連載

レーベル資料館 ~Rock Will Never Die~

第4回 Case Of “MCR COMPANY”
TEXT:桜坂秋太郎

連載4回目は、パンクロックの老舗レーベルであるMCR COMPANYをご紹介します。コンスタントに作品がリリースされているので、パンク好きには良く知られたレーベルです。今のパンクシーンで活躍している若手アーティストも、MCR COMPANYからリリースされた作品に強く影響を受けたことは間違いありません。なぜなら200タイトルを越える作品をリリースしてきた実績があります。1つのレーベルで、これだけリリースすることは凄いことです。京都の舞鶴を拠点とするMCR COMPANYの、その精力的な理由に迫りたいと思います。

弊誌ビーストの読者リクエストは、PUNK ROCKN’ROLLファンからの「BEEASTよ!もっとパンクを扱え!」という声が多く寄せられています。MCR COMPANYの弓削さんに、長年シーンを作ってきた側のコメントをいただいて、今後の参考にしたいと思います。インタビューの中に出てくる『MCR HISTORY』の本は、まさに日本のパンクシーンを象徴する内容となっていますので、興味のある方はリンクをクリック!ぜひ読んでみてください。

【MCR COMPANY】の代表者 弓削 “YUMIKES” 勝隆さんにお話を聞いてみました。

まず始めに【MCR COMPANY】の設立から現在までのプロフィールを教えてください。

弓削:MCR HISTORY』本にも書いたんですが、元々“MCR”というのは高校の時、めんたいロックが好きやゆう仲間内で、「ほんなら俺らは“舞鶴ちゃったロック/Maizuru Chatta Rockや」言うて幼稚に遊んどりまして、高校卒業後にその友人のバンドBLOOD(当時は別名)が東京へ行って、その延長線上でいきなり“MCR”ってレーベル名でEPレコードを出したんですよ。だから俺は“MCR” 第一弾のリリースに関してはホンマは何にもしとらんのです(笑) しかも「へぇー、レーベルっていうもんがあるんや」ってそのとき初めてレーベルってもんを知ったぐらい無知な男子でした。その後、自分のバンドFUCK GEEZのソノシートを出す時に、「じゃ、俺らも“MCR”からのリリースにして、品番を“MCR-002”にするわ」って。その作品が出た後に「MCR COMPANY」を正式に設立したという、何にもわかっていない若さと情熱だけがあった10代、1983年8月やったんですねぇ。

まさに設立秘話ですね。

弓削:最初は“MCR”をみんなで運営していたはずやったのに、二十歳過ぎた頃には俺一人になってましたね。40代の今から思うと、すぐに一人の時代に突入してたんですねぇ。1年なんてあっという間ですもんね。21世紀の今と違ってインターネットも携帯電話も、そしてインディーズって言葉も無い歌謡曲全盛の時代、昭和。とりあえずレコードは作ったけど、どうしたらええんかさっぱり分からへん。こんな田舎じゃ教えてくれる人もおらへんし…。誰に聞いたら良いんかもわからへん。とにかく雑誌『DOLL』に出てる広告のお店にドキドキしながら電話をかけて…。「置かせてもらえないでしょうか?」とお願いして…、最初はそんな感じでした。それからは自分のバンドだけではなく、有難いことに他府県や外国からも発売して欲しいとデモテープや手紙が来るようになったので、他のレーベルとは一味違うもんがしたいと思って、その当時はほとんどリリースされていなかった“ハードコア/パンク”のビデオ・シリーズや、地方色豊かな都市ハードコアシリーズ、お互いの国での知名度向上を目指した日本と海外のバンドとのスプリット作品などなどと広がりました。試行錯誤しながら今年で苦節27年?その続きはwebで・・・じゃなくて、『MCR HISTORY』本を買うて読んでください!

レーベルのカラーとして打ち出している特徴やセールスポイントを教えてください。

弓削:パンク一筋(※大きなくくりとしての)のレーベルとして、アンダーグラウンド系パンク・ハードコアシーンをサポートすべく奮闘しています。でも今回“BEEAST”に取り上げてもらえたように、たまには日の光も浴びたいですな。

旬なお薦めをピックアップして紹介してください。

弓削:こちらの作品の4点になります。

MCR COMPANYのお薦めはこちら!

