンドです。その前からブルースのバンドは長くやってます。以前はリーダーがいるバンドに在籍する感じだったのですが、ビッキーズは私がリーダーをやっています。あ、ベースの俊子さんとは前のバンドから一緒なので、結構長くやってますね。

—ではまず音楽にハマッたきっかけを教えてください。

Vicky:きっかけは洋楽好きの父親がいたことですね。The Beatlesを小さい頃から聴いて育ちました。そして小学校6年の時にクラシックギターを借りて弾いてみたら、ハマってしまいました(笑)その当時は「平凡」や「明星」といった雑誌の付録の歌本を見ながら弾いてました。中学校では文化祭にギターを持って行って、ピアノと合わせて弾いたりしてました。

—本格的にライヴ活動を始めたのはいつ頃ですか?

Vicky:高校2年ですね。それからずっとやってます。その時は先輩に誘われてバンドに参加しました。その先輩は横浜のミュージシャンの方をたくさん知ってて。色々なライヴハウスに出ましたね。あとヤマハのEastWest(コンテスト)にも出ました。それから米軍キャンプでやらせてもらったり。そんな活動をしているうちに、完全にハマっちゃいましたね。バンドにもギターにも。

—高2からずっとバンド活動を継続ですか?
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Vicky:子供が生まれた時期は抜けてますが、あとはずっと続けてますね(笑)子供ができるまでは、女性バンドをやってました。子供ができた後からは、男女混合バンドをやってます。

—最初からブルースバンドを?

Vicky:最初はロックをやってました。普通のロックバンドをやってましたね。ある時、基本に戻ってブルースを勉強してみましょう!と、バンドでブルースをやってみたんですが、それで今度はブルースにハマっちゃいました(笑)スタンダードなブルースも好きですが、特にAlbert Kingにドップリです。

—出産時期以外はバンドをやってるということですが、両立の秘訣を教えてください。
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Vicky:そうですね。子育てと主婦業、それから仕事とバンド活動。その4つをうまくできたのは、家族の理解でしょうね。音楽に対しては特に理解があって、バンド活動をしやすかったです。子供は両親が音楽をプレイするので、小さい頃から耳栓して連れていきましたし。

—今、お子さんはおいくつですか?

Vicky:息子は20歳です。大学3年。ドラムをやっていて、バンドを8つも掛け持ちしてるみたいです(笑)幼稚園の年少さんに入った頃から、バンドの練習やライヴの時にはいつも一緒にいました。でも小学校4年くらいまでかな。その後はゲームにハマって来なくなりましたね。

—親子で一緒にプレイもするんですか?

Vicky:まだ一度もないんですよ。いつかやりたいですね。高校3年から急に近所の子とグループを組み始めたんです。釣りが趣味だったのにドラムをやると言い出して(笑)家では音楽の話はするけど、楽器を教えてないです。やってるのは、今風の音楽みたいなので、いつかはブルースも叩いてねって話はしてます。

—バンド以外に何か興味ありますか?
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Vicky:バンドだけですね。音楽だけ。それがすべてです。やはり自分の置かれた環境に感謝してますし、環境に恵まれたのが本当に大きい。バンドを続けられる環境は幸せです。

—トレードマークのフライングVはいつからですか?

Vicky:結構前ですね。たまたま知人が持ってるやつを譲ってもらって。それからギターはずっとフライングVです。もう本当に体の一部ですね。V以外は考えられない。

—活動のベースは横浜ということですが、ホームグランドはありますか?

Vicky:ホームは横浜関内の7th Avenueです。7th Avenueとは付き合いが長いですね。昔から横浜エリアを中心に活動してますので、各所に出させてもらってます。今日は音小屋さんですね。もちろん声がかかれば渋谷とか都内でもやりますよ。

—今までの音楽人生で、印象に残っていることは?
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Vicky:Gibsonのブルースコンテストに出たことですね。7th AVENUEから推薦してもらって応募したのですが、全国から15人に選ばれました!本当に参加できてよかったと思います。

—今後の抱負などがあれば教えてください。

Vicky:今のビッキーズのメンバーはすごくよいので、このメンバーでずっとプレイできたら幸せですね。あとはイベントなども出たいので、あちこちから呼ばれるようなバンドになりたいです。この記事を読んだ方で、ブルースバンドの出演がほしい方は、ぜひビッキーズを呼んでください!(笑)

—女性のブルースアーティストは少ないですよね。

Vicky:ブルースって変に古臭いイメージを持っている人が結構居るんです。でもライヴを体験してもらえれば、古臭くないことがわかると思います。

—確かにその通りですね。今日の演奏を観てよくわかります。ドラムのパワーも半端じゃないですし(笑)
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Vicky:あの人はいつでもどこでも常に全開なので(笑)すごいパワーですよね。

—軟弱ロックドラマーが裸足で逃げ出すパワーでした。ところでバンド仲間は多い方ですか?

Vicky:多いですね。同じくらいの年齢のミュージシャンかな。またバンドをはじめたような人もいるし、仲間は多いですね。

—それでは最後に、ズバリVickyさんにとって音楽とは?

Vicky:私は出来る限りバンド活動をやっていきたいです。音楽を演奏しながら、歳をとっていくような感じが理想ですね。

92年にこの世を去ったAlbert Kingは、パワーブルースの雄として60年代後半から、多くのロックアーティストに影響を与えました。その代表的なアーティストは、CreamJimi Hendrixなど。90年にはブルース大好きなロックギタリストGary Mooreが、ブルースアルバムをAlbert Kingと一緒に制作しています。同じ90年にこの世を去ったStevie Ray Vaughanはブルースギタリストですが、世界中のロッカーからリスペクトされています。そのStevie Ray Vaughanも、Albert Kingに多大な影響を受けています。

元々ブルースから誕生したロックミュージックは、原点という意味でロックと密接な関係であることは間違いありません。そして今、リアルタイムに“ブルースの女王”と呼ばれるVicky率いるビッキーズのライヴを観ることができます。どちらかといえばロックバンドをやっている方に、ぜひ一度観てもらいたいと思います。Albert Kingがロックアーティストに影響を与えたように、Vickyが今度はアナタに影響を与えるかもしれません!

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◆Vicky Myspace
http://www.myspace.com/1004776725

◆ビッキーズ インフォメーション
2010年7月07日(水)【関 内】7th Avenue
2010年7月10日(土)【渋 谷】Terraplane
2010年7月25日(日)【町 田】WEST VOX
2010年7月30日(金)【関 内】7th Avenue
2010年7月31日(土)【町 田】A to Z (Vickyのみゲスト出演)
2010年8月05日(木)【関 内】7th Avenue
2010年9月05日(日)【石川町】音小屋
2010年9月12日(日)【二俣川】SOMEDAY

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◆取材協力:音小屋(ねこや)
http://id36.fm-p.jp/162/nekoafr/