GLOOM

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【アーティスト】GLOOM
【タイトル】RECOMENDATION OF PERDITION
【発売日】2010年06月15日(火)絶賛発売中
【定価】¥1,680(税込価格)

全ては彼等から始まった!!! 大阪は梅田、曾根崎警察署裏のライヴハウスGUILDにて今や伝説として語られるクラスト・オンリーのシリーズギグ「FINAL NOISE ATTACK」を主催、日本クラスト・シーンの起爆剤としていまだ国内のみならず世界的な影響力を誇るOSAKA CRASHER CRUSTIES 「GLOOM」の、代表作であり長らく廃盤/入手困難となっていた12インチアルバム“RECOMENDATION OF PERDITION”が遂に再発!!! オリジナルリリースはMCR COMPANYより1997年発表。いわゆる従来のハードコア、ノイズコア、そしてクラストコアの在り方を更に過激に、過剰に、極限にまで押し進めたこのドス黒い唯一無二の超暴力発狂音塊はノイズ・クラスティーのマスターピースとして語られるにとどまらず、当時本人達の思惑をよそに単なる「ハードコア」の枠組みを飛び超え他分野にまで圧倒的なインパクトを与えた事実も実に興味深い。あれから十数年、2010年の今、過去として語るにはあまりにも生々しい彼等の存在が人々に訴えかけるものとは Q: AND CRUSTIES? A: AND CRUSTIES!!! 表ジャケットデザインはそのままに、裏ジャケットを新装しての全9曲 from CRUST WAR!!!

 

NORMALS

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【アーティスト】NORMALS
【タイトル】ANA
【発売日】2010年05月21日(金)絶賛発売中
【定価】¥1,575(税込価格)

名古屋・今池の闇に夜な夜な蠢くパンク・モノノケ・アブノーマル!NORMALSから届けられた怪奇通信4trax!次元と次元の狭間、時間と空間の歪みの中、PUNKを超越した異空間で繰り広げられる常識的に非常識な奴らの怪しく楽しい晩餐会、貴方も覗いてみませんか?ハマれば快感、まさに病みつき倒錯ノーマルズワールドラリルレロ!あなどる事なかれ、キワモノ扱いされそうな変態キャラを完全に我が物とし、イメージと絶妙にマッチしたサイコでエロスでサイキックなストレンジ反復WAVY PUNKがあなたの街にも忍び寄る!エンハンスド仕様で禁断の夜行性NORMALSの秘密の姿を極秘スクープした映像も収録!

 

-REJECT-

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【アーティスト】-REJECT-
【タイトル】FIGHT FOR EXISTENCE
【発売日】2010年04月01日(木)絶賛発売中
【定価】¥1,575(税込価格)

NOISE OF MIND! 名古屋ハードコアパンクアタックREJECT、POGO 77からの1st 7″EPに続くシングルCD! 若手として語られるが、その80’s初期UKハードコアパンクを基盤にしたスタイルを変化させる事なく、10年に渡り地に足つけたブレの無い活動を続けてきた彼等! 地元にて自主企画も定期的に行い、各地にも精力的に足を運び、更に2010年4月には、SKIZOPHRENIA(津山)、FOLKEIIS(名古屋)、INTRUDERSと共に、ツアー「THE ACTION!!」を慣行、それにあわせての4 WAY 7″EPリリース等、時は来たりとばかりに、反逆の狼煙を上げる怒れる世代! 先述した様に、UK80’s、RIOT CITYやNO FUTURE RECORDS等を彷彿とさせる、やり場の無い若きフラストレーションを、燃え滾る衝動が爆発するFAST, LOUDそしてRAWな暴走ハードコアパンクに乗せて解き放ち、所構わずぶちまける、フルエナジー、フルスロットルのハードコアパンクが脳天を直撃する! このはちきれんばかりに暴れまわる問答無用ピュアな怒りのエナジーが炸裂する攻撃力の塊の如くトンガった激しい爆音を前にして、UK 80’s, Crust, Street punk等と言ったカテゴライズ等、もはや意味を成さない。騒乱の中、飛び跳ね暴れまわり、明日無きこの世界をゆさぶりにかかれ!THIS IS VOICE OF ANGRY PUNK!

 

RAW NOISE

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【アーティスト】RAW NOISE
【タイトル】SYSTEM NEVER
【発売日】2010年03月15日(月)絶賛発売中
【定価】¥2,100(税込価格)

UK KING OF CRUST CORE IS BACK! 2009年、SLANGとのJAPAN TOURでの再来日を期に、魔境「ハードコアパンク」の世界へと完全復活を果たしたENTの名物フロントマン、DEAN率いるRAW NOISE! 2009年夏、MCRからリリースされた久々の新作シングル7″EPに続いての待望の新作2ndフルアルバム! ハードコアパンクを取り戻したENTよりも、更にストレートに猪突猛進するブルドーザーブルタルクラスティHCを推し進めた様な、基本的には1990年リリースのUKクラストコア名作である1stシングルと一切変わりの無い、激烈猛烈ヘビークラストコア絨緞爆撃でゴリゴリに攻めて攻めて攻めまくる、怒涛の野獣クラストコアでこれでもかと押しまくり、ENT~DOOM~EXCREMENT OF WAR等、80年代後期~90年代初頭をリアルタイムで体験した人々にあのUKHC再燃焼を再び想起させるかの強烈作!全12曲入り!



今後のリリース作品や、アーティスト情報、また公募などあれば教えてください。

弓削:2010年9月以降のリリース予定は以下の通りです。
・2010年9月10日:EXTINCTION OF MANKIND / DISGUST “POWER CORRUPTS”※来日決定情報はこちらから
・2010年9月20日:V.A./NAGOYA CITY HARDCORE 5bands
・2010年10月以降:DEATH DEALLERS、九狼吽、THE VICKERS、MAD GILOTINS、etc

弓削さんが思う、レーベルを通じた「ロックシーン」への熱いコメントをお願いします!

弓削:そりゃ、やっぱり【退屈なこの街をパンク・ロックで埋め尽くせ!!!】ですよ(笑) 20年以上も思い続けていますからねぇ。まぁ、こんなに長く続けられると思っていなかったけど、俺が10代だった頃に比べると、今ではいたるところに“ロック”が溢れていますよね。今の子供達は赤ん坊の頃から自然に、子守唄のように“ロック”が流れる家庭で育ち、レベル(※反逆)・ミュージックだったはずの“ロック”は、いつのまにか市民権を得ることができました。でもその反面、使い捨ての商品のように扱われていることがとても残念です。そんなありふれた“ロック”が散乱する世の中になっても、俺はパンク/ハードコアこそが“ロック”の王道だと思っているし、そんな気持ちを持って頑張っている奴やバンドが世界中にはまだまだいると信じています。

logo
◆レーベル インフォメーション
MCR COMPANY
http://www.dance.ne.jp/~mcr/

◆アーティスト インフォメーション
NORMALS
http://www.myspace.com/hipnormals
-REJECT-
http://www.myspace.com/reject1982
RAW NOISE
http://www.myspace.com/rawnoiseofficial

◆ビースト推薦文

弓削氏の言葉【退屈なこの街をパンク・ロックで埋め尽くせ!!!】この一言に含まれるエネルギーが、まさにMCR COMPANYの原動力だろう。80年代から定期的に作品をリリースし、今なおそのパワーを継続している。何事も継続が力となることな間違いない。MCR COMPANYがパンクシーンに残した功績はもちろん大きい。しかしこれからのパンクシーンを作っていく上でも、MCR COMPANYの役割は大きなものとなるはずだ。不良の音楽だったロックは新しい局面をむかえている。生まれた頃からロックが溢れている時代に育ったアーティストには、MCR COMPANYのエネルギーは強力な薬となるかもしれない!


 
 
